ガンダムビルドダイバーズ シャドウズ   作:クロノ09

3 / 12
第一章 welcome to undergrand
01welcome to undergrand


光あるところに必ず影は存在する

 

それは世界の真理でありルール

光と影は希望と絶望のように表裏一体

 

それは電脳の世界も例外ではない……

 

 

 

 

 

 

 

GBN『ガンプラバトル ネクサス オンライン』

それはかつてのGPDを発展させたガンプラを用いたオンラインバトルゲーム

 

ガンダムのプラモデル、通称ガンプラをまるでアニメに出てきた本物のように自由自在に操ることが出来るGBNは、様々なトラブルを超え、今や圧倒的なプレーヤー数を誇る世界的な一大コンテンツとなった。

その楽しみ方は無限大、ただバトルに明け暮れるのも、その広大な世界を冒険するのも、様々なアイテムをコレクションするのも、全てダイバー次第だ

 

そう、遊び方は人それぞれなのだ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

GBNの裏を暴くスレ part3

 

72:以下名無しダイバーがお送りします ID:

そういや結局エルドラミッションっていつ実装されるん?

 

73:以下名無しダイバーがお送りします ID:

ズルいよなー

俺も祭りに参加したかったぞ…

 

74:以下名無しダイバーがお送りします ID:

祭りの場所は…ここかぁ?

 

75:以下名無しダイバーがお送りします ID:

俺あそこで初めて生のチャンプ見た

 

76:以下名無しダイバーがお送りします ID:

別にチャンプならAGE好きの初心者…って言えばどこからか表れるだろ

俺のトッモがそれで謎の仮面の男に会えたらしいぞww

 

77:以下名無しダイバーがお送りします ID:

えぇ…(困惑)

 

78:以下名無しダイバーがお送りします ID:

流石俺達のチャンプ!

 

79:以下名無しダイバーがお送りします ID:

そこに痺れる憧れる…!

 

80:以下名無しダイバーがお送りします ID:

キャプテンカザミの動画見たが、あんなに凝ってのに限定だとか運営頭おかしいだろ

 

81:以下名無しダイバーがお送りします ID:

クソ運営は謝罪しろ!

 

82:以下名無しダイバーがお送りします ID:

止めて!運営のライフはもう0よ!

 

83:以下名無しダイバーがお送りします ID:

最近変な噂が多くて運営もクソ忙しくてヤバいらしいからな

ソースはうちの上司の胃

 

84:以下名無しダイバーがお送りします ID:

胃薬を買ってあげて…

 

85:以下名無しダイバーがお送りします ID:

実際ブレイクデカールとか、エルダイバーとか、出てきたしな

 

86:以下名無しダイバーがお送りします ID:

ブレイクデカールとか懐かしいな

 

87:以下名無しダイバーがお送りします ID:

ブレイクデカールが自由に使えるもう一つのGBNがあるとか…

 

88:以下名無しダイバーがお送りします ID:

流行ったな、そんな噂

 

89:以下名無しダイバーがお送りします ID:

そうそう、噂といえば最近話題の裏GBNとか?

 

90:以下名無しダイバーがお送りします ID:

それこそ与太話しだろ

 

91:以下名無しダイバーがお送りします ID:

裏GBNってなんだっけ?

 

92:以下名無しダイバーがお送りします ID:

 

廃棄されたはずの第0サーバー

公式には存在しないそこに裏のGBNが存在する

そこはルール無用の無法地帯、故にどこの国の法律にも縛られない為に違法なやり取りや賭けバトルが行われてる

 

とかなんだか

 

93:以下名無しダイバーがお送りします ID:

はぇ…恐ろしい…((( ;゚Д゚)))

 

94:以下名無しダイバーがお送りします ID:

しかし最近の事件聞くとあり得そうでもあるんだよな

 

95:以下名無しダイバーがお送りします ID:

事件?

 

96:以下名無しダイバーがお送りします ID:

ミヤってエルダイバーが行方不明になったってやつ、裏GBNに連れていかれたってのがもっぱらの噂

 

97:以下名無しダイバーがお送りします ID:

でも所詮噂じゃんww

んな非現実なことあるわけ

 

98:以下名無しダイバーがお送りします ID:

エルダイバーなんて電子生命が生まれた以上、なにが起きてもおかしくはないだろ

それこそ、あの電波障害だってGBNが原因では?とも言われてるし

 

99:以下名無しダイバーがお送りします ID:

あぁ、あのエルドラがリアルだった説か

 

100:以下名無しダイバーがお送りします ID:

そう考えると全て辻褄があうだろ

エルダイバーが生まれたのも、電波障害が起きたのも

裏GBNだって、その鍵になってるはず

 

101:以下名無しダイバーがお送りします ID:

つまり全て宇宙人のせいだとww

 

102:以下名無しダイバーがお送りします ID:

裏GBNはともかく、その説は流石に嘘だろ

 

103:以下名無しダイバーがお送りします ID:

ソースはよ

宇宙に行って確めてきてくれww

 

104:以下名無しダイバーがお送りします ID:

宇宙にいかなくとも、GBNの原初のソースコードを解析できればそこに、何がが飛来した形跡があるはず…

 

105:以下名無しダイバーがお送りします ID:

宇宙人がGBNにやってきた証拠があるのかよ

てか、原初のコードとか無理だろ、何回アプデされたと思ってる…

 

106:以下名無しダイバーがお送りします ID:

だからこそ裏GBNに行けば、そこにそのデータが…

 

107:以下名無しダイバーがお送りします ID:

あっそ、頑張れー

 

108:以下名無しダイバーがお送りします ID:

そういや、この前さぁ…

 

 

 

 

 

「チィッ…クソ!」

 

GBNのスレを覗いていた男は思わずモニターを叩きたくなるのをこらえ、そう声を荒げる

 

 

 

俺の名前はカゲト、自称天才ハッカーにして、自称GBNのデバッカー

今日も日課のスレ巡回をしてたが、思わず躍起になってしまった…

そうだ、冷静になれ、そもそも誰かに見せびらかす為にこんなことをしている訳ではない

 

こんな都市伝説やら噂を集め、検証してるのは他でもない、自分の好奇心の為だ、ならば誰になんと言われようとも俺はやって見せる!

 

例の有志連合戦に始まるエルダイバーの出現、そして記憶に新しい謎多きエルドラミッション…

このGBNには最早ただのネットゲームでは片付けれないほどの謎が眠っている。

それを解き明かすためにも、俺の自称デバッカー活動には意味があるのだ…

 

『スレッドを閉じました、精神状態に乱れを感知

毎回こうなるのでしたら初めから見ないことをオススメします』

 

モニターが一人でに切り替わると首に掛けたヘッドホンから無機質な合成音声が響く

 

「うっせぇ!別に良いだろ!」

 

『そうですか』

 

相も変わらず、淡々とその無機質な声はカゲトの言葉に適当に相槌を打つ。

 

こいつはハル、超天っ才の俺が作り上げた音声アシストインターフェイスAIだ

多機能にして高性能、俺の快適なGBNライフにはなくてはならない存在だ

このヘッドホンユニット内に格納されており、俺の代わりに雑事をこなしたりサポートをする優れものだ

 

 

「…ったく、折角だったら美少女メイド型とかにすれば良かったな」

 

まぁ、唯一の欠点は無愛想っとこだ

そもそも実態もビジュアルも存在しないし、声も適当に作った合成音声だ

思いきって『お帰りなさいませ、ご主人様』…とか言ってくれるメイド型AIにすればこんなことにはならなかった…!

 

『その場合、カゲト様が積極的に女性とコミュニケーションをとり会話パターンをサンプリングする必要があります』

 

「うっ…」

 

うん、まぁ、それはなかなかに難易度が高い問題だ

いや、別にやろうと思えば出来なくはないぞ!

 

ただ、最後に他人、特に女性と話したのがいつか思い出せない…

 

『カゲト様はコミュ障の隠キャですからね』

 

突然の罵詈雑言がグサリと胸に突き刺さる

 

「うぐっ…だからうっせぇぞ!

てかそんな言葉どこで覚えた!教えた覚えないぞ…」

 

『カゲト様がSNSからディープラーニング出来るように私を設計したのでは?』

 

流石は俺の才能…!

じゃない!なにバカなシステム組み込んでるの!過去の俺!

 

「あぁ!もう良い!さっさと行くぞ!」

 

過去の自分を憎みながらも、もう一つの日課であるGBN散策へと赴くのであった…

 

 

 

 

 

─同時刻 ???

 

GBN内とおぼしき街角、二人の男が目を合わすと何かを取り出す

 

「これが例の…」

 

黒い装束に身を包んだ男がアタッシュケースを開けると、そこには二枚の真っ暗なカードが収まっている

 

意味ありげな数字が刻まれたそれを、ニヤリと笑いながらもう一人の男が見つめる

 

「えぇ、ようやくもう一枚各確保できました

取りあえずは組織と取引する材料にはなるかと」

 

パタン、とケースを閉めると特殊なロックを掛ける

これでこのケースはこの男にしか開けられない

 

「では手筈通り、後は"表"で…」

 

そう呟くと一人が何処かへと消え去る。

それを確認してか、もう一人も"表"へと戻っていく…

 

誰も知りえぬ闇の向こう、そこでは着実ととある計画が遂行しようとされていた

 

 

 

 

 

 

 

 

『…カゲト様、路地裏になにか怪しいものがあるといういかにもな考えは流石に浅はかでは?』

 

ハルのもっともな意見を聞き流しながら、今日幾つめか数えるのも億劫となる路地裏へと足を運ぶカゲト

 

「配信で見た例のミッションだってこんな感じにゲートがあったんだ、なら、ワンチャンあるだろ…!」

 

裏GBNについてはネットを探しても全く情報が出てこない、ならばこうやって実際に手懸かりを探し回る他ない…という非常に浅はかな考えだが、現状やることはこれくらいしかないのだ

 

『人に尋ねたり、協力を仰いだ方が効率的では?』

 

「…出来ならもうやってる」

 

『…申し訳ありません』

 

一瞬流れる気まずい空気

 

そんなこと百も承知だ

 

そうだ、悪いかボッチで!

別に俺一人でやり遂げればなんの問題も…

 

その時だ、何か違和感を覚え立ち止まる

目の前に表示されるディスプレイにはソロプレイ主体のカゲトに見慣れぬ表示

 

「っ…!?なんだ…?PvPだと…」

 

突如、視界が切り替わりバトルフィールドが展開する

バトルの許可は勿論、相手すらいないのにだ

 

バグか?と疑うも、すぐさまログを見るとシステムは通常通り作動していることが分かる

ならばこれは一体…

そう考える間もなく、カゲトの目の前に一機の機体が現れ、ギョロリと展開させたカメラアイをこちらに向ける

 

「グレイズ…よりにもよって被りかよ」

 

グレイズ、鉄血のオルフェンズに登場する量産機だ

ザクのような量産機の例にもれず人気があり

キットが安価かつ、出来がよく、さらにビーム無効のナノラミネートもついていてカスタマイズも容易と、初心者から上級者までGBNでも使用者が多くいる

最も、その出来映えにより性能が反映されるGBNでは素人の素組み程度では軽いビームコーティング程度の性能となるが

 

カゲトも一応その使い手の一人ではあり、リアル端末の目の前にセットされている灰色のグレイズは渾身の出来であり、並大抵のビームは通さないほどである

 

一方目の前のグレイズはお世辞にも出来が良いとは言い難いものであった

キットそのままどころが、よくみるとゲート跡が目立つお粗末な出来だ。

 

「喧嘩を売られた…ってことか?」

 

チラリと展開されているディスプレイを眺めても相手の情報は何も表示されない

何故初心者丸出しのグレイズが喧嘩を売ってきたのかは分からないが、どうであれ、バトルフィールドが正常に展開され、バトルモードになった以上やるしかない。

 

同じグレイズ使いの格の違いを思い知らせて見せようと、意気揚々とこちらもガンプラを呼び出す

 

コックピットを模したコンソールに移行し、一瞬にして視界がぐんと上がる。

 

大地を踏みしめるのは灰色の巨体、相手と瓜二つの機体だが、細部にカスタマイズを施したカゲトのそれは目の前の緑のそれは大きく異なる

 

普段はバトルを想定して、グレイズリッターベースの改造機を使用してるが、なんという偶然か、今日は相手と同じ仕様のノーマルのグレイズ

強いて言うならばこちらはライフルを装備していないくらいだろうか、手にしたアックスも、シンプルなデザインの頭部も全く一緒である

しかし…

 

「出来が違うんだよ…!」

 

こちらに気付き、敵のグレイズがライフルを放つも腕の装甲で易々と弾きながらブースターを吹かし一気に接近する

 

GBNにおいて機体の性能はガンプラの出来に反映する

作り込めば作り込むほど原作同等、あるいはそれ以上の力を引き出すのだ

 

『カゲト様、敵機の左脚部に振動を確認』

 

「でかした…!」

 

首もとからのハルの声を聴き、一気にスロットルを押し込む

 

ハルの本分はバトルでのサポート、その解析力で敵の弱点を見つけ出し有効打を与える、それがカゲトの戦法だ

バトルのセンスが他人より劣っているのは百も承知、なればこそ、自分の得意分野でそれを補うのみ

 

ズルいとは言わせない、これがカゲトのソロプレイの極致なのだ

 

「こっちはフレームまで作り込んでるだよ…!」

 

ライフルの衝撃を気にすることなくその身で受けながら距離をだんだんと縮めると、その勢いにのせ、アックスを敵の左足へと叩き込む

 

グレイズはナノラミネートアーマーにより鉄壁の防御を誇り、普通の手段で倒すのには骨が折れる

しかし、それは同じ出来映えであればの話だ

 

メキッとアックスが足のフレームにめり込むと、そのまま足が真っ二つにへし折れる

 

本来刀などで適切な技をもってして行うフレームごとの切断だが、完成度の低いガンプラ、それもとりわけしっかりと作っていなかった左足に叩き込むことで原作のアラヤシキとガンダムフレームのような技と力を用いずにそれを可能にしたのだ。

 

『武器、破損』

 

「分かってる!」

 

その忠告とともにすぐさま手を離し、一度地面を踏みしめる

 

とは言え流石に無理をしたのか、こっちのアックスも衝撃で曲がり使いものにならなくなる

今はこっちはライフルを装備しておらずこれでは丸腰だ

 

だが、有難いことに予備の武器は目の前にある

 

「ちょっと借りるぞ」

 

片足を失いバランスを崩してのけ反った敵のグレイズ、その手から離れ宙に舞うアックスを掴むと全力で振り下ろす

 

 

《battle end! winter playerB!》

 

決着は一瞬だった。

タイマーが刻んだ時間は僅か13秒

 

コックピットに自身の武器をめり込ませ、そのまま地面へと叩きつけらた敵のグレイズはバトル終了のアナウンスとともに消え去る

カゲトの完全勝利だ

 

「ふぅ…どうだ!これが俺の実力!」

 

『やってることは完全に初心者狩りでしたがね』

 

「なっ…!?あっちから挑んできたんだ、しょうがないだろ!」

 

言われてみれば出来の悪い初心者のガンプラを性能差で叩き潰したようにしか見えないのも事実である

 

格下相手に調子に乗ったとも見えるのが悲しい現実だ

 

 

「てか、相手は一体なんなんだったんだ?

一言も話さないどころが、ダイバーネームすら明かさないとは…」

 

そんなこんなでバトルを終え、再び通常フィールドへと降り立つ

辺りを見回すも、路地裏にはカゲト以外誰もいない

挑んできたはずの相手は一体どこに行ったのか…

 

「まさかあれか?悪質な初心者狩り狩り!

俺がネットに悪質な初心者狩りに晒されるパターンか!」

 

そのうちGtubeに動画でも上げられないかと、炎上を恐れるカゲト

 

『…カゲト様、アイテムボックスを』

 

そんな要らぬ心配をし勝手に喚くカゲトを尻目にハルが何かドロップアイテムを発見し、淡々と告げる

 

「なんだこれ、カード?」

 

怪しみながらアイテム欄を覗くと、さっきのドロップアイテムなのか、そこには見慣れぬアイテムがあった。

 

無機質な黒に表面には数字の9が刻まれた不気味なカード

 

『アイテム名は《alternative No.9》

検索した結果、該当するアイテムは存在しませんでした』

 

「オルタナティブ…?代替品…だっけか?

調べても出てこないってことはゲリラ公開した新アイテムなのか?」

 

独学で鍛えた少々怪しい英語知識を引っ張りだし刻まれた文字を読む

 

気になりハルにSNSやwikiをチェックさせたが、そのような話は一切ない

 

ならば自分が激レアアイテムを一番乗りでゲットの超ラッキー!…と思えるほどカゲトは楽観的ではなかった

そもそもNPDでなくプレーヤーからドロップしたのも色々おかしい、それに『No.9』の表記が事実なら一点ものでもないはずである

 

そのカードを裏返すと、そこにも一列の文字が並ぶ

 

「welcome to underground…か…」

 

そしてカード裏に刻まれたその言葉が何処か引っ掛かる

アンダーグラウンド、つまりこれは裏GBN関係のものなのか…?

 

そしてなにより…

 

「…おいおい、なんだこれ

やけに容量がでかいと思ったら…」

 

ログと消費メモリを見て気付いたが、たかがカードアイテムにして大きすぎるデータ容量、気になり開発者ツールで開くと、そこには膨大なソースコードが

 

『…自動解析に失敗、高度に組み込まれた暗号と推測』

 

それだけでない、おそらくこれは一種のプログラムのようなものでもあるようだも推測出来る。

 

「…だろうな、これの復号化はそうとう骨が折れるぞ」

 

そう呟きながらもカゲトの口はニヤリと歪んでいた

 

ようやく手に入れた謎への手懸かり、そして挑戦状とばかりのこの暗号に血が騒ぐ…!

 

「よし、帰って解析だ!

これは面白くなってきたぞ…!」

 

意気揚々と気合いを引き締めるとログアウトするカゲトであった

 

 

 

 

 

 

-数分後、同座標

 

 

「カードNo3、回収完了ー

あれー?コイツ一枚しか持ってないや」

 

カゲトが立ち去った路地裏、そこに不釣り合いなやけに明るい声が響く

その声の主の少女が手にするのは3の文字が刻まれた黒いカード

 

赤いツインテールを靡かせながら、見せびらかすようにその黒いカードを掲げる

 

「…誰かに先を越されたか、失態だな」

 

 

後ろから現れた白いコートの男が少女の手からカードひったくるとおもむろに懐へと仕舞う

チラリと見えたそのコートの中にはさらにもう一枚、黒いカードが納められている

 

「それにしても、よりよって"9"のカードを持ってかれるなんて、これが因縁ってやつ?

ねぇ、ナイン?」

 

「知るか、そんな因縁なぞ払い下げだ」

 

ナイン、そう呼ばれた白石コートの男は、からかうかのように笑う少女に悪態をつきながら路地裏を見返り、ログ映像をディスプレイに出す。

 

9、それは裏アリーナの9位のランカーである彼にとってそれはどこまで行っても付きまとう呪いのような数字だった

 

 

「ねぇねぇ、どうするのー?

コイツ倒してちゃっちゃっと取り戻す?

ナル的には歓迎だぞー」

 

数分前まで遡った記録映像を一時停止させると、そこに映る男の姿を見つける。

 

何が面白いのか、その少女、ナルはクルクル回りながらディスプレイに表示されたカゲトの姿を見てニコニコと特徴的なギザ歯を見せながら笑う

 

「いや、このイレギュラーを活用しない手はない

"彼女"の方から接触があるやも知れん」

 

「ふーん、そう……」

 

ナインの言葉にあからさまにテンションを落とすナル

彼の口にした"彼女"の存在が気にくわないのが簡単に見てとれる。

 

「オルタナティブを倒すのはこの俺だ、そのために利用させて貰うぞ…

お前の出番はもう少し先だ、まぁ、期待してるぞ」

 

気を落とすナルの頭を無造作にポン、と叩くとナインはコピーが完了した記録データを仕舞い、今一度そこに写っていたカゲトの姿を見つめる

 

「ほんと!?

ナルに任せて!あのいけすかない女なんでぶちのめしてやるぞ!」

 

「フッ…そうだな…」

 

そういい、ナインとナル、不釣り合いな二人はGBNへの奥底へと去っていくのであった…

 

オルタナティブ、それはこの戦乱の渦

様々な勢力が今、動き出す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。