アテネちゃんの執事!   作:通行人A'

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Task08:小さじ一杯のお節介③

 

「すみません、本当に何から何まで」

「いいえ、お気になさらず」

 

 大きく深いため息と共に。絞り出されたような言葉に、アテネは包帯を巻く手を止めて、にこやかに返した、そうして、うなだれるように肩を落としてテーブルに座る男性の横顔をじっと見つめる。

 

「俺はもう大丈夫だから」

 

 と、ぶっきらぼうな口調で、やんわりと彼女の手を払い除けたのは少年だ。腕に巻かれた包帯を窮屈そうに睨み付けているが。

 

「良いから。菌が入ったら大変でしょう」

「うっ」

 

 アテネにペシッと腕を叩かれて、痛みに思わず顔をゆがめる少年。構わず、彼女は擦り傷がある少年の頬に消毒液を浸したガーゼをあてがった。

 

「あ、あの、ありがとうございます。けがの手当までしてもらって」

 

 据わっている少年の隣から、おずおずと少女が頭を下げてくる。膝に巻かれた包帯を恐る恐ると言う様子でなぞりながら。

 

「大丈夫よ、傷は残らないから」

「はい、あの……それで」

 

 少女は手を離すと、言いづらそうに言葉を濁す、しかしその視線は、一抹の好奇心を含みながら明らかにある一点に注がれていた。

 

「彼が気になる?」

「あ、いえ、その」

 

 少女の視線の先には、警察官の制服を平然と着て、棚に並んだ花々を眺めているアイルが。彼も視線に気が付いたようで、少女に向かって軽く微笑んでみせる。

 

「早着替えは得意なんですよ。警官の制服って着にくい印象だと思うけどコツがあって」

「そんな事誰も聞いていないでしょう」

 

 得意げに語ろうとする従者の言葉を呆れたように遮る主人。そこで彼は少女たちが聞きたいポイントについて思い当たったのか、制服を指でつまんでみせた。

 

「以前、諸事情で警察に入り込んだときに造った偽物です。でも装飾の素材まで同じだから本物さながらの精巧さを実現しているんです」

 

 どんな事情だよと突っ込みたくなる衝動を抑えつつ、少女は続ける。

 

「あの、でもさっきまで声が」

「ふふん、アイルは色んな声を出せるんだ!せいたいもしゃって言うんだぞ」

「そ、そうなんだ」

 

 後ろからひょこっと顔を覗かせたマキナがドヤ顔で引き継いだ。

 一体この子は誰なんだろう。そして何故自慢げなのだろう。そんな疑問を頭を浮かべつつ、少女はぎこちない笑顔で頷くに留めておいた。

 

「てかチビ、まだいたのか」

「誰がチビだ―!!」

「痛ッ、やりやがったな」

 

 少年は頬に張られた絆創膏を撫でつつ、ぶっきらぼうにそう言い放つ。マキナは頬を膨らませて彼に頭突きをかまして返した。たちまち取っ組み合いを始める二人をどこか微笑ましく横目に見ながら、アテネはテーブルでうなだれていた男性の側へと歩み寄った。

 

「私で良ければお話を聞きましょうか。もしかしたらお力になれるかもしれません」

「い、いえ!子ども達の治療までしてくださって、それ以上は」

「構いませんわ。乗りかかった船ですから」

 

 アテネは事も無げにそう口にすると、男性は遠慮がちに恐る恐ると口を開き始めた。

 

 

「地上げ屋、ですか」

「もう1年ほどになります」

 

 店外のやり取りで、彼女は凡その予想は出来ていたが案の定その範疇。端的に言えば、現在の花屋の土地を巡るトラブルだった。

 先ほど押しかけてきた男たちは所謂地上げ屋だったというわけだ。

 

「アイツら、さっきドン・マルコって言ってましたけど」

「ええ、業界では有名な資産家です」

 

 いつの間に着替えたのか、執事服に戻っているアイルが尋ねると男性はおもむろに頷いてみせた。

 

「この国でもいくつか企業を経営してるようで」

「そのようですわね」

 

 心当たりがあるのか、アテネは目を細めて小さく頷く。

 

「私も詳しい話を聞かされてはいないのですが、どうもその方が私たちのお店の土地をほしがっているようでして」

「それで連中を寄越して退去を迫っている、と」

「い、いえそれは分かりません……彼らは後ろにいると言ってくるばかりで」

 

 資産家本人から直接言われたわけではないという事らしい。しかし状況や男連中の発言を考慮すれば、その関係は凡そ想像には難くない。

 土地について、その資産家がどういった価値を見い出して動いているのかは店主らも全く分かっていないようだった。確かに大通りに面しており、立地も悪くないが、そこまで広いというわけでもないのだが。尤も、価値なんてものはそ当人にしか分からないような話なのだから無理もない。

 

 しかし店主の話では、男達が来たのは1年ほど前から。例の黒髪の男がリーダー格のようで、最初は丁寧に話し合いがしたいと持ちかけてきたという。しかし、話を聞けばそれは話し合いでもなんでもなく、一方的な退去の〝お願い〟だった。

 

「ここは、お客さんたちと一緒に積み重ねてきた思い出の場所です。妻の想いを大切にしたいという事もあって」

「突っぱねたわけですね」

 

 男性は苦い表情で頷く。

 それからは明確な嫌がらせが始まったという。日中に店前でたむろして客足を遠ざけたり、根も葉もない店主の悪い噂を風潮されたり、夜な夜な店先の花壇が荒らされていたり。酷いときには何者かに窓ガラスを割られていたりもしたそうだ。

 

「やってることが学生レベルなんですがそれは」

「そうね、でも迷惑には違いないわ」

 

 呆れ気味に頭を掻くアイルだが、内容はさておき嫌がらせには違いない。実際に客足が離れ始めてしまい、経営としても苦しい状況に陥ってしまったという。

 

「警察にも相談はしましたが」

「アイツら、何もしてくれないんだ。見てない振りをしやがるッ」

 

 男性の言葉を引き取るように、少年が忌々しそうにそう吐き捨てた。

 故にさっき、警察官が彼らを助けたときに、信じられない双方が信じられないというような反応をしていたのか。アテネたちは合点がいったように首肯してみせた。大方その資産家の影響力なのだろう、酷い話ではあるが珍しい話でもない。

 

「ここはこの人たちのお店なんだろ?どーして追い出されないといけないんだ?」

「色々複雑な事情があるんだよ」

 

 小首を傾げながらマキナは少女たちに尋ねる。アイルはその頭をポンポンと撫で、少女も困ったような笑顔を曖昧に返してみせるのみ。

 

「このままでは経営が難しいと私も色々思い悩んでいた数ヶ月前、夜にたまたま客引きでバーに誘われて少しお酒をいただいたのですが……そこが、ぼったくりバーでした。おそらく彼らの息がかかった店だったのでしょう」

 

 お手本のような展開である。お恥ずかしい話です、と男性は渋い表情で俯いてしまう。

 

「高額なツケがあると。翌日には、書いた覚えのない借用書まで出てきてしまって」

「なるほど」

「最近はその借金を返せと。利子付きで日々請求が高くなっているようでして……怖くて金額などは聞いていませんが」

 

 嫌がらせは取り立てと手法を変えて、更に強引に行なわれるようになったという。退去すれば借金はチャラにする、出来ないのなら今すぐ払え。もたもたしていると利子でどんどんと借金は膨れるぞ。

 

 そうして、店主はまた項垂れるようにしてため息をついた。当人たちにとっては八方塞がりという状況に追い込まれているらしかった。

 

「すみません、今日会ったばかりの方にこんな話を。まして息子がご迷惑をおかけしたというのに」

「……」

「本当に申し訳ございません」

 

 もう一度頭を下げる店主。隣にいた少年も、口を尖らせたままだったが、それでも自発的に頭を下げてみせた。

 

「もう二度と、こんな事はさせないようにしますので」

 

 少年が窃盗を働こうとしたのは、店の経済事情に危機感を持っての行動だったらしい。今回だけではなく、以前も同じような行為をしてしまったと、その時に父親は絶対にダメだと言い含めたようだが、彼なりに家族の状況に危機感を募らせていたのだろう。

 

 

「事情は分かりました。その件はもうお気になさらず」

 

 アテネは柔らかく微笑んでそう言うと、そっと立ち上がって従者たちに目配せをしてみせる。2人もそくさくと彼女の側に。

 出口まで歩いていくと、「そうですわ」とつぶやいて振り返る。

 

「明日また参りますので。少しお花が欲しくて、選んで下さります?」

「え?」

「それでは、ご機嫌よう」

 

 ポカンとする一家を他所に、お嬢様たちは颯爽と店を後にした。

 

「姉ちゃん、あの人たち……なに?」

「さぁ」

 

 

 

 

 翌日。

 有言実行。そのお嬢様たちは昼前に花屋を訪れていた。まさか本当に来るとは思わずやはりあ然とする一家に構わず、商品が並ぶ花々を優雅に眺めるお嬢様とおまけ達。

 もしかして、許したなんていうのは嘘で何か報復をしに来たのではないか。少年に関しては警戒して姉の背中に隠れている始末。

 

「今の季節に贈るのであれば、どういったお花が良いでしょう」

「え、ええ。アザレアなどはオススメですが。この花は――」

 

 どころか、花を真剣に物色するアテネに男性は困惑の色を拭えないながらも、丁寧に説明をしていく。彼女たちの眼前には、鮮やかなピンク色のアザレアが自分の姿を見てくれとばかりに自信満々に咲き誇っている。

 

「店主さーん、話があるんですがー」

 

 と、店外から間延びした男の声が。姉弟はびくりと顔を強張らせ、男性も表情を曇らせると、「すみません、ちょっと」と言い残して店外へ。

 

 案の定、黒髪の男たちがイラついたような視線を無遠慮にぶつけながら待ち構えていた。昨日の件でトサカに来ていることは明らかだ。

 

「ああ、今日はもういい加減貯まった借金払ってもらいますからね。この場で用意できなければ店ごと差し押さえますんでそのつもりで」

「いや、ですからそれは」

「こっちも慈善事業じゃあねーんだよッ。いいから払えるのか払えないのかはっきりしろや!」

 

 金髪の男が凄むと男性は怯えたように一歩後ずさる。しかし隙を置かずに、黒髪の男が一枚の紙を突きつけた。

 

「こいつがアンタの借金だ。確認してくれるよな、借用書もあるんだが」

「な、こ、こんなに!?そんな、何かの間違いで」

「いーや正当な金額だ。うちは高利貸だからな、もたもたしてると元金よりも利子のが高くなっちまうのさ」

 

 あまりの金額に青ざめる男性。構わず借用書を顔にくっつくかと想うほど突きつけられ、言葉を失ってしまうが。

 

「見せていただけます?」

「あ?」

 

 返事を待たず、突きつけられた紙をひったくったのはアテネだった。あ然とする男たちを横目に、お嬢様は目を細めながら借用書に素早く目を通して一言。

 

「筆跡が違いますね」

「なんだお前」

 

 黒いドレスをなびかせた金髪の少女は、男たちに一切物怖じした様子がない。彼らにとってそれは嫌に不気味に感じた。

 

「店内に残っていた領収書とこの借用書では、字の特徴が違うと言っているのです」

「何が言いたい」

「例えば連れ込んだお店で飲み物に睡眠薬を混ぜたりして、店主さんが眠っている間に貴方たちがでっち上げたとか?」

 

 つらつらと冷静に続けるアテネはどこかつまらなさそうにそれらの書類を目線の高さまで掲げてみせると

 

「証明ができないのでしたら、こんな法外な借金は無効でしょう」

 

 言うが早いか、彼女は紙を容赦なく破り捨てた。この間わずか数十秒。

 

「てめえ女!何をしやがる」

 

 あまりの無茶苦茶な行動を黙ってみているわけもない。が、摑みかかろうとした金髪の男は、素早く飛び出してきた従者にあっけなく組み伏せられた。そのまま頸部を圧迫して、男はあえなく意識を飛ばしてしまう。

 

「お、お前ら……俺たちを誰だと」

「おいおい。アンタらこそ、ここにおわすお方をどなたと心得る?」

 

 気絶した金髪の男から離れると、アイルは大げさに声を張って周囲を見回した。

 

「天下有数のドSにして傍若無人、機械音痴と負けず嫌いでは並ぶ者が」

「何か言いまして?」

 

 途中で胸ぐらを掴まれて口上は一時中断。

 

「お、畏れ多くも天下の天王州家の現当主にしてご令嬢、天王州アテネ様にあらせられるぞ!」

 

 顔を引きつらせたものの、そのまま口上を言い切った。

 その横からマキナが待ってましたとばかりに、懐から家紋の自慢げに高らかと掲げてみせる。

 

 副将軍もびっくりなほど、仕込みのように息がぴったりな従者たちである。

 

「貴方たち、一体何をやってますの」

「こういうのって形から入った方が良いかなって。最近練習してまして」

 

 仕込みだった。

 

「て、天王州……だと」

 

 そんな茶番には目もくれず、周囲の目は家紋に一心に注がれている。それもそのはず、一国どころか世界でも有数な超超超大財閥の当主様が、なんだってこんな街角の花屋に。

 

「だ、だからって、こっちの仕事をとやかく言う権利がアンタにあるはずが」

「許可したよ、ワシが」

 

 キュッキュッ。

 タイヤの擦れる音と共に、低い老人の声が飛んできた。

 

 丁寧に撫で付けられたオールバックの銀髪に、鹿もびっくりな角のように上向いた髭。両足が不自由なのか車いすをおもむろに動かしながら、しかしその眼光は人を射殺すことが出来るのではという程鋭く。老人を囲う黒服の男たちもまた、屈強でただならぬ気配を醸し出している。

 

「ま、マルコさん。何故ここに」

 

 男達の顔が一瞬で青ざめる。そんな彼らに対峙するように、車いすの老人はアテネと並ぶように近づいてきた。

 

「マルコさんは私のビジネスパートナーですから。状況をかいつまんで説明させてもらいました」

「ええ、アテネ嬢にはいつも我が社がお世話になっておりますからな」

 

 男たちは目を白黒させて固まっている。状況が飲み込めていないのだ。

 

「ジェイク、ワシは確かにこの土地を譲ってもらうことができないかを尋ねるようにお前に言った。しかしそれは飽くまで交渉であって、嫌がらせなどをするなどもってのほかだが」

「そ、それは」

「そう、言ったはずだが?」

「……はい」

 

 老人の目が見開かれると、男たちは肩をがっくりと落として言葉を失ったようだ。

 

「お前たちにはもっと常識を教えておくんだったよ」

 

 そう言い捨てて、老人は軽く視線を右に。すかさず黒服の男たちが連中を囲み、そして半強制的に連行していった。

 

「いやあ店主さん、すまなかったね。私は振興の土地開発の相談をしたかったのだが、うちの愚か共が随分と迷惑をかけたみたいだ」

「え、いや、あの」

「心配しなくてもいい。もう連中は二度と君たちと関わり合うことはないから」

 

 先ほどの強面はどこへやら、好好爺とも言うべきにこやかな笑顔を男性たちに向けて見せた。

 

「それから、土地の件はもう気にしないでくれ。アテネ嬢にもっと良い別の場所を提供していただいたのでな」

「ええ、そこでしたら開発事業でも誰にも迷惑がかからないでしょう」

「ははは、これは手厳しい」

 

 快活に笑うと、こほんと咳払いをひとつ。

 

「ではワシはこれで。アテネ嬢、また今度ゆっくり会食でも致しましょう」

「ええ、喜んで。わざわざご足労いただき感謝申し上げますわ」

 

 会釈する老人に、アテネはドレスの端をつまんで優雅にお辞儀で返す。従者たちもそれぞれ、深々と礼をしながら、その車いすが消えていくのを見送った。

 

「そう考えてもジーさんの指示だったと思いますが、連中は運がなかったですね」

「でしょうね。まぁ、あれはプライドより利益を尊重するタイプですから」

 

 アテネは黒い扇子を広げて目を細める。

 

「もう、こちらに余計なことはしてこないでしょう」

 

 主人の言葉に同意するように一礼して、側からすっと離れるアイル。

 

「あ、あの」

 

 すると、今度は男性は姉弟を揃えて、深々と頭を下げた。子ども達はあまり理解していないようだが、男性は恐縮しきって冷や汗すらかいている始末。

 

「天王州家の方とはつゆもしらず!無礼なことを散々、本当に申し訳ございませんでした!」

「そんな、気になさらないでください」

 

 本人はそう言うが、そんな訳にもいくはずがない。更に頭を深く下げようとする一家に、彼女は少し困惑しつつも、そっと少年の側に。そして、その頭に優しく手を置いた。

 

「でも一つ約束です」

「え?」

「もう盗みはしないこと。良いですね?」

「は、はい……」

 

 慌てて顔を上げた少年。

 初めて真っすぐアテネを目を見つめて、そうして頷いてみせた。頬が真っ赤に染まったまま。

 こうして。いたいけな心の少年は、一歩大人の階段を登ったのであった」

「どーゆー意味だアイル?」

「あとでな」

 

 肩によじ登ろうとしてくるマキナをいなしながら返すアイル。大人の階段はまだ彼には少し早いらしい。

 

「それでは私たちはこれで、お店頑張ってください」

「お、お待ちください!」

 

 踵を返して歩き出した一行を、回り込むようにして止める店主。

 

「助けていただき、そのままというわけにはいきません!せめて何かお礼をさせていただけないでしょうか」

「本格的に時代劇みたいになってきたな」

 

 頭を掻くアイル。

 

「お礼かー。だったらマックの全種類のバリューセットがいいかなぁ」

「今度俺が買ってきてやるからな」

 

 一口にお礼と言ってもと一行は思案するが、アテネは何かを思いついたのか扇子を畳んで優しく微笑んでみせた。

 

「では、一つだけ。お願いを聞いていただきますか」

 

 

 

 後日。

 一面の光の海、水仙畑を少年と少女は満面の笑顔で見回していた。2人の側には老女がニコニコと優しげな笑みを浮かべながら、時折話しかけている。

 

「なるほど、新しいガーディアンは彼らですか」

「その名称止めてと言ったはずよね?」

 

 そんな光景を、窓越しに見つめる主人たち。

 

 彼女の一声で2人は天王州家の花壇を世話するガーデニング係に決まった。勿論お店の手伝いが優先だが、時折顔を出してくれればいいと、彼女は店主に言い添えた。

 と言っても、花が好きだった少女たちは毎日顔を出すくらいの気概だったらしく、ここ数日は世話の仕方や接し方を、前任者に丁寧に教えてもらっている。

 

「これで、安心して日本へ向かえますね」

「ええ」

 

 アイルはそっとカーテンを閉めると、椅子に座って紅茶をたしなんでいた主人を振り返る。

 

「すぐに白皇に?それとも別の場所に寄っていきますか」

「そうね、まずは」

 

 アテネはティーカップを丁寧にコースターに置くと、目を細めた。

 

「一度、三千院邸に向かいましょうか」

 

 

物語の終わり方について

  • エンディングは一つのみが好ましい
  • 各ヒロインのルート分岐などがあっても良い
  • どうでもいい
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