かつて俺は、デミサーヴァントである1人の少女と共に7つの特異点、7つの異聞帯を旅した。
《先輩!あちらにある食べ物はなんでしょうか?》
多くの苦難を乗り越えられたのは紛れもなく、隣に彼女が居たからだろう。
《先輩。私は先輩の選んだ道を信じます》
まさにその心は、何人たりにも犯される事のない純潔だった。その心は力となり、盾となりて多くの人々を守り通してきた。
《さすが先輩です!これでまた、多くの人達が笑顔で過ごせますね!》
けどその笑顔を、俺は守りきる事が出来なかった。守られているだけで、1番大事な人を守る事が出来なかった。
突如、その眼はある世界を映し出した。今までの歴史とは全く違う歴史。前提を間違えた俺の知らない人理焼却への道筋。その始まりも過程も終わりも全てが残酷だった。
ついに時が来た。この星の終わりまで訪れるのかすら分からなかった終焉の1つが今、始まろうとしている。人理焼却を阻止する為に、俺が経験して来なかった多くの苦難に立ち向かっていくあの少女を、俺は今度こそ守りたい。
「マシュ、、、」
マシュ・キリエライト。常に俺の隣に立ち、常に俺の理解者でもあり、常に俺と共に生を共有してくれた俺のサーヴァント。今度こそ守るよ。
「、、、!?なんだこれは、、、こんな事が有り得るのか?」
俺がマシュを守る事を改めて決意した時、俺の瞳は俺の予想を超えるモノを映し出した。俺の物語が始まるのは2016年、カルデアでマシュと出会ったあの時から始まった。それ以前の事を俺が知るのはその約一年後、ソロモンでの時が初めてだった。
Dr.ロマンこと、ロマニ・アーキマンが
そう、常にソロモンがすぐ側に居ることに気づいるのはダ・ヴィンチちゃんしか居ない。なのに、、、
「既に正体を明かしている、、、?レフ・ライノールはゲーティアでは無く、ドクターに仕えていたいるのか?」
そう、前提が違う。それは俺が最初に見た《異常》を軽く凌駕し、どうでもいいと思わせるには十分過ぎた。そう、この世界線でゲーティアは人理焼却術式として存在していない。まさに伝承通り、ソロモンが操る魔術の総称、72柱の長として君臨していた。
それなのに、何故あの光帯が存在する?人理を焼却する為に、人の命と歴史と文化を物理的なエネルギーに変換させたあの光帯が。
《見たな?人類最後のマスターにして、人類最後の英雄となりえた者よ》
俺の千里眼を通して何者かの意思が流れ込んで来た。この存在感、俺が今までに対峙したことの無い存在に間違いない。英雄とも神とも魔人とも違う存在。
《幾ら思考を巡らせようと結果は分からぬぞ、人の子よ。お前は確かにこの世界にて、英雄の座に着き、
「だったら何だ。まさか忠告しにでも来たって言うのか?俺達はお前に勝てないと、そう蔑みに来たのか?」
《、、、、、はっはっはっは!忠告をしにきただと?蔑みに来ただと!?全く愉快だなお前は!そんな訳なかろう!何故そんな事をする必要がある?何故貴様らの闘志を否定する必要がある?いや無い。貴様らには無惨に、惨めに、残酷なまでに朽ち果てて貰わなければならないのだから》
「何が言いたい。俺達の虐殺を楽しむとでも言いたいのか!」
《否、私はお前たちの死をこの上なく悲しみ、憂い、懺悔する。されど、その犠牲は必要なものなのだと理解しろ。これは余の理だ》
「お前は、、、何者だ」
《今のお前にそれを知る資格は無い。その眼を持ってしても、私の存在に気付かないお前にはまだな》
これを最後に声は聞こえなくなった。遂に来た、未だかつて無い終焉の幕開け。
既に世界の破滅への秒針が進み始めてから約10年。ここからは
「私の名前は、マシュ・キリエライトです。えっと、先輩のお名前は?」
「私の名前は藤丸立香!女の子同士宜しくね?マシュ!」
カルデアで出会った二人の少女達は、この先に待っている試練を想像しえないでいた。その小さな体に、幼い心にはあまりにも重すぎる責任、あまりにも大き過ぎる使命、あまりにも多すぎる背負わされた命。その重さに耐えなければいけない残酷な現実をこれから実感していくことなる。
3章が出しだい、冒頭を編集します