ゼノブレイド2ソード・オブ・メモリーズ ~目覚めよ、幻想の聖剣~   作:ヒビキ7991

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第五話

天馬

「………う、う~ん?」

 

 

気が付くと、天馬は仰向けで地面の上に倒れていた。

 

 

「気が付いたか?」

 

 

そこへ、聞き覚えのある誰かの声が聞こえてきた。天馬はゆっくりと立ち上がり辺りを見回すと、そこは巨大な木々が生い茂る森の中だった。

 

 

天馬

「此処は、森?」

 

 

「恐らく、何処かの巨神獣に流れ着いたのだろう。」

 

 

と、今度は上から声がする。天馬が顔を上げると、木の枝の上にクリスの姿があった。

 

 

天馬

「クリス!」

 

クリス

「どうやら、怪我の心配は無さそうだな。」

 

 

クリスは飛び下り、天馬の前に着地。左手に持っている幻想剣月神を天馬に渡した。

 

 

クリス

「ほら、お前の剣だ。」

 

天馬

「この剣、確かメツと戦った時の………」

 

 

ガキーン!ガキーン!

 

 

突然、遠くから激しくぶつかる様な金属音と、モンスターの雄叫びが聞こえてきた。

 

 

天馬

「この音は?」

 

クリス

「大気中のエーテルが震えている………ブレイドとドライバーが戦っているんだ。」

 

天馬

「ブレイドとドライバー、きっとレックスだ!行こう!」

 

 

天馬とクリスは音のする方向へと走り出す。音を頼りに進むと、レックス・ニア・ホムラ・ビャッコが大型のモンスター《ワームイーター・グロッグ》と戦っていた。

 

 

天馬

「レックス達だ!助けなきゃ!」

 

クリス

「了解した!」

 

 

天馬とクリスは走り出し、クリスは闇黒剣月闇にジャアクドラゴンワンダーライドブックを翳す。

 

 

『必殺リード!ジャアクドラゴン!』

 

 

そしてトリガーを押し、紫色の斬撃を放つ。

 

 

『月闇必殺撃!習得一閃!』

 

 

斬撃はワームイーター・グロッグに命中し、ワームイーター・グロッグは怯んだ。

 

 

天馬

「レックス!ニア!」

 

レックス

「天馬、無事だったのか!」

 

 

天馬とクリスはレックス達と合流し、2人はワームイーター・グロッグと対峙する。

 

 

クリス

「天馬、これを使え!」

 

 

クリスは天馬に2冊のワンダーライドブック、西遊記の三蔵法師御一行が描かれた茶色のワンダーライドブック《西遊ジャーニー》と、空を飛ぶ大鷲が描かれた赤いワンダーライドブック《ストームイーグル》を天馬に渡した。

 

 

『イーグル!フムフム………』

 

 

『西遊ジャー!フムフム………』

 

 

天馬はストームイーグルブックと西遊ジャーニーブックを月神の剣先に翳す。

 

 

『習得二閃!』

 

 

そしてトリガーを引いて剣を振るい、猛烈な竜巻を起こしワームイーター・グロッグを上空に吹き飛ばす。更に月神を如意棒の様に長く伸ばし、野球のバッターの様に構える。

 

 

天馬

「飛んでけ!」

 

 

カキーン!

 

 

そして竜巻が消え落下してきたワームイーター・グロッグをフルスイングで雲海に向けて打ち飛ばし、ワームイーター・グロッグは遥か彼方の雲海に落ちた。

 

 

天馬

「よし、一丁上がり!遅くなってゴメン………」

 

レックス

「良いよ、お陰で助かった。」

 

ニア

「アンタ達、何で………って、聞くまでも無いか………」

 

レックス

「みんな無事で良かったよ。」

 

ニア

「アンタ達もね。ところで、あのデッカイ奴………あの巨神獣は?」

 

天馬

「そう言えば、セイリュウさんは一緒じゃないの?」

 

 

「ワシの事かのぉ?」

 

 

何故かレックスのヘルメットからセイリュウの声がする。すると、ヘルメットの中から小さな可愛い巨神獣が姿を見せた。

 

 

天馬

「もしかして………セイリュウさん!?」

 

ニア

「ええっ!?ウソ、何で!?」

 

 

天馬とニアは、あの大きなセイリュウが此処まで小さくなった事に仰天した。

 

 

レックス

「まぁ、此方は此方で色々と………何処か落ち着ける所に行こう。話はそれからだ。」

 

ホムラ

「そうですね、行きましょう。」

 

 

それから少しして夕方、一行は池の側でキャンプをする事となった。

 

 

クリス

「すまないが、見張りを頼む。」

 

 

レックスと天馬は周囲から枝をかき集め火を起こし、クリスは表紙に黄色いケルベロスが描かれた黄色いワンダーライドブック《トライケルベロス》を使いケルベロスを召喚、更にジャアクドラゴンブックでジャアクドラゴンを召喚し、辺りを見張らせた。

 

 

ニア

「アンタ、クリスって言ったっけ?凄いねぇ、アンタのその剣と本。モンスターを召喚出来て、おまけに変身までしちゃうなんて………あんなの今まで見たこと無いよ。」

 

クリス

「この本はワンダーライドブック。遥か昔、世界を創ったとされる1冊の本がバラバラに分割され、その断片から生まれたとされるモノだ。この本を俺や天馬が持つ聖剣と組み合わせる事で、聖剣と本の力を発揮する事が出来る。古代船で俺が見せた変身もその1つだ。」

 

レックス

「世界を創った本か………ホムラや楽園と何か関係あったりするのかな?」

 

クリス

「そこまでは俺にも分からない。俺の得た知識で分かるのは、この聖剣とワンダーライドブックが作られたのは今より遥か昔だということだけだ。」

 

ビャッコ

「アルストが出来る以前から存在していたという可能性も、ゼロでは無い訳ですな?」

 

レックス

「そう言えば、天馬の持ってる剣もその聖剣なのか?」

 

 

レックスは天馬の持つ月神を指差した。

 

 

クリス

「月の力を宿し幻想の聖剣、その名も幻想剣月神………ある1人の刀鍛冶が生涯を掛けて作り上げたとされる、伝説の聖剣の1つだ。ただ作り上げたという記録しかなく、実在するかどうかまでは不明だったのだが、まさか実在していたとは………」

 

天馬

「それより、俺はレックスの方が気になるよ!シンに殺されたと思ったらドッコイ生きてたし、セイリュウさんはこんなに小さくなっちゃってるし、それに君………ホムラだっけ?シンやメツは天の聖杯とか言ってたけど、いったい君は何者なの?」

 

レックス

「う~ん………少し長くなるけど、良いかな?」

 

 

レックスは話し始めた。ホムラの正体は、天の聖杯の異名を持つ特別なブレイド。古代船でレックスがメツに胸を刺貫かれ亡き者となった後、レックスはホムラが楽園と呼ぶ記憶の世界で彼女と出会った。ホムラはレックスに自分を楽園に連れていってほしいと頼み、レックスはそれを聞き入れた。そしてホムラは自分のコアクリスタルの半分をレックスに預け、レックスはホムラの願いを叶えるため、ホムラのドライバーとして復活した。

 

一方セイリュウは戦闘で受けたダメージが酷く、レックスが見つけた時には既に瀕死の状態だった。そこで、セイリュウは全身の代謝を最大限にして身体機能維持を行い一命を取り留めた。だがその結果、今の様な幼生体にまで退行してしまったらしい。(ちなみにセイリュウ曰く全ての巨神獣に出来る芸当では無いらしく、元の姿に戻るには300年掛かるらしい。)

 

 

ニア

「なるほど、その子と楽園にねぇ………そう言えば、ちゃんと御礼言えてなかったね。ありがとう、助けてくれて………」

 

ビャッコ

「感謝致します、巨神獣様。私達を此処まで運んで頂いて。」

 

セイリュウ

「礼には及ばん。お前さん達も、レックスと天馬を助けてくれたんじゃからのぉ。」

 

 

と、セイリュウはレックスに目を向ける。

 

 

セイリュウ

「じゃがレックス、そもそもお前が訳も分からん仕事を引き受けおったのが原因じゃろが!『じっちゃんは、ここでゆっくりしててよ』等とぬかしおってからに………!」

 

レックス

「ハイハイ分かりました、俺が全部悪いんです。スミマセンでしたゴメンナサイ(棒読み)。」

 

 

適当に謝るレックス

 

 

セイリュウ

「何じゃその態度は!?反省の色が全く見えん!」

 

レックス

「そりゃ出来ないよ。だって俺があそこに居なかったら、ホムラはアイツらの言いなりに………」

 

ホムラ

「レックス………」

 

レックス

「そんなの絶対ダメだ………アイツらにホムラは渡せないよ!」

 

天馬

「そうだね、レックスの言う通りだ。」

 

セイリュウ

「うぅむ………」

 

 

呆れながらもレックスの言うことを否定できないセイリュウであった。そして夜、レックス達が眠りについた頃………

 

 

ホムラ

「………」

 

 

ホムラは1人、池の畔に立ち樹を眺めていた。そこへ、天馬とセイリュウがやって来た。

 

 

天馬

「ホムラ?」

 

セイリュウ

「何じゃ、まだ起きとったのか?」

 

ホムラ

「はい、中々寝付けなくて………」

 

 

天馬はホムラの隣に立ち、セイリュウは天馬の頭に止まった。

 

 

ホムラ

「お久しぶりですね、セイリュウさん。」

 

天馬

「えっ?もしかして、2人とも知り合いだったの?」

 

 

ホムラとセイリュウが面識がある事に驚く天馬。

 

 

セイリュウ

「まぁ昔ちーとな。しかし、昔とは随分と印象が変わったのぅ………」

 

ホムラ

「色々、ありましたから………」

 

セイリュウ

「レックスに命を分け与えてくれた事、礼を言おう………その上で聞きたい。レックスにした話、アレは本意か?」

 

ホムラ

「はい、私の本当の気持ちです。」

 

セイリュウ

「そうか………ならば信じよう。他の誰でもない、お前さんの言葉を………」

 

ホムラ

「でも、もう1つ目的が出来ました。シンとメツ、2人を今のままにしておく事は出来ない………」

 

セイリュウ

「宿命じゃな、天の聖杯の………」

 

天馬

(天の聖杯………ホムラの宿命?どういう事だろう………)

 

セイリュウ

「………巻き込むのか?レックスを………」

 

ホムラ

「………」

 

 

セイリュウの問いに、ホムラは口を閉ざし。

 

 

セイリュウ

「別に責めておる訳では無い。お前さんが望まんでも、レックスは首を突っ込むじゃろう。アヤツは、そういう子じゃ………ホムラ、天馬、レックスを頼むぞ。」

 

ホムラ・天馬

「………はい!」

 

 

夜空には無数の星がキラキラと輝き、月の光が3人を優しく照らす………夜が明け翌朝、レックス達は無事に全員起床。クリスはジャアクドラゴンとケルベロスをブックへ戻した。

 

 

レックス

「さて、取り敢えず近くの街か村にでも………と思ったけど、そもそも何処だ此処………?」

 

ニア

「《グーラ》だよ。」

 

 

レックスの問いに真っ先に答えたニア。

 

 

天馬

「グーラ?」

 

ニア

「そ、スペルビア帝国グーラ領。グーラの巨神獣は見たことあるだろ?」

 

レックス

「ああ、遠くからなら何度か………なるほど、此処がグーラなのか。」

 

ニア

「そのお腹辺りだね。道なりに進んで森を抜ければ、多分平原に出る。その先に街がある筈だよ。」

 

レックス

「詳しいんだな………ん?」

 

 

レックスがニアの姿を見て、ある事に気づく。

 

 

レックス

「その耳………もしかしてグーラ人?」

 

ニア

「遅いよ!今頃気づいたのか………?」

 

ビャッコ

「グーラは、お嬢様の故郷なのです。」

 

クリス

「なるほど、それは心強い。」

 

 

こうして、一行はニアの案内で平原を目指して歩き出した。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

~グーラ領 ゴルドア大平原~

 

 

歩き出して数十分、一行は深い森を抜け、巨大な平原へと到着した。平原の向こうには大きな街があり、更にその向こうには巨大なグーラの巨神獣の頭部が見える。

 

 

天馬

「凄い!」

 

ホムラ

「うわぁ、ものすごく広い平原!」

 

セイリュウ

「壮観じゃのう!」

 

クリス

「コイツは感動モノだ………!」

 

レックス

「ああ、じっちゃんの狭い背中とは大違いだ!」

 

セイリュウ

「ムムッ、一言余計じゃわい!」

 

 

平原の迫力と景色に感動するレックス達。

 

 

ニア

「ここは《ゴルドア大平原》。あっちに見えるのが、グーラ最大の街《トリゴ》。取り敢えず街まで送ってく。着いたら、アタシの役目は終わりだ。」

 

天馬

「終わり?何で?」

 

ニア

「何でって、アタシはアンタらと一緒に居ることは出来ないからね。」

 

レックス

「出来ないって………アイツらの事があるからか?」

 

 

レックスの言うアイツらとは、シンとメツの事。だがレックス達は知っている。2人は古代船で、仲間である筈のニアを殺そうとした事を。

 

 

ニア

「日は浅いとは言え、一応仲間だし………」

 

レックス

「仲間?ニアを殺そうとした奴だぞ?」

 

 

レックスの問いに、ニアは悲しい表情を浮かべた。

 

 

ニア

「それでも、アタシの居場所は彼処しかないんだ………」

 

レックス

「ニア………」

 

クリス

「………ところで、此処から街までは歩くのか?」

 

 

突然クリスが口を開き、トリゴの街を指差した。

 

 

ニア

「えっ?そりゃ、歩く以外に方法無いだろ?」

 

クリス

「なら、コレを使わせてくれ。」

 

 

そう言うと、クリスはジャアクドラゴンブックを手に取り表紙を開く。そしてジャアクドラゴンを召喚した。

 

 

天馬

「そっか!よし、なら俺も!」

 

 

そう言うと天馬は全身に目映いオーラを纏い、自身を再び白いペガサスへ変身させた。

 

 

レックス

「それ、あの時の!」

 

ペガサス(天馬)

「コレは《ソウル》。簡単に言うなら、俺の中にある獣の力さ。レックス、ホムラ、俺の背中にどうぞ。」

 

レックス

「良いの?ありがとう!」

 

ホムラ

「ありがとうございます!」

 

クリス

「ニア、ビャッコ、2人は俺と一緒にジャアクドラゴンに乗れ。」

 

ビャッコ

「お心遣い、感謝致します。」

 

ニア

「ありがと!よろしくね、ジャアクドラゴン!」

 

 

レックスとホムラはペガサス、ニアとビャッコはクリスと共にジャアクドラゴンの上に乗り、一行はトリゴの街に向けて飛び立った。

 

 

To Be Continued…

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