妖精王としてカレコレの世界に転生した もう一つのカレコレ屋 作:ikkun
sideカゲチヨ
今日の依頼人は三人の男子大学生だった・・・
「実は俺達心霊的な出来事に巻き込まれてるんです・・・・」
「実はリゾートバイトをしてて巻き込まれたんだけどそこでヒサメちゃんたちと知り合ってカレコレ屋やってるって聞いたから相談に・・・」
「もうどうしたらいいかわからなくて・・・」
依頼人の三人はげっそりとしていた・・・
「嘘・・・!」
「話を聞かせてもらえますか?」
フィーアも話を聞く。
「はい、僕たちは金稼ぎと出会いもかねてバイトに向かったんです・・・」
まぁ、男子ならだれでも夢見るよな・・・
「旅館の人様子はどうだったんだ?」
シディが聞く。
「女将さんは恰幅も気立ても良い人で底抜けに明るかったです・・・旦那さんも優しい人だったけど子供はいないみたいだった・・・」
「そうなのか?」
「うん・・・私たちと話してた時女将さんは息子さんを水難事故で亡くしたって言ってた・・・」
俺の質問にヒサが答える。
「けど旅館の二階は立ち入り禁止って言われたんだ・・・」
「うん、アーシたちも注意されたよね。」
カンナも依頼人の説明を補足する。
「それだけなら何も思わなかったんだけど昼と晩に女将さんが食事をそこに運んでるんだ・・・五分後には食事は全部なくなってて食べるにしても早すぎだってことで俺たちは二階に行ってみたんだ・・・」
「絶対ヤバい奴だよ・・・」
ヒサが怯える・・・
「あぁ・・・俺たちも後悔したよ・・・二階は薄暗くて埃っぽかったんだけど砂利も落ちてたんだけど一番気になったのは下水と生ごみの混じったような匂いに吐き気がした・・・」
「それで見つけたんだよ・・・大量の食事があってそれが腐ってるからなのか虫がたかっててドロドロしてて・・・そしてそこのドアには大量のお札が貼られてたんだ・・・その時は本能で後悔したけど遅かった・・・ドアの向こうで何かをひっかく音がしたんだ・・・しかも複数の・・・しかも一瞬でその音は俺たちの上に移動して人間の呼吸音まで聞こえてきた・・・その瞬間意識が途切れたんだ・・・」
「なるほど・・・」
ヒサやフィーアが青ざめる中カンナは真剣に聞く・・・
「動けるようになったら俺たちは必死に逃げたんだ・・・しかも俺たちは意識が途切れてる間にあの腐った食事を食べてて膝には人間の爪がついてたんだ・・・あの砂利は爪で食事は女将が運んだもので間違いないと思った俺たちはバイトを辞めたんだ・・・
無責任だと女将さんに怒られたけど俺たちに明るく喝を入れたあの人があの異常行為をしてるようには思えなかったけど・・・」
「でも帰ってからも異常は起きてたんすよね。」
俺は三人にそう言う。
「はい・・・最初は何かがついてきてる気配があっただけだったんすけど時間が経つと意識が途切れるようになって知らない場所にいたんです・・・しかも途切れて間は幼児退行したような行動を取っていたって・・・」
「お祓いしても効果が無くてそれでカレコレ屋に・・・」
なるほどね・・・
「私たちの方では何も起きませんでしたね・・・」
「二階に行った三人だけに起きた現象ってことだよね・・・」
フィーアとヒサが言う。
「怪談で同じ話は聞いたことあるな・・・」
「そうだな、俺も聞いたことがある。」
俺もカンナもスマホで調べて見つけた情報を見ながら言う。
「人間の爪と食事を媒介として生きている人間に亡くなった人間の魂を憑依させる呪いがあるって。」
「つまり食事を用意したのが女将さんなら誰かを他人の憑依させたかったことになる。
そしてアーシたちが知ってるなかで女将さんに親しい人でなくなった人間は一人・・・」
「そんな・・・あの女将さんが息子を憑依させるために・・・」
「良い人そうだったのに・・・」
後のことは流石にお祓いは専門外なので旅館のある地域の住職を紹介して三人に向かわせた・・・
sideヒサメ
依頼人たちを見送った後・・・
「意外だったなヒサメ、ああいう心霊系の依頼を受けるなんて。」
シディが言う。
「あぁ・・・女将さんが気になって・・・明るくていい人だったんだけど目に見覚えがあったから・・・」
「どういうことですか?」
フィーアちゃんが聞くので返そうとすると・・・
「俺も気になってたんだよなー。どうして三人に憑依の症状が出てるのか。」
「うん、成功率を上げるにしても凶悪な霊だったらリスキーすぎる・・・もしかして最初から三人分の霊が目的だとしたら・・・カゲチヨ、一緒に息子さんの事件について調べよう!」
そんな・・・三人が危ない!
sideカンナ
「海行くぞ!おらー!」
「ちゃんとしろよー!」
「やめてよー!二人とも!」
「・・・大丈夫!助けてあげるから!」
「ひいいい!」
バキン!
「がっ!?」
二人に包丁を振り上げる女将さんをヒサメちゃんが凍結で拘束する。
「危なかった・・・!」
「アーシとしたことが・・・推理を途中でほっぽり出すなんてまだまだだね・・・」
三人は警察に連絡してもらってるからアーシたちで止めないとね!
「ああ・・・!」
「本当に女将さんが・・・」
どうやら憑依も収まったみたい・・・
「残りの二人は無理やり沖に連れて行って事故を引き起こした友人二人ってことですよね・・・今の現象から考えて。」
アーシは女将さんに推理を話す。
「そうよ・・・あの子は私の宝物だったの・・・奪った悪魔を殺したいと思うのは当然でしょ!」
「死んでる奴をさらに殺す・・・?」
「憑依してても別人じゃないか・・・」
依頼人の言う通りだよ・・・
「アンタの憎悪は理解できるよ。アーシたちの仲間にもそういう目をした奴がいるし。でも手段が間違ってるんだよ!あなたは!」
「女将さん!もう!」
「うるさい!私にはもうそれしかないのおおおお!」
アーシたちの女将さんの胸にあったお札が反応した!
「憎い・・・憎い・・・子供はどこ・・・?」
「な、なんだよあれ!」
「女将さんが骸骨に・・・!」
「動いてるよぉ!?」
依頼人三人も驚いてる!
「三人とも早く寺の中に!アーシたちで倒すから!」
「「「はい!!」」」
三人がお寺の中に駆け込んだのを見送った後アーシたちは骸骨と対峙していた。
「何かに囚われてるとは思ってたけどね・・・」
「もう倒すしかないんだよね・・・」
ヒサメちゃんが言う。
「うん、ああいうのは人間に戻れないのが相場だからね!」
そう言ってアーシたちは電撃と炎の竜巻で骸骨を包み込む!
「ああああ・・・!」
骨自体に硬度は無く電撃と炎の熱で徐々に焼かれヒビ割れていく!
「憎いいいいい!!」
骨で作られた剣の一振り一振りに憎悪が秘められている・・・
「これで決めるよ!」
「うん!」
アーシが水球で拘束するのと同時にヒサメちゃんは冷気を出して骸骨を完全に凍らせてた!そして・・・
パリーン・・・
骸骨はガラスのように砕け散った・・・
「終わったね・・・」
「うん・・・・」
こうしてアーシたちはやりきれない思いの中討伐を終えるのだった・・・
sideヒサメ
私たちは警察の事情聴取を終えた後二人で帰っていた。
「三人は祓ってもらえたんだよね。」
「うん、異変も帰ってから起きてないみたいだからね。」
私たちは依頼人たちの無事をひとまず喜ぶ。
「ヒサメちゃんが依頼受けたのはやっぱりおかみさんの目がアイツに似てたから?」
「うん・・・助けたかったんだけどやっぱり駄目だった・・・」
私は落ち込んでしまう・・・私カゲの役に立ってるかな・・・
「大丈夫だよ!居場所があれば救われることもあるからゆっくりその目を和らげて行こうよ!」
「そうだね・・・」
女将さんの目を思い出しながら私はそう決心するのでした・・・