ガンダムビルドダイバーズ シャドウズ   作:クロノ09

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お待たせしました、久しぶりの更新です


06 魔王を探せ

 

 

 

 

 

「クカカカカ!

我に挑むその勇気は認めよう!

しかし!この魔王の漆黒の翼は何人たりとも落とせはしないと知るが良いぞ!」

 

「あーいや、だからなぁ!」

 

弾の切れたガトリングをパージしながら、必死に目の前から迫る幾つものビームの嵐をこなしていく。

 

『カゲト様、機体の耐久値がイエローを突破、これ以上の戦闘は危険です』

 

「分かってる!」

 

言われずとも理解している。

 

目の前のそれ、"魔王"は空に佇みながら、その翼からいくつもの光を放ちながら辺り全てを焦土とかす。

 

相手はビーム主体のフリーダムの改造機、こちらはビーム耐性が自慢のナノラミネート装甲を搭載のグレイズだというのに、相手は、"魔王"はそんな不利など気にすることもなく、圧倒的な力でそれを捩じ伏せる

 

「機体相性も、性能もこちらが上、ってことは……」

 

ゴリゴリ削られたHPゲージを見ると嫌気が差してくる。

 

『腕の差ですね』

 

「いちいち言うなっての!」

 

ハルの辛辣な指摘がグサリと突きさる。

その事実を認めたくはないのだが、しかし魔王の力は凄まじいもので、このままではどうしようもないのも事実だ。

 

「さぁ!足掻け!そして無惨に散るが良い!

貴様も魔眼の持ち主であれば分かるだろう?」

 

「えっ?魔眼?あぁ、オルタナティブカードのことか…

全く、分かりにくいっての!」

 

 

柄じゃない圧倒的な強者とのバトル、それはカゲトをひりつかせる。

しかし、心なしかその口元は楽しげに歪んでいる。

 

「あークソ!こうなりゃやけだ!

行くぞ魔王とやら!」

 

「ほぅ、面白い!来るが良い…!」

 

最後に残った武器を握りしめ、飛び込む。

それは魔王に挑む勇者か、それともただの蛮勇か…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

185:以下名無しダイバーがお送りします

だから、本当に裏GBNは存在したんだって言ってるだろ!

 

186:以下名無しダイバーがお送りします

嘘乙ww

 

187:以下名無しダイバーがお送りします

んなら証拠はよー

 

188:以下名無しダイバーがお送りします

スクショの一つくらい見せろっての

 

189:以下名無しダイバーがお送りします

だから、特殊なプロトコルとジャミングで記録がな…

 

190:以下名無しダイバーがお送りします

言い訳苦しいぞ

 

191:以下名無しダイバーがお送りします

そんなことより、紫髪の美少女と、赤髪ツインテの詳細はよ

 

192:以下名無しダイバーがお送りします

謎の美少女とか最高じゃん!

 

193:以下名無しダイバーがお送りします

かわいいエルダイバーって良いよな

 

194:以下名無しダイバーがお送りします

サラたんファンクラブ会員の俺が通りますよー

 

195:以下名無しダイバーがお送りします

あ、いや彼女は正確にはエルダイバーかも不明でな…

 

196:以下名無しダイバーがお送りします

でも話じゃ消えたりしたんだろ?

じゃあ確定じゃん

 

197:以下名無しダイバーがお送りします

根拠はないがww

 

198:以下名無しダイバーがお送りします

噂にマジになるなよー

 

199:以下名無しダイバーがお送りします

裏GBNなんて物騒なん、おもんないしな

 

200:以下名無しダイバーがお送りします

いつまでも古い話題引っ張るなっての

 

201:以下名無しダイバーがお送りします

面白い噂と言ったら最近話題の魔王とかどうよ?

 

202:以下名無しダイバーがお送りします

双翼の魔王?だっけか?

 

203:以下名無しダイバーがお送りします

仇なすものは総てその翼で殲滅する、最強の魔王!(自称)

 

204:以下名無しダイバーがお送りします

めっちゃ強いけど、なんか痛いやつだっけ?

 

205:以下名無しダイバーがお送りします

そういうロールプレイも良いよな

 

206:以下名無しダイバーがお送りします

あるか分からん裏GBNより魔王とかのが面白いだろ

誰か会ったことある奴いないん?

 

207:以下名無しダイバーがお送りします

フレンドがフォースで高難易度ミッションに挑んだら、一人で乱入して、敵全員倒したとか…

 

208:以下名無しダイバーがお送りします

なにそれヤベーな

 

209:以下名無しダイバーがお送りします

こっわ、近寄らんとこ

 

210:以下名無しダイバーがお送りします

てかそもそもお前ら高難易度ミッションとか行かんだろw

 

 

「クソ!なにが魔王だ!」

 

いつものように、パソコンの前で声を荒げるカゲト

最早見慣れた光景である。

 

裏GBNでのあの騒動から一夜明け、そういえばと、意気揚々と掲示板で裏GBNの存在を自慢しようとしたものの、何故か裏GBNにいたときのログは全て消え去り、それを証明するものがなにもなく、作り話扱いだ。

 

冷静になり、考えてみれば、裏GBNはダークウェブ上の存在であり、ヤバい取引を頻繁に行う場所…ということを加味すればログは残らなくて当然だろうが、色々ありテンションがおかしくなっていたカゲトにはそんなこと考える余裕はなかったようだ。

 

「あークソ、どんな暗号形式だよこれ…

ログイン記録すら、取得出来んぞ」

 

先ほどから、自分をバカにしてた掲示板の奴らに徹底的な証拠を叩きつける為に、キーボードを叩き、解析を続けてはいるが、流石の裏GBNのセキュリティはカゲト一人ではどうすることも出来ない。

 

「てか何が魔王だ、そんなんより、俺が追い求めるGBNの謎の方が俄然な……」

 

おまけに、掲示板の話題を魔王とかいう良く分からぬ噂話に持ってかれたこともあり、カゲトは少々ふてくされるように、頭を掻く。

 

 

『そう、なんでもかんでも他人のせいにするのは、カゲト様の悪い癖かと』

 

「なっ!?おま……」

 

そんなカゲトを哀れんでか、首もとからのハルの合成音がカゲトの心に突き刺さる

いつもに増して、辛辣な物言いに、顔を苦ませながら、悪態をつく

 

「ったく、やっぱ美少女メイド型にしとけば…!

あ、いや、ミステリアスなのも良いな…」

 

そう思いながら頭に浮かんだのは昨日、裏GBNで出会ったミヤと少女のこと。

 

彼女のあの立ち振る舞いにはどこか牽かれるものがあった。

今のカゲトの心の奥底には彼女の言葉が響いている…

 

『それはそうと、カゲト様、GBN内のDMに先ほどメッセージを受信しました』

 

「それはそうと…って、それを早く言え!

てか俺にDMか?」

 

自分が創造主でマスターのハズなのに、軽くあしらわれたことにショックを受けつつも、ハルの珍しい報告に思わず疑心暗鬼になる。

 

基本ソロプレイのカゲトにGBNのDM機能は無用の長物であり、まともにメッセージを受け取ったことはない。

 

故に久方ぶりのメッセージに期待半分、恐怖半分で恐る恐る、画面を開く。

 

「よし、ハル、読み上げろ」

 

 

『了解しました

"No.9のカードユーザーへ

オルタナティブカードを求めるならば、魔王を探せ。

Aより"

以上です』

 

たったそれだけのシンプルなメッセージ

しかし、それの衝撃は凄まじいものだ。

 

「また魔王……

てかまてよ!なんで、俺がオルタナティブカード持ってること知ってるんだ……」

 

謎のメッセージには魔王を探せと、それだけが簡潔に書かれていた。

しかし、それ以上に、この、Aと名乗る差し出し主がカゲトがオルタナティブカードを持っていることをさの当たり前のように知ってることになる。

 

本人ですらその痕跡の証明が出来ないというのに、赤の他人が何故それを知り得るのか、それが頭に引っ掛かる。

 

「一応聞くが、差し出し元のアカウントは…?」

 

『はい、お察しの通り痕跡が残らない捨て垢によるもので特定は困難かと』

 

これほどの情報を知るものがそんなヘマをするわけがない

 

どうしたものかと、頭を捻らせるが、有効な手は思いつかない。

ここまで具体的な情報が悪戯だと、無視することも出来ないし、このAなる人物の指示通り動くのもなんだか癪である。

 

「魔王、か…

噂によると、高難易度ミッションをソロでクリアして荒らしてるとかなんとか…」

 

先程の掲示板の噂を思い出し、頭を捻らせる。

オルタナティブカードについてなんの情報がない以上、この魔王なる人物に接触する他ない。

 

「仕方ないか…

ハル、この魔王とやらが、食いつきそうな高難易度ミッションをピックアップしとけ」

 

『了解いたしました

この魔王なる人物と、接触を試みるのですね

少々時間を頂戴致します』

 

ぶっきらぼうにそうハルに命令すると、ヘッドホンを机に投げ捨て、作業用の机に目を向ける。

 

「魔王…噂通りなら相当の実力者、それに高難易度ミッションで生き残らないことには接触すら…か」

 

 

机に鎮座してるカゲトの愛機、シャドウグレイズ

前回裏GBNに行った際は、あのミヤのオルタナティブの助けがなければ、自爆戦法を取るしかなかった。

 

ベース機が汎用量産機というだけあり、劣勢を一気にひっくり返す必殺技のようなものにはかけている。

 

「シャドウグレイズ、良い機体だが、やはりそうなると足りないか」

 

そもそも、一人でどんなミッションもソロでクリアする、という機体であり、まともなバトルに特化していないのもある。

これだけ聞けば相当の実力に聞こえるが、実態はフォースで分担する役割を無理やり集約して一人こなすだけであり、正攻法などは初めから考えてはいない。

 

もし、魔王とやらがあのミヤのように、襲ってきたら…

表のGBNならまだしも、裏GBNでは、敗北は垢BANに直結する、半端な機体では、無意味に残機を散らすだけだ。

 

「取りあえず、重武装仕様にして……」

 

棚に積まれてる箱を引っ張り出すと、予め作っておいた武装を幾つか取り出す。

 

様々なキットやウェポンセットから集めた大量の武装の数々、それら全てにはグレイズに装備出来るようにハードポイントが増設されている。

 

これぞカゲトのシャドウグレイズの特徴の一つ、AGEシステムやストライカーパックのように武装を取り替えることでどんな状況にも対応する。

 

あのビルドダイバーズのヒロトのコアガンダムのように戦闘中に換装できれば最高だが、残念ながら、カゲトの腕前では不可能な為、こうやって出撃前に組み換える必要があるのだが、それでもアセンにあったミッションに挑めば問題はない。

 

「手持ち武装はマシンガンで…肩のミサイルは外すか?

いや、前回役に立ったしな…

うーん…」

 

あれでもない、これでもないと、ボツボツ呟きながら武装を外しては着け、最適な装備パターンを模索する。

 

基本的に両腕と背中、それと肩部の追加武装ハードポイントにどの装備をするかが、選択肢である。

 

 

 

「まぁ、こんなもんかな」

 

あーだこーだ悩んだ結果、目の前のシャドウグレイズには大量の重火器を盛られた重装仕様となっている。

別に探索ミッションをするわけでもないので、燃費を無視した火力特化、最悪武装はパージすれば良いという考えだ。

 

「結局は火力が正義!ごり押せば問題ない!

よし!、ちゃっちゃっと見つけてやるぞ、魔王のやら…」

 

完成と同時にハルがピックアップし終わったミッションリストがディスプレイに表示される。

これで準備は完了だ、あとはその魔王を探すのみだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「兄貴!ほんとにやつらと取引するんですかね?」

 

「仕方ないだろう、オルタナティブカードという文字通り最強のカードを失ってしまったんだ、贅沢は言えんさ」

 

所変わって、GBN内の一角、そこには裏GBNでミヤからそそくさと逃げ帰っていた、小太りの長身の二人の黒服達の姿があった。

 

「ナインはまだしも、あのガキめ…!

せめて一枚でも残ってりゃいくらでも行けたってのに…」

 

ガキ、とはカゲトのことだ。

カゲトにどういう訳か、最高の切り札であるカードを奪われてしまった男達は、この状況を打開すべき、とある場所に向かっているのであった。

 

「失ってしまったものは仕方あるまいさ

それに、思ったより事は厄介だ、お互い利用できるものは最大限利用しなければな…」

 

そう話しながら、2人の男がたどり着いたのは、GBNには不釣り合いな真っ白で荘厳な教会

その正面には、"龍"を象ったステンドグラスがきらびやかに輝いている。

GBNとはいえ、これだけの規模の建物を作るのは相当な手間だろう。

 

つまりはこのその持ち主が相当の力を持っていることが伺える。

 

「やっぱ止めときましょうよ、兄貴…

まともな噂聞いたことありませんよ」

 

「…何度言わせるな、オルタナティブやグリッター、裏ランカーの化け物どもに対抗するにはより強い力が必要だ」

 

兄貴と呼ばれた長身の男は小太りの男の忠告を無視し歩みを進めると、その教会の重たい扉に手をかける。

 

「……そうですよね…流石は兄貴!後の事を考えれはこれが最適なんすね」

兄貴の言葉に納得したのか、とたとたと小太りの男も長身の男を追いかけ、教会の入り口へと足を踏み入れる。

 

「ようこそ、我らが"竜王"の教会へと

あなた方も竜王の掲示を……」

 

教会の扉の奥に立っていたのは真っ白なシスター服に身を包んだ女性

入るやいな、男達に語りかけるが、長身の男はそれを遮り、懐から真っ白な名刺を取り出す。

 

 

「いや、その教祖様に取って置きの情報がある、あわせてくれんか」

 

「…良いでしょう、きっと教祖様もそれをお望みでしょう」

 

名刺を見るや否、先程までのおおらかな雰囲気は何処に行ったのか、事務的にそう言いながら、教会の入り口の扉にガチャンと鍵をかける。

 

「教祖様、ねぇ……」

 

シスターに赴かれるまま、教会の地下へ続く階段へと足を踏み入れる男達

 

そのあからさまな胡散臭さに嫌気が指しながらも、長身の男は黙って歩みを進めるのであった

 

 

 

 

 

 

 




お待たせして申し訳ありません!

これからは暫く投稿出来る予定なのでお楽しみに…
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