妖精王としてカレコレの世界に転生した もう一つのカレコレ屋 作:ikkun
sideカゲチヨ
俺たちはオーナーからの依頼でリサイクルショップの倉庫の整理をしていた・・・
「思ったよりすごい状態だったね・・・」
ヒサの言う通りシディとヨ―メイは用事でいないのに大丈夫かよ・・・
「でもバイト代を貰った以上はある程度はこなさないとだめですよ。」
フィーアの言う通りだけど・・・
「すくな!?」
封筒を開けてみたら結構少なかった・・・
「ねぇねぇ!これ見て!なんかボタンがあったよ!」
カンナが部屋の中からボタンを見つけた・・・
「んだ?これ。」
俺はボタンを見ていう。
「説明書があったよ。このボタンを押すと誰でも一瞬で100万円を手に入れることが出来ます。ただしボタンを押した瞬間その人間は何もないところで五億年すごすことになります。空間では老化や飢餓など一切の生理現象は起こらず眠ることもできずに過ごすことになる・・・だって。」
「そして記憶を消されて元の世界に戻ります。なんか胡散臭いボタンですね。」
ヒサとフィーアが言うがこれ凄い美味しい話なんじゃねーか!?
「記憶がないってことは押してすぐ100万ってことじゃん!」
「眠ることが出来ないんだよ?かなりの苦痛だよ。」
カンナは言うけど試すくらいいいじゃん!
「バカなことしてないで早く片付けて、さっさとやらないと今日中に終わらないよ?」
ヒサがそう言って梯子に上ったとき・・・
「きゃ!?」
ヒサが体勢を崩した!?
「「「危ない!」」」
俺たちは受け止めたのだが・・・
「「「「あ・・・・」」」」
俺たちはボタンを押してしまっていた・・・
そうして気づいたときには・・・
何もない空間にいた・・・
「ホントにここで五億年過ごすのか・・・」
俺が呆けていると・・・
「そのようですね。よろしくお願いします。カゲチヨさん。」
その声・・・
「アーシのこと覚えてますか?カゲチヨさん。」
やっぱりフィサナかよ!?
「あぁ・・・覚えてるぜ・・・」
「良かった!じゃあ早速この空間を見て回りましょうか。」
フィサナはヒサの電気の龍の力で飛び上がった!
「本当に何もないですね・・・」
「あぁ、なんか抱えられて情けねーけど…」
「そんなことないですよ。カッコいいですよ!」
そうか・・・へへ。
「じゃあまずはここを歩いてみませんか?アーシカゲチヨさんとゆっくり散歩がしたいんです・・・」
「わ、わかった・・・」
こうして俺たちは何もない異空間をひたすら歩いた・・・最初は突然現れたフィサナにドキドキしっぱなしだったが・・・
「カゲチヨさん・・・手を繋いでも良いですか?」
「ひゃ、ひゃい!?」
「ふふふ・・・照れすぎじゃないですか?」
フィサナがアプローチしてきたり
「じゃんけんぽい!」
「くそ!また負けた!じゃんけん強すぎだろ!」
「手の動きを読めば大体わかります。」
じゃんけんを何日もしたり・・・
「よーいドン!」
「もうゴール地点についてるじゃねーか・・・」
「へへへ・・・でも疲れないのは良いと思いませんか?」
「あぁ、運動は嫌いだったけど疲れないなら何度でも苦手なことにチャレンジできるからここ数年でなんか早くなった気がするな・・・」
「じゃあ次はバク中とかマスターするのはどう?付き合いますよ?」
「おお!良いな!」
苦手な運動をフィサナに数年くらい教わって完全にマスターしちまった・・・
そうして数百年たったころ・・・
「う、嘘だろ!?この五億年ボタンを時給で計算したら0.0000002円なんだよ!?」
「500年でようやく一年ですか・・・でも私はこうしてカゲチヨさんと過ごせる時間はもっと価値があるんですけどね。」
「・・・」
そうだった…フィサナは五億年たったら元に戻ってそして俺も記憶を失うからこれは誰も覚えていない・・・そう考えるとこの瞬間を存分に楽しまないといけない気がしてきた・・・
「なぁ、俺の思い出とか聞いてくれるか?もちろん嫌なら聞き流してもいいけど・・・」
「良いんですか?聞きたいです。」
そうして俺は思い出をフィサナに話した思い出せるだけのことを全部フィサナに話した・・・
「これが俺の思い出かな・・・」
「カゲチヨさんの妹さん・・・きっと可愛いんでしょうね。それにヒビキさんやシロウさんにも会ってみたいです。」
あぁ、きっと会えるようになるさ・・・そうして俺たちは会話したり遊んだりして沢山の時間を過ごしてついに・・・
「光が・・・」
五億年経ってしまった・・・
「もうですか・・・早いですね。」
「俺は・・・お前がいてくれたから狂うことは無かったんだ・・・俺だけだったら・・・」
自然と涙が出ていた・・・五億年も文句を言わずに一緒にいてくれたのだ。感謝してもしきれない・・・
「最後にいいですか?」
ちゅっ・・・
フィサナは俺の頬にキスをした・・・
「また会う日まで元気でいてください。」
そう言った瞬間俺たちは光に包まれた・・・
sideカンナ
そうしてボタンを押すだけで100万円が出て来た・・・
「スゲー!ほんと押すだけで100万円が出てきた!」
「でもなんだか怖いから元の場所にしまっておこう。」
「それに勝手に使ったのバレたら怒られそうですしね。」
ヒサメちゃんとフィーアちゃんの言う通りですよ・・・
「いやいや、こんな美味しい話を一回で辞めるバカが・・・」
あれ?
「カゲチヨなんで泣いてるの?」
「あ・・・ホントだ・・・ボタンを押そうとしたら涙が・・・」
空間の中で何かあったのかな?
結局カゲチヨはボタンを押さなかったんだよね・・・