ガンダムビルドダイバーズ シャドウズ   作:クロノ09

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02 無法地帯

『前回の睡眠から24時間が経過しました。

睡眠を推奨します』

 

「あと少し…あと少しなんだ…!」

 

ハルの警告を右から左に流しながら、ひたすらにパソコンに向かうカゲト、傍らには空になったエナジードリンクの容器がいくつも転がっている。

 

GBNで謎のグレイズとの戦闘の末、偶然獲得した謎のカード、それが裏GBNへと繋がる鍵だと確信したカゲト

 

あれからログアウトし自室の機材でカードのプログラムの解析を始めたが、その作業は思ったより難航していた。

 

「Torでダークウェブにアクセスし、カードのプロトコルを分散して解析し、一致するIPを特定さえすればあとは総当たり方式で……」

 

ぼつぼつと独り言を呟きながらひたすらに手を動かす。

 

天才ハッカーを自称するだけあってカゲトの能力は凄まじいものであったが、それでも裏GBNへの道はなかなか拓かない

 

ダークウェブに手懸かりがあることまでは判明したが、その先がなかなか進まないのである。

 

『栄養失調の恐れあり、せめて食事を推奨…』

 

昔調子に乗って搭載したハルのヘルスケアプログラムがまたもやうるさく響く。

思えば、自分で作った機能だというのに、まともに活用したことなど一度もない、無駄機能をつけまくるカゲトの悪い癖のせいだ

そんな忠告を無視しながら、一心不乱にパソコンに向かう

 

 

「キター!よっしゃ!流石俺!天才!」

 

唐突にガバッと、椅子から立ち上がりガッツポーズを決めるカゲト、その目は連日の作業により充血し真っ赤になっており、最早情緒がおかしくなっている。

 

『精神科の受診を推奨』

 

「うるせぇ!別に頭がおかしくなってねぇよ!」

 

心なしかか、哀れむようなハルの声にぼやきながらも、気持ちよくエンターキーをッターンと響かせる。

 

パソコンの画面には[complete]の文字が

激戦の末ついにカードの解析を終わらせたのだ。

 

『おめでとうございます、解析されたデータを元にプログラムを再構築した結果、カゲト様の予想通り何かへのリンクが作成されました』

 

「なるほどな、となるとやはり…」

 

予想通り裏GBNへと繋がる鍵へとなった訳だ。

いやはや、自分の才能が恐ろしい!…と一人勝手に興奮しながらも、今更ながらに瞼が重いことに気づく

二徹はいくらなんでもやり過ぎたようだ。

 

「…ともかく詳細は明日だ!お休み!」

 

そのまま死ぬように机に倒れ伏すと久方ぶりの睡眠に落ちるのであった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

255以下名無しダイバーがお送りします

そういやイッチの言ってた裏GBNてマジなん?

 

256以下名無しダイバーがお送りします

さぁ(´・ω・`)?

 

257以下名無しダイバーがお送りします

なんでもありなアナーキーサーバー、いかにもな話だがな

 

258以下名無しダイバーがお送りします

いや、マジだろ

 

259以下名無しダイバーがお送りします

まぁそっちのがロマンあるしな!

 

260以下名無しダイバーがお送りします

アナーキーってなんぞ?(無知)

 

261以下名無しダイバーがお送りします

ggrks

 

262以下名無しダイバーがお送りします

無秩序って意味

裏GBNではチートも違法行為も賭けバトルも、はたまたRMTもなんでもokだとか

 

263以下名無しダイバーがお送りします

ヒェ…

 

 

264以下名無しダイバーがお送りします

チートというとブレイクデカールとか?

 

265以下名無しダイバーがお送りします

そんなんが跋扈してるから治安もクソもないぞ

 

266以下名無しダイバーがお送りします

エルダイバー狩りとかいう物騒な噂も聞くしな

 

 

267以下名無しダイバーがお送りします

なにそれヤバくね?

 

268以下名無しダイバーがお送りします

まぁ、反エルダイバー思想とか、流行ってるらしいしな

 

 

269以下名無しダイバーがお送りします

うわぁ、よも末だな

 

 

270以下名無しダイバーがお送りします

良いじゃんエルダイバー、なんたって可愛いし!

この前もベースに行ってサラたんに会ってきたぞ

 

 

271以下名無しダイバーがお送りします

良いなー、めっちゃ増えてるとか言うけど実際あんな会えないよな

てか、リアルで会いに行く手があったかー

 

 

272以下名無しダイバーがお送りします

変な目で見るとサングラスかけた変なねーちゃんと、目つきの悪い男に目をつけられるから止めたほうが良いゾ

 

 

273以下名無しダイバーがお送りします

えぇ、怖…

 

 

274以下名無しダイバーがお送りします

jmptgdptw.ag-w54fj-574m-a-jw.pdtgmw-pMjt44jdt-

 

 

275以下名無しダイバーがお送りします

んっ?なんぞこれ?

 

276以下名無しダイバーがお送りします

atg34200m4mjGbgp-m.Gwdj4lm-aGwagpa8djp

 

277以下名無しダイバーがお送りします

6-gvapmg-ag-D.pwm.g78fvj.jwiwu47litg.twmhpw

 

 

278以下名無しダイバーがお送りします

おいイッチ、なんか誤爆してるぞ

 

279以下名無しダイバーがお送りします

バグってて草

 

280以下名無しダイバーがお送りします

誰か教えやれy……

 

 

<接続エラー><接続エラー><接続エラー>

<接続エラー><接続エラー><接続エラー>

……405 bad gateway

 

 

 

 

 

 

 

 

『……ねぇ、聞こえる?

そう、あなたよ、あなたに頼みたいことがあるの…』

 

『…………』

 

『あの子を助けて欲しいの

時間がない、あなたにこれを……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『……おはようございます、と言っても現在の時刻は15時13分、お昼も過ぎてますが』

 

翌朝、と言っても普通の人間ならばとっくに目を覚ましてる時間、ようやくカゲトは重い目を開ける

 

「なっ!?目覚ましはセットしておいたはずだぞ!」

 

『見事に五分ごとのスヌーズ全て解除されます』

 

無意識化に全ての目覚ましを解除していたことに唖然とするも、やってしまったからには仕方ない、と切り替え残りの1日を有効活用すべく、いつまに移動してたソファから端末のある机へと足を伸ばす。

 

部屋は昨日のままごちゃごちゃと物が転がっており、いかに解析に苦戦したかが目に取れる。

 

しかし本命はこれからだ

散らかった空のエナドリ缶を踏まないように気を付けながら足早にpcを立ち上げるとGBNへとアクセスすべきガンプラを取り出す。

 

「機体は…前みたいこともあるかも知れんし、取って置きのコイツにするか」

 

コレクション用の棚に並べられたグレイズをはじめとした様々な量産機のガンプラ達、それらに一瞥も暮れずに目線を下ろすと作業机に転がっている一つのガンプラを手にする

 

「とうとう完成した俺専用のカスタムグレイズ、こいつの初陣には最適だな」

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

グレイズカスタム改ver2.5…改めシャドウ・グレイズ

カゲトが己の技術を集め作り上げた改造ガンプラ

一人であらゆるミッションをこなす、というコンセプトを元にありとあらゆる機能を詰め込んだ万能機だ。

つまるところはボッチでもフォースプレイ推奨のマルチミッションをクリアするという悲しいコンセプトでもあるのだが…

 

素体は昨日使用したノーマルのグレイズと同じだが、鉄血機体特有のフレーム構造を生かし、専用装備へと換装した機体である。

都市迷彩をイメージした、ブルーとグレーのカラーリングに、大型化したバックパックに幾つものハードポイント、頭部にはモノアイの上にバイザーを被せた特別仕様だ。

 

別にただログインするだけなので、この仕様は必要なさげだが、これから足を踏み入れる場所では何が起こるか分からない、用心に越したことはない。

 

 

《please scan your GUNPLA》

 

おもむろにガンプラをセットし、バイザーをつけるとアームレイカーを握る。

端末もカゲト特性のカスタム版、最も端末を弄るのはグレーゾーンではあるが、この際気にすることはない。

 

「よし、行くぞ!」

 

<ready to dive!>

 

そして、電子音とともにカゲトは電子世界へとその意識を落とすのであった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……えっと、アクセス先を指定して、カードのプログラムをっと」

 

GBNにログインし着々と裏GBNへのログインの手順を進めるカゲト、連日の徹夜による解析のおかげか、その道は容易に開き出す

 

「…という訳で早速だ、これでゲートが開くはずだ!」

 

理論上はこれで問題ないはずだ。

解析したデータを元に組み直したアクセスプログラムは完璧だ

流石は自称天才ハッカーという所だろう

 

「フッフッフッ…ついにこれで裏GBN行ける…!」

 

『座標軸固定完了、いつでもどうぞ』

 

最後の仕込みもたった今終わった。

あとはボタン一つで向こうへ行けるはずだ。

 

「ちゃんとログ残しとけよ、記念すべき瞬間だからな」

 

意を決し、プログラムのロードボタンへと手を伸ばす

が、しかし思い浮かぶのは昨日の不可解な出来事、あれはどう考えても普通じゃない

 

(……本当に良いのか?

噂通りならば裏GBNはかなりヤバイ所、それにあのカードの出所だって…)

 

ふと、不安が頭に過る。

本当にこのゲートを開いて良いのだろうか、もしなにか良からぬ事が起きたら…

 

ここまで深夜テンションで作業をしていたが、冷静に考えるとかなりヤバイのでは…?と思ってきた。

 

『プロセス中断中、このまま操作が行われないのならば、一時中止いたします』

 

ほんの数秒、カゲトにとっては長い時間が流れ、動きを止めたカゲトに確認するようにハルが忠告を促す

 

ハルの言うとおり、今日は一先ず中断するか…それとも…

 

「っ…!えーい、ままよ!」

 

結局、好奇心が不安を勝った。

あのカードを手に入れた時点でもう、引き返すことは出来ない。

 

思い切りスタートボタンを押し込むと、瞬間、周りにプログラムコードが走る

 

この決断がカゲトの運命を大きく変えることになるとは思いもせずに……

 

 

 

 

 

 

 

「ここが…裏GBN…?」

 

一瞬にして周りの風景が歪んだと思うと、カゲトはいつの間に薄暗い不気味な町の真ん中に立っていた。

 

「…マップも機能してない、やはり!」

 

この座標はGBNの至るところにも当たらない

そして既存のどのサーバーとも位置データが一致しない

つまりはここが今までのGBNではないことを証明する。

 

少々意外ではあったが、ついに念願の裏GBNへと足を踏み入れたのだ。

 

「フフッ…流石は超天才ハッカー!」

 

やや自意識過剰気味であるが、カゲトの才能は確かであった

いつものGBNと一見同じように見えるこの世界、しかしよくみると所々のテクスチャがバグっているかのようにめちゃくちゃにやっている。

 

ここにはまともな運営も修正パッチも存在しない、ありとあらゆるものを受け入れた結果がこの世界である

 

「さて、折角だ、噂の検証でも……

おいハル、例のデータを…っておーい?」

 

前から気になっていた裏GBNに関する噂は山ほどある、今までは全て脳内の仮説しか出来なかったが、ここならば如何なる行為であろうと…

 

その為にハルを呼ぶも応答がない

 

「しまった、このサーバー用にハルのアクセスポイントも変更しとかないと、対応しないか、

最新版GBNに対応したのが仇となったか…」

 

ハルはGBNでのサポートを主体に開発したもので、ログイン時はGBNの機能も利用している。

裏GBNはGBNであってGBNではない特殊な場所、GBN用にセッティングしてあるAIであるハルはそのままでは対応してないようだ。

 

これは後で修正プログラムを書かなくては…と頭を抱えるカゲト

 

しかし、それより先に今、自分がいる裏GBNを調べるのが先決である

 

「まずは何を…」

 

やりたいことは選り取り緑だ、頭の中にリストを思い浮かべ、どんな検証を……

 

 

 

 

 

 

「兄貴!アイツですぜ!」

 

「…えっ?」

 

自分以外誰もいないと思っていたその大地に突如、男の声が響く

 

キョロキョロと見回すも、周りには自分しかいない、つまりはその声のターゲットは自分だ

一体、自分が何をしたというか、というか声の主は誰なのか、なにも分からないカゲトは混乱せざるを得ない

 

「なんだその顔は!

俺達を舐めてやがるのか」

 

「やっちまいしょうぜ、兄貴!」

 

どうやらその態度が男達の気にさわったようだ

生憎カゲトには全然なんのことかわからない

 

目の前に立つのは二人とも黒いスーツに帽子と、全身を真っ黒な服でに身を包んだ小太りの男と、長身の男とあからさまに怪しい様子だ

 

記憶を思い返すも、あんな男達に会った記憶なぞない

そもそも、人の顔を覚えるのが苦手なのは言うまでもないが、だとしても男達のようなものには一ミリも覚えがない

 

「…えっ?だから誰?」

 

「ふざけるなよ!俺達からオルタナティブカードを奪っておいて白々しい…!

お前のせいで俺達の計画はぐちゃぐちゃだ!」

 

小太りの男が地団駄を踏みながらカゲトを指さす。

 

「オルタナティブカード?

ってまさかあの時のグレイズか!?」

 

以前路地裏で散策していた時に突然エンカウントした謎のグレイズ、それを倒し謎の黒いカードを手に入れた結果、この裏GBNへとアクセス出来たのだ。

そのカードに刻まれていたスペルは確かalternative<オルタナティブ>、つまりはあのカードのことだ

 

思い返せばそれ自体不思議なことばかりであったが、すっかりとその事が頭から抜け落ちていた

 

…ということは、諸に関係があるではないか。

 

 

「俺達の取って置きをかっさらいやがって…

力付くで返して貰うぞ!」

 

「なっ!?違っ…あぁいや、違くはないか

あぁ!なんでこうなる!」

 

勝手に展開されるバトルモード、この前とまるっきり同じ展開だ。

どうやらこうやって相手を強制的に引き摺り込むのが男達の常套手段なのだろう。

 

しかし、この展開はあまり好ましくはない

前回はゴリ押しでなんとかなったが、全うなバトルとなると、カゲトが不利と言わざるを得ない。

その上…

 

「正々堂々と一対一…なわけないよな」

 

目の前に降り立つのは二機のMS

やはりというべきか、一対一などという常識は通用しないようだ

なにせここには縛るべきルールが存在しない、無条件に二体一のバトルに引き摺りこもつとも、何も問題ないのだ。

 

「ガキが!俺達に歯向かったのを後悔させてやる!」

 

「フンッ、さっさと片付けるぞ」

 

男達が使うのは通常の機体よりも遥かに大きな巨体が目立つ二つの巨人、

閃光のハサウェイに登場するマフティーが使用した量産機、メッサーと、連邦の量産機、グスタフカールだ

恐らく小太りの男が使うのが通常のオレンジカラーのメッサーF1型、兄貴と呼ばれていた長身の男が使用するのがグスタフカールだろう。

 

 

「よりにもよってメッサーにグスタフカール、流石に前みたいにはいかんか

あぁ…!クソ!やるしかないか!」

 

以前の戦闘は全く同じグレイズ同士の対決であり、その特性や弱点も完璧に把握していた。

しかし、流石にこの二機はまだ使用したこともなければ、対戦した記憶もない。

 

予め策を用意してからバトルに挑むカゲトにとっては厄介な相手だ

唯一の救いは、二機の主武装はビームライフルと、防御面ではナノラミネートアーマーを持つこちらが有利ではある、しかし、それもどこまで通用するか分からない上に、メッサーのシールドには確か実弾のバルカン、グスタフカールの腕にはグレネードが搭載されているはずだ。

どちらにせよ、強敵であるのには違いない

 

「こういうのは苦手なんだよな…」

 

それに加え、今はいつも使用しているハルというサポートがない

即時に判断して動かなければならない

 

冷や汗をかきながらもコンソールを握り直し、機体のステータスを今一度チェックし直す

 

カゲトのグレイズ…いや、カスタムされたシャドウグレイズは多機能ではあるが、悪くいえば器用貧乏、単純な体格差に数の差がある中どこまで通用するかは分からない。

 

 

「へへへッ、裏ルート仕入れた取って置きだ、これでぶっ潰してやるよ」

 

その巨体が抱えたライフルから光陣が走る

 

その戦いのゴングはメッサーのビームライフルだった

最早バトルスタートのシステム音すら鳴りはしない。

 

「ハハッ…マジかよ…」

 

裏GBNという無法地帯、これが洗礼とでも言うのか、カゲトは迫り来る二機を見つめながら自傷気味に笑うことしか出来なかった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 




twitterにて、登場キャラ、ガンプラしていますのでそちらも是非!
https://twitter.com/KuronoF0009/status/1463507458249297925?t=2jBL7kmv3v-IQLP5roHM8g&s=19
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