妖精王としてカレコレの世界に転生した もう一つのカレコレ屋 作:ikkun
sideカンナ
今日の依頼人は裕福そうな老人だった。ちょうど皆留守だったのでアーシが応対する。
「ワシは老若男女問わずくすぐられている人を見るのが好きでのう。くすぐりのバイトを募集しようと思うんじゃ。」
「それでご依頼とは?」
「しかし最近ではコンプライアンスとかモラルとかうるさいから直接くすぐることはできんのじゃ・・・なにかいいアイデアはないかのぉ・・・」
確かオーナーのリサイクルショップに・・・
「いいのがありますよ!」
「本当かの!?」
「はいこの手錠と銅像を使うんです!」
「どういうことじゃ?」
当然依頼人は質問する。
「この手錠につながれた人間は銅像と感覚がリンクするんです。つまり銅像がくすぐられると手錠を付けた人間もくすぐられるということです。」
「なるほど!これならくすぐる人間を雇えば済む話じゃ!」
「表向きは銅像を素手できれいにするバイトにすればいいです。有効範囲においておけばいいので。気絶しても水をかければ水で汚れることなくくすぐれます。それとアーシも協力者としてそのくすぐりの現場を見ていいですか?」
「もちろんじゃ!」
さーて面白くなってきたなぁ・・・
noside
それから数日後ここはとあるアパートの一室ここにはちょっと変わった二人の住人が住んでいた。
「零士さん今日は家にずっといるんですね。例のおいしいバイト行かないんですか?」
彼女の名前はエマ、一見すると普通の少女だが正体は地獄の裁判官閻魔なのだ。
しかし今はとある事情で人間界のアパートに住んでいる。
「あのバイトいつも突発で入るんだよ。最近連絡ないししばらくこないかもな。」
この男は財賀零士という。彼も一見すればただの目つきの悪い男だが実はブラック企業に勤めエナジードリンク飲みすぎで死んでしまいさらにはエマの冤罪によって45億の借金を背負わされ現世に蘇って借金を返している不運な男である。
「えー!零士さん隙あらば身を粉にして働いてくださいよ!」
本来なら彼女も協力しなければならない立場なのに他力本願である。
「お前が働け!次の仕事決まってるんだろうな?」
「あ~・・・そろそろパ・・・パン屋さんに行く時間なのでその話は後に・・・」
エマが話をぼやかし無理やり外に行こうとするとすかさず零士はエマを締め上げる。
「パチンコか?パチンコなんだな!」
そう彼女はギャンブル依存症でいつも競馬やパチンコに行っては零士の借金を増やしているのだ。
「今すぐバイト探せ!」
「わかりましたって!ギブギブギブ!」
完全に決まっている絞め技の前にエマは拒否権を失った。
sideエマ
ねじ工場のバイトつまらなそうなんでパース・・・
なかなかやりたいのがありませんね・・・
次は24時間くすぐりに耐えたら100億円・・・
100億!?それだけあれば零士さんの借金を返してもおつりが来て私も夢のニート生活ができます!
でもくすぐりは江戸時代では拷問にも使われていたはず
24時間は決して楽ではないでしょうね・・・
とはいえ危険という意味ではそこまでではありません。
これは応募ですね!
「エマ、例のバイト急に入ったからまた家空けるけどしっかり仕事探しておけよ。」
零士さんが釘を刺しに来ましたが心配無用!
「もう見つけましたよ!稼いでくるんで期待しておいてください!」
「お前がそんなにやる気があるなんて熱でもあるのか?」
「私を何だと思ってるんですか!?」
ホントに失礼ですね。
sideカゲチヨ
俺は休日で依頼もなく金が無かったので日雇いのバイトを探していた。
すると24時間くすぐりに耐えれば100億というバイトを見つけたのだ!
よっしゃー!最近カンナやヒサ、フィーアは留守気味だからバイト代独り占めしてやるぜ!
早速応募して向かおうとするとシディが
「カゲチヨ、今日はバイトが入ったから留守になる。」
そういえばシディもデリバリーのバイト以外のもいいバイト見つけたって言ってたな・・・
「わかった。俺もバイトだから気を付けて行けよ。」
「ああ!」
sideエマ
早速バイト先に向かうと他にも応募した人がいました。
赤メッシュの零士さんよりも目つきの悪い男でした・・・
「貴方もバイトできたんですか?」
「お、おう俺はカゲチヨだ・・・よろしくな。」
「私はエマっていいます。100億は私のものですよ~!」
ライバルにそう宣言していると老人が現れた。
「よく来てくれたのぉ二人とも・・・」
どうやらこの人が私たちの雇い主らしい・・・
話によると老人はくすぐられている人を見るのが好きという
歪んだ性癖を持っていた。
くすぐりにはとある何でも屋が調達してくれたという装置を使うらしい。
「直接やると社会がうるさいからのぉ・・・」
お年寄りなのに時代に適合してますね・・・
「ちなみにきつくなったら途中ギブアップも可能じゃ!ただしその場合はペナルティとして100万払ってもらう!ほんとにやるか?」
「はい!」
「もちろんだぜ!」
「そうじゃ、実は協力してくれた何でも屋がくすぐられている様子を見たいと言ってきてのぉ・・・おーい入ってきていいぞ!」
どんなドSな何でも屋なんでしょう・・・
そういって入ってきたのはオレンジの髪をした女子でした。
その時
「カンナ!?」
あの赤メッシュの男がそう言ったのです。
「知り合いなんですか!?」
「ああ、同じ何でも屋をやってる。」
「あれ?カゲチヨじゃん!まさか応募してたなんてね!」
「どうしてここに?」
「依頼で装置の調達手伝ったから自由に見させてもらってるの!」
この人大丈夫ですかね・・・
こうしてバイトが始まったのでした。
sideカゲチヨ
手錠を付けて老人がボタンを押すと感覚がどこかにつながっている感じがした。
そして
「あははははは!」
「あはは!ふふふ!」
エマも相当くすぐったいようで声が出ている。
「二人とも大丈夫?」
カンナが聞いてくる。
「余裕、ははははは!」
「そうですははははははは!」
俺たちは答えたが一時間もたつと足の裏もやられはじめた。
なんだよこれ・・・ホントの人の手でくすぐられてるみたいだ・・・
カンナどんなアイテム使いやがったんだ・・・
「う~んいい表情じゃ!」
老人も喜んでいるようだ・・・歪んでやがる・・・
しかし四時間経過したときには・・・
「ヒー・・・ヒー・・はははは!」
「う・・く・・はははは!」
吸った息がすぐ出ていきやがる・・・
しかも頭痛までしてきやがった・・・
向こうも限界そうだ・・・
「酸欠でそれそろ頭痛が出始めたでしょう?」
カンナが笑顔で聞いてきた・・・くそっ!わかってやがる・・・
七時間立つ頃には意識がもうろうとし始めた・・・
もうだめだ・・・
しかし気絶した次の瞬間水を掛けられたような感覚に襲われる。向こうも同じみたいだ。
しかも濡れてない・・・手錠のせいかよ。
そのあとも手錠を壊そうとしたが笑って力が出ずそのままくすぐられ続けた・・・
side零士
それにしても変なバイトだよなー24時間かけて素手で銅像をきれいにしてくれなんて。
まぁ一回25万ももらえるし同僚が良い人だから別にいいんだけどな・・・
「零士すごいな!大分きれいになったな!」
「シディこそもうだいぶきれいだな。」
しかし白髪で尻尾や獣の耳みたいなのがあるなんて不思議な人だよな・・・?
けど
「やるからには丁寧にやらないとな!」
sideエマ
もうだめです・・・!
しかもここにきてまた足・・・もうだめです・・・
「あ~あ気絶まで短くなっちゃたなぁ・・・」
「しょうがあるまい財賀くん!シディくん!もう一度水で像を洗ってくれんか!」
二人がなにか言っていますがもう聞こえません・・・
ああ!また水を・・・
「じゃあもう一回・・・」
「「ギブアップ!ギブアップ・・・」」
私たちはギブアップしてしまうのでした・・・
「それではペナルティ100万をいただこうかな?」
う・・・零士さんに内緒でこんなバイト受けたので払えるはずないです・・・
カゲチヨさんも同じようで俯いてしまっている。
「まさか払えないのかね?」
「あ、エマちゃんはそちらの好きにしていいですけど。カゲチヨは知り合いで同じ何でも屋を営んでるので借金は困るのでこちらでペナルティを決めていいですか?」
「はぁ!?」
「もちろん構わんぞ!」
「じゃあアーシのいうこと何でも聞くってことで。」
「じゃあエマちゃんにはワシ専用のくすぐられ係として・・・」
無理です~!
そう思ったとき
「すみません急に指示が来なくなちゃったんですけど。」
「どうすればいいのだ?」
すると誰かがやってきたようでしたってあれは!
「零士さん!?」
「シディ!?」
「なに!?カゲチヨ!?」
「エマ!?」
どうやらケモミミと零士さんは同じバイトで知り合いみたいです。
それにしてもあの腐った目の赤メッシュとイケメンが知り合いとは・・・
「それで何でここに・・・」
「それにカンナもどうしてここに?」
シディさんがきくとカンナさんは
「じゃあ説明するね。」
全てを話してくれた。
すると零士さんとシディさんは
「そういうことなら俺が百万払います。それでいいですよね。」
「そういうことならカゲチヨのペナルティは俺が払おう。だからカンナいうことを聞かせるのは無しだ。」
「は~い・・・」
「あと俺たち今回でこのバイト辞めるんで二度と呼ばないでください。」
「うむ、俺も同意見だ。」
そう言って私たちは帰るのでした・・・
sideカゲチヨ
「すまねぇシディ・・・せっかくのバイト俺のせいで・・・」
「構わんさ。それに人を苦しめてまでお金を手に入れるつもりはない。」
シディ・・・
「全くカゲチヨとは大違い
だよね~。」
「お前が言うなよ!装置調達しなきゃよかっただけなのによ!」
「アーシは依頼を完了させて依頼料とついでに見ていただけだよ~!」
「でも今後はそういうことはやめたほうがいいぞ。」
シディが言うと
「は~い・・・」
カンナは素直に返事をするのだった。
noside
零士とエマはアパートに向かっていた。
「・・・いつもならプロレス技かけてるところじゃないんですか?」
「どう考えてもギブアップしない方がまずかっただろ?それに間接的とはいえお前を苦しめてたからな。」
零士は目に似合わず優しい男なのだ。
「それにあの意味わからん老人から手元に残しておくのも怖いしな。全部使ってスッキリしたい。」
とても男らしいセリフ普通の女子なら胸をときめかすセリフなのだが・・・
「零士さん…そんなの酷いです!お金に罪はないのに!そんなだから零士さんお金貯まらないんですよ!」
エマは少しもときめいていなかった。それどころかたまらない原因のくせにそれを指摘する。
「お前が言うんじゃねーよ・・・!」
当然零士はエマの首を締め上げる。
「ギブギブギブです!」
「俺にギブアップは通用しねぇ!」
こうしてエマと零士の一日がまた過ぎていったのだった。
ー後日談
「カンナさんが私たちの苦しんでる顔に笑顔でねぇ!苦しい?って聞いてくるのがトラウマです・・・」
「そうか・・・もう関わることはないよな?」
「わかりませんね・・・もしかしたら関わるかもしれませんね・・・」
「マジか・・・」
そのうちカレコレ屋にかかわることになる二人なのであった。
PLOTTコラボのオリジナルもやります。