妖精王としてカレコレの世界に転生した もう一つのカレコレ屋 作:ikkun
今回はヒサメとフィーア中心にしました。
sideヒサメ
今日の依頼人はチャラチャラした男のひとだった。
「ES,エントリーシートを書いてほしいんすよ。」
ガムを噛みながら言ってるので態度が悪そうにみえるがお客さまだ。しっかり対応しないと
「えっと、それはかくお手伝いをしてほしいといういらいですか?」
私は確認したが、
「いや、あんたらが書いてって言ってんの。ちなみに盛り盛りでおなしゃーす!」
「盛り盛り?」
若者言葉に疎いシディがきく。
「嘘でもなんでもいいから良く書いてってこと。金出すからさ!」
「それはさすがに・・・」
私は断ろうとしたが、
「いいっすよ。ただし嘘がバレたときの責任は負いかねますが。」
「大丈夫、大丈夫俺地頭だけはいいから!!」
「どういうつもりですか。」
「そうだよ!ほんとにやるの!?」
私は困惑して、不正が許せないフィーアちゃんは嫌悪感全開でいう。
「いいじゃん、別にエントリーシート盛るくらいのことみんなやってんだし。」
「シディとカンナちゃんもなんか言ってよ!」
「・・・いいんじゃないか。」
「そうだね、責任も自分で負うみたいだし。」
「ええー!?」
こうして嘘ありまくりのエントリーシート書きが始まった。
sideフィーア
全く、手伝いならともかくなんで全部書かなくちゃいけないんですか・・・
それになんで嘘を許せなさそうなシディさんやカンナちゃんまで・・・
そんな思いを抱えながらもES書きのためカゲチヨが依頼人と相談する。
「とりあえず100枚出したいから!」
いきなり爆弾発言をしてきた。
「100も行きたい会社があるのか!?」
「すごいですね!」
シディさんとカンナちゃんがいうがそんなわけないですよ・・・
「あるわけないじゃん数打ちあたるだよ。」
依頼人はいうが全弾外れないといいのですが。ていうか面接百個もうけるとかスケジュール調整大丈夫なんですか・・・聞いても地頭いいからで答えられるからきかないですけど。
「じゃあ、志望動機はそこの会社のホームページに載ってる社訓に沿った内容でいいですか?」
「おー!それで頼む!」
「ふふふっ、やーと俺が活躍できる依頼が来た!!」
「どこにアイデンティティをかんじてんだ!」
ヒサメちゃんが突っ込むがたしかにこういう口八丁や話を大げさにするのはカゲチヨが
適任なきがする。役に立つのはこういうクズな依頼でしかあまり役に立たないのが
玉に瑕ですが。
sideヒサメ
私たちが嫌悪感を感じてもES書きは続く。
「あと定番で書かされることとして大学時代頑張ったことが挙げられますね。」
「ギャンブルと酒、あと女漁り。」
最も書いちゃいけない三点セットだった。しかしカゲは華麗に変換する。
「なるほど!バイトでは常に効率的に働き、テニスサークルでは大会に優勝、
さらに社交的な会にもよく参加していたと!!」
「ん?二人の日本語嚙み合ってなくないか?」
ピュアなシディが不思議がっているので、
「クズ語で会話してるからね。」
「そうそう!しっかり噛み合ってるよ!」
教えてあげたらカンナちゃんもそう答えた。
私とフィーアちゃんが不機嫌になっていくのをよそに二人の嘘は止まらない。
「あと海外旅行と金がなくなったら日払いのバイトしてたわ。」
海外旅行はともかく日払いバイトは弱いでしょ・・・しかし
「海外留学の経験があり、インターンにも挑戦してたんですね。」
まさにカゲの本領が発揮されてると感じた。
「学歴と資格もよくできないかな?」
「あ~それやるとバレますね。」
ホントこういうバレそうなラインをこえないクズは質が悪い。
「でも、アリの巣検定五級とかならいけるかもしれないですね!」
「どこでやくにたつの!?」
「虫を駆除する会社とか?」
カンナちゃんが答えるが随分限定的になりそうだ。
最後にカゲは面接の注意点をはなした。
「辻褄合わせ徹底的にお願いします。」
そしたらまた地頭自慢や大学の講義も効率的にとれたことも自慢してきたので、
「やってる人のノート借りてるからでしょ。」
「自慢することですか。」
フィーアちゃんとつぶやいた。
「なんかいった?」
「「いえ、なにも」」
「二人が不機嫌になってるぞ。」
「真面目ちゃんズだからな~」
二人が話していたが無視した。
それから数日がたった。
sideフィーア
「いやー、やっぱ俺って持ってるよね~」
「大手テレビ局の入社おめでとうございます。」
なんと依頼人はキー局という大手の入社がきまりました。
どうしてあのできすぎたESを疑わないか納得いきません。
「地頭とコミュ力があるからな~いやー内定取ってから大学のスターになって女もすげー
寄ってきてさ!っつかクラスのがり勉とかめちゃ落ちてて笑えるわ~」
きっとクラスのがり勉はノートを貸した恩を仇で返されたと思ってるんでしょうね。
「頭の良さはそんな一言では片付けられないか?」
シディさんが的確なことをいった。
「知識、思考方法、思考の数それを一言で切り捨てるのは浅はかじゃないのか。」
「アーシもそうおもうな~人にはそれぞれ得意分野や頑張りの方向や種類も違うから
その人の好さもちがうわけだし。」
「俺もそうおもいますね~それとも生まれつき頭がいいと思わないとなんもないくらいの
人生しか歩んでこなかったんですか?」
カンナちゃんやカゲチヨも的確に指摘する。
「は、はぁ?俺は大手テレビ局だぞ!帰るわ!」
依頼人はさっさとかえってしまいました。
「あんなのが成功するなんておかしいよ!!」
ヒサメちゃんが怒るが三人の一言で気づいた。
「ヒサメちゃん、あの人はまだ働いていません。それで成功か失敗かなんてわからないと
おもいます。」
「あ・・・」
ヒサメちゃんも気づいたらしい、
「それに嘘をついているのは就活生だけじゃねーしな。」
カゲチヨがどこか観測者じみた目でそういった。
そう、ブラック企業などはホームページから嘘をついてることが多いし会社の仕事のレベルについてこれるかもわからない。
あの人はどうなることやら。
side依頼人
会社に就職してから数か月たったが、資料に書いてなかったり説明会で聞いてないほどの
上司の厳しさや職場のブラックさに心が折れかけていた。
しかも上司はESで書いたことを覚えていてそれに見合った仕事を渡してくるため早くも
うそをついたことに後悔していた。あぁ、あのとき身の丈にあったESを書いていれば・・・
そんなことをおもいながら俺は辞表を自分で書くことを決意するのだった。
次はシディの就活も書きたいです。