転生したらマフィアのボス候補だった件。   作:海崎実紀

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局面1

 

 

俺の名前は沢田綱吉、12歳。転生者である。

 

 

沢田綱吉といえば、週刊少年ジャンプで連載された大人気作品“家庭教師ヒットマンREBORN!”の主人公だ。

 

家庭教師ヒットマンREBORN!は、

運動もダメ、勉強もダメ、何をやらせてもダメの三拍子揃って、ついたあだ名がダメツナ

そんなダメダメな少年がある日突然マフィアのボス候補になってトラブルに巻き込まれていく

そんなお話だ。

 

 

 

因みに俺が転生者であると気付いたのは五歳の時だ。家の階段から誤って転がり落ちた衝撃で思い出した。

 

意外と子供の体って柔らかいからさ、階段落ちてもそこまで大怪我しないんだよな。

 

階段から落ちたのは初めてのはずなのに妙に既視感があって記憶を漁ったら、前世の幼少期に同じことをやらかしていたことに思い至って、そこから芋づる式に記憶が戻った。

 

当然、五歳児の脳には負担がかかりすぎて1週間程寝込むはめになった。

 

 

それからどうなったかって?

 

どうもしなかったな。だって俺は憑依した訳じゃなくて初めから沢田綱吉として産まれてるからな。記憶が戻って多少は落ち着いたが、根が活発な性質だったからか余り外面に変化はない。

 

前世の記憶が戻ってからも普通に同い年の子供と遊んでいた。だってすべり台も砂遊びもめちゃくちゃ楽しいんだもん。

 

丸一日遊んで過ごせるんだぜ?そりゃ遊ぶだろ。

 

でもチワワは怖かった。体が小さいと周りのものが何でもデカく感じるもんだから、ものすごく吠えて威嚇してくるチワワは普通に怖い。背中を押してきた親父はいつか絶対ぶん殴る。

 

という訳で原作とは違い、めちゃくちゃやんちゃなクソガキになりましたとさ。洋服を泥まみれにして帰るのはしょっちゅうだったな。母さんには申し訳なかったけど。

 

 

 

中学上がって少し経つがまあ暇である。部活も入らなかった。あ、でも習い事には通ってたぞ。去年までの6年間、剣道と少林寺の教室に毎週行っていた。それも隣町まで。

 

だって剣道やりたかったけど持田先輩と出会いたくないし。やってみた結果分かったのは俺に剣道のセンスがないってことだ。まあ原作の沢田綱吉も肉弾戦だったしな。

 

少林寺の方は地区大会でそこそこいい成績を取ったが、中学からは原作が始まるので辞めた。忙しくなりそうだから。

 

 

勉強はといえば、もちろん前世の記憶がある俺には中学の内容なんて簡単だ。と言いたいが実際はそうでもない。特に美術と数学だが、それ以外も結構ぼろぼろだ。なんせ死ぬ前だって勉強したのは学生の頃だけだ。その時だって真面目に授業受けてたかと聞かれると自信はないのだ。

 

国語なんて漢字の読み書きは出来ても作者や登場人物の気持ちは1ミリも分からん。理科は生物はできるが計算系の方がワケワカメ。社会も歴史はできるが地理で躓いた。英語なんてどれだけやっても覚えられない。体育だけは体を動かすのが好きなので成績も良い。

 

 

そうそう、沢田綱吉といえばウニのような無重力ヘアーだが、サイヤ人じゃあるまいし、嫌だったので床屋で梳いてもらってシャンプー変えてちゃんとトリートメントもするようにしたらマシになった。なんなら内側刈り上げてもらった。いわゆるツーブロックみたいなやつだ。毛量多いので随分とさっぱりした。

 

 

 

 

 

そんな感じでクラスにも目立つことなく溶け込んでいたんだ。教室で話す知り合いはいたが、放課後は俺がさっさと帰ることもあって特別親しい友達は居なかったけど。

 

そんな日常が俺という沢田綱吉には“当たり前のもの”だった。

 

 

そして運命の日はやってくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_________6月18日。

 




一応補足として、原作開始が6月18日からなので誕生日のきてないツナは中1の12歳になります。(ツナは10月14日うまれ)。

原作開始日は公式です。77(セッタンタセッテ)より。

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