アスカ・ラングレーが多すぎる   作:しゅとるむ

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第二話 シンギュラリティ・シンジラリティ

「で、どうして私が呼ばれたの?」

 

 そう首を傾げたのは、白衣を着た校医の赤木リツコ先生だ。ミサト先生同様、あたしとシンジの両親が勤める研究所に出入りしてるらしく、あたしたち子供にも日頃から色々目をかけてくれていた。

 

 シンジがあたしに彼女の力が必要だと頼んだので、あたしが電話して呼んだのだ。部屋の中に入ってくるなり、シンジに向かって冒頭の不機嫌な声を掛けてきた。

 

「……これは明らかにSF的状況だと思うんです」

 

 シンジがまだ眼帯ちゃんと惣流ちゃんの間に囚われたまま言った。リツコは部屋の中を見渡して、あたしが沢山いる事を確認して頷いた。

 

「たしかにそのようね。でも、あたしはあなたたちの学校の校医よ?便利なものしり博士ではないのよ?」

 

 しかもまだ仕事中なんだけど、とリツコは言うが、バッグとか持ってるところ見ると、どうせこのあとは直帰だろう。保健室に行っても、不在が多いし、真面目に仕事している感じではない。

 

「リツコさんは、ハヤカワの銀背、青背とかをコレクションしてそうな顔してるじゃないですか。だからこういうの詳しいかと思って」

「ちょっと待って、シンジ君。……それは明らかに偏見でしょ。だいたい早川書房のSF小説をコレクションしてそうな顔って、どんな顔よ!」

「集めてないんですか。でも話が通じる時点で……」

「……集めてるけど。ただ、最近は結構積んでるわね……金はあるのに暇がない、職場で勤務時間中に読んでたら生徒に垂れ込まれて、校長に怒られたし……」

 

 そりゃ垂れ込まれるし、怒られるわよ……だめな大人ね……

 

「うーん、じゃあそんなに期待しないですけど、解決策の考察検討をよろしくお願いします」

「SFファンをなんだと思ってるのと言いたいけど、興味深い現象なのは確かね。ちょっとだけやってみるわ」

 

 そして、リツコはあたし以外にたむろっているあたしそっくりの女たちをとりあえず、数え始める。

 ベッド上に、シリアスで深刻そうな顔をした二人……眼帯ちゃんと包帯ちゃん。この二人がシンジを囚われのお姫様みたいに拘束している。

 ヘッドボードに寄りかかるのは意地悪そうで二重人格っぽい黄色ワンピちゃん。

 カーペット敷いた床に座り込むのは、コスプレイヤー風の魔導師ちゃんと甘党かしら?のコージーちゃん。それから、花火大会帰りっぽい浴衣ちゃんとドジなシンジに押し倒されてばかりらしいツインテちゃん。

 押入れ脇に立つのは、高校生で巨乳のメロンちゃん。

 ベランダには、三十代の寂しげな美女、三十路さんと、なぜか宙に浮かんでいる白いつなぎ姿のテンコーちゃん。そして、シンジと結婚したと言い張る結婚詐欺師ちゃんと、シンジの下半身に興味津々の女子高生ポークビッチちゃん、切なく幸せそうな物思いに耽りため息をついているパーカーちゃん。

 

「……アスカがいっぱいね。アスカ・ラングレーが多すぎる、なのね」

「はい、一人でも持て余してるんで、とても困ります」

「「「ぬわんですってえ!」」」

 

 シンジの発言に、あたし含むあちこちから怒りの声が上がる。碇シンジに対する怒りの声。ぷぷぷぷ。

 

 あ、ごめん。オヤジギャグみたいな事を言って、自分で受けてる場合ではなかったわ。

 

「アスカが、きのう、ここも首都になるからどんどん人も増えるわよって言ってたの……こういう事だったの?」

「おバカシンジ!そんなわけないでしょ!!」

 

 あたしがそう言うと、あちこちからシンジの反応に対する声が上がった。

 

「やっぱりシンジはどこでもバカシンジなのね」

「しょうがないよね……バカシンジだもの」

「バカシンジだからしゃあないか」

 

 みんながシンジを小馬鹿にするような視線で見ている。でも、さっきのシンジの反応、あたしもおバカとは言ったけどちょっと可愛かったと思う……天然のシンジ、かわいい……。

 

「なんだか皆にバカシンジって言われると、少し苛々するなぁ」

「普通はあたしにしか言われたことないものね」

 

 何せあたしの「バカシンジ!」が一番、愛情が籠もった言い方なのよ。だからシンジもそう言われて、苛々しないんだから。あたしのバカシンジって言葉は、バカなシンジを構ってあげたくて、シンジが可愛くて、大好き!そんな意味なんだから。

 だが、バカシンジ呼びは実のところ、年期がものを言う。バカシンジと呼ぶシチュエーション、呼ばないシチュエーションをどう選ぶのか。一番効果的な時にだけ、バカシンジと言わなくてはいけない。つまり、「バカシンジ!」を安売りしてはいけないのだ。

 そして、どんな顔をしてバカシンジと呼ぶか。どんな声音で、トーンで、声量で……「バカシンジ道」をなめちゃいけないわ。あたしはそれを物心つく前から実践し、体得している。シンジにだって、いっちょ前の自尊心はあるのに「バカ」と呼ばれても、ニコニコしながら、あたしからの愛情を感じられる……それは、ひとえにあたしの「バカシンジ道」研鑽の賜物だ。

 あたしの見るところ、先ほどの他の子たちの「バカシンジ」もなかなかな響き、シンジに対する仄かな恋心は漂うものだったけど、それでもやっぱりシンジへの深い愛情については些か不足気味なんじゃない?

 だからうちのシンジもちょっとだけ苛々してしまうのよ。

 

 しかし……、どうにかならないのかしら。あの二人。眼帯ちゃんと包帯ちゃんは。

 

 あたしは、はやくあのベッド上の二人を排除して、あたしのシンジをこちらに連れ出してやりたい。あの二人はきっと愛が重い女だわ。重すぎる。うちのかわいいシンジが愛の重みで潰されちゃう。

 

「ねぇシンジ君。この子たちはそもそも、どういう状況で出現したの?」

 

 リツコがベッドに近付いて、シンジに尋ねた。

 

「どこ行っても、リツコはこういう役回り?」

「けっきょく便利なものしり博士なのよ……」

 

 眼帯ちゃんと包帯ちゃんがそんなリツコを見て、ひそひそと会話を取り交わす。

 

「あの……僕が学校から帰宅したら、すぐに押し入れの襖が開いて、次々にアスカが出て来て……」

「ふうむ。押し入れに特異点があるのかも知れないわね」

「特異点?……でも、さっき調べたら押し入れには何もありませんでしたよ。普通の押し入れでした。むろん他に出入口とかもなくて」

「すると特異点は場所ではなく、人なのかも知れないわね。シンジ君の帰宅後すぐに現象が始まったのならば」

「えっとあまり詳しくないんですが……特異点というと?」

「まあ、そこを目指して、沢山のアスカが集まってくるみたいな話かしらね」

「「ええーっ!!」」

 

 あたしとシンジは揃って悲鳴を上げた。

 

「結論から言うと、この子たちは平行世界のアスカということね。聞いたことあるでしょ、パラレルワールドとか世界線とか時間流とか時の円環とか……」

 

 ……やっぱり、この子たちはあたしなんだ。覚悟はしてたけど。

 

「まあ、何となくは」 

 

 シンジが頷く。シンジも男の子だものね。SFとか巨大ロボットとかそういうの、それなりに好きなのよ。あたしは全く興味が湧かないけど。要するに別の世界のあたしが沢山現れたってことなの?

 

「つまりこの子たちは未来や別世界のあたしって事ですか?それがなぜあたしの部屋ではなくてシンジの部屋に出てくるんですか?」

 

とあたしは素朴な疑問を口にした。

 

「そこで先ほどの特異点よ。押し入れが特異点の可能性もあるけど、押し入れの宇宙空間での絶対座標は地球の自転と公転で一刻ごとに変化してるでしょ。だから実際には押し入れを目指してくるというのは少し考えにくいわ。そこで考えられるのが、シンジ君こそが特異点なんじゃないのかという推測ね。特異点、すなわちシンギュラリティ。いいえ、この場合は、『シンジラリティ』、と言うべきかも知れない」

「シンジラリティ……な、なんで僕が?」

「それはどこの世界に行ってもアスカが、シンジ君のことを好きだからじゃない?」

「な!あ、あたしは別に……」

 

 あたしは赤くなって俯いてしまう。人前で言う話ではないし……

 

 シンジも少し赤くなっているみたい……

 

「アスカって言ったのは、異世界のあの子たちのことよ」

 

(ま、あなたも当然そうなんでしょうけど)

 

 リツコが浮かべた微笑みがそんな風に言ってる気がして、あたしはすこし、気に入らない。

 

「あなたたちもシンジ君が気になる?」

 

 そう言って、リツコが異世界のあたしたちを次々に指さすと、指された子の多くが、順々に頬を染めていく。ぶんぶんと首を左右に振ったり、そっぽを向いたりして否定するが、そういう反応を示した子は、かえって気持ちは同じなのがバレバレだ。

 ただ、何人かは普通に「別にそんなんじゃないわよ」と否定していた。黄色ワンピちゃんと魔導師ちゃんがそうだった。

 

(反応を示した子たちは、わかりやす過ぎる……ってか、あたしもまさかあんな感じでシンジ好き好き……って気持ちが周囲にバレバレなの?)

 

 だとすると、クラスとかでは気をつけないとまずい。人の振り見て我が振り直せ。大量の「あたしではないあたし」の出現はあたしにいろんな事を教えてくれるのかも知れない。

 

「ま、好きとかは少し単純化した冗談よ。実際には好きだとは限らない。もしかしたら憎んでいるかもしれない。愛情と憎悪は表裏だから。それに、愛情ではなく、親愛かも知れない、友情かも知れない、あるいは、戦友としての同志感情か、家族愛か、夫婦愛か、愛人関係か。でもいずれにしても、シンジ君とアスカの間にはどの世界でも浅からぬ縁があるというのは言えそうね。そうでしょ?あなたたちの世界にもシンジ君が存在しているのよね?」

 

 リツコはそう推測して、あたしそっくりの女たちに声を掛ける。

 

 すると一人がおもむろに口を開いた。

 

「……ガキシンジとはさっき別れてきた。だからその縁とやらも終わりよ」

 

 眼帯ちゃんこと式波少佐だ。え?お別れ。それは悲しいだろう……実際、なんとも言えない表情をしている。一つの恋が終わったような、それでいて引きずるような、未練と失恋の集合体みたいな。

 

 でもそうだったのなら、その腕を今さら、あたしのシンジの腕に組むのは……

 

「あたしたちはお互いの気持ちは確認した。だからもういいんだ。事は終わったんだ」

 

 とても、もういいとは思ってない表情で式波さんは言った。すると、それを遮るようにシンジを挟んで反対側から声が上がる。

 

「シンジとはまだ話したいことがある。赤い海の浜辺に戻らなくちゃ……」

 

 そう言ったのは包帯ちゃんだった。そっと首に手をやって、息苦しそうにしている。

 

「あいつめ……本気で絞めてくれちゃって……」

 

 え?そういえば首にうっすら内出血のような……まさか誰かに首を絞められたの?オオゴトじゃない。誰がやったのかしら……

 

「……でも、アタシはアイツの告白で二人の気持ちが同じだって分かった。凄く、嬉しい。だったらあの浜辺からちゃんとやり直せる」

 

 包帯ちゃんは身体の怪我とは裏腹にとても嬉しそうだった。そう、眼帯ちゃんと包帯ちゃんはシンジを間に挟みながら、対照的だ。何かを振り切ろうとする眼帯ちゃんと、何かに拘ろうとする包帯ちゃん。

 

 ヘッドボードに背中を預けた黄色ワンピちゃんが話に加わった。

 

「うちの所のシンジは少しスカしてる。でもアタシは色々あって、アイツを戦友として信頼してる。つけ上がらせたくないから、本人には言いたくないけどね。色恋とかじゃないわよ、アタシが好きなのは加持さんだもの。でも、シンジは生意気だけど別にキライじゃない」

 

 それからふっと鼻で笑って、彼女は続ける。加持さんといえば、あたしたちの世界ではミサト先生の彼氏の筈だけど……。

 

「だからアンタたち……別の世界のアタシがシンジとイチャイチャみたいな話を聞くと、うぇー気持ち悪ぅ、ってなったわ。アンタたち、男の趣味悪すぎ。バカシンジはないわ……」

 

 黄色ワンピちゃんはどうも一言多い。しかし、シンジに対する一定の信頼と友情は感じられる。巧みに韜晦したような喋り方は、本心を容易に気取らせない。

 

「……まぁ、私の気持ちもそれに近いかな。別にシンジとは色恋沙汰はないもの。単なる部活仲間だけど、ただ、同居人として、ミサトたちの横暴には一緒に立ち向かわないとだし」

 

 と言ったのは、魔導師ちゃん。てかミサト先生の横暴ってなんだろう?宿題を沢山出すとかかしら?

 

「だから、えこひいき……綾波レイに『碇・アスカ・ラングレー』とか呼ばれたときは虫酸が走ったわよ。ま、いつものわかりにくいボケだから、速攻突っ込んだんだけど」

 

 魔導師ちゃんは苦笑する。するとベランダに居た例の結婚詐欺師ちゃんが、顔を上げる。

 

「呼んだ?」

「ん?」

「碇・アスカ・ラングレーってアタシのことよ。旧姓、惣流。今は碇。だってシンジとはもう結婚してるから」

 

 だから、それはシンジの同意を得てないから無効でしょ……。

 

 結婚詐欺師ちゃんは、部屋に入ってきて、魔導師ちゃんに結婚証明書とやらを突き付ける。

 

「……読めないわよ、何語?」

「スペイン語よ。ウルグアイで発行してもらったアタシとシンジの結婚証明書。手続きは加持さんに手伝ってもらった。写真と名前ぐらいは分かるでしょ?」

「……ホントだ。へぇ、加持さんって単なるセクハラ&下ネタ武勇伝オヤジかと思ってたんだけど、まともに役に立つこともあるんだ」

 

 しげしげと結婚証明書を眺めてから、魔導師ちゃんは周りの子にも、回覧する。

 

「大切に扱ってよね!大事な書類なんだから!」

 

 そこで、これまでキョトンとしていたシンジが口を開いた。

 

「あの、僕、君の世界では君と結婚しているの?」

「そうよ、うれしいでしょ?シンジの奴も驚いてたけど、それもすぐに落ち着くでしょ」

「僕と結婚してるのに、僕が驚いてた……?」

 

 シンジの当然すぎる疑問に、結婚詐欺師ちゃんはちょっとしまったという顔をした。慌てて、結婚証明書を回収すると、ベランダにとって返した。

 

「し、シンジはシャイなの!」

 

 そういう問題か?だって同意してないんでしょ?あたしは彼女を見てから、不安そうな顔をしているあたしのシンジに向かって優しく声を掛けてやる。

 

「シンジは心配しなくていいからね。あんな子ばかりじゃないよ。あたしはシンジに黙って、勝手に事を運んだりしない。婚姻届はちゃんと二人で出しに行こうね。だから安心してね」

「う、うん……すこし、安心した。そうだよね、僕のアスカは優しいもの」

 

 優しいというか、これは戦略戦術の問題だ。

 強引に事を運んで、シンジに逃げられたらどうするのよ。結婚詐欺師ちゃんの拙速なやり方は、たぶん、彼女がシンジのことを好き過ぎるからなんだろうけど、アタシには危ういものに思えていた。

 

 一方、コージーコーナーの箱を持った子、コージーちゃんはシンジの話題には不機嫌だった。リツコに水を向けられてもぶすっとしている。

 

「ふん、最近のアイツは霧島とか言う子に夢中だから、知らないわよ……でも」

 

 霧島さんとやらいう女の子の事は知らない。ただ、あたしには、シンジとつい喧嘩してしまった後の気持ちはよく分かった。だって、本当に子供の頃からしょっちゅうシンジとは喧嘩してたんだもの。男子と女子だから、すぐに行き違う、すれ違う。そのたびに怒ったあたしの方が余計に消沈した。だから、あたしは思わずコージーちゃんに話しかけてしまう。

 

「本当は仲直りしたいよね。シンジは甘党だから……」

「うん。コージーコーナーのシュークリーム……シンジに買ってきたの……」

 

 彼女が持っているコージーコーナーの箱に視線が向いた。

 

「それ、冷蔵庫に入れる?」

「あ、ありがとう。……助かる」

 

 あたしはキッチンに入り、よそ様(将来的には違う予定よ)の冷蔵庫を勝手に開けてコージーコーナーの箱を隙間に突っ込んでおいた。部屋に戻ると、コージーちゃんの話の続きを聞いた。

 

「霧島マナっていう転校生女子にシンジがずっと入れあげてる。あの子は戦自の工作員だって見え見えなのに、シンジはバカだから気付けない。シンジは分かりやすく示された女の好意にはすぐポーッとなる。アタシの気持ちには絶対気付かない」

 

 戦自とか工作員とか何の話だか分からない。分からないが、要するに女にはシンジ以外の目当てや目的があり、シンジはそれに気付けないって事なのね……。そしてこれは女の勘だが、その霧島って子のシンジへの想いも、きっと「単なる工作ではない」。シンジ以外の目的があったとしても、その目的のために好きな振りをしている、といった話では恐らくない。真剣な想いがそこにはあり、コージーちゃんもそれは分かっているのだ。分かっているからどうしても許せないのだ。何にも分かってないシンジのことが。

 

「その……あなたもその霧島さんって子みたいに素直には、なれないの……?」

 

「イヤだ。そんなの絶対にイヤだ。シンジは自分から霧島って子にはモーション掛けてる。アタシがシンジに素直になってアタシから告白するのとか絶対イヤだ。だって、それで拒否られたら、もう立ち直れないじゃない!……アタシはシンジに霧島マナよりもアタシを好きになってもらいたい。でも好きになってくれないなら、別に好きになってくれないままでもいい。身体を差し出して、アイツに襲われてもいい。それで霧島には勝てるんだから。霧島には絶対に勝ちたい。でも、アタシからシンジに好きだなんて、言いたくない」

 

 ここにも一応シンジがいるのだが、気にせず無視して話してるのを見ると、コージーちゃんの想いは相当に重いのだろう。コージーちゃんにとってのシンジとは元の世界のシンジしか考えられず、他の男の子は本当に眼中にないんだ……。そしてちゃんと男の子の方からするべきことをしてほしいと思っている。確かに、それが女の子のプライドだよね、乙女心だよね。

 

 多くの恋心を垣間見て、あたしは胸がまたざわめき始めている。

 

 曖昧なままに停滞させておいたシンジとの関係、なぜならそれが心地よかったからだが、あたしは真剣に恋を進めたいという気持ちが高ぶり始めていた。

 だって、昨日の転校生綾波レイみたいなのが、いつ恋のライバルへと昇格するか分からない。手をつかねて、大切なものを失うような愚は犯せない。結婚詐欺師ちゃんみたいにシンジの意志を無視したらダメだけど、でも、コージーちゃんみたいに、堪えてシンジからのアプローチを引き出す為にはむしろなんだってする、みたいなのも辛すぎる。あたしたちの身体はそんな切ない取引材料であってはいけない筈だ。

 シンジの気持ちがあたしへの恋心に成長するまでじっと黙って待っていたら、悲しい思いをするのはきっとあたしだ。だから、あたしはもっとほかの子たちの話を聞いてみたかった。シンジに対する「たくさんのアスカたち」の想いを聞いてみたい。あたしはこれからどうすればいいのかをそこから確認して行きたい。

 

 たぶん、それこそが、彼女たちがこの世界に現れた理由の一つ。何となく、あたしにはそんな風にも思えたから。

 

 

 

出演アスカ一覧(登場順)

 

語り手ちゃん

惣流・明日香・ラングレー from 新世紀エヴァンゲリオン(TVシリーズ)第二十六話・学園エヴァ

 

~~室内組~~

 

眼帯ちゃん

式波・アスカ・ラングレー from シン・エヴァンゲリオン劇場版:||

 

包帯ちゃん

惣流・アスカ・ラングレー from 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に

 

黄色ワンピちゃん

惣流・アスカ・ラングレー from 新世紀エヴァンゲリオン(貞本義行作漫画版)

 

魔導師ちゃん

惣流・アスカ・ラングレー from 新世紀エヴァンゲリオン ピコピコ中学生伝説

 

コージーちゃん

惣流・アスカ・ラングレー from 新世紀エヴァンゲリオン 鋼鉄のガールフレンド

 

浴衣ちゃん

惣流・アスカ・ラングレー from 新世紀エヴァンゲリオン 鋼鉄のガールフレンド2nd(漫画版)

 

ツインテちゃん

惣流・アスカ・ラングレー from 新世紀エヴァンゲリオン 碇シンジ育成計画(漫画版)

 

メロンちゃん

惣流・アスカ・ラングレー from エヴァンゲリオンANIMA

 

オリジナルアスカ(登場予定)

式波・アスカ・ラングレー from シン・エヴァンゲリオン劇場版:||

 

~~ベランダ組~~

 

テンコーちゃん

式波・アスカ・ラングレー from 二次創作「式波さんちのダンナさん」by しゅとるむ

 

三十路さん

惣流・アスカ・ラングレー from 二次創作「大人のエヴァンゲリオン」by しゅとるむ

 

結婚詐欺師ちゃん

碇・アスカ・ラングレー from 二次創作「碇・アスカ・ラングレーの逆襲」by しゅとるむ

 

ポークビッチちゃん

惣流明日香 from 二次創作「シンちゃん!シンちゃん!大好きよ!」by しゅとるむ

 

パーカーちゃん

惣流・アスカ・ラングレー from 二次創作「楽園」by しゅとるむ

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