ホロライブラバーズ外伝 有り得たかもしれない未来   作:アズール

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 推しが本編で出てくるので、こっちも衝動で書きました!何でこっちの方が早く書くんだよ!(ガチギレ)やっぱり…曇らせるのは…主人公ではなく、こっちなんだよなぁ…

 フブキちゃんが酷い目に会うので…苦手な方は即ブラウザバックをお願いします。

 何も…全てが主人公の曇らせを書くとは言ってないからなぁ…


『フブキ』 とある1日

 ふと、視界に光が飛び込んできた。その影響で、彼女は目を覚ますことになった。正座をしていて、髪が毛先が黒く、生え際に向かってグラデーションのように白くなっている髪を持つ。そして、獣人特有の耳を持ち、そちらも基本は白いが先が黒くなっている。

 

 恐らく狐の獣人だろう彼女はゆっくりと目蓋をあける。その目は青い目と赤い目のオッドアイ。瞳の中に光がなく、虚ろを見るような感じで空を見上げる。

 

 

 「…あぁ…今日も、何もない平和な日ですね…」

 

 

 彼女の名は…『フブキ』。かつては苗字があったかもしれないが、今は彼女が名乗れるのは、名前のみとなっている。

 

 

 「今日も、このまま平和に終われば、私は楽なんですよね~」

 

 

 彼女はそう言って、立ち上がる。

 

 

 「さぁてと、ちょっとだけ伸びをしましょー。」

 

 

 彼女は寝るときは基本、正座で寝る。いや、そもそも、彼女はもう睡眠や食事をあんまり必要とはしない。彼女は周りの魔力を吸収すれば、もう生命活動に問題はない身体になっているのだ。しかし、彼女が寝るのには、理由がある。

 

 

 「…ったく、ようやく動けるのに、何でアタシがこんなことしねぇといけねぇんだよ…」

 

 

 ふと、彼女が呟く、その口調は先程とは違い、荒々しく、冷たさを感じさせる喋り方になっている。

 

 

 「…いい加減、目を覚ましやがれよな…お前の振りをするのは苦手なんだよ…」

 

 

 これが、彼女がかつて白上フブキと名乗れないもののひとつである。彼女の名は…ここでは黒上としておこう。

 

 

 その彼女は、とある原因で白上フブキの中で誕生した人格なのだ。誕生した原因は後に語るとしよう。

 

 

 彼女はもう一度、伸びをした後に正座をして、身を瞑る。そうして、自分の中にいるもう1人の自分…いや、この身体の本体の人格である。白上に声をかける。

 

 

 「(おい、調子はどうだ。いい加減に…はぁ…)」

 

 

 「(許して下さい…許して下さい…私は…あなた達を…)」

 

 

 心の世界、そこで二人は会話をする。片方はずっとなにかを謝るように、懺悔をしているように手を前で組合せ、祈っている。それを見ているのが、先程までは現実世界を行動していた。黒上である。

 

 

 「(まだやってんのかよ。いい加減目を覚ましやがれ!そんなこと言ってもお前が好きだった奴らなんて戻って来ねぇんだよ!)」

 

 

 「(黒ちゃん、私は悪いことをしたんだよ?だから謝ってるだけ、どれだけ届かなくても、私は皆を手にかけた…あの人にも…あれ?あの人って…誰だっけ…?)」

 

 

 白上は急に頭を抱える、まるで思い出さないようにしていたものを、思い出す時みたいに…頭痛が起こっている。

 

 

 「(不味いッ!おい思い出すなッ!ちくしょう!口に出すべきじゃ…)」

 

 

 「(あ…あぁ…私は…彼を、殺…し、た?う゛あ゛あ゛あ゛ァァァァァ!?)」

 

 

 「(くそッ!眠ってろッ!)」

 

 

 「(うっ………魔切…くん…)」

 

 

 「(…ふぅ…なんとかなったな。しかし、一体誰なんだ…その魔切って奴は…恋人だとは分かるが…何かアタシが生まれる前に何があったんだ…)」

 

 

 彼女の周りが突然、魔力の衝撃波が発動しようとしていた。白上の感情の暴走による、魔力の放出が原因になっている。

 

 

 しかし、発動する直前に、黒上が寸前で気絶させることにより集まった魔力は霧散していく。

 

 

 「(また眠っちまった…こうなるとしばらく起きないぞ…また、目が覚めるまでアタシはここで待たないといけないのか…次は何時目覚めるかねぇ…?)」

 

 

 彼女はそう言うと、その場から動けなくなっている。本体の白上の意識がなければ、彼女は身動きが取れないのだ。

 

 

 彼女が起きて、行動しているときは必ず、彼女に行動許可を貰ってから行動する。帰ってくる返事はなくとも、そうしなければ、行動できないのだ。

 

 

 「(また…あの夢でも見てるのかねぇ…)」

 

 

 黒上は、何度も白上の夢を見ている…いや、見せられている、が正しいのだろう。

 

 

 白上は気絶をすれば、同じ夢を見るのだ。白上にとっての悪夢を毎回見続けるのだ。

 

 

 そのせいで黒上は何度もそれを見てしまっているのだ。同じ身体に存在する人格でも、産まれかたが特殊な黒上は同じ夢を見てしまうのだ…

 

 

 「(…アタシが産まれる原因になった事件…あいつが暴走したあの日、ここが廃墟になっちまった…らしいんだけど、そんなのアタシが見ても、なんも分かんないしなぁ…ま、今回も上映が始まるらしいし…飽きてるけど、見るか…)」

 

 

 彼女はそう言うと、その場で腰を降ろし、正座になって夢を見る。…悪夢の事件の全貌を…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~■■■■年前ホロライブ学園~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ァァァァァ!?」

 

 

 ──フブキッ!落ち着けッ!何をされたんだッ!

 

 

 「無駄ですよぇ…その小娘はもう既に理性を失くしている…何をしても暴走は止まらない!加速していくのだ…ッ!破滅へとッ!では、私はこれにて失礼します。せいぜい、足掻いてくださいな。アッハッハッハッ!」

 

 

 ──お前ェェ!!待てッ!逃げるなッ!卑怯者ッ!

 

 

 男はそう言うと姿を消す。魔切は罵るが、その声は虚しく、ただ虚空へと叫ぶことになった。

 

 

 そして、声をあげた魔切に対して、白上が攻撃を仕掛ける。

 

 

 ──ック!…フブキ…どうしたんだよ…

 

 

 「ヴアァァァ!!」

 

 

 ──ッ!危ない…気を抜けば…やられるな…!

 

 

 白上は理性はない、しかし、身に付いた戦い方は、理性がなくとも本能で使うことができる。

 

 

 白上の戦い方は、主に抜刀術を使う。抜き身で使うのはほとんどなく、鞘を使って、非殺傷の戦いかたをするが、今回は本当の抜刀術を駆使して襲い掛かってくる。

 

 

 彼女との手合わせがなければ、魔切は始めの一撃で胴が二つに分かれていたであろう。

 

 

 「ウガァァァ!?」

 

 

 ──うっ…傷付けることは…出来ないッ!…でも手加減も出来ない…皆が来るまで、俺が何とか食い止めないと…

 

 

 彼はそう言って武器を構える。しかし、武器は刃が潰れていて、切ることは出来ないようにしている訓練用の武器を、全ての武器を訓練用の武器に替えて戦闘をする。

 

 

 ──多少の打撲は許してくれよ…!蒼破刃(そうはじん)ッ!戦迅狼破(せんじんろうは)ッ!

 

 

 「ヴッ…ガァッ!!」

 

 

 彼が技を使って攻撃を仕掛けるが、白上はまず、始めの技を切り捨て、その後に相殺するように技を繰り出した。彼女が得意とする技…裂震孤砲(れっしんこほう)である。それを使い、相殺した。

 

 

 ──マジかよ…流石だな…フブキは、一筋縄じゃあいかないよな…

 

 

 魔切は武器を変えることは出来ない、唯一、彼女と互角に戦えるのが、双剣の時だけなのだ。なので下手に変えると隙を付かれて死ぬ可能性がある。だからこそ、本来の戦い方が出来ずに苦戦を強いられている。

 

 

 「ウウッ…わ、たし、は…」

 

 

 ──ッ!フブキッ!俺だ!分かるか!?

 

 

 「魔切…くん?うぅ…頭が…痛い…!」

 

 

 白上は、少しだけ意識を取り戻す。理性を失わされたが、腐っても神性持ち、ちょっとは抵抗出来るだろう…しかし、その性質を持つからこそ、狂ったのだが。

 

 

 ──(そういえば…いつもの刀じゃない!あの刀が原因か…?)

 

 

 「うぐっ…誰…?貴方は…誰、何ですか!」

 

 

 白上は刀に向けてそう言う、恐らく、呪われた刀…妖刀の類いなのかもしれない。それを白上が使ったことによる。暴走が事の発端だった。

 

 

 白上は、それを貰っただけなので、あまり記憶が無いが、手に取った瞬間に、その妖刀は神性と干渉し、その身体を乗っ取ろうとした。

 

 

 しかし、白上はそこそこ高い神性を持っているので、お互いに抵抗しあい、暴走していたのだ…

 

 

 白上を探していた魔切がその妖刀を貰う瞬間を見ていないので、始めは理解が出来なかったが、今、それを理解し、刀を手離すように説得をする。

 

 

 ──フブキッ!その刀を離せ!じゃないとお前が苦しむッ!

 

 

 「分かり…ましたッ!…離れて…離れてッ!」

 

 

 「(無駄だ!もう貴様はこの刀を手離すことは出来ぬッ!我が名はラムダッ!その手に持った時点で我との契約は成された。2度と逃れることは無し。その身を我に捧げよ。そして、私は神の力を手にし、この世界を征服するッ!)」

 

 

 白上は必死に抵抗するが、刀の意思により、手離すことが出来なくなっている。

 

 

 「離…れないッ!…うぅ…魔切…くん…貴方、だけでも、逃げ…て…!」

 

 

 「(この娘…まだ抵抗するかッ!ええい!こうなればもう一度狂ってしまうがよい!)」

 

 

 ──出来るかよそんなことッ!…大丈夫だフブキ…覚悟は出来た…お前が狂っても、直ぐに元に戻してやる!…来いッ!

 

 

 「あ、う、ウウッ…ウグアァァァ!?」

 

 

 白上は刀の力によって、また狂ってしまった。彼はそれを止めようと奔走する。

 

 

 再び、狂ってしまった白上を魔切は気絶を狙って、攻撃を仕掛ける。意識を失えば、フブキが苦しむことが無くなり、その間に刀を回収すれば、もしくは破壊すれば、彼女を救えると、魔切は隙を狙い続ける。

 

 

 ──………………ッ!今だッ!そこッ!蹴り穿つッ!

 

 

 魔切は白上が動き止めた一瞬に懐に入り…蹴りを喰らわせる。本来はあまり力を加えないが、気絶させるために本気の蹴りを入れた。

 

 

 「ガハッ!……」

 

 

 ──…動かないか…?今のうちに…ッ!

 

 

 魔切が近づこうとした時に、白上は抜刀した。それに僅かに反応が遅れたせいで、服を少しだけ斬られてしまう。常人であれば、反応はすれど、気付いた時には斬られているだけだが、白上と一応は互角に戦える魔切は、油断したがゆえに傷はしなくても、斬られたことに生命の危機を感じていた。

 

 

 ──理性がある時よりも…頑丈だし、強い!ちょっとやそっとじゃあ、気絶はしないか…

 

 

 「ウウ…ウガァァァ!!」

 

 

 「(素晴らしいな!この身体は!是非とも我はこの身体を手にし、世界を血染めにしてくれようッ!)」

 

 

 白上は起き上がり、構えた後に、突っ込んでいく。そして白上が得意とする抜刀技、葬刃(そうじん)という技を繰り出す。刀のバフも乗り、その力は増幅していく。

 

 

 ──ッ!疾いッ!…フブキは、苦しんでる…絶対に、だから早くしないと…!

 

 

 魔切は構えるが、あまり力が入らない。恋人を傷付けなければいけないと考えてしまうから、魔切は籠める力が全力ではないのだ。

 

 

 何処かで、セーブを掛けるせいで、魔切は十分に戦闘をすることができないのだ。防戦一方になっているのは、そのせいなのだ。

 

 

 何度目かの攻防の末、魔切は覚悟を決めたかのような顔をする。…決意は、(みなぎ)ったようだ。

 

 

 ──…終らせようッ!いくぞッ!

 

 

 「ウグアァァァァ!!」

 

 

 「(終らせてくれるッ!我が征服の(かて)となれッ!)」

 

 

 お互いに駆ける。そして、二人がぶつかる寸前…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔切が武器を手離した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

グサッ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ア、ア、…え?…魔切…くん…?」

 

 

 「(バカなッ!奴は何を考えてるッ!?)」

 

 

 ──…どうやら…これが、正解かな…?ゴホッ!

 

 

 魔切は今腹部に深く妖刀が突き刺さっている。そこから止めどなく、血が流れ出ている。

 

 

 「え…あ、あの…ちりょ…」

 

 

 白上が最後まで言いきる前に、唇に柔らかいものが触れた感触をした、口づけをしたのだ。しかし、その味は、甘酸っぱい初恋の味ではなく、鉄の味が、血の味がしていたのだ。

 

 

 「…あ、え?はにゃ?にゃにを…?」

 

 

 ──…ごめんな?…こうやって、眠り姫を起こさないと、いけないと、思ったからさ…この通り、元に、戻ってくれた…だろ…?

 

 

 「…あ!治さないと…でも、これ、治癒魔術…どうしようッ!」

 

 

 「(くそッ!なぜ自由が効かないッ!こちらの干渉を…遮ってるだとッ!生意気な…!)」

 

 

 ──フブキ…俺は止められなかったよ…お前を、ちゃんと、恋人として…救いたかった…ゴボッ

 

 

 彼は言葉を紡ごうとする。しかし、傷は深く、早く治療しなければ、魔切は死ぬだろう。しかし、誰かが来る気配はなく、白上も治療の術を持っていない…

 

 

 「喋らないで下さいッ!今、これを…」

 

 

 ──…もう良いよ。…俺はもう、ダメだからさ…

 

 

 「そんな…諦めちゃ駄目ですよッ!もっと…私と…生きてくださいッ!」

 

 

 彼女は泣きながら、彼に懇願する。…しかし、時というものは残酷で、魔切がもう助かる範囲のことは、出来なくなっていた。

 

 

 ──俺も…一緒に、生きたかった…遊んで、愛し合って、それで一緒に暮らせば、俺は幸せだった…だけど、もう無理かな…?

 

 

 「そんな、私の、せいで…ごめんなさい…ごめんなさい…」

 

 

 彼女は自分のせいだと嘆き、懇願し始める。それを見て、魔切は涙を拭いながら頬を撫でる。

 

 

 ─フブキ、フブキは悪くないよ、悪いのは、…そうだなぁ…確実に、悪いのは…アイツだけど、こんな選択をした、俺も悪いよ…。絶対に、フブキが…ガハッ…悲しむって…分かってたのに、死ぬだろう攻撃を、受けたんだからさ…ケホッケホッ

 

 

 「魔切…くん…。」

 

 

 ──だからさ…フブキ…あの日の…誓いは守れなくても…俺が、ずっと、お前の傍からは、離れないよ…

 

 

 口元は血で汚れ、目が霞み、意識も朦朧とする中、彼は最期に言葉を届ける。

 

 

 ──そうだなぁ、改めて…ここで、誓うよ…俺は、永遠の愛を…君に、誓う、よ。愛、して…る。だか…ら…生き…て…く…

 

 

 彼はそのまま目を瞑る。そして、2度とその目が開く気配は、ない。白上はその言葉を泣きながらも、全て聞き逃さずに、黙って聞いていた。

 

 

 「…はい、その言葉、しっかり、聞き届けました…」

 

 

 「(恋愛ごっこは終ったかよ…こんなもん見せやがって…下らねぇッ!)」

 

 

 「ピクッ…恋愛ごっこ…だと…?」

 

 

 刀の言葉を聞いた瞬間、空気が変化した。そこには、白上では到底出せない雰囲気を醸し出していた。

 

 

 「(…!?なんだッ!この力は…!こいつ、こんな力をどこにッ!…?)」

 

 

 「…どうやら…よほど自分の存在を消し去りたいようだなぁ…?」

 

 

 白上の辺りの魔力が変化していく…神性の満ちたものからどす黒く、歪んだ魔力が辺りに満ちていた。

 

 

 「(こいつ…雰囲気が変化した…!不味いッ!早く乗っ取らなければッ!)」

 

 

 「無駄だッ!もうてめぇが逃げる術はねぇんだよ!大人しく成仏しなッ!」

 

 

 「(バカなッ!我の存在が…喰われている!?くそッ!逃げれんッ!何なのだこの娘はッ!)」

 

 

 周りの魔力が、刀を覆う。それは、刀の意思を奪うもの、存在を消し去り、喰らい尽くす暴威。その魔力は全てを喰らい尽くすと、霧散していった。

 

 

 「…ハッ!口程でもなかったな。…ったく、アイツ…ムカついていたが…何にムカついていたんだ…?ま、いっか!どうせアイツは消えて良い奴だと思うし、…なんだ…?ずっと泣く声が聞こえる…?」

 

 

 「(…生きないと…生きないとッ!私を…不幸にした奴らを…許さないッ!)」

 

 

 「ッ!なんだ…?急に…意識が…」

 

 

 彼女はその場で急に意識が暗転する…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …気がつけば、辺りは瓦礫の山に成っていた。自分が通っていた学校は見るも無惨な姿にそしてあらゆる施設、いや、建物が自分の目の前から消え去っていた。あるのは、コンクリートや木材の残骸のみ。これは、1人の獣人により巻き起こったことである。

 

 

 「私…何てことを…」

 

 

 白上は、目の前の惨状が自分で起こしたことを理解した。故に、好きだった友人、慕ってくれた後輩、安らぎの場所、そして彼の亡骸。それらを全て喪ったことになる。

 

 

 「……あ、あそこは……」

 

 

 彼女の目線の先にあるのは一本の木。春には桜が咲き、恒例のデート、告白スポットとして有名で、ここで誓った愛は必ず叶う。とまで言われるぐらい。有名処だった。

 

 

 「…護ろう。私は…何もなくなったけど…この木だけは…護らないと…ッ!」

 

 

 彼女は、ここで、彼との誓いをし、見事に結ばれた。しかも、上級生と下級生という異例のカップルなので有名になるのも早かった。そして、彼女も彼とここで誓いをたてていた。別の場所であったが、先程の物も含めて、彼女はここを護ることを決意した。

 

 

 「そういえば…今まで、私って何をやってたんだっけ…?」

 

 

 彼女は、ここで心因性の記憶障害が起きていた。ここで何をやっていたか、誰かと遊んでいた。誰かと付き合っていた。その記憶があれど、明確な記憶は完全に忘れてしまっている。

 

 

 …短期のではなく、これは何かきっかけが来ない限り、思い出せないだろう。一時的に思い出せても、直ぐに忘れる。そういう…いわば彼女の罰である。彼女が、己に罰した結果。記憶を喪ってしまった。

 

 

 「…どうしよう…私って何をやれば…」

 

 

 「(うるせぇなぁ!少しは寝かせろッ!)」

 

 

 白上があわてふためいていると、何処かから声が聞こえてくる。それが自分の身体の中から聞こえてくることがわかった。白上は目を瞑り、なんとなく、気配を探る。

 

 

 「(…誰ですか!?)」

 

 

 「(あん?てめぇこそ誰だよ?)」

 

 

 自分が心の世界に入ると、自分に似た存在を見つけ、思わず声をあげてしまった。心の世界を見れる時点で人外ではあるのだが、彼女は自然とそれを受け入れている。

 

 

 「(私ですか…?私は…あれ?フブキですけど…あれ?苗字…苗字って…何でしたっけ?)」

 

 

 「(…こいつ…まさか…!忘れたのかッ!くそッ!不味いぞッ!あの時みたいにやられたら…)」

 

 

 彼女が存在を忘れる。それは、自身の危険も兼ねている。存在を忘れれば、何をしでかすかわからない。意識を失う前に自分が感じたあの感触を、2度と起こさないように、彼女は説得する。

 

 

 「(お前はフブキだッ!それ以上でも以下でもねぇ!何かいろいろあるだろうが、今は生きることだけ考えろッ!」

 

 

 「(生きることだけ…そうですね。私は生きないといけないですもんね…。では、よろしくお願いします!…え~っと…黒ちゃん!)」

 

 

 「(あん?誰だよ黒ちゃんって…)」

 

 

 「(黒ちゃんは貴女ですよ!だって、名前無いんですよね?)」

 

 

 「(なんてそんなところは敏感なんだよ…まぁ良いや、黒ちゃんで良いよ。よろしくな、フブキ。)」

 

 

 こうして彼女達は二人でこの木を護っている。この木は1000年以上経つ今でも、桜が満開する。不思議な木。違和感を持つものは誰もおらず、ただ、2人は護っている。…2人とも、本当の意味も分からずに、ただ、記憶のもと、そこを護っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~現在~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「(ったく、ようやく終ったかよ…長ぇし、自分の所も何でか見れるし、気持ち悪いんだよなぁ…アイツはここから、幸せな記憶を見れる。アタシはそれを知ってるけどあいつには言わない。言ったらさっきみたいにぶっ壊れるからな!)」

 

 

 彼女は、長い上映を終えた客みたいに、立ち去ろうとする。しかし、どこにも逃げ場はなく、ただ、白上が目覚めるのを待っている。

 

 

 

 

 

 幸せな夢、過去の夢、それを今だけは…彼女に見せておこう。彼女達はもう現実を見れない(見ない)、希望を感じれない(抱かない)、周りを聞けない(知りたくもない)

 

 

 

 

 

 

 

  だからこそ、もう2度と助からない。救われない物語。これを救ってくれるのは…もう少し未来の話である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 番外編に力を注ぎ過ぎた…不味いぞ?本編全然かいてねぇ…

 誰かこのフブキを幸せにしてやってくれ…設定送るので…

フブキについて

  • 夢の続きを見せろ!
  • 狂った姿を見せてくれよ!
  • そんなことより本編くれよ!
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