メタル&スラッグ   作:あおい安室

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Mission4:日本各地の学園艦

 

 その後も様々な学校を回ってみた物の、成果はイマイチといったところ。

 

 例えば、聖グロリアーナ女学院。

 イギリスモチーフな学園艦で出迎えてくれた戦車道部の方はやっぱり紅茶を飲んでいた。

 

「こんな格言を知ってる?子供の楽しみに対する敵はいつでも父か教師である」

 

「……と言いますと?」

 

「うちはOGの権力が強い学校だから、練習や教導用でもイギリス製でない戦車の導入は無理ね。アンツィオ高校の食事をお土産に持ってきてくださったお礼です、せめて紅茶はいかがかしら?」

 

「い、いただきます……あの。胃薬とかいります?」

 

「そうね。もらえるのならいただいても?」

 

「どうぞ。どんなに傷ついても、ゾンビになったとしても元の体に元通りな我が社のお薬です」

 

「……ゾンビ?それはあなたの会社流のジョークなのかしら?」

 

「……え?あ!はい、そうですね。ジョークです、はい」

 

「後でうちの病院で念のため身体検査を受けてから帰ってくださる?」

 

 ちょっとした失言ですごく怪しまれてしまいました。失礼な。今はちゃんとした人間ですとも。口から血のビームを吐いたりとかしませんってば。なんで引くんですか。

 

 

 例えば、サンダース大学付属高校。

 出迎えてくれた方は凄くフレンドリーで話していて楽しいアメリカンな方でした。すごく疑問なんですが、聖グロリアーナの方といいこの方々は日本人なんでしょうか。

 

「細かいことは気にしない気にしない。それにしても……メタルスラッグ、ね。いいわ、面白い戦車だし、一台くらいなら導入してもいいわよ」

 

「本当ですか!?ありがとうございます!」

 

「でも、ちょっと物足りないわね。強化型とかはないのかしら」

 

「そうですね……赤く塗装したR型なんてものがありますよ。移動速度とジャンプ力が強化されたモデルでして、扱いは至難の業ですが乗りこなすと強力です。ただ、バグみたいなものが残ってまして……」

 

 なぜかバルカンが進行方向とは逆方向を向いてしまうのです。それが有効と判断した現場スタッフが現地改造したものが正規品にもいくつか採用されているという。

 

「oh……前方に火力を集中したいのに、後ろを攻撃しちゃうこともある感じかしら」

 

「そういうことになりますね。後退しながらなら使えるかもしれませんが」

 

「ふむ。それも気になるし注文しちゃおうかしら。でも、何かこう、もっと車体を大きくした強化タイプとかないの?」

 

「……METAL REARっていう戦車が信じられないくらい大きいですね。全体的に二倍くらいの大きさですけど……他社が勝手にコピーしたやつなのでこっちでご用意は……」

 

「ふ、複雑な事情があるのね……」

 

 複雑なんですよ。うちの会社一度倒産してますし。その後もいろいろなゴタゴタに私たち巻き込まれてますし。苦労人です。

 

 

 例えば、プラウダ高校。

 出迎えてくれた方はまさかの小学……もとい。それに見えるくらいに背が低い方でした。そんな勘違いをしたのでお付きの方の目が厳しい……。

 

「それよりもスラグギガントはないの?」

 

「えっ?」

 

 などと考えていたら、小さい方からとんでもない言葉が飛び出した。

 

「あれ、うちで雪かきする時に便利そうだから欲しいんだけど」

 

「えっ……?な、なんで我が社の最終兵器をご存じなんですか」

 

 スラグギガント。メタルスラッグの数倍もの大きさを誇る二足歩行型のロボットである。両手がクレーン状だからそういう用途に使うこともできなくはないけど、一体なぜ知ってるんだ。

 

「まさか……プトレマイック・アーミーの残党がこの学校にいるんでしょうか」

 

「……プラウダ高校の諜報力は、伊達ではありません。とだけ申し上げておきましょう」

 

「――っ!!」

 

 け、警戒しておかないと……!流石学園艦、一筋縄ではいきません!

 

 

 例えば、知波単学園。

 出迎えてくれた方はこれぞ日本人という容姿でこれまで外国みたいな雰囲気だったので一周回って落ち着きました。私も元々外国人なのでそういうことを言うのも変ですけど。

 

「ふむふむ、操縦については大体理解できました!」

 

「よ、ようやくですか。まさか同乗して教えないといけないとか……もしかして、知波単学園の人って勉強苦手……?」

 

「ところでこのレバーはなんですか?」

 

「あ、それはメタスラアタック用のレバーですね」

 

「メタスラアタック?」

 

「正式名称は近接最終決戦玉砕男度胸一番心臓発毛攻撃です。メタルスラッグを敵陣地へ突撃させて自爆させる機能ですが、多分使うことはないかと」

 

「なるほど!では、いざ突撃!!」

 

「躊躇なくレバーを引いたーっ!?」

 

 慌てて操縦していた方と一緒にメタルスラッグから飛び出す。メタルスラッグは煙を上げながら正面の壁へぶつかり大爆発を起こした。こ、これ始末書物では……!!

 

 

 例えば、継続高校。

 始末書をやっぱり書かされてくたびれた私を出迎えてくれたのは衝撃の光景だった。カンテレ、という名前だったか。そんな楽器を鳴らしている戦車道の方の背後には見覚えのある戦車が一台。

 

「……あのー。ミカさん、でしたっけ」

 

「ああ。カンテレがうるさかったかな?」

 

「それは……まあ、そうなんですけど。あそこにあるのってブラックハウンドですよね」

 

「ふふっ、正直だね。戦車の名前は確かそんな名前だったね」

 

「あれってうちのメタルスラッグのコピー品なんですが。しかも作ったとこ世界的に有名な武装組織なんですけども。どうやってそんな代物を手に入れたんですか」

 

「……風と一緒に流れてきたのさ」

 

「そんな馬鹿な!?」

 

 風で流れてくる戦車って何ですか……そう、問い詰めようとした私の脳裏によぎるのはかつての戦い。敵の本拠地どころか宇宙人の宇宙船とかありえない場所でも普通に出てきたメタルスラッグ。訂正。メタルスラッグはどこからでも出てくる戦車です。多分風に流されてもおかしくない。

 

「でも。それはそれとしてあの戦車は回収させてください」

 

「……ふむ。そうだね。君のところの戦車と交換なら考えよう」

 

 うぐっ、そうきましたか。戦車道使用の試作品は少ないから考えて使えって言われてるのに。

 

 

 ――といった具合で。何校かには導入してもらえたし、採用についても協力は取り付けられたけどどうもイマイチ微妙というか。何かこう、後もう一手セールスポイントが欲しいのだ。そんな思いと共に私は最後の学校へと向かうことになった。

 

 

 その学校の名前は、大洗女子学園である。

 

 

 




・薬
 なんで薬を使うだけでゾンビ化が治るんでしょうね……と思ってたら後に薬が入っている箱ごと食べて使っていることが発覚。なんだそれは。
・R型
 割とマイナー。バルカンの向きがおかしくなるのは、ボス戦用に特殊な仕様をプログラムしてたらそれを別作品にそのまま移植しちゃったというネタから。
・METAL REAR&ブラックハウンド
 敵組織がメタルスラッグのデータを基に造ったコピー品……なのだが、前者は尋常じゃない程にデカく、後者はめちゃくちゃ強化されている。
 ブラックハウンドはとある作品でプレイヤーも使えるのだが、バルカン砲の代わりに弾数無限の追尾弾を装備。情け無用!!
・スラグギガント
 大体本編で説明した通りのロボット。雪原ステージで登場して敵のロボットと殴り合った……どころかなぜか波動拳的な何かが出る。お前本当にロボットか。でも、捕虜に波動拳みたいなやつ打つ人もいるしいまさらか。
・メタスラアタック
 正式名称は本当にあれです、はい。ゲームではよく使うボタンの同時押しで発動するので誤爆してたこともしばしば。新しい方の作品ではボタンが別になりました。やったね。ちなみに最初は操作ミス(同時押し)で発動させるつもりでしたが、一部作品でレバー式で発動する仕組みだったのでああなりました。
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