妖精王としてカレコレの世界に転生した もう一つのカレコレ屋 作:ikkun
sideヒサメ
「何者だ!貴様!」
嘉兵衛が聞く。
「あー・・・俺は子守り狼です。」
それにこたえるのは駆け付けたカゲだった・・・
「勘七郎!」
「カゲチヨ!」
お房さんとフィーアちゃんが驚きの声をあげる。
「なんかめんどくさいことになってるな・・・どういうことだヒサ?三十字以内に簡潔に述べてくれない?」
カゲ・・・
「だったらカゲもなんでここに?三十字以内で述べてよ。」
「無理だ。」
でしょ?
「お前わざわざ敵の狙いを背負ってくることないだろ!?」
ゼクス君が言う。
「助けに来たのにひどくね?それに何でここにいるの?妖精王の指示か?」
カゲとゼクス君が喧嘩しそうになるけど・・・
「カゲチヨ、その老人の狙いはその赤ん坊だ。自分の孫を宿したその子を足蹴にしておいて息子が死んだとたん子供を奪って跡取りにしようとする男なんだ・・・」
シディが事情を話した。
「おいおい・・・せっかく子供返しに来たのに無駄足みたいだな。」
カゲが呟く。
「無駄足ではない。それは私の孫だ、橋田屋の大事な跡取りだ。こちらに渡しなさい。」
嘉兵衛が図々しくもこちらに渡してくるように言ってくる・・・!
「俺としてはおめーから解放されるならジジイでも母ちゃんでもいいんだが・・・」
「なふっ。」
「そうかそうか・・・」
カゲはお房さんに勘七郎くんを渡した。
「ワリ―爺さん、ジジイのしわしわの肌よりも母ちゃんの少しかさついた肌の方が良いみたいっすね。」
「やめてもらえません!その失礼な表現!!」
カゲ・・・カッコいいのになんか台無しだよ・・・
「逃げ切れるとでも思ったいるのか?こちらにはまだとっておきの手ごまがいるのだぞ。」
その瞬間シャッターが切れてあのサングラスの男が来た!
「盲目の身でありながら居合を駆使し一撃必殺で仕留める達人・・・その名も岡田似蔵。人斬り似蔵と恐れられる男だ。」
嘉兵衛が自慢げに話す。
「やぁ、またきっと会えると思っていたよ。」
「お前・・・あの時の。目が見えなかったのかよ。」
カゲはあってたみたい・・・
「今度は両手が空いてるようだねぇ、これで心おきなくやり合えるな・・・」
「似蔵!勘七郎の所在さえわかればこっちのものだ!叩き切ってしまえ!」
嘉兵衛が指示を出した!カゲは血液の刀を出す。
「カゲチヨ!居合の達人に間合いを詰めさせちゃいけません!」
フィーアちゃんがアドバイスする。その瞬間!
ふっ!ブシュっ!
「ちっ!」
カゲはすれ違い様に肩を切られていた!
そして・・・
「勘七郎が!!」
「赤ん坊はしっかり抱いておかないとねぇ?お母さん。」
しまった!勘七郎君も取られちゃった!?
「くくく・・・流石は似蔵恐るべき早業・・・あとはゆっくり見物かな?」
ぽたぽた・・・
「悪いねぇ・・・旦那俺もあの男相手じゃそんなに余裕がない・・・ガキつれてさっさと逃げてくれ・・・」
似蔵も額から血を流していた・・・カゲもあの一瞬で一撃入れてたんだ!
「皆・・・お前らはガキ追ってくれ・・・」
カゲ・・・
「わかった!」
「絶対に来いよ・・・」
「カゲチヨなら大丈夫さ、ゼクス。」
「負けたら特訓十倍メニューですからね。」
「フィーアちゃんそれカゲチヨ生きてるってことだから勝つって信じてるってことじゃん!」
私たちはカゲにそう言って嘉兵衛を追った。
sideカゲチヨ
「いいのかねぇ、リーダーが果たせない約束なんてするもんじゃないよ。」
「心配ないっすよ。俺はデート前なら三十分待っても余裕で暇つぶしして全然待ってないよって正直に言える男っすから。」
「面白いねぇ・・・吸血鬼とは言え俺居合で倒れなかった奴は久しぶりだよ・・・でも吸血鬼でもその重傷は数日くらい必要なはずなんだが・・・オタク訳アリかい?」
鋭いじゃねぇか・・・
「俺は若いころに目を病でやられたが真剣の切り合いはより深く早く一太刀目を叩き込んだ方が勝負を制する。居合は俺にとっておあつらえの技だし失った目の代わりに全身の器官が耳や鼻や肌も目の様に周りの物を感じ取れるようになったのさ。」
やれやれ大層な目玉だな・・・
「アンタの魂の色まで見えちまいそうだなぁ・・・」
「俺も眼力には優れてるから見えるぞ・・・テメェの魂はうんこみてーな色だってことがな。お前は何も見えちゃいないんだよ・・・!」
「試してみるかぃ。」
「来いよ。」
side似蔵
俺はまた奴を居合で叩き切った・・・腕が落ち、心臓を貫かれ、奴が倒れる様まで見えるぜ・・・
「ちと早すぎたか・・・見えてないのはアンタだったね。」
「どうした?俺の死ぬ幻覚でも見たのか?」
!!?何故奴が・・・!俺は素早く刀を抜いたが・・・
「刀身が・・・!!」
まさか最初の一撃で!
「抜き身も見せない居合が仇になったな・・・だから言っただろ見えてないって!」
ズガンっ!
次の瞬間俺は奴の一撃を叩き込まれ気絶し拘束されたのだった・・・
sideフィーア
こうして喜兵衛を追い詰めました!
「く、くるな!」
「もうやめてください・・・貫太郎さまもおっしゃっていました・・・・」
ーそこには花や祭壇が沢山あって綺麗な女の人の写真が飾ってあるんだよ。そして親父が言うんだー
「飯も私が作るし、おしめも・・・勝手はわからんがなんとかするさ。だから安心していくといい。」
それって・・・
「こんなことで貫太郎様や奥様が喜ぶとでも?」
「・・・・貫太郎は生まれたときから病弱だったが妻は人より短い人生ならその倍は笑って生きられるようにしてあげればいいと・・・セミのように鳴いて生きていけばいいと言った・・・だが私は利口にはなれなかった。だから医者を腐るほど雇って息子を育てた。どんな形でもいい。生きていて欲しかった。結局皆失くした・・・約束を一つも・・・」
その時でした!
「もふっ。」
勘七郎君・・・
「全部はなくしてないみたいだな。」
シディさんの言う通りですね。
「今度来るときは橋田屋の主人ではなくて孫想いのおじいちゃんとして来てください。」
母は強しですねぇ・・・
sideカゲチヨ
「それじゃあ私たちはこれで、本当にお世話になりました。御恩は一生忘れません。」
「俺たちもテロリストを叩き出せたし気にしないでください。」
ゼクスの言う通りだな・・・
そして俺は・・・・
「どうだ?カンナ特製のミルク、俺はコーラだが上手いだろ?」
「げふっ、なふっ。」
「足りないって・・・もっと人生経験積んで初めて酒は上手いんだぜ?だから一杯泣いて笑って過ごせよ。」
俺は一人公園を立ち去った・・・
「・・・・うわーん!」
「なんか初めて勘七郎君が泣くとこ見た・・・」
「突然どうしたの?」
「おかしいわね・・・この子滅多に泣くことなんてないのに・・・」
ヒサとカンナ、お母さんの声がセミの声で聞こえにくい・・・
「セミも元気に鳴いてるなぁ・・・」
俺は木を見ながらつぶやくのだった・・・