ゼノブレイド2ソード・オブ・メモリーズ ~目覚めよ、幻想の聖剣~ 作:ヒビキ7991
~グーラの街 クーラム農場~
新たにトラとハナが仲間となったレックス達一行は、スペルビア軍基地の近くにある《クーラム農場》にやって来た。
トラ
「アレが、巨神獣戦艦も!」
一行の目線の先には、軍港に停泊中の巨神獣戦艦が居た。
天馬
「デカイなぁ………」
セイリュウ
「立派な巨神獣じゃのう………これもインヴィディアとの再戦に向けた、帝国の準備の1つと言うわけか………」
レックス
「見てあそこ、ホムラとクリスの言った通り、根が搬入口の下まで伸びてる。」
レックスは巨神獣戦艦の船底を指差す。
クリス
「この下からなら回れそうだ………どうする?」
レックス
「もちろん、行こう!」
一行は壁に作られた民家の屋根や蔦の梯子を足掛かりにし、船底の根まで移動。搬入口の真下に到着した。
『ジャックと豆の木!フムフム………』
天馬はクリスから、巨大な豆の木を登る少年が描かれた緑のワンダーライドブック《ジャッ君と土豆の木》を受け取り、ブックを月神の剣先に翳す。
『習得一閃!』
そして剣を大樹の根に突き刺し、刺した部分から搬入口まで続く巨大な豆の木を出現させた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
~巨神獣戦艦 バラスト搬入口~
一行は豆の木を登り、巨神獣戦艦内部に侵入した。クリスが図面を見て、現在地とニア達が囚われていると思われる収容区画の場所を確認する。
クリス
「図面によれば、すぐ上のフロアに独房がある。先ずはそこから当たってみよう。」
レックス
「分かった!」
一行は艦内を巡回するスペルビアの兵士達に気付かれぬ様、慎重に移動する。そして無事、最初の独房がある《第一独房区画》に到着した。
ハナ
「ご主人、この辺りにブレイドが居ますも。」
トラ
「ハナ、そんな事が分かるのかも?」
ハナ
「はい、何かブレイドの波動って感じですも。」
レックス
「よく分かんないけど、ビャッコが居るのかな?」
天馬
「よし、片っ端から開けてみよう。囚人が収容されてるなら鍵がかけてある筈だ。」
レックス達は片っ端から独房の扉を開ける。すると………
ホムラ
「レックス!この扉、鍵が掛かってます!」
ホムラが鍵の掛かった独房を見つけた。
セイリュウ
「見つけたは良いが、どうやって開ける?」
レックス
「クリス、鍵開けが出来る本とかって無い?」
クリス
「流石にそんな都合の良い本は持っていない………」
ホムラ
「此処は私にお任せを。」
ホムラは静かに両手を前に出し、独房の扉に向けて炎を放つ。
ドカーン!
だが勢いが強すぎたのか、炎はあっという間に扉を突き破り独房の中へ………
天馬
「うわぁ………」
クリス
「これは、何と言う威力………」
レックス
「ホムラ、火が強すぎだよ………」
ホムラ
「ごめんなさい!加減が難しくて………あのぅ、火傷とかしてませんか?」
「ホムラ様!レックス様!」
独房の中にはホムラの炎を避けたのか、うつ伏せのビャッコが居た。
天馬・レックス
「ビャッコ!」
ビャッコ
「おお、天馬様にクリス様まで!」
セイリュウ
「おお、無事じゃったかビャッコ!」
ヒョコ
トラ
「良かったも!」
ハナ
「ほらご主人、やっぱり此処に居たですも!」
レックス達の前に、トラとハナがヒョコっと現れる。
ビャッコ
「巨神獣様と………えっと、どちら様ですか?」
レックス達はビャッコを独房から出し、ビャッコにトラとハナについて説明した。
ビャッコ
「そういう事でしたか………トラ様、ハナさん、ありがとうございます。」
ビャッコはトラとハナに頭を下げ、礼を言った。
レックス
「ビャッコ、いきなりで悪いけどニアの居場所分かる?」
ビャッコ
「もちろんです、私と同調した唯一の御方ですから。」
ビャッコは気を集中させ、ニアの居場所を探る。
ビャッコ
「見つけました!お嬢様は、この上のフロアにて囚われております。」
クリス
「図面によれば、上のフロアに別の独房区画がある。恐らくニアはそこだ。」
レックス
「助けに行こう!処刑なんかさせる訳にはいかない!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
~第二独房区画~
レックス達はクリスの図面とビャッコの感知能力を便りに、第二独房区画にやって来た。
ビャッコ
「間違いありません、あそこです!」
ビャッコが示す独房は、2人の兵士によって守られている。
クリス
「天馬、コレを使え。」
天馬
「分かった。」
クリスは天馬に、お菓子の家とそれに向かう小さな兄妹が描かれたピンク色のワンダーライドブック《ヘンゼルナッツとグレーテル》を渡し、天馬は月神の剣先にブックを翳す。
『ヘンゼルとグレーテル!フムフム………習得一閃!』
そしてトリガーを引いて剣先を床に突き刺し、床中に大量の飴玉を発生させる。
兵士A
「な、何だコレは!?」
兵士B
「あわわわわわわわ!?」
ズテーン!
独房を見張る兵士は飴玉で足を滑らせスッ転ぶ。
ハナ
「行くですも!《ハナ・ジャンピングプレス》!!」
ドーン!
そしてハナが両足に搭載されたジェットエンジンでジャンプし、兵士2人に強烈なボディ・プレスを叩き込んだ。兵士2人はボディ・プレスを食らって直ぐ気絶した。
トラ
「ワン・ツー・スリー!勝者ハナだも!」
トラはスリーカウントで兵士が気絶している事を確認。レックスは兵士から独房の鍵を奪い、ニアが閉じ込められていると思われる独房の扉を開けた。
レックス
「ニア!」
扉の向こうには、独房の真ん中で座り込むニアの姿があった。
ニア
「レックス、アンタ………!」
ニアはレックスが助けに来た事に驚いた。
ビャッコ
「遅くなってしまい、申し訳ありませんでした………」
ビャッコはニアに、助けが遅くなってしまった事を謝罪した。
ニア
「いいんだ、誰も来てくれる訳ないって思ってたから………」
レックス
「そんな訳無いだろ?助けられたら助け返せ、サルベージャーの合言葉その2だ!」
レックスはそう言って、ニアに手を差し出す。ニアは静かに笑い、レックスの手を握り立ち上がった。
ニア
「全く、アンタらしいね。」
セイリュウ
「さあ、此処に長居は無用じゃ!脱出するぞ!」
レックス達は独房の外に出る。そして、ニアはトラとハナに気付いた。
ニア
「あれ?ノポン族?」
レックス
「紹介するよ、彼はトラ。そっちはトラが作った人工ブレイドのハナ。俺達の新しい仲間さ!」
トラ
「よろしくも!」
ハナ
「よろしくお願いしますも!」
ニア
「よ、よろしく………アタシはニアだよ。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
~格納庫~
ニアと合流した一行は、脱出のため格納庫のハッチへ向かっていた。
トラ
「アニキ、あとちょっとだも!」
ガコン
だが突然ハッチが開き、ブレイドを連れた明らかに偉そうな態度の男が現れた。
男
「そうは行きませんよ!イーラのテロリストを捕えたという実績が、取り逃がした汚点になってしまうのは困るの。」
男は足を止め、まるでお宝を見るような目でホムラを見る。
男
「翠玉色のコアクリスタル、お前は天の聖杯!忌々しいけど、メレフの読み通りだったって訳ね。」
クリス
「貴様は何者だ?正面から堂々と登場とは、軍の人間と言う事か?」
男
「ええそう、私はスペルビア帝国グーラ領の領事、名を《モーフ》と申します。」
レックス
「お前もホムラを狙っているのか?」
モーフ
「お前も?当たり前でしょ?天の聖杯、その力は空を裂き大地を割る、アルスト史上最強のブレイド。聖杯を求めない者は、その価値を知らない愚者のみ。そして私は愚者ではない。だから私は聖杯を手に入れる。これぞ完璧な三段論法よ!」
ハナ
「最後は論理が飛躍してますも………」
ビャッコ
「同感です………」
静かに冷たいコメントを挟むハナとビャッコ。
ニア
「おあいにく様。悪いけどアタシもホムラも、アンタの手柄になんかならないよ!」
モーフ
「テロリストの分際で生意気ね………」
『Get go! under conquer! than get keen!ジャアクドラゴン!』
カリバー(クリス)
「言っておくが、俺達はテロリストじゃないぞ!」
『月神必殺撃!』
ドロン!
クリスはカリバーに変身し、猿飛忍者伝ブックを使いレックス達をその場から消す。
モーフ
「消えた!?」
「こっちだよ!」
次の瞬間、ニアとビャッコがモーフの背後から襲いかかる。
ガキン!
だが、モーフのブレイドがニアとビャッコの攻撃を防いだ。
トラ
「行くも、ハナ!」
トラはハナに自身のアーツである盾を預け、盾の正面中央にドリルを展開し、モーフに向かってジェット噴射で突撃する。
ハナ
「《ハナ・ドリル》!」
ガンッ!
だが又してもモーフのブレイドが防ぐ。
『読後一閃!』
ドカーン!
更に別方向からレックス・天馬・カリバーが斬撃を放つが、又してもモーフのブレイドが攻撃を受け止めた。
天馬
「あいつ、ブレイドを楯にする様な戦い方を………!」
モーフ
「はぁ~何を言ってるの?ブレイドはいくら傷付いても再生する。けれどドライバーが死ねば、元のコアに戻ってしまうでしょ?」
レックス
「だからブレイドが楯になるのは当然だって言うのか?」
ニア
「アンタマジで最低だね!身体の傷は修復出来ても、心の傷はなかなか癒えないんだよ?」
モーフ
「あらやだ、私にはブレイドの気持ちが分かるとでも?お優しいドライバーさんも居たもんね!」
モーフの口調に無性に腹が立つ一行。
レックス
「頭来た!アイツは絶対にぶっ倒す!」
カリバー(クリス)
「同感だ。なら先ず奴のブレイドの動きを封じる必要があるな。少し手荒に行くが、勘弁してくれよ!」
カリバーはベルトからジャアクドラゴンブックを引き抜き、月闇に翳す。
『必殺リード!ジャアクドラゴン!』
そしてトリガーを引き、月闇から紫色の煙を出現させモーフのブレイドに放つ。
『月闇必殺撃!』
煙はモーフのブレイドに吸収され、次の瞬間モーフのブレイドはピクリとも動かなくなった。
モーフ
「あら?ねぇ、どうしちゃったのよ!?しっかりしなさい!!」
レックス・ニア
「ブレイドの痛み、思い知れ!!」
その隙にレックス達は一斉にモーフへ襲いかかる。
モーフ
「ひいいいい!お止めなさい、助けて、誰か~!!!」
そして数分後、レックス達の前には顔中瘤と痣だらけのモーフがフラフラと立っていた。
モーフ
「何故、こんな子供達に………天の聖杯を手に入れて、本国へ………凱旋………」
モーフは力尽き、気を失い倒れた。モーフのブレイドもそれに乗じてか、倒れて眠りについた。
セイリュウ
「気を失った様じゃのう。」
レックス
「ニアを処刑しようとするからだ!」
ニア
「違う、コイツらはアタシを本国へ送ろうとしてた………レックス、罠だよコレは!」
レックス
「えっ?じゃあ、ニアが処刑されるって触は嘘!?」
トラ
「アニキ、そんなことどうでも良いも!早く追手が来る前に逃げるも!」
セイリュウ
「そうじゃな、急いで街の外に逃げるんじゃ!」
レックス達は急いで巨神獣戦艦から脱出し、スペルビア軍グーラ基地正門へと急ぐ。
ボオオオオオオオ!!
だがあと少しというところで、青い炎の壁が出口を塞いだ。
天馬
「この炎は………!」
カリバー(クリス)
「アイツか!」
一行の予想通り、炎の壁の向こうからカグツチが。
???
「やはり、モーフ君では抑えられなかったか………」
そしてそのドライバーとおぼしき、カグツチの剣を持つ軍人が現れた。軍人は一見すると男に見えるが、よく見ると顔付きや体格は女性であった。
天馬
「お前は誰だ?」
???
「私はスペルビア帝国特別執権官、《メレフ・ラハット》。」
ビャッコ
「特別執権官メレフ………《炎の輝公子》の異名を持つ帝国最強の女ドライバー。そして帝国最強のブレイド、カグツチの使い手。」
レックス
「最強×最強でチョー最強って訳か?」
ホムラ
「どうやら、待ち伏せされたみたいですね。」
ニア
「アンタでしょ?アタシが処刑されるって嘘の情報を、レックス達の耳に入れる様に細工したのは!」
メレフ
「良い勘をしているな。そう、君は君で利用価値がある。しかし………」
ニア
「レックス達は、もっと利用価値があるって?」
メレフ
「少し違うな。」
メレフは静かに、ホムラに目を向ける。
メレフ
「翠玉色のコアクリスタルは天の聖杯の証。そのブレイドが真に天の聖杯であるのなら、私にはやるべき事がある。」
ニア
「やるべき事?」
メレフ
「空を裂き大地を割るその力………二度と世界を灼かせる訳にはいかん。」
カリバー(クリス)
「ホムラが世界を灼いただと?どういう事だ?」
メレフ
「知らないのか?500年前の聖杯大戦、3つの巨神獣を雲海深くへと沈めた伝説の力、それが天の聖杯だ。」
レックス
「巨神獣を、3つも!?」
メレフ
「全て歴史が語る真実だ。」
メレフの話を聞き、レックス達は驚愕した。レックスはホムラに問おうとするが、ホムラは俯き黙り込む。
カリバー(クリス)
「なるほど、そういう事か。お前達はホムラを………天の聖杯の力を戦争に利用するつもりだな?巨神獣を沈めるほどの力が本当なら、軍が欲しがらない筈がない。」
メレフ
「その様な力を野放しに出来ない、と言っている。」
カリバー(クリス)
「ならば予め聞こう。今の天の聖杯のドライバーはレックスだ。仮にレックスがお前達に従わなければ、どうするつもりだ?」
メレフ
「無論、君達を力ずくで拘束するのみ。」
メレフはそう言い、剣を構える。
カリバー(クリス)
「だそうだレックス。どうする?」
レックス
「だったら、全力で言ってやるよ。」
レックス達は武器を構え、臨戦態勢に入る。
レックス
「ゼーッタイに、イ・ヤ・だ!!!」
メレフ
「ならばその意志、等しく力で見せてみろ!!」
メレフとカグツチは駆け出し、レックス達に襲い掛かる。
『月闇必殺撃!』
ドロン!
カリバーはモーフ戦同様、猿飛忍者伝ブックを使いレックス達を消す。メレフとカグツチは足を止め、辺りを見回す。
ニア
「行くよ!」
ビャッコ
「承知!」
ニアとビャッコが建物の影から現れ、背後からメレフに襲い掛かる。
カグツチ
「メレフ様!」
メレフ
「………!」
だがカグツチが気付き、メレフとカグツチは紙一重で回避。そしてニアと刃を交える。
メレフ
「ハッ!」
メレフは刀身を幾つも分裂させ、鞭の様に振り回しニアとビャッコを振り払う。ニアとビャッコは建物に激突し背中を強打した。
ハナ
「《ノポニック・ストーム》ですも!」
別方向からハナが盾を向け、体内で生成したエーテルを竜巻状にして放つ。
メレフ
「カグツチ!」
カグツチ
「承知!《陽炎》!」
メレフはカグツチに剣を預け、カグツチは剣を持って回転し、ノポニック・ストームを打ち消した。
カグツチ
「《燐火》!」
更に青い焔を放ち、トラとハナを攻撃。トラはハナから盾を受け取り、カグツチの攻撃を防いだ。
『キングオブアーサー!』
その隙にカリバーと天馬がメレフに迫る。カリバーは新たに、表紙に1本の大剣が描かれた水色のワンダーライドブック《キングオブアーサー》を手に取り、表紙を開く。
『とある騎士王が振り下ろす、勧善懲悪の一太刀…』
『ジャアクリード!ジャアクアーサー!』
カリバーはキングオブアーサーブックを月闇に翳しベルトにセット。そして月闇の柄の先でベルト上部のボタンを押し込みブックを展開。展開したページには、大剣を持つ水色の左腕が描かれていた。
『闇黒剣月闇!Get go! under conquer! than get keen! ジャアクドラゴン!』
カリバーは左腕に水色の鎧を装着し、左手に新たな大剣《キングエクスカリバー》を装備。
天馬・カリバー
「はああああああああああ!!」
天馬とカリバーはメレフと刃を交え、激しく火花を散らす。
メレフ
「ソイツが君のブレイドか?なるほど、カグツチの言う通り面白い力だ。だが!」
ジャキーン!
メレフは剣を力一杯振るい、炎の刃で天馬とカリバーを吹き飛ばす。カリバーは吹き飛ばされた衝撃でベルトのブックが外れ、左腕の鎧と大剣が消滅してしまった。
レックス
「うおおおおおおおお!!」
続いてレックスとホムラが接近し、メレフと激しく刃を交える。
メレフ
「どうした?君の意志はその程度のモノか!?」
だがメレフの圧倒的な力に押され、レックスとホムラは防戦を強いられる。
ジャキーン!
レックス
「ぬああああ!」
ホムラ
「ああああ!」
メレフの剣がレックスの右腕を切り裂き、同時にホムラの右腕に激痛が走った。
メレフ
「天の聖杯と言えど、ドライバーがその程度ではな!」
メレフは剣を振るい、炎の斬撃をレックスに向けて放つ。レックスは剣でガードするが、爆風で吹き飛ばされてしまう。
ニア・トラ・天馬
「うおおおおおおおお!」
カリバー・ビャッコ・ハナ
「はああああああああ!」
その直後、レックス達の背後から天馬達が現れ、一斉にメレフへ襲いかかる。
カグツチ
「《陽炎》!」
ドカーン!
だがカグツチの圧倒的な力に及ばず、吹き飛ばされてしまった。
ニア
「つ、強い………」
レックス
「まだだ、ホムラは渡さない………聖杯とか力とか、ホムラをモノ扱いしてるお前なんかに!」
レックスは腕の痛みに耐えながら、ゆっくりと立ち上がる。
天馬
「ホムラには………ホムラとレックスには、行かなきゃいけない場所があるんだ!それを邪魔させる訳にはいかない!」
天馬はゆっくりと立ち上がり、足下に落ちていたキングオブアーサーブックを拾い、レックスの前に立つ。
メレフ
「無駄な足掻きを………お前達では私には勝てぬ。それが何故分からぬか?」
天馬
「俺の師匠は言った。勝利の女神がどっちに微笑むか、最後までわからない。勝利を強く信じる者に勝利の女神は微笑むんだって………だから俺は、絶対に諦めない!お前を倒して、レックスとホムラを楽園に連れていくんだ!」
天馬は月神をメレフに向け、大声で叫ぶ。
メレフ
「………っ!?」
この時、メレフは感じた。天馬から伝わってくる、自分に勝るとも劣らない気迫を。
キイイィィン!
突然、月神とキングオブアーサーブックが強く光りだした。
天馬
「何だ?」
月神は空に向けて光を放ち、光は雲を消し去り、夜空に満月を出現させる。
キイイィィン!
月から光が放たれ、光は天馬を優しく照らす。すると、キングオブアーサーブックは光輝く聖剣を構えし騎士王が描かれた白いワンダーライドブック《レジェンドオブアーサー》に変化。更に天馬の身体から1つの炎の球が現れ、炎の球は銀河を駆ける白いペガサスが描かれた白いワンダーライドブック《シャイニングペガサス》に姿を変えた。
メレフ
「何だ、今のは?」
ニア
「天馬の身体から、新しいブックが………?」
天馬は徐に、シャイニングペガサスブックの表紙を開く。
『かつて純白の翼を持つ美しい神獣が、黄金の鬣を靡かせ舞い降りた…』
天馬
「………幻想剣月神、俺に力を貸してくれ!」
天馬は幻想剣月神を腰のベルトに納刀し、ベルトに設けられた3つのスロットの一番右側に、シャイニングペガサスブックをセット。
ドシーン!
ベルトから待機音らしきメロディが流れ、天馬の背後に巨大なシャイニングペガサスブックが出現。
シャキン!
『月神抜刀!』
そして右手で柄を握り、月神をベルトから抜刀。抜刀と共にブックが展開。展開したページには、右肩に白いペガサスと翼を持つ純白の剣士が描かれていた。
天馬
「変身!」
『シャイニングペガサス!』
天馬の背後のブックが展開し、中から純白のペガサスが出現。ペガサスは天馬と融合し、天馬はブックに描かれている純白の剣士へと姿を変えた。
『月神一冊!純白の翼と幻想剣月神が交わりし時、幻想の剣が空を駆ける!』
レックス
「天馬が………変身した!?」
天馬の変身にレックス達はおろか、メレフとカグツチもが驚愕した。
メレフ
「貴様、その姿は!?」
???(天馬)
「俺は幻想の剣士、《仮面ライダーグラディウス》!」
キイイィィン!
すると突然、月神が輝き出した。
グラディウス(天馬)
「はああああああああああ!!」
グラディウスは月神を天に掲げ、空に向けて光の柱を放つ。すると、雲海の下から10の光が現れ、光は10本の聖剣となってグラディウスの周囲に突き刺さった。
グラディウス(天馬)
「レックス!」
レックス
「分かった、みんな剣を取れ!」
レックス達は立ち上がり、レックスは炎の聖剣《火炎剣烈火》、ホムラは煙の聖剣《煙叡剣狼煙》、ニアは水の聖剣《水勢剣流水》、ビャッコは時の聖剣《時国剣界時》、トラは雷の聖剣《雷鳴剣黄雷》、ハナは音の聖剣《音銃剣錫音》を手にする。
カリバー(クリス)
「コレを使え!」
更にカリバーがレックス達にブックを投げ渡し、レックスは表紙に紅のドラゴンが描かれた赤いワンダーライドブック《ブレイブドラゴン》、ホムラはまるで百科事典の様な表紙をした深紅のワンダーライドブック《昆虫大百科》、ニアは表紙に青いライオンが描かれた青いワンダーライドブック《ライオン戦記》、ビャッコは表紙に様々な海の生物が描かれた黒いワンダーライドブック《オーシャンヒストリー》、トラは表紙に黄金のランプが描かれた黄色のワンダーライドブック《ランプドアランジーナ》、そしてハナはヘンゼルナッツとグレーテルブックを受け取り、カリバーと共にグラディウスの横に並び立つ。
レックス
「みんな行くぞ!」
レックスの掛け声で、レックス・ホムラ・ニア・ビャッコ・トラ・ハナは一斉にブックの表紙を開く。
『かつて、全てを滅ぼすほどの偉大な力を手にした神獣がいた…』
『この薄命の群が舞う、幻想の一節…』
『この蒼き鬣が新たに記す、気高き王者の戦いの歴史…』
『この群青に沈んだ命が、今をも紡ぐ刻まれた歴史…』
『とある異国の地に、古から伝わる不思議な力を持つランプがあった…』
『とある森に迷い込んだ、小さな兄妹のおかしな冒険のお話…』
レックス・ニア・トラは腰に出現したベルトに聖剣を納刀し、ベルトのスロットにブックをセットし抜刀。セイリュウは一旦レックスのヘルメットから離れた。
『烈火抜刀!』
『流水抜刀!』
『黄雷抜刀!』
レックス・ニア・トラ
「変身!」
『ブレイブドラゴン!』
『ライオン戦記!』
『ランプドアランジーナ!』
3人の背後に巨大なブックが現れ、中から紅のドラゴン、青いライオン、黄金のランプの魔神が出現。
『烈火一冊!勇気の竜と火炎剣烈火が交わる時、真紅の剣が悪を貫く!』
レックスはドラゴンと融合し、炎の剣士《仮面ライダーセイバー》に変身。
『流水一冊!百獣の王と水勢剣流水が交わる時、紺碧の剣が牙を剥く!』
ニアは青いライオンと融合し、水の剣士《仮面ライダーブレイズ》に変身。
『黄雷一冊!ランプの精と雷鳴剣黄雷が交わる時、稲妻の剣が光り輝く!』
そしてトラは黄金のランプの魔神と融合し、雷の剣士《仮面ライダーエスパーダ》に変身した。
ホムラ・ハナ
「変身!」
ホムラとハナはブックを聖剣にセットし、トリガーを引いてページを展開。
『狼煙開戦!』
『ヘンゼルナッツとグレーテル!銃剣撃弾!』
2人の背後に巨大なブックが現れ、ホムラは煙に包まれ、ハナは本から現れた無数のお菓子と融合。
『FLYING! SMOG! STING! STEAM!!昆虫CHU大百科!』
『銃でGO!GO!否!剣でいくぞ!音銃剣錫音!』
煙が消えると、ホムラは煙の剣士《仮面ライダーサーベラ》、ハナは音の剣士《仮面ライダースラッシュ》に変身した。
『揺蕩う、切っ先!』
『錫音楽章!甘い魅惑の銃剣が、おかしなリズムでビートを斬り刻む!』
ビャッコ
「行きます!」
ビャッコは時国剣界時にブックをセットし、口で刀身部分を引き抜き頭上に放り投げる。そして大きくジャンプし、刀身が上下反転したタイミングで右足に持つグリップと合体。
『界時逆回!』
ビャッコ
「変身!」
ビャッコの背後に巨大なブックが出現し、中から無数の魚たちが出現。
『時は、時は、時は時は時は時は!我なり! オーシャンヒストリー!』
ビャッコは魚たちと融合し、刻の剣士《仮面ライダーデュランダル》に変身。
『オーシャンバッシャーン!(バッシャーン!)』
そして変身完了と同時にブレイズの隣に着地。残りの聖剣はグラディウスの身体に吸収された。
メレフ
「何だと!?」
セイリュウ
「コイツはビックリ仰天じゃわい!」
レックス達の変身にメレフとカグツチは驚愕し、セイリュウは仰天した。
ブレイズ(ニア)
「ビャッコ、あんたヒト型になってる!」
デュランダル(ビャッコ)
「えっ?そんな筈………ええっ!?」
スラッシュ(ハナ)
「ご主人、ハナと背が同じですも。」
エスパーダ(トラ)
「ホントだも!どうなってるも!?」
変身に伴ってかビャッコはヒト型に変わり、トラは身長が大幅に伸びた。
セイバー(レックス)
「みんな、反撃開始だ!」
セイバー達は聖剣を構え、メレフとカグツチに向かって走り出す。
カグツチ
「メレフ様、来ます!」
メレフ
「っ!?コノッ!」
メレフは剣を振るい、炎の斬撃を放つ。
『界時抹消!』
デュランダルは刀身を引き抜き、グリップのトリガーを押す。すると、セイバー達が一斉に姿を消した。
メレフ
「何っ!?」
『再界時!』
すると、背後にブレイズ・エスパーダ・デュランダル・スラッシュが出現し、ブレイズ・エスパーダ・スラッシュは剣を、デュランダルは槍を振り下ろす。メレフとカグツチは後ろに下がり、紙一重で攻撃を避ける。
セイバー・グラディウス
「うおおおおおおおお!」
すると、右側からカリバーとグラディウス、左側からセイバーとサーベラが接近し、メレフに左右4人同時の剣撃を叩き込む。
カグツチ
「させません!」
カグツチがメレフの前に立ち、カグツチはバリアを展開し攻撃を防いだ。だが勢いに負け、2人は後方に吹き飛ばされた。
カリバー(クリス)
「全員が変身してもこの威力、流石は帝国最強のドライバーとブレイドだ。」
サーベラ(ホムラ)
「レックス、このままではキリがありません!」
セイバー(レックス)
「ああ、何か手は………っ!!」
セイバーは塀の向こう側に、巨大な貯水タンクを発見し思い出した。カグツチの属性は火。そして火は水に弱い。
『必殺読破!』
セイバーは火炎剣烈火をベルトに納刀し、トリガーを引いて再び抜刀。
『烈火抜刀!ドラゴン!一冊斬り!ファイアー!』
火炎剣烈火から炎の斬撃をメレフに向けて放つ。メレフは剣で斬撃を凪払い、辺りに爆煙を発生させる。
セイバー(レックス)
「みんな来い!」
爆煙がメレフとカグツチの視界を遮る間に、セイバー達は正門から基地の外へ出る。
メレフ
「逃がすか!」
メレフとカグツチは後を追う。
セイバー(レックス)
「ホムラ、最大火力いける?」
サーベラ(ホムラ)
「はい、あと2回くらいなら!」
セイバー(レックス)
「十分!」
セイバー達はメレフとカグツチを貯水タンクの前に誘い込み、セイバーはメレフと対峙する。
『ドラゴン!フムフム………』
セイバー(レックス)
「食らえ!」
『習得一閃!』
セイバーは烈火の剣先にブレイブドラゴンブックを翳し、剣先から火炎放射を放つ。
メレフ
「芸が無さすぎるぞ!」
メレフは剣で火炎放射を切り裂く。切り裂かれた火炎放射は貯水タンクの支柱に命中し、支柱は熱せられ輝き出す。
グラディウス(天馬)
「今だ!」
次の瞬間、グラディウス・ブレイズ・エスパーダが貯水タンクの背後からジャンプし姿を見せる。
『必殺読破!』
3人は剣をベルトに納刀し、トリガーを2回引く。
『ペガサス!ライオン!アランジーナ!一冊撃!』
グラディウス・ブレイズ・エスパーダ
「いっけえええええええ!!」
『ウォーター!サンダー!』
そして右足にエネルギーを集中させ、貯水タンクにライダーキックを叩き込む。キックの衝撃で支柱が歪み、貯水タンクは強烈な金属音と共に傾き始める。
メレフ
「貯水タンクだと!?」
メレフとカグツチは急いで退避しようとするが、デュランダル・カリバー・スラッシュが攻撃し行く手を塞ぐ。
バッシャーン!
そして貯水タンクが倒れ、メレフとカグツチは大量の水を浴びた。
『ドラゴン!一冊撃!ファイアー!』
セイバー(レックス)
「ホムラ!」
サーベラ(ホムラ)
「はい!」
そして、メレフとカグツチの上空からセイバーとサーベラが現れ、ホムラの力と火炎剣烈火の力を合わせた、フルパワーのバーニングソードを放った。
セイバー・サーベラ
「《バーニングソード》!!」
メレフ
「しまった!」
ドカーン!!
バーニングソードの威力は凄まじく、命中と共に猛烈な熱風と水蒸気を発生させた。そして熱風と水蒸気がおさまると、その場にはメレフとカグツチの姿。セイバー達の姿は何処にも無かった。
メレフ
「逃げたか………心外だな。」
カグツチ
「何がです?」
メレフ
「このメレフ、まさか戦いで手を抜かれるとは。」
カグツチ
「あの少年がですか?」
メレフ
「当てる事も出来た筈だ。なのに、奴はワザと外した。それに単に力任せの攻撃しか出来ないと思っていたが、どうやら機転も利く様だ。」
メレフは倒れた貯水タンクを見て、そう呟いた。
メレフ
「天の聖杯………あの少年達と共にあるのなら、解き放ってみるのも一興か。」
カグツチ
「メレフ様?」
メレフ
「いずれ、また会う時が来るだろう。その時は今一度………」
夜空に輝く星に目を向け、メレフは静かに笑みを浮かべた。
To Be Continued…