アオハル単位が足りません!〜卒業したくば青春しなさい!〜 作:夜野千夜
「つーわけで、なんとか一人見つけられたぞ」
「鹿目飛翠ッス。よろしくお願いします」
飛翠を加入させた翌日。アオハル委員会のメンバーに集合の連絡を入れた湊達は、ひとまず飛翠を紹介することにした。
「おーっ、青桜の番長じゃないですか!すごいですね美乃先輩!どうやって加入させたんです!?」
「色々あったんだよー。それと、かなめるは番長って呼ばれるの好きじゃないみたいだから気をつけようねもえちゃんー」
「了解しました!」
「何であれ、これで四人集めることができたな」
「い、一応条件は満たした……んだよね?」
「後は校長先生の課題こなすだけですね」
「でも課題って何なんでしょう?」
「その前に、校長先生んとこ行かないとな。メンバー集まったこと報告しねぇとだし」
ということで、全員で校長室に向かうことにした。
「校長先生今いるのかなー?」
「アポ取っておくべきだったかな……?」
「どうやってですか?」
「それこそ園村先生に聞いておくべきでしたね」
コンコン
「校長先生、いますか?」
校長室の扉をノックしてみても、反応はない。
「留守かな?」
「やっぱりあらかじめ聞いておくべきでしたね」
「案外居留守使ってるかもしれないよ?」
「いやなんで校長先生がそんなこと……って」
『校長先生!?』
「はい、校長です☆」
突然聞こえてきた明らかに年上の男性の声に全員振り向くと、そこには校長の鐘巻が立っていた。鐘巻は皆が自身の存在に気づくと、決めポーズをしてみせた。
「いつからいたんですか!?」
「君達が校長室に向かうって決めた頃かなぁ」
「最初からじゃないですか……」
「いやぁ、君達をびっくりさせたくてねぇ。君達が集まる時に使ってる教室のロッカーに隠れてた甲斐があったよ」
「貴方暇なんですか?」
冷たい目で和茶がバッサリ鐘巻の奇行を切り捨てた。
「私のことより君達だ!校長室に入りたまえよ、メンバー集まったんだろう?詳しく聞こうじゃないか!」
鐘巻に強引に押し切られ、アオハル委員会は校長室に入った。
「ひーふーみーよー……。うん、ちゃんと四人集められたんだね。これで最低条件は満たせたね!」
その鐘巻の言葉に、三年生組はホッと息を吐いた。
「でも、安堵するのはまだ早いかな。君達はまだスタートラインに立ったばかりなんだからさ」
「わかってますよ、それくらいは。で、今月の課題って何なんですか?」
「そーれーはーねー……」
鐘巻はアオハル委員会メンバーを見回した後、にんまりと笑った。
「教えなーい!」
まるで新喜劇のようにズッコケた皆を見て、鐘巻はまた笑った。
「ははは、良い反応をするねぇ!」
「校長先生の意地悪ー!」
「あらかじめ教えてたら意味がないからねぇ今回の課題は。一つ言えるのは、ちゃんと親睦を深めておくと良いよ。それが今君達への課題だ」
「親睦を深める……」
「それじゃあ、また今月末に会おう!その時に君達に課題の内容を教えるからね」
委員会の皆は校長室から出された。
「はー……課題のこと結局わからなかったな」
「でも今やることはわかったねー」
「親睦を深めること、ですか?」
「たしかに大事ッスよね。仲良くなかったら青春なんてできませんし」
「最低でも、週に一回くらいは集まりませんか?お互いのことを知っておくことが大事だと思うんですよ」
「た、立山くん良いこと言うね……」
「じゃあこれから何かします?せっかく集まってるんですし!」
「何かって?」
「何かは何かです!何かして親睦深めましょ!」
「もえちゃんアバウトだなー」
萌花は目を輝かせながら力説したが、あまりの中身のなさに皆苦笑いを浮かべた。
「何するにしても、お互いを知っておくことは大事だろ。ってことで、まずは自己紹介といかねぇか?」
「じゃ、まずは教室戻ろっかー。腰落ち着けてお話しようよー」
というわけで、アオハル委員会最初の活動は自己紹介となった。