妖精王としてカレコレの世界に転生した もう一つのカレコレ屋 作:ikkun
sideカゲチヨ
俺たちはオーナーに呼ばれて店に来ていた・・・
「何でもオーナーの知り合いがカナダ土産を渡してくれるみたいですよ?」
ヨ―メイが言う。
「ってことはメープルシロップとかでしょうか!?」
フィーアちゃんが目をキラキラさせながら言う。
「ここで集合のはずなんだが・・・」
「その知り合い来てないね?」
シディとカンナちゃんが言った次の瞬間!
「お前たち!逃げてくれ!」
オーナーの声が聞こえて
「うがああああ!」
男がいきなりナイフを持って襲い掛かってきた!
「お前たちの肉を食わせろ!」
こいつ・・・!
「仕方ない!制圧するぞ!」
「うん!」
「どりゃっ!」
「ごめんなさい!」
「ふんっ!」
俺たち五人はそれぞれ血液操作、電撃、炎、蹴り、拳で制圧したのだが・・・
「きゃっ!」
男を吹っ飛ばした先にヨ―メイがいたのだ!
「ヨ―メイちゃん!?」
「大丈夫か!?」
ヒサとシディが呼びかけるが反応がねぇ!病院に行かねえと!
「肉を食らえ・・・」
sideヨ―メイ
「ここは病院ですか・・・?」
「ごめん!ヨ―メイちゃん!いきなりだったから周りが見れてなくて・・・」
起きたらヒサメさんに謝られました・・・
「仕方ないですよ・・・あの男明らかに異常でしたし・・・」
そういえばあの男は・・・?
「あの男は精神科に入れたぞ。」
オーナーがそう答えてくれました。オーナーは医者の診断結果を聞きに行ってしまいました・・・
「にしても何だったんだあの様子は・・・」
カゲチヨさんも不思議がってますね・・・
「・・・もしかしてだけどウェンディコに憑りつかれてたんじゃない?」
カンナさんがそう言いました。
「同胞に・・・なれ・・・」
うっ!?何ですか・・・
sideフィーア
「何ですか?そのウェンディコって?」
私は聞きます。
「アメリカ北部やカナダ周辺に住んでいた先住民の間で伝わる精霊のことだよ。」
カンナちゃんは答えてくれます。
「どんな特徴なんだ?」
シディさんも聞きます。
「身長は5メートルほどで全身が氷でできていたり毛むくじゃらの類人猿だったりもするみたい。」
「んだよ。RPGみたいな女精霊じゃないんだな。」
「カゲ、不潔。」
「うっ!?」
カンナちゃんの言った特徴にカゲチヨが愚痴りヒサメちゃんが白い眼を向けます。
「まぁ、最大の特徴は人間に憑りついてその精神を操って自分と同じ人肉を食らう魔物に変えることなんだよ!」
何で目をキラキラさせて言うんですか・・・
「恐ろしすぎでしょ!」
ヒサメちゃんが恐怖の顔で言う。
「あの人もカナダにいる間に憑りつかれていたのだろうか・・・」
シディさんも怪しんでますね。
「そもそもどんなことをすれば憑りつかれるんですか。」
私はカンナちゃんに質問します。
「人肉を食べること、直接見ること、夢に見ることのどれかで憑りつかれるらしいよ。」
「ってことはあの人は人肉を・・・!?」
「いや、残りの二つだろ・・・」
ヒサメちゃん・・・カゲチヨの言う通りビビりすぎでしょ・・・
「一度憑りつかれると気配だけ相手に悟らせ姿は一切見せず相手が不気味さに耐えられなくなるまで耳元で囁き続けるらしいよ。」
「怖すぎだろ・・・直す方法はないのかよ!?」
カゲチヨが言います。
「現時点ではないね・・・うつ状態になって普通の食事ができなくなって操られれると自覚して殺人や自殺のことを考えて最終的には衝動的に殺して肉を食らってしまうの。」
「壮絶ですね・・・」
私は戦慄しながら聞きました。
「もしかしたらウェンディコは異宙の生物にもいるかもしれないってずっと思ってたんだよね!会ってみたいな~!」
ある意味一番憑りつかせたらいけない人ですね・・・
そう思っていると・・・
「悪いがそれは無いな。」
「はい、検査の結果が出ました。」
オーナーと如月さんが現れた。
「如月さん!?」
「何でここに?」
ヨ―メイとヒサメちゃんが聞きます。
「たまたま精神科にいたので検査を頼まれたんです~。」
「そういえば東大出身って言ってたな・・・」
カゲチヨが苦笑いで答える。
「それでどういうことなんだ?」
シディが言う。
「あの男はウェンディコ症候群でした。」
如月さんの病名は聞いたことがない病気でした。
「インディアンたちがかかっていた病気で栄養失調から精神に異常をきたしてしまい人の肉を食らいたい衝動に駆られる病気なんです。」
如月さんが説明します。
「カナダは冬の間はずっと寒いからな獲物がとれず農業も厳しかった、だから幻覚を見てしまい弱ったり死んでしまった住民を食べていたみたいだな。」
「カニバリズムですか・・・えぐいですね・・・」
ヨ―メイもオーナーの説明に顔を顰めます。
「それに栄養失調の他にも心的外傷がきっかけで見せた幻覚という原因がありますからね。」
如月さんが詳しく説明してくれます。
「あの男も旅行中のスケジュールがハードすぎただけみたいだからな。お前たちの攻撃による怪我の方が痛いくらいに元気になってたな。」
オーナー・・・悪いとは思いますけどそれでああなるってカンナちゃんと同レベルでヤバいじゃないですか・・・
「なぁ~んだ。異宙のロマンがあると思ったのに・・・」
「そんなロマンない方が良いよ!?」
カンナちゃんが残念がるのをヒサメちゃんがとがめます。
「つまりウェンディコは言い伝えってことかよ・・・」
カゲチヨはほっとした顔で言いました。
「あとは私と如月に任せてお前たちは帰っていいぞ。」
「はい、ヨ―メイちゃんも体に異常はないみたいなので今日退院できますよ。」
オーナーと如月さんの言うことに従って私たちは帰ることにしました。
「うぅうう・・・」
?ヨ―メイちゃん。どうしたんでしょうか、青ざめた顔になって。
sideヨ―メイ
私は皆さんと一緒に夜の道を歩いていました・・・
「殺せ・・・肉を食らえ・・・食らいつくせ・・・」
ああああああ!?何なんですか・・・この声は・・・!本当に生きている生物の気配がします・・・本当にいたんですか!?
「そいつらを食らえ・・・」
何故かカゲチヨさんには相談できませんでした・・・
もう・・・意識が…
「くらわせろおおおお!」
「何だ!?」
カゲチヨが叫ぶけど関係ない!食らいつくす!
「まさか、あの男は本当に憑かれてて今度はヨ―メイちゃんに!?」
「くっ!すまない!ヨ―メイ!」
ドカっ!
「うっ・・・」
私はシディさんに腹を殴られて気を失いました・・・
sideカゲチヨ
俺たちはどうにかするため妖精王の森に来ていた・・・・
「まさか野良のウェンディコがこんな悪さをするとはな・・・」
クリスが侵入者用にウェンディコを森に住まわせてたのには驚いたけどな・・・
「お父さん、なんとかできる?」
ヒサがクリスに聞く。
「あぁ、対処方はばっちりだ。まずはカゲチヨ、血でこの魔方陣を描いてくれ。」
俺はクリスが書いた魔方陣を血液操作でヨ―メイが眠っている下に書いた。
「そして俺が呪文を唱える・・・」
クリスが何語かわからない呪文を詠唱する。
「そしてヒサメが電磁力の結界を出して。」
「うん・・・」
ヒサが電気と磁気の結界でヨ―メイの周りを覆う。
「そして何か心や体に衝撃を与えればウェンディコは誰にも憑りつかずに離れて行くよ。」
衝撃か・・・
「だったら私が垂直落下式DDTでもくらわせましょうか?」
「フィーアちゃん・・・それだとまた気を失っちゃうよ・・・」
体の衝撃じゃなくて心の衝撃の方が良いだろ・・・
「ならさ、シディ!ちょっと来て。」
「?俺にできることならやるぞ。」
嫌な予感が・・・そうしてシディとカンナが話を終えると・・・
「ヨ―メイ、起きてくれ。」
ちゅっ・・・」
なんとシディがヨ―メイの手にキスをしたのだ!
「あああああ!?」
フィーアは当然悲鳴を上げるが・・・
「うっひゃあああ!?」
ヨ―メイが凄い悲鳴を上げて起き上がった!その瞬間
「うおおおおぉ!?」
ウェンディコがはじき出されてどこかに行ってしまった・・・
「よし!これで完璧だね!」
カンナ・・・それは良いんだが…
「ヨ―メイ・・・覚悟はできてますね・・・?」
「今回は私悪くないじゃないですか!?」
あの喧嘩はどうするんだよ!
「?カンナがやればすぐに戻ると言われたが何でフィーアが怒ってるんだ?」
シディ・・・鈍感すぎる・・・
「ウェンディコ・・・ある意味一番恐ろしいものを置いていったね・・・」
ヒサの言う通り女の嫉妬は怖いぜ・・・