妖精王としてカレコレの世界に転生した もう一つのカレコレ屋   作:ikkun

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アンケート載せたので解答よかったらお願いします。


ネットカフェの迷惑客

sideヒサメ

 

今日の依頼人はネットカフェの経営をしている人だった。

 

「実は先週バイトの子が五人やめてしまって・・・」

 

「なるほど、新しいバイトが見つかるまで私たちが入るということでいいですか?」

 

私が聞くと

 

「ネカフェならよく行ってるからバイトも余裕だぜ。」

 

カゲがまた舐めたことをいう。

 

「ネットカフェ・・・とはなんだ?」

 

シディが質問する。

 

「ネットカフェってのはネットにつながってるパソコンを使えるカフェのことだ。

料金は時間制でガッツリ使いたい人向けのパック料金もあるぜ。」

 

カゲが詳しく説明する。

まぁカゲは宿題をやったりするためじゃなくてゲームや漫画をだらだら見るだけだろうけど・・・

 

「まぁ、食事やシャワーもあるし快適だよね!」

 

「私も一度行ってみたいと思ってました。」

 

カンナちゃんもフィーアちゃんも乗り気のようだった。

 

「じゃあ明日からお願いします。」

 

sideカゲチヨ

 

というわけで翌日集合場所のネットカフェに来た。

 

「思ってたよりずっと綺麗!」

 

ヒサが驚いていた。

 

「最近は女性の利用客も多いし清潔感は大事にしてます。」

 

「たしかに少女漫画とかもありますしね。」

 

フィーアも男女どちらのニーズにもこたえているのに感心していた。

俺はふとレジの下を見るとそこにはバイト募集の紙が貼られていた。

 

「どうしたんだ?カゲチヨ?」

 

シディが聞いてきたので

 

「ああ・・給料も待遇も悪くないのに店もいい感じなのにバイトが一斉に辞めたのって

なにか理由があるんじゃないかって。」

 

「なるほどな・・・」

 

すると依頼人が

 

「実はうちの常連客にものすっごい迷惑客がいるんです。そいつのせいでバイトを雇っても皆やめてしまって・・・噂もたっているのか最近ではバイトの応募も全然来なくて・・・」

 

「なるほど・・だからなんでも屋に依頼をしたんですね・・・」

 

フィーアが言うと

 

「はい・・・」

 

依頼人も疲れた声で答える、ほんとに参ってるのだろう。

 

「まぁ、ネットカフェに迷惑客は盗難とか犯罪とかするから多いですよね。」

 

カンナも同情する。

 

「いっそ犯罪なら突き出せるんですけどそこまでじゃないのでかえって困ってるんですよ・・・」

 

中途半端な奴ほど厄介ってことか・・・

 

「それならその迷惑客もなんとかしないと・・・

 

ヒサも店のために頑張ろうとする。

 

こうして波乱の予感を帯びながら依頼が始まった。

 

sideカンナ

 

ネットカフェの業務は受付がありシステム説明と退店するときに滞在時間を確認して

清算する。

 

「えー、三分しか過ぎてないのに十五分の延長料金取られんの?」

 

まぁ中にはこういう風にごねるひともいるけど・・・

 

「最初に説明した通り三分でも延長は延長だ。時間は守る基本的な社会のルールだぞ。」

 

「うっ・・・わかったよ!」

 

シディの真摯な態度と威圧には敵わないけどね!

 

次に大事なのは清掃で使用済みの座席はもちろんドリンクバー付近やシャワールームは入念にやるんだ。

 

「フィーアさん早い上に滅茶苦茶きれいですね!」

 

「ありがとうございます。」

 

まぁフィーアちゃん私たちのなかで一番部屋がきれいだからね・・・

カレコレ屋にもゴミがあったら一番早く片付けるし。

 

そしてアーシが今担当してるフード調理がある。

するとシディがやってきて

 

「俺も手伝うぞ。」

 

といって手伝ってくれた。

 

「カンナさんもシディさんも丁寧につくるので評判いいですよ。」

 

「ありがとうございます!」

 

アーシがそう言ってると

 

「思ったより色々やることあるな~」

 

掃除の終わったケげチヨが疲れた様子で言った。

 

「あの~パソコンが動かないんですけどー」

 

言っている間にパソコンのトラブルがあったみたいだ、そしてカゲチヨが素早く対応する

こういう風に簡単なパソコンの知識がある人は重宝するらしいのでカゲチヨは適役だね!

 

sideフィーア

 

数日たつ頃には私たちもすっかり仕事に慣れました。

 

「けど迷惑客ってほどの客はまだ来てないな・・・」

 

カゲチヨがいっていると

シディさんがいきなり驚いた顔で

 

「な、なんだ・・・!?異様な臭いが近づいてくる・・・!」

 

と言いました。

シディさんの狼男の鼻があそこまで刺激されるってどんな臭いなんでしょう・・・

 

「あ、まさか・・・!」

 

依頼人が何か言おうとしたときその男は入ってきました。

 

その瞬間私たちは本能的に顔をしかめ、鼻を押さえました。

距離が近づいたシディさんは白目をむきもう限界な顔をしました。

それも当然でしょう体から放たれるとてつもない臭いは想像を超えて不快になったのですから。

とりあえずカゲチヨが対応しています。

 

「バイトがやめる迷惑客って・・・」

 

ヒサメちゃんが聞くと

 

「あいつのことです。とにかく悪臭が酷くて受付対応した子が気分悪くなって吐いちゃいますし。」

 

「たしかにシディさんの惨状をみれば頷けますね・・・」

 

待機スペースのソファーでうなされながら寝込んでしまったシディさんが酷さを物語っている。

 

「しかも掃除しても匂いがとれななくてブースが丸一日以上使えなくなっるんです。」

 

「確かにお風呂に入ってるかさえ怪しいレベルだもんねこれ・・・」

 

カンナちゃんもげんなりしながら賛同する。

 

「態度も悪くて暴言を吐かれたことも何度も。」

 

「常連客って言ってましたけどどのくらいの頻度で?」

 

私が聞くと

 

「三日に一回は来ます。」

 

確かにそれはバイトも辞めますよね・・・

するとカゲチヨが早速あのお客にクレームを入れられていた。

 

「机の下に誰かの靴下が落ちてたんだって!さっさと片付けて!」

 

さっき清掃した時はなかったはずですけど・・・

そしてカゲチヨは靴下を持ってきたんですけど・・・

 

「ううっ・・・」

 

「臭すぎでしょ・・・」

 

どう考えてもあのお客の靴下ですよね・・・!

 

「こういう嫌がらせもよくあります。新人バイトいびりを楽しんでる節があって。」

 

「もう出禁にしてくれよ!」

 

カゲチヨも参っている様子です。

 

「そうしたいですけど臭いって理由だけじゃできないんです。」

 

依頼人がいうと

 

「俺にいい考えがある。」

 

そう言ったカゲチヨは作戦の準備をしはじめまたあの客

が来た頃

 

「おい!?何だこれは机の下にこれが落ちてたんだ!」

 

ヒサメちゃんが対応する。

 

「申し訳ございません・・・清掃のときに気づかず・・・」

 

「こんな異臭放ってるのに気づかないわけないだろ!?」

 

「前のお客様のものだと思いますのでお預かりします。」

 

「とぼけるな!そんなはずないだろ!この靴下は俺が・・・」

 

「俺が・・・?」

 

「とにかくこんな店二度と来ないからな!」

 

こうして迷惑客は出ていった。

 

そのあとカゲチヨが

 

「やっぱり引き下がったな自分の靴下って言ったら嫌がらせも認めることになるしこうなると思ったぜ。」

 

「信じられない・・・!ありがとうございます。」

 

依頼人が感謝していたのでいいんですが・・・

 

「カゲ・・・この靴下どうやったらこんな臭くなんの?」

 

ヒサメちゃんが鼻をつまみながら聞くと

 

「前にYOUTUBEで見たんだよ誰もがゲロを吐く臭い液体の作り方。その液体に一日漬け込んでさらに一日放置したんだ。」

 

「なんでそんなの見てんの・・・?」

 

「絶対陽キャへの嫌がらせのためですね・・・」

 

「ソンナコトナイデスヨ。」

 

「棒読みだね。」

 

それにしてもカゲチヨがここまでするなんて・・・

 

「絶対靴下片付けさせられたこと根にもってるよね?」

 

「まぁ気持ちはわかるけど・・・」

 

「そうだよ!シディはともかく三人はやってねーからわかんないと思うけどマジでやばかったんでって!

あんな奴出禁になって当然なんだよ!」

 

まぁ依頼も無事果たせそうだし良しとしましょう・・・

こうしてカゲチヨの動画知識によって救われたネットカフェなのでした。

 

 

 


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