ホロライブラバーズ外伝 有り得たかもしれない未来   作:アズール

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 取りあえず、連続投稿だ!おらッ!重いのはこっちだッ!愉悦部集合ッ!

 完成したから投稿します。今度からは一つに絞って書いた良いかもしれないっすね。

 


騎士七夜 とある1日

 ここは、魔界。姫森ルーナの住まう城。ここでは、一人の騎士が、大扉の奥で未だに眠っているルーナの眠りから覚めるのをずっと待ちわびていた。

 

 

 ──姫、当方は心配です。いつお目覚めになられるのですか…?当方は、今でも、姫の目覚めをお待ちしております。

 

 

 しかし、扉の先からは返事はなく、沈黙がその場を支配していた。やがて彼はまた、口を開いた。

 

 

 ──…今日も、駄目みたいですね。当方に、こちらから姫と顔を逢わせることは、出来ません。どうか、お目覚めになり、当方とまた会話する権利を戴かなくては、当方は許しを乞うことも、出来ません。

 

 

 彼は、ルーナの騎士…いわゆる"ルーナイト"の称号を持っている。しかし、今は彼はルーナイトとしての資格を自ら剥奪している。だからこそ、謁見の権利を所有していないのだ。…理由は後程、彼…魔切の回想でわかるだろう。

 

 

 ──…この身はすでに、ルーナ姫に捧げると決めた…こういう事でしか、愛を示すことが出来ない当方を許して欲しい…っ……!過ちは…もう繰り返さない…

 

 

 彼は、そう呟き、その大きな扉から背を向け、その場を守るように立っている。

 

 

 「おーい、魔切ちん!」

 

 

 魔切が、再び門番をしようとしたときに、遠くから声をかけられた。それは、学生時代に知り合った魔族。ルーナの友人でもある常闇トワである。

 

 

 「うーん、その様子だとまだ目覚めてないっぽいね。」

 

 

 ──ええ、今も、眠っております。…どうされますか?貴女ならここを通しますが…

 

 

 彼は一歩下がって、扉から身を引く。しかし、トワは首を横に振り、

 

 

 「いいよ。目覚めてるかの確認と…魔切ちんの確認。まだ正気なんだね?」

 

 

 彼女はそう言いながら、魔切をじっと見つめてる。何かを確認したいようだ。

 

 

 ──…問題ないですよ。当方、姫がその命尽きるまで共にすると決めましたので、その時には、当方も腹を切って姫の後を追いますから。

 

 

 「…相変わらず、だね。そのルナちん好き。」

 

 

 魔切は異常なまでに、ルーナを好いている。元々、ルーナだけでなく、他のかなた、ココ、わため、トワとも関わっていたか、ルーナをある日好きに成った時から、彼の第一での優先順位が、ルーナになってしまった。

 

 

 「…昔はトワも狙ってたんだけどなぁ…ルナちん強いわぁ…」

 

 

 ──…まぁ、当方、あまり鈍くないので好意には気づいていましたが…今は姫一筋なので…

 

 

 

 「うん、分かってるよ。トワも諦めてるけど………もし、心変わりするようなことがあったら………いつでもいいよ?」

 

 

 彼女はそう言うと、その場を立ち去った。残された彼は、先程の言葉を受け止め、少し、悲しみの表情を浮かべながら…

 

 

 ──まだ、諦めきれて無いじゃないですか…当方の心は、変わらぬ愛であるのに、割りきれずに当方にばかりかまけていたから、貴女は…まだ、1人のままだと言うのに…

 

 

 彼はそう呟くと、顔を引き締めた顔をして、再び門を守る騎士になっていた。

 

 

 ──トワ…貴女は優しい。当方が罪から逃れたい…そう願えば、貴女のところへ行ったら叶うでしょう…しかし、我が愛は不滅。いかにして当方を陥落させようとも、それは、姫への愛に勝るものなし。故に、当方に構わずに、さっさと結婚なり、彼氏なりを作れば良いものを…

 

 

 先程の事を思いだし、思わず、昔の口調が出てしまうほど、緊張が解れてしまったようだ。

 

 

 ──いや、これは失礼か…彼女は私に好意を抱いている。…それは当方が騎士を目指してた時から、変わらないというのなら、それを侮辱する発言は許されない…まだ、未熟ですね。精進せねば…

 彼はそう言って再び気を引き締めた。その後、誰も訪問すること無く、彼はずっと門を護っていた。彼の罪とは…それはずいぶんと前の事である。彼がまだ、学生であった頃に、1つの事件が起こった。

 

 

 

 

 

 

 

  

~■■■年前~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ルーナ姫を御守りするべく、この学園に参上した!ルーナ姫を虐げる者共ッ!覚悟しろッ!」

 

 

 彼は、ルーナイトといわれるルーナ直属の騎士である。しかし、基本は不干渉であり、命令されない限り、表舞台には出ることすら許されない。しかし、彼はいきなり現れて、彼女を連れ戻そうとしている。はっきり言うと、命令違反なのだ。

 

 

 「なんでルナちんを連れ戻しに来たの?誰の命令?」

 

 

 「もちろん騎士団長からだッ!それ以外誰がいる!?」

 

 

 ──…騎士団長は当方だが…

 

 

 

 「は?貴様のような人間が騎士団長な訳無いだろ!それより姫ッ!早くこの場から…」

 

 

 そう、騎士団長は魔切である。それはルーナと彼が大衆の前で誓いを交わし、それを認められている。にもかかわらず、彼は、騎士団長は魔切ではないと、言い切ったのだ。

 

 

 「…うるさいのら…」

 

 

 「はい?今なんと…?」

 

 

 「その口を慎めといっているのらッ!」

 

 

 「あが…っ……!」

 

 

 ルーナは、低い声で、本気の怒りをルーナイトにぶつけた。それは周りが1回も見たこと無いくらいに、彼女は怒っていた。

 

 

 「お前なんか…ルーナイトの風上にも置けないのら!今すぐ…」

 

 

 ──落ち着いてください!姫、これは…何かあったかもしれませぬ。部下の不祥事は上である当方が処理します。ですので、今一度、怒りをお収めいただけるよう…

 

 

 彼女の怒りを収めるよう、説得をしたのは、騎士である魔切だった。主が過ちを犯さないようにするのも、騎士の勤めなのだから。彼の説得が届いたのか、先程まで激情を抱いていたルーナから、いつもの穏やかな顔へ変わって、少し反省した顔になっている。

 

 

 「ごめんなのら…ちょっと冷静さを欠いた行動をしてしまったのら。」

 

 

 ──姫が謝る必要はございません…全て、当方の不始末です。ですので、姫が気に病む心配は御座いません。…しかし、このような騎士は見たことありません…しばらく戻っていない内に、誰かが、勝手に雇用するものでしょうか…?

 

 

 魔切は、一応人間ではあるのだが、特例として、ルーナイトにしかも騎士団長に任命されたのだ。その彼は、ある程度ではあるが、団員の顔や特徴などは記憶していたが、今回やってきたルーナイトは鎧こそ着ているものの、記憶にない騎士だったのだ。

 

 

 「あり得ないのら…ルーナに通さないと、絶対に受諾されないシステムなのら。つまり…」

 

 

 ──鎧だけ着た一般人…ですか。……姫、どうやら、当たりのようですね。彼は、ルーナイトの鎧こそ着ているものの、鍛えられた様子はなく、また、正気ではない…洗脳状態にあります。…魔族であれば着れる…というのも、やはり問題点があるようですね。今後は、個人ナンバーでも刻んでおきましょう。

 

 

 兜を取って確認してみると、ひょろっとした体躯に、いかにも一般人ですと、いうような、衣服を着ていた。ルーナイトは基本的に、裕福な者が多い。だからこそ、例外以外は、何処かの貴族の次男、三男位でしか、ルーナイトは勤まらないのだ。だからこそ、魔族なのに、みすぼらしい衣服を着るのは、断じてあり得ないことなのだ。

 

 

 「はっ……!ルナちん!大丈夫だった!?もしかして…ルナちん…怪我してる!?何処か痛い!?」

 

 

 トワは突然激情を露にしたルーナに呆気を取られていたが、再起動し、ルーナの心配をしだした。

 

 

 「大丈夫なのら、トワトワこそ、ルーナのあれ見て怖くなかったのら…?」

 

 

 大事な友人に、いつも見せない姿を見せ、少し戸惑っているルーナ。しかし、トワはにっこり笑って、

 

 「トワ様も、さっきのあれにはムカついたから、逆にスッとしたよ!ルナちんの新たな一面を知れたから、大丈夫だよ?」

 

 

 「ッ!ありがとう…トワ…」

 

 

 ルーナは少し泣きそうになりながら、感謝を伝えた。そして、それをにっこり笑って返したトワは、魔切の方に振り返り、話し出した。

 

 

 「それにしても、こいつ…何が目的だったの?誘拐?」

 

 

 ──……なるほど、誘拐…ですか。ルーナイトに扮して、誘拐して、脅迫や交渉材料にするつもりなのでしょうか…。当方のが居る限り、そのようなことは、あり得ない。…では何故…

 

 

 彼は、推測した。何故、ルーナイトとして来たのか、それはルーナイトで騎士団長である自分も居るのに、バレないと思ったのか、それとも、別の意思があったのか…

 

 

 「…一回、お城に戻るのら。そうすれば、こんなことは起きないのら。」

 

 

 「そうだね。お城で何かあったかもしれないし、トワもついていくよ。魔切ちんも、当然行くよね?」

 

 

 ──当然です。私は、姫の…騎士ですから。

 

 

 二人が、魔界に戻ると言うと、トワも、二人と一緒に、魔界についていく。それが、この3人の、お約束みたいなものになっている。今回も例外はなく、何か帰る用事ができれば、必ず3人で帰るのが、定番になってしまったのだ。

 

 

 「じゃあ、明日の朝に、魔界行き列車に集合ね。ルナちんの事、守ってね。魔切ちん!」

 

 

 

 ──えぇ、任せてください。当方の全力をもって守って見せます。

 

 

 「ん!よろしくね。じゃあね。ルナちん、魔切ちん。」

 

 

 「トワトワ、またね。」

 

 

 ──…トワも十分気を付けてくださいね。また明日。

 

 

 彼らは別れを告げ、お互いに帰路に着く、そして、明日に備えて、準備を進める。ルーナの身支度は、基本的に魔切が整えることになっており、もはや、恋人というより、召使いや従者のそれと何らかわりない事をやっている。

 

 

 ──姫、明日の準備は……やはりまだ終わっていませんか…服は御自分で用意してください。それ以外は当方がやっておきます。

 

 

 「んなぁ~わかったのら。……魔切。我がルーナイト。明日は…ルーナを守ってくれる?」

 

 

 ──姫、我が主…明日だけではありません。未来永劫。貴方を御守りする。それが、ルーナイトです。

 

 

 これは、ルーナが、心配事が有る時には、毎回やってるやり取りで、これをやることにより、不安などが解消されるらしい。…無自覚惚気がよぉ…

 

 

 「…満足したのら…!明日もよろしく。魔切」 

 

 

 ──えぇ、お任せください。では姫、よい夢を…

 

 

 そうして、二人は眠りにつく。

 

 

 

 

 ~次の日~

 

 

 

 十分に眠りについた彼らは、予定通り、早朝の列車に乗ることが出来た。

 

 

 「よかった~。流石は王族だね?こんなプライベート列車持ってるなんて…」

 

 

 「ルーナは一応王族だから当然なのら。感謝するのら!」

 

 

 そう言って胸を張る。それを微笑みながら見守る魔切とトワ。そして、列車が発車すると、約3時間掛けて、魔界のルーナの城に着く。

 

 

 ──着きました。トワ、姫。足下に気をつけてください。

 

 

 彼はそう言って、先に降りて、手を差し伸べる。ルーナは慣れた手でその手を取るが、トワは、少し照れながら、その手を取る。

 

 

 「ありがとう…魔切ちん…(やっぱりカッコいいなぁ…)」

 

 

 「お父様に会いに行くのら。そうすれば、なんか分かるかもしれないのら。」

 

 

 ──かしこまりました。馬車は既に用意されております。では、また足下に気を付けてお乗りください。僭越ながら、私が御者を勤めます。…準備は宜しいですか?

 

 

 「…あ、うん。よろしく!魔切ちん!」

 

 

 「出発するのら。」

 

 

 ──では、失礼します。ハイヤッ!

 

 

 彼らの馬車は、更に駅から2時間掛けて、城に向かう。道中でショートカット出来るが、ルーナやトワに負担が掛かるので、安全なルートで進む。

 

 

 ──(…おかしい。駐屯している騎士が、いない。駅にも、1人は必ず居るはず…しかも、道中で今のところ、1人もすれ違わない。…何かあったかもしれない。ルーナイトだけなら、まだ当方の騎士団が可笑しくなったと思うだけだが…何かあったのかもしれない。)少し飛ばしますよ!

 

 

 

 彼は、1時間、馬車を走らせているが、すれ違うどころか、過ぎた町に、騎士が存在せず、不安な顔をしている町の人間ばかり、城で何かあったのではないかと、思った彼は、嫌な予感がして、速度を早めた。

 

 

 「…どうしたのら?」

 

 

 ──駐屯している騎士の姿が見えません!恐らく王城で何かあったのではないかと。

 

 

 「ッ!お父様に何か有ったのかもしれないのらッ!急いでッ!」

 

 

 「…大丈夫かな…トワ…心配になってきちゃった…」

 

 

 皆、不安を募らせながら、予定より、少し早めに城下町に着き、城に走らせるが、町の人間は1人も外出しておらず、閑散としていた。そして、城に着き、門番も居らず、門は開きっぱなしになっていた。

 

 

 「お父様ッ!お母様ッ!」

 

 

 ──姫ッ!御待ちくださいッ!…トワ、貴女を信頼して、1つ、御願いがあります。もし、この先に何かあれば、当方を置いて逃げて欲しい。

 

 

 「!嫌だよッ!トワも戦う…」

 

 

 彼女は戦うと言った。しかし、彼は静かに横に首を振り、

 

 

 ──…貴女は優しい…故に、もし、当方が思っていることが正しければ、まず姫は動けない。貴女はショックを受けるだろうが、まだ動ける。…これ程の状況だ。中は悲惨なことになっているだろう。だからこそ、姫を頼みたい。

 

 

 と、真剣な口調で、トワに頼んだ。それを聞いて、観念したしように、首をかしげて、首を縦に振った。

 

 

 「…魔切ちん。勘は良いもんね…わかった。トワ。頑張るよ。」

 

 

 そして、二人はルーナを追いかけ、

 

 

 

 

 ~城内~

 

 

 ルーナは少し入っていた先で、立ち止まっていた。何か、ショッキングなものをみた時の硬直みたいに、その場に立ち止まっていたのだ。2人はこの先の光景を見たら、同じ様に、硬直した。

 

 

 中は、とても悲惨な状態だった。壁、床、天井。ありとあらゆる所におびただしいほどの、血、血、血床や壁には、死体が転がっていたり、壁に倒れ掛かったり、壁に埋まっている死体までもある。

 

 

 ──アルマーニ、ハゼット、ピオネロ…

 

 

 今言った名前は、彼と同じルーナイトの仲間。人間である自分とも仲良くしてくれた。数少ない友人だった。それだけではない。王直属の騎士や城下町を守っていた騎士まで、無惨な姿になって、そこに転がっていたのだ。

 

 

 「そんな…ひどい…っ…!」

 

 

 「…お父様…お母様…もしかして…」

 

 

 ──姫、それは早計です。確認しに行きましょう。

 

 

 「魔切ちん………っ…」

 

 

 「魔切…?……」

 

 

 ──行きましょう。彼らは、今はまだ、弔うことは出来ません。彼らのために、早く。

 

 

 彼はそう言っていたが、目からは止めどなく、涙が流れていた。2人は見て、気付いたが、なにも言えなかった。王の間そこまで死体は、レッドカーペットのように敷かれていた。魔切は、その道を進む度に、恐らく名前をずっと呟いていた。

 

 

 ──…タルラック、ヴァンクリーフ、貴方は…ロザンですか…こんな…醜い顔になってしまって………すいません。先に進みましょう。

 

 

 

 ルーナイトは、分かりやすい鎧をしている。緋色の騎士団とも言われ、ピンクを基調としているが、今はその鎧は、どす黒い赤に染まってしまっていた。

 

 

 ──カナリア、ザック、マレット、ヨークス、…ッ!

 

 

 呟いていた彼が、急にとある死体に駆け出した。2人は、遅れながらも、追い付くと、彼は、死体を抱え、今にも泣きそうな声で、その名前を言う。

 

 

 ──アレクサンド、ルーナイト騎士団。副団長です。……彼は立派に勤めを果たしました。…せめて、安らかに、来世でまた会いましょう。闇の精霊の祝福があらんことを…

 

 

 「魔切…」「魔切ちん…」

 

 2人が見ていても、いてもたってもいられず、ついやってしまったという顔をして、再び、衣服を整え、

 

 

 ──お時間を取らせました。すいません。…行きましょう。

 

 

 涙は、止まらず、枯れてもなお、流れ続けている。彼をみて、何か出来ないか悩むが、今は進むしかないと理解し、何も言わずに前に進む。

 

 

 そう進んでいると、大扉、王の間までたどり着いた。

 

 

 ──騎士、七夜魔切!ここにッ!城の異変に駆け付けましたッ!入室の許可をッ!

 

 

 

 彼は、扉の前から、声をかける。しかし、帰ってくるのは、静寂。中に人が居るか、その確認だった。…暫くしても返ってこない。つまり…

 

 

 ──無礼をお許しください。ッ!

 

 

 

 扉を勢いよく開け、中を確認する。

 

 

 

 中は先程の廊下と変わりがない、しかし、1つ違うとするなら…玉座に、磔にされている。ルーナの両親だろう。そして、後ろの壁に、文字が書いてあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

『血を求める…もっと血を…まだ足りない…魔族の血を寄越せッ!』

 

 

 

 

 魔族の言葉で書かれたそれは、まさしく、快楽殺人(狂人のそれ)だった。革命でもなく、ただ、殺したかったら、皆殺しにされたのだ。そして、新たな血を求めて、獲物を探すため誘き寄せるため、あの騎士モドキを自分達の所に寄越したのだろう。

 

 

 「新しい獲物ぉだぁ!」

 

 

 ──赦さない、許さない!

 

 

 背後から奇襲された彼だが、盾をその奇襲してきた所に構え、そのまま地面に叩き付けた。

 

 

 「ぐへぇ!?」

 

 

 ─粗末な、ただの快楽のために…我が同胞を…我が忠誠を…侮辱したなッ!許さない!赦さないッ!只では殺さないッ!

 

 

 そう言いながら、彼はその犯人に自らの剣を突き刺した。何度も、何度も突き刺した。

 

 

 ─アルマーニは真面目だった!ハゼットはお調子者だったが良い人だった!ピオネロは優しい人だった!

 

 

 「がぁ……ぎぃ…うげぇ………」

 

 

 ──タルラックは兄貴分で年下から慕われていた!ヴァンクリーフは寡黙でしたが、面白い人だった!ロザンはナルシストだったが、誇りをもって仕事をしていたッ!

 

 

 「………ぁ……ぅ………」

 

 

 ほとんど息の根を止めるぐらい、致死量の出血は、もう過ぎているが、彼は止まらない。

 

 

 ──カナリアは女性であったが、勇敢で、可憐だった!ザックは人当たりが良かったからいろんな人に好かれていたッ!マレットはよくお菓子を作って皆に配るくらい、人が良かったッ!ヨークスは人見知りだったが人一倍努力していたッ!

 

 

 もう既に息はなく、骸になっているのに、激情は止まることなく、剣を突き立てる。

 

 

 

 ──アレクは…奥さんがいた…幸せの絶頂だったのに…どうして…どうして!あなたのような狂人に殺されなくてはならないのですかッ!

 

 

 そして、首をはねて、ようやく、自分が冷静でなかったことに気付く。

 

 

 ──ッ!つい冷静さを欠きました。姫ッ!

 

 

 「魔切ちん…ルナちんが…起きないの…!」

 

 

 ──眠っている…?起きてくださいッ!姫ッ!姫ッ!!!

 

 

 その声に答えることなく、静かに眠っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 後日、医者に見せたところ、心因性の昏睡状態。目覚める確率は低く、目を覚ますには、自ら以外に方法はなく、彼は、守ると言ったのに守れなかったことを、後悔した。

 

 

 騎士の遺体は、丁寧に弔われ、一人になってしまった彼は、闇の精霊のとの契約により、不老となり、1人門番をすることになった。

 

 

 

 彼は未だに、過去に後悔している。約束を守れず、苦しみ続けるようになった彼女を、未だに守るしか、彼の贖罪は存在しない。

 

 

 

 救われない世界。ルーナは永劫の苦しみに囚われ、騎士は守れなかった贖罪のために、今もその城を、彼女を守っている。

 

 

 この世界を、救われるのは、もう少し先の話。

 

 

 

 




 では、テイルズと古戦場と夏イベがあるので暫く投稿出来ません。許して?
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