妖精王としてカレコレの世界に転生した もう一つのカレコレ屋   作:ikkun

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実写映画撮影!

sideカゲチヨ

今日の依頼人は映画会社の人だった。

 

「これは皆さまにとってビックチャンスなんですよ!」

 

「ビックチャンス?」

 

シディが首を傾げる。

 

「今回、カレコレ屋の皆様には映画の監督・脚本をやって頂きたいんです!」

 

「俺たちが映画監督?」

 

「全然経験ないんだけど・・・」

 

俺とヒサはやったことのないことに困惑する。

 

「そもそも俺は映画をほとんど見たことがないぞ。」

 

シディはそうだよな・・・

 

「それでもなんとか皆様にはやって頂きたいんです!」

 

「どんな映画なのか聞かせてもらえませんか?」

 

カンナが依頼人に質問する。

 

「はい!とある漫画の実写化です!」

 

あー・・・漫画の実写化かー・・・

 

「さえない表情ですね。何か問題があるんですか?」

 

フィーアが俺に聞いてくる。

 

「いや、漫画の実写化って叩かれる傾向が多いんだ。」

 

「叩かれる?」

 

シディも首を傾げる。俺はクズだから問題点ばっか見つけちまうんだよな・・・

 

「もともとのファンがいるからそのファンの期待に応えられないと叩かれるんだよ。」

 

「まぁ、クオリティも問題になってくるしね・・・」

 

カンナの言う通りだ・・・気が重いぜ・・・

 

「しかし!これはビックチャンスですよ!映画監督、しかも有名作品ですよ!役者も豪華!」

 

でも・・・

 

「監督全員断ったんだろ?人気漫画の実写化で叩かれるのが怖くてプロが全員断ったからそこで俺らにお鉢が回ってきたんだよ。」

 

「カレコレ屋は厄介なことが多いから自然と予想つくよね・・・・」

 

カンナの言う通り悲しいぜ・・・

 

「作者が頑固か、ファンが過激ってところだな。」

 

「後者の方です・・・漫画家先生は良い方なのですがファンが過激でして…漫画家さんもそこまで乗り気じゃないですし・・・」

 

「ならどうして作るんだ?」

 

シディから当然の疑問が出る。

 

「それでも!私たちはお客様に素晴らしい映画を届けたくて・・・」

 

「そりゃ儲かるしな。人気漫画の実写化はファンが多くて期待値は低くても取りあえず見てくれる層がいる原作使用料も安いからな。」

 

「つまりある程度利益が出るけどローリスクってことだね。」

 

ヒサ正解だ!

 

「うっ・・・うう!しょうがないじゃないですか!僕だってやりたくないですよ!会社は社員やその家族を守るために利益を上げないといけないんですよぉ!」

 

「泣いたよこの人・・・」

 

呆れるカンナの思うことはわかる。見る人にとってはそんなの知らないんだよ。

 

「金出して酷いものを見せられて怒るのは当然の感情じゃ?」

 

「カゲチヨ、依頼は断るのか?」

 

フィーアとシディが俺に指示を仰ぐ。

 

「そうだな。俺たちがそんな役回りすることはねぇよ。」

 

俺は話を切り上げようとしたが・・・

 

「待ってください!今回の話は凄い話であの人気少女漫画「異宙の彼へ」なんですよ!!」

 

「いや、人気だとリスクが高いって話で・・・」

 

「え?待ってください・・・あのイチュカレですか?」

 

ヒサ?知ってるのか?

 

「そうです!女子中高生の間で人気のアニメ化もしたイチュカレです。」

 

「すごい!私大好きなんです!全巻持ってます。」

 

「読者でしたか!そちらのお二人は呼んでないんですか?」

 

「アーシ漫画は血しぶきの舞う歴史漫画とかデスゲーム系とかホラー系しか読んでないかな?」

 

「スポーツマンガでも恋愛シーンは出てくるので問題ないです。」

 

カンナ・・・フィーア・・・お前ら好きな人いるのにそれでいいのか・・・

 

結局ヒサが乗り気になったので俺たちは依頼を受けることになった・・・

 

sideカンナ

 

「それでその漫画はどんな話なんだ?」

 

シディがストーリーを聞く。

 

「イチュカレは異宙人と人間の恋の物語なんだよ!!異宙人の王子さまはわけあって地球の高校に転校してきてね!人間の女子校生と惹かれ合っていく・・・そんなとき王子をめぐって戦争とかが起きてそこにヒロインが思いを伝えに行くんだけどそのシーンが最高なの!」

 

ヒサメちゃん・・・メチャクチャ丁寧な説明だね・・・

 

「説明ありがとうございます。脚本から作っていきましょうか・・・」

 

依頼人の言う通りだね・・・

 

「漫画の通りにすればいいんだろ?」

 

カゲチヨが言うけど・・・

 

「いえ・・・問題が山積みでして・・・」

 

やっぱり・・・

 

「今回王子を演じる役者がアイドルグループなんです。」

 

まぁ、最近はアイドルも役者になることがベタになってきてるしね・・・

 

「アイドルを使うならグループ全員を出してくれと事務所が行ってきまして・・・」

 

「何人くらいですか?」

 

「49人です。」

 

「そんなにキャラ出てこないですよ!?」

 

フィーアちゃんの質問に依頼人が答えその人数の多さにヒサメちゃんは驚愕する。

 

「しかも名前がある役とのことで・・・」

 

「我儘すぎない・・・?」

 

アーシは頭を抱える。

 

「取りあえずオリジナルキャラ増やしまくるか・・・」

 

カゲチヨの言う通りだね。

 

「さらに今回ヒロインは人気若手女優の方に頼んでいるのですが・・・」

 

「セリフ増やせって言ってるとか?」

 

カゲチヨが聞くけど・・・

 

「いえスケジュールの調整が合わなかったから三日で終わらせてくれって・・・」

 

「映画の尺は何分なんだ?」

 

「二時間です・・・」

 

シディの疑問に依頼人が答えたけど・・・

 

「終わらないでしょ・・・」

 

「何でそんな奴選んだんだよ・・・」

 

カゲチヨも呆れる。

 

「上が彼女なら売れるだろうと・・・」

 

「どうやって撮れって言うの・・・?」

 

ヒサメちゃんの言う通り厄介ごとしかない・・・

 

「ヒロインの出番を極端に減らすしかねぇよ・・・」

 

「ヒロインなのに・・・?」

 

「あぁ・・・」

 

カゲチヨの案にアーシは気分を落とす・・・

 

「そしてスポンサーなんですが・・・ヒロインが文化祭でドレスを着るシーンがありますよね?」

 

「あのシーン大好きです!」

 

ヒサメちゃんがまたキラキラ顔に・・・

 

「あのシーン和服に変えて欲しいんです。スポンサーに和服の着付け学校がありまして・・・」

 

「なんでドレス服関連のスポンサーに頼まなかったんですか・・・」

 

フィーアちゃんの言う通りだよ・・・

 

「それからクライマックスの戦争のシーンなんですが・・・なしにしてください。」

 

「ええっ!?一番大切なシーンなのに!?」

 

ヒサメちゃんの言う通りそこで告白するんだよね・・・?

 

「予算の都合上・・・」

 

「なんでそこで予算を切らすんですか・・・」

 

フィーアちゃん・・・全くだよ。

 

「公園での告白だと嬉しいらしいです・・・」

 

「落差がヒデぇ!?」

 

カゲチヨの悲鳴がカレコレ屋に響いた・・・

 

sideフィーア

 

「期限はどのくらいなんですか?」

 

私は依頼人に聞きます。

 

「カツカツな上に映画館押さえてるので・・・」

 

「これだけ制約あって急かすのかよ!?」

 

カゲチヨも驚きます。

 

「夏休みじゃないと売り上げ伸びませんしね・・・」

 

「これだけ制約があって面白いものなんて・・・」

 

ヒサメちゃんは曇った顔をします。

 

「良いんですよ。ファンはそれでも見に来てしまいますから・・・」

 

やれやれですね・・・

 

「さっきからおかしくないか?」

 

シディさん?

 

「俺には難しいことはわからぬがさっきから話してるのは面白い映画を作ることじゃなく映画を完成させることだ。ベストを尽くしてない、色々な事象はあるが楽しみにしている人のために頑張るべきだ。」

 

「そうですね。オリジナル感を満載にしてやればいいんじゃないですか?」

 

「シディ・・・フィーアちゃん・・・私も面白くしたい!」

 

ヒサメちゃん・・・

 

「俺もいっちょやるか。」

 

カゲチヨ・・・

 

「まぁ、駄作よりは名作の方が嬉しいよね~!」

 

カンナちゃん!

 

「わかりました・・・期限は交渉しましょう!」

 

ついに依頼人の心も動かし見直した案で撮影をスタートさせました!

 

sideヒサメ

 

結局原作とはかけ離れて上映して叩く人と面白さを誉めてくれる人もいた・・・

 

「うーん・・・賛否両論か・・・これで良かったのかな?」

 

「ヒサメが良いと思うならそれでいいんじゃないか?」

 

「創作は産みの苦しみあってこそっていうしね!」

 

シディ・・・カンナちゃん・・・

 

「あれ?そう言えばカゲとフィーアちゃんは?」

 

「ボティスと一緒に映画見に行ったよ?」

 

何だかんだ言っても気になるよね・・・良かった!

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