デート・ア・ライブ~クロッシングデート~   作:れいんでふっ

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第二話~零夜編~

私には、ある使命がある。

 

「実は零夜(れいや)には、ある任務があるんだよ」

 そんな事を言われたのは、もうずっと前の事。

 もう何年も人間を攻略してきた。

 

「零夜には、人間とデートして、デレさせるという任務を与えるよっ」

 

 姉から初めてそう聞いた時は、もう訳がわからなかった。

 なぜ私が人間なんかとデートしなくてはならないのか。

 そもそも目的が謎だ。

「なぜですか」

 そう問うに決まっている。

 

「人間が精霊を敵視しているの知っているな?」

 

 もちろんだ。だから私は人間が嫌いなんだ。

 姉は無言を肯定の意と取ったらしく、話を続ける。

「それは精霊にとってはよろしくない状況だということも分かるな?」

 なにが言いたいんだ姉さんは。

「だから人間をこちらに寝返らせる。人間の中で一番強い感情は恋愛と憎悪だ。圧倒的に前者の方が楽だと見て、私はお前に頼みたい」

 やはり変だ。

 

「なら、なぜ私なのですか。姉さんがやればいいんじゃ……」

 

「お前の体、顔、声。全てが人間の好みにピッタリなんだよ。頼まれて……くれるか?」

 嫌だ。私はゲームができればそれでいい。

 そう、言おうとした。

 

 でも、だ。

 

 これはもしかしたら、恋愛シミュレーションゲームの応用が効くのではないか、と。

 そう考えた。

 そう考えてしまった私の本能は、もう抑えることは出来なくて。

 

「気が付いたらこれで19人目、か」

 

 もういい加減飽きてきてしまった。

 しかし、プライド的にも飽きたからやめるなど、言い出せなくて。

 はぁ……どうしたものか。

 

「零夜。次のターゲットだ」

 

 見せられたのは何ともマヌケそうな顔をした少年である。

「識別名、海斗。これからいつものゲームセンターに転送するぞ」

 さて、始めようか。

 ゲーム、スタート。

 

 ゲームセンターに降り立った私は、すぐさま探索に出ようとしたのだが……

 

「レースゲームの……新作が出てるっ! ううう……一回だけならいいわ。一回だけならっ」

 欲望には勝てないもので。

 

 気付いたら4回もプレイしてた。さすがにそろそろ……と思った時だ。

 

「一緒に、どうかな?」

 

 なんて幸運。彼の方から来てくれるなんて。

 なるべく笑顔で、気分いい返事を。

 

「うんっいいよ!」

 

 我ながら完璧ね。これでイチコロじゃない?

 とりあえず彼と一緒にレースゲームに興じた。

 

「あー負けた! 自信あったんだけどなぁ……」

 うん、すっごく弱かった。

 なんかもう接戦みたいな口ぶりだけど、明らかに圧勝だった。

「もーう弱いなぁ! あはは」

 最後の方はもう嘲笑だわ。

 でも、好感度は結構いい感じなんじゃない?

 インカムをつついて、好感度の様子を聞いてみる。

 まぁ、高いとまではいかずとも、なかなか良い方なんじゃ。

 

『これは、イレギュラーね。さっきから全く好感度の変化がないわ』

 

 なん……ですって。

「はぁ!? そんなわけないだろ!?」

 コイツも急になに!?

「えっ……どうしたの? 負けたのがそんなに悔しかった? そんなに怒る事ないってー」

 とりあえず当たり障りのないように、ね。

 

 にしても、好感度の変化がないのはおかしいわ。

 まずは流れを掴むことが大事だよね。

「あっ、あなた名前は?」

「俺は海斗。海に北斗七星の斗だ」

 なるべく最初は親しみやすい女の子を演じるのがベストね。だから……

「なにその説明。ふふふ。海斗くんって面白いね!」

 完璧ね。これでこの男も「もしかしてこの子俺に気があるんじゃ……」の勘違いに陥ったはずよ。

 

『あなたが何を考えてるかは大体分かるけど……好感度全然だからね』

 なっ……!?

 この男ホモなんじゃないでしょうね!?

 むぅ……とりあえず私も名乗っておかなきゃ。

「私は零夜(れいや)。数字の零に夜だよっ。よく男の子みたいな名前って言われるんだけど、見ての通り可愛い女の子だからねっ」

 どう? 気さくな女の子って感じよ。

 さぁ、存分に「どう返していいかわからないっ」となりなさい。この童貞。

 

「否定できないのが困るなぁ。いや、本当に可愛いな」

 ……そうきたか。この男はそっちのタイプなのね。

 なら、存分に狼狽えてやるわよ。

「ふぇ……!? そんなにストレートに!? ……ふえええ」

 どう? 我ながら可愛いわ。

 インカムをつついて確認する。

『ねぇ、あの男本当にホモじゃないのかしら』

(まさか……)

『そのまさかよ。好感度は全然変化してないわ』

 もう、コイツ……完全にホモでしょ。

 まじひくわー。

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