朝のSHRを終え次の授業の道具を取りに職員室へ戻る廊下の途中で助けを求めるように彼女がこちらに歩み寄ってきた。
「よう、簪どうした?」
「赤城さ、赤城先生助けてください」
「へ?」
「さっきから織斑君が・・・・」
ー一夏が?まさか!?あれだけのラバーズでは飽き足らず簪にも手を出したと言うのか・・・・
「ゆ"る"さ"ん"、織斑一夏死すべし!慈悲はな「そこまで怒らなくていいです・・・その・・・私とタッグマッチに出て欲しいと朝から付きまとわれて」
その言葉を聴き出席簿で自身の肩を二、三度叩き考え答えを出す。
「簪は嫌いか?一夏のこと?」
「・・・・わかりません・・」
「なら、俺は何も言えない」
「どうしてですか!私困って「お前の本心ぶつけたか?」
「え?」
「一夏にお前の本心ぶつけたかと聞いている」
そう簪につき返すと顔をそらした。
「俺が知ってる限り織斑一夏はどこまでも真っ直ぐな奴だ、だからお前の本心がわかるまで、あいつはお前に付きまとうだろうな」
簪は自身の本心を出すことをしない、だが一夏は本心丸出しで真っ直ぐ、そんな二人が何かの間違いでもしタッグを組んだら・・・
思わず不気味に、にやけてしまう。
ー今の簪を導いてやれる・・・
「わかりました自分でなんとかしてみます」
くるりと踵を返す簪の寂しげな背中に一言
「あまり背負い込むなよ、案外いい線行くかもしれんぞ?一夏とのタッグ」
こちらに気を止めるでもなくスタスタと歩いていく。
ふーと軽く息を吐きを肩の力を抜く
ーさてどういう経緯で簪に近づいたのか一夏に聞く必要があるな・・・
時刻を見るに、まだなんとかなりそうな時間だ
「んじゃ、一夏でも探すことにするか?「その必要はないわ赤城先生」
背後から聞こる一人の女生徒の声
「楯無か・・・・なるほど入れ知恵はお前か」
「ええ・・・ああなってしまったのは私せいでもあると思うから」
ーたく、この姉妹は・・・
頭をぼりぼりと掻く
「お前のせいじゃないと何回言えば気が済むんだ」
元に今回の件も入れれば確実に二桁は彼女に言った気がする。
「ま、俺も偉そうなこと言ってるわりに、あの時から何も進展してないのには変わらないか、すまん」
「赤城先生・・・」
「でも人選チョイスは間違っちゃいないと思うぞ」
重くなった空気を軽くするために、最後は笑みを浮かべて笑いながら廊下を歩いて行く。
昔といっても俺が更識の屋敷にいた頃だが、よく簪とは話した気がする(主にヒーロー物のだが)
感情が出すのが苦手で、人との付き合い方も良いほうでは無い、むしろ悪い、でも内に秘めた思いはとても熱く強固で強い物だ
それが一夏に伝わればようやくこの道から脱出できる。
職員室の扉を開け中に入り、自分の机をチラミし灰色な空を見上げる
ー頼むぜ一夏、うまくやれよ
「赤城先生現実逃避もそれくらいにして手伝ってください」
山積みの資料と他多数
「・・・・・」
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「簪さん!俺とタッグを組んでくれ」
休み時間になれば簪を誘いに出向く。
廊下で勧誘、時には教室、時には図書室、時にはry
至る所に出没する織斑一夏、その様子はさながらストー・・・ゲフンゲフン
そして放課後、事は起きた・・・
スパン!
彼女のヘイトが限界を振り切り、織斑一夏にビンタを食らわせた。
「あ・・・ご、ごごめんなさい」
「え?」
はっと我に返り罰が悪そうに歩きだす簪、そして二回目のビンタをくらい唖然とする一夏
当然このことは瞬く間に一夏ラバーズに知れ渡ることになる。
タッグマッチ戦に備え練習がてら一夏をタッグに勧誘させるため、クラスに残っていたセシリア、ラウラ、デュノアであったが
事が事だけに当初の予定を変更し現状に至る。
腕を組み作戦らしきことを次々提案していくラウラ、それを聞きかなり困ったように却下していくデュノア
そんな二人の傍らで淑女には似合わないゴツイケースを持ち出しケースを解錠するセシリア
「では、これから我々は事実の確認のために、その当事者から話を聞きに行こうと思う」
「聞きに行くのはいいけど、手荒な事しちゃ駄目だからね」
「わかっている、セシリア行くぞ」
「ええ・・・」
ケースからライフルを取り出し無心で弾をこめるセシリア
「セシリア、聞いていたのか私の話しを」
「ええ、お話(狙撃)をしに行くのでしょうわかっていますわ」
「絶対それ意味間違ってるよね!」
「なるほどその手があったか」
「ちょっとラウラまで!」
完全に二人の制御仕切れずにズルズルと流され、あたふたするデュノアのところにまともな二人が登場する
「あんた達おちつきなさいよ」
「そうだぞ、一夏は冷静な女性が好きだったはずだ」
鈴音、箒が暴走状態の二人をそう諭すと、ピタリと進撃の準備をやめ平常心になるセシリア、ラウラ
「あっ・・・・ちょろい」
誰にも聞こえないように小声で言うデュノア
「では、行「はーい、それは勘弁してあげてね」
一夏ラバーズの輪に入ってくる楯無
「「生徒会長!?」」
「理由は話していただけるんですね?」
「ええ、でも他言無用でお願いね」
それから数分、一夏ラバーズしかいない教室で楯無は事の全容を事細かに話し始めた。
この件は、元は自分自身で何とかしようとしたが完全に逆効果になり困り果てた所を赤城さんに頼んでしまったところから始まった。
赤城さん自身試行錯誤しているが難航、その様子を見ていると頼んだこちらの胸がズキリズキリと痛んだ。
そんな時、織斑一夏という青年がひょっこりと登場、この夏休みまでの彼の性格や行動等を観察し、簪ちゃんにもってこいだと判断、一夏君に簪ちゃんのことをお願いした。
「と言ったところ」
楯無の話しを聞き終え、しばし口を紡ぐ一夏ラバーズ
「まぁなんというか」
「揃いも揃ってあの男たち二人は」
箒と鈴音が半ば飽きれながら口を開く
「つまりしばらくの間僕たちは一夏と簪さんの仲を見守るしかないってことだよね?」
「そうして貰えると助かるわ」
「それはいつまでですの?」
「ごめんなさい」
「そんな、私の嫁を無期限で貸せなどと」
どんよりと教室内の空気重くなっていく。
「なんにしてもだ、要は一夏が早々と片付けてしまえばいい話だ」
「そうね、そう願うしかないわね、はぁぁ」
「それか、僕たちが早く終わるように仕向けるとか?」
「ふむ、だがそうなると」
「直接関わって手伝うのはあれですし」
「「うーん」」
六人とも首をかしげ悩む
「毎日偵察してその日に一夏の部屋に差出人不明の手紙を出すのはどうだろうか?」
「却下、それ完全に簪さんに話ちゃうよラウラ」
「「うーん」」
「ひとまず、しばらく状況を見てみない?」
「そうだな」
「ええ、そういたしましょう」
「そうと決まれば私は先に失礼する」
そそくさと鞄を手に取る箒
「そう言えば箒、最近アリーナに来ないけどどうしたの?」
「そうよ、あたしもそれ気になってたところ」
「そ、それは・・・」
「あれ、知らないの?箒ちゃん赤城先生とマンツーマンレッスンしてるの」
「「えぇ!?」」
楯無の言葉に皆驚きを隠せない
「箒あなた」
「我々に隠れて」
「秘密の特訓で」
「私たちを出し抜こうとしたんですわね」
四人とも箒の方を向きそう言い放ち壁へと詰め寄っていく
「べ、別にそんなに大事な」
ドン!
箒の言葉を遮り壁ドンを四人ともする。
「「大事なこと!!」」
「・・・・」
ガラガラ
教室の扉が開く
「お、いたいた箒少し・・・・」
やばい雰囲気の中にきてしまったと一瞬で感じる彼こと赤城
扉を閉めようとすると目の色を変えた四人がダッシュでこちらに飛び掛ってくる
「怖い!怖い!」
「「赤城先生!私たちにも稽古つけてください!!」」」
「・・・はいぃぃぃぃぃ!?」
「赤城先生・・・・」
「なんだ、ばれたのか」
「はい・・・」
四人の拘束を振り解いた彼は話をゆっくりと聞き話し始める
「まぁ俺は構わないが格闘戦をしない奴はいても何にもならないと思うが・・・」
そう言いラウラ、セシリアを見るが見るからに態度を変える気は無いらしい
「私からもお願いします赤城先生」
「わーたよ、生徒会長に頼まれた断るわけにもいかないしな」
「「ありがとうございます赤城先生」」
「はぁ」
これは本格的に仕事の要領をあげなきゃまずいな
ー骨が折れそうだ