妖精王としてカレコレの世界に転生した もう一つのカレコレ屋   作:ikkun

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さっちゃんの怖い話

sideカゲチヨ

俺たちはカレコレ屋で依頼を待っていたのだがシディが買い出しから帰ってきた。

 

「皆聞きたいことがあるんだが・・・」

 

「どうしたんですか?」

 

フィーアが聞く。

 

「実はメロディは知ってて歌えるんだがタイトルが思い出せないことはないか?」

 

「ああ、あるよね。そういうこと。」

 

ヒサの言う通り俺も動画でそういうことあるな。

 

「実はその状態なんだ・・・街で歩いてた時に聞いたの歌のタイトルが思い出せなくて困ってるんだ。」

 

「なら歌ってみたらどうだ?俺達ならわかるかもしれないぜ。」

 

俺が促す。

 

「ではいくぞ。さっちゃんはね。」

 

「「「「さっちゃんだよ!?」」」」

 

俺たちはいっせいに答える!

 

「うぬ?そうなのか?てっきりもっと複雑な名前かと思ってしまった・・・」

 

「童謡のタイトルをひねることはないと思うけど・・・」

 

ヒサの言う通りだな・・・

 

「確か本名はさちこだよね?」

 

「ちっちゃいから自分のことさっちゃんって呼んでるんですよね?」

 

カンナとフィーアの言う通りだけど改めて聞くと変な奴だよな・・・

 

「確かそれが一番の歌詞だな。二番になるとバナナを残してしまうんだよな。体が小さくてもバナナは食べられそうなものだが・・・」

 

シディ・・・そこは突っ込まないで置こうぜ・・・

 

「三番が悲しい歌詞だよね・・・さっちゃんが遠くに行っちゃう話だったよね・・・小さいから僕のことも忘れてしまうって歌詞だよね・・・」

 

ヒサが涙ぐみながら言う。

 

「俺も子供のころの初恋って感じがして好きだな。」

 

「ヒビキさんとはそんな感じだったの?」

 

カンナが聞いてくる。

 

「いや、アイツは悪戯好きで人前でナイフ出すヤバい奴だったからな・・・」

 

さっちゃんのような感じとは無縁だな・・・

 

「だが、俺の聞いた歌詞は違う歌詞だったな・・・」

 

シディが言う。

 

「ってことはさっちゃんの四番の歌詞かもね・・・?」

 

カンナが怖いほほ笑みを浮かべて言う。

 

「何だそれ?」

 

俺は聞く。

 

sideフィーア

 

「あ、それなら私が歌いますからよく聞いてくださいね。」

 

「「「「えっ・・・・」」」」

 

「さっちゃんはね、線路で足を無くしたよ。だからお前の足を貰いに行くんだよ。今夜だよさっちゃん。」

 

私は華麗に歌い上げました。

 

「全然頭に入ってこなかった・・・」

 

「相変わらず下手だね・・・」

 

カゲチヨ、ヒサメちゃん何か言った?

 

「うぬ、俺が聞いたのはその歌だな、」

 

シディさんが言う。

 

「これは実際に起きた事故がもとになってて寒い地域で起きた事故なんだけどさちこって女の子が踏切を渡ってたら線路のくぼみに足を取られ転んでしまって電車の車輪は彼女の体を切り裂いて上半身と下半身を真っ二つにしちゃったんだって。」

 

「ひっ!?」

 

カンナちゃんの説明にヒサメちゃんはビビる。

 

「その日はとても寒くて傷口は瞬時に凍り付きそのおかげで生きてたみたい。絶命するまで自分の下半身を求めてたんだって・・・」

 

「恐ろしすぎますよ・・・」

 

私が呟く。

 

「そもそもつながりなさすぎないか?」

 

「いや、そんなことないんだよ。二番ではバナナを半分しか食べられないけど体が半分になってしまったからなんだよ。それに三番は死んでしまったことをさしてるんだよ。」

 

カゲチヨの問いにカンナちゃんが答えていく。

 

「そしてシディ、この歌を聞いた人の元にその夜さっちゃんが足を奪いに来るんだよ。」

 

あれ?

 

「すみません…私も歌ってしまいました・・・」

 

「どうしよう!カンナちゃん!何か対策ないの?」

 

私は青ざめ、ヒサメちゃんはカンナちゃんに詰め寄る。

 

「任せて!シディが子供たちと遊ぶように置いてた画用紙と油性ペンで・・・」

 

カンナちゃんはそれにバナナの絵を描いた。

 

「これでみんなで一夜を明かせば大丈夫だよ。」

 

「マジかよ・・・」

 

カゲチヨが言うけど信じるしかないですよね・・・

 

sideヒサメ

私たちが寝ていると・・・

 

「はあ・・・はあ・・・」

 

なんか声が・・・私が目を開けると・・・

 

「足よこせ・・・」

 

きゃああああ!そこにはさっちゃんがいたの!!

 

「どうしたんだよ・・・ヒサ・・・ってうわ!」

 

カゲたちも起き始めた・・・

私たちは身構えるけど・・・

 

「あ・・・バナナ・・・」

 

さっちゃんは動きを止めた・・・

 

「うっ・・・うっ・・・」

 

さっちゃんはなぜか泣き始めた・・・

 

「何で泣いているんだ?」

 

度胸があって困ってる人を見過ごせないシディが近づいて話しかける・・・

 

「うう・・・バナナを見ると・・・生きてた時のことを思い出すの・・・」

 

「なんか化け物っぽくなくなったね・・・」

 

「バナナの形を見ることで理性を取り戻すみたいですね。」

 

カンナちゃんとフィーアちゃんの言う通りかも・・・

 

「ってことはもっと思い出せば正気に戻るんじゃねーか?」

 

カゲの言う通りだね・・・

 

「何故バナナで思い出すんだ?」

 

シディが優しく問いかける。

 

「幼稚園に好きな男の子がいたの・・・その子にアタシの大好物のバナナを食べて欲しくて・・・でも恥ずかしくて半分残して食べきれないっていってあげたの・・・」

 

さっちゃんの歌詞と同じだ・・・!

 

「甘酸っぱい初恋だね~!」

 

「ヒサメちゃんなら我慢できなくて食べちゃうそうですけどね。」

 

二人ともうるさい!

 

「ってことは好きな奴は歌詞に出てくる僕かよ!?」

 

カゲも衝撃を受ける。

 

「死にたくないって気持ちで・・・頭の中がいっぱいになって・・・足をよこせってなっちゃうけど・・・あの子のことを思いだすとできないよ・・・」

 

「元は事故で死んだから人に恨みはなくて死にたくないって気持ちで人を襲ってたんだよ。」

 

こんなのあんまりだよ・・・

 

「ならいい考えがあるぜ?」

 

カゲ?

 

sideカゲチヨ

 

俺たちはYOUTUBEでさっちゃんの歌詞の五番を作りさっちゃんの初恋の気持ちを伝えた。

 

「まさかカゲチヨが恋の話に協力してくれるとはな。」

 

「確かにいつもリア充が~!とか言ってるのに。」

 

シディ、フィーア・・・俺だって初恋の辛さくらいわかってるぜ・・・?

 

「でもいい歌詞だよね。」

 

ヒサの言う通りこれでさっちゃんの気持ちを理解してくれる人が増えたらいいな・・・

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