デート・ア・ライブ~クロッシングデート~   作:れいんでふっ

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第三話~海斗編~

 ――海斗、もし私と同じ運命を辿っている精霊がいたら……助けてあげて?

 

 俺は幼馴染のアイツと約束したんだ。

 絶対に、零夜を攻略してみせる。

 

「さて、あれからデートの約束をしたところまでは良いとして……海斗、結構痛かったわよ」

 

「うっせーな!? ほっといてくれよ」

 それにあれは俺が悪いわけじゃないだろ。

 

 零夜……アイツは何なんだ。

 最初はただのゲーマー少女だと思っていた。

 それなら一緒にゲームする過程で攻略を進めればいいと考えていた。

 でも好感度は全くの上昇もない。

 しかも下がりもしないというのは明らかに異常だ。

 

 もしかして……レズ、とか。

 

「あの零夜っていう精霊。もしかしたらレズかもしれないわね」

 

「奇遇だな。今俺も同じことを考えてた」

 

 瞬間、姉の口元がにやっと歪んだ。

 なんだか……嫌な予感がする。

 

「海斗、黒髪ストレートロングと茶髪ゆるふわロング。どっちがいい?」

 

「どっちもお断りだよ!」

 

「あら、察しが早いじゃない」

 

「無理だからな!? 見てみろよこの顔の造形!」

 

「そんなことは……な……いわよ?」

 

「なんで口ごもった!」

 

「大丈夫よ。私の弟でしょう?」

 

「残念ながらお前の顔の造形もぐふぇ!!」

 

「なぁに? もう一度言ってみてくれるかな?」

 

「お姉さまの弟の僕になら可愛い女の子になれますー」

 

「それでいいのよ」

 

 嫌な予感、的中。

 

「女装なんて生まれて初めてだからな。よくわかんねえぞ?」

 

「初めてなの?」

 

「当たり前だろ!」

 

「私の弟なら当然やっているものかと」

 

「それ自虐だからな!?」

 

「分かっているわ。あぁ、快感」

 

「本当にお前の弟ならやってそうだわ!」

 

「で、次のデートだけど」

 

「流したな!?」

 

「場所はどこだっけ?」

 

「あぁ、それなら確かゲーセンだったはずだ」

 

「海斗、頑張りなさい」

 

「何を!?」

 

「出来るだけ女装と気づかれないように施すから」

 

「そこでやんの!? 公共施設だぜ!? 一般人も居るし……」

 

「海斗、頑張りなさい」

 

 もう、勘弁してくれよ……

 

「それで海斗……どうするの?」

「何がだ?」

 

「選択肢、よ」

 

「っ……!」

 

 選択肢を使わなくなったのは10人目の精霊を攻略した時。

 あの時の精霊の天使は、人の心を読む能力。

 俺が何の為に、なぜ精霊に近づくのかが完全にバレた。

 精霊の好感度は急降下。いや、好感度だけじゃない。裏切られた、と思ったんだろうな。その精霊は反転した。

 しかし、俺が攻略のためにその精霊に近づいたというのは事実だ。

 もう、どうしようもない。

 そう思ったさ。

 でも、その時俺を救ったのは幼馴染の言葉だった。

 

『海斗が精霊を助けるって決めたこと。それも、全部使命感だったの? ううん。私はそうは思わない。海斗に救われた時、私は嬉しかった。私の存在は確かに海斗のために必要だったんだって。他の精霊の子たちもそう。心が読めなくたって、それが嘘ならなんとなく察しちゃうもん。海斗が本気だって思ったから……私たちはこうして生活してるんじゃない?』

 

 俺が精霊を攻略するのは、姉に命じられたから。

 今までそう思っていた。

 でも、俺は心の底から精霊を救いたいんだって、気付かされたんだ。

 

 だから俺は、選択肢を捨てて自分の言葉で、自分なりの言葉で攻略を進めてきた。

 でも、それでもダメなら……

 

「選択肢、頼む」

「了解」

 

 もうとっくに気付いている。

 今回の精霊はかなり厄介だ。

 でも……面白いじゃねえか。

 ここまでやらせた精霊は初めてだ。

 

 精霊、零夜。絶対に攻略してみせる……!

 

 

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