妖精王としてカレコレの世界に転生した もう一つのカレコレ屋 作:ikkun
sideカゲチヨ
俺がカレコレ屋に行ってみると・・・
シディ「うむ、やはり面白いな。」
シディが漫画を読んでいた。
カゲチヨ「シディが漫画を読んでるなんて珍しいな。」
シディ「うむ、子供たちに勧められてな。」
俺たちがそう話していると・・・
カンナ「そうだ!カレコレ屋をもっと人気にする方法を思い付いたよ!」
カンナ?どういうことだ?
フィーア「つまり少年漫画の法則を取り入れるってことですか?」
カンナ「その通り、とある少年雑誌では友情・努力・勝利がスローガンになってるの!この法則を守った漫画は必ずヒットしてるの!アーシたちもこの法則を取り入れればトッププレデターの情報はおろか海賊の皇帝の居場所だってわかるくらいの存在になれるよ!」
ヒサメ「まぁ、確かにそれくらいの存在になれば苦労しないんだろうけど・・・」
そんなうまくいくのか・・・?
sideフィーア
というわけで私たちは公園に来たんですけど・・・
フィーア「何ですか?この格好?」
そう、ヒサメちゃんは卓球、カゲチヨは野球、シディはバスケ、私はサッカー、カンナちゃんはテニスのユニフォームを着ていました・・・
カンナ「友情・努力・勝利で定番はスポ根漫画!けどどのスポーツがアーシたちに似合うか分からなかったから全部まとめれば解決と思って。」
ヒサメ「そういう折衷案が一番ダメでしょ!?」
カゲチヨ「流石に無理があるんじゃねぇか・・・?」
シディ「だが皆で体を動かすのは楽しいからな!頑張る姿もきっと皆が見てくれるぞ!」
まぁ、シディさんの言う通りですし一通りやってみましょう。
カンナ「というわけでまずは筋トレ行くよー!1234・・・」
そうやって筋トレを始めようとしたのですが・・・
「うわあぁ!?」
見知らぬ少年が突然回転しながら木に激突しました!
カゲチヨ「大丈夫かよ!」
私たちは心配して駆け寄ります。
ヒサメ「一体何してたの?」
少年「木にトイプーの写真を張って近づく練習をしていたのですが・・・5メートル以上近づくとどうにも三回転ひねりが停まらなくて・・・」
フィーア「何ですかその修業・・・」
カンナ「待ってフィーアちゃん、この人テニスのユニフォームを着てる。見知らぬ人を助けるのも少年漫画みたいだし手伝おう!」
シディ「そうだな。俺たちは何でも屋だからな。」
そうして私たちは少年から悩みを聞くことにしました。
少年(東織 重)「僕は東織 重(ひがしこり しげる)と言います。テニス部でキャプテンをしているんですけど去年の関東大会の決勝でライバル校と当たったんですがその時僕の元にトイプ―がコートに乱入してきてそいつがいきなり凶暴な顔をしてビビってしまい三回転ひねりでコートから出てしまったんです・・・」
確かに犬がいきなり威嚇して来たらビビりますよね・・・
東織「そしてあまりの恐ろしさにボールもトイプ―に見えてしまい棄権・・・全国に恥をさらしてしまったんです!」
ヒサメ「それは悔しいね・・・」
東織「それ以来ろくにコートに立てないどころか着ることすらできないんです・・・」
カゲチヨ「そっちのコートもダメなのかよ!」
カンナ「任せてよ!修業はアーシたちがつけてあげる!」
フィーア「マジですか・・・」
こうして東織さんとの修業が始まりました。
sideヒサメ
というわけで特訓を始めるんだけど・・・
東織「何でトイレットペーパーなんですか?」
そう、カンナちゃんが手に持っていたのはトイレットペーパーだった・・・
カンナ「いきなりトイプ―はハードルが高いでしょ?だから動かなくてかつトイプ―に似た物・・・トイペーで慣れるってこと!」
カゲチヨ「んな略し方初めて聞いたぞ!?」
まぁ、でもこれなら・・・
東織「わかりました・・・うぅ・・・うわぁああ!?」
東織くんはまた三回転ひねりをしてしまった!
東織「ダメだ・・・意識するとトイプーに見えてしまう・・・」
重傷だねこれ・・・
フィーア「全くしょうがないですね・・・コツを教えます。まずは目を閉じて弱い己とそして得体の知れない恐怖と向き合うんです。そして明鏡止水の心で気持ちを落ち着て真実を見たとき今まで不可能だったことをなせるはずです。」
フィーアちゃん・・・
東織「わかりました・・・まず目を瞑る・・・そして弱い自分と向き合う・・・そしてカンナさんが持っているのはトイレットペーパー・・・襲ってこないしむしろ俺達の生活を助けてくれる・・・俺は触れるぞ!」
そうしてトイレットを重君は掴んだ!
ヒサメ「凄いよ!掴めたね!」
東織「やった!できた!」
カンナ「いいよ!その調子!次は遠いところから来たプー太郎・・・遠いぷーでチャレンジだよ!」
こうして私やフィーアちゃんとシディの体力増強やカゲとカンナちゃんからテニスの戦略の特訓を受けた重君はみるみる成長していき・・・
カンナ「凄いよ・・・ついにトイプ―を触れるようになってるよ!」
弱点を克服したの!
フィーア「この数日であなたは心も体も強くなりました。今ならいけそうですね。」
カゲチヨ「明日の試合頑張れよ!」
東織「はい!」
sideカゲチヨ
そうして俺たちはテニスの大会に来たのだが・・・
ライバル校「またお会いできるとは思いませんでしたよ・・・」
相手チームはプードルコーディネートにしていた・・・
シディ「卑怯な奴らだが今の重なら大丈夫だ。」
シディの言う通り今の東織なら大丈夫だ。そのときだった!
観客「あぁ!トイプ―が乱入してきたぞ!」
ヒサメ「これもライバル校奴らが・・・」
ヒサが言うが大丈夫だ・・・
東織「うぅ・・・!そうだ・・・思い出せ・・・目を瞑って己を見つめ心を落ち着かせる・・・はぁぁ!」
東織はちゃんとトイプ―を捕獲して職員に預けさせた!
カンナ「よっしゃー!相手の妨害にも負けずに状況を打ち砕いた!これぞ少年漫画だよ!」
そうして東織が見せたのは怒涛の点数稼ぎだった!
東織「コートを蛇のように張り付いてみて・・・そして打つ!」
俺が教えた戦略で点数を取り・・・
ライバル校「バカな・・・スマッシュのパワーが段違いだ・・・」
三人の特訓の成果を発揮し見事勝利を収めた!
そうして東織は見事トロフィーを勝ち取った!
東織「ありがとうございます・・・皆さんのおかげで勝てました・・・」
カンナ「ホントはアーシたちが主役になるつもりだったのに結局いつも通りの展開になっちゃったね?」
カゲチヨ「まぁ、これがカレコレ屋なんだしいいんじゃねーの?」
ヒサメ「無理に変える必要はないってことだね。」
フィーア「やっぱりこの笑顔が見れるのは最高ですね・・・」
シディ「うむ!これからも頑張ろう!」
原点回帰が出来た俺達なのであった・・・