ガンダムビルドダイバーズ シャドウズ   作:クロノ09

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07 ハードミッション

「これで、ラスト!」

 

轟音と共に放たれたグレイズシャドウの一撃が、残されてた最後のザクの胴体を貫く。

 

あたり一面に広がるのは同じく撃破されたザクの残骸達

 

『お見事です、ベスト記録も更新です』

 

程なくして表示されるミッションクリアの文字とクリアタイム

その記録に満足してか一人笑みを浮かべるカゲト

 

「当たり前だ、このハードミッションの必勝法の開拓にどれだけ……

って、そんなんどうでも良いっての!」

 

思わず一人で突っ込みながら、地団駄を踏む。

 

今、カゲトがクリアしたミッションは高難易度のハードミッション、それを難なくクリアし、悦に浸るも、本来の目的を思いだし直ぐ様に肩を落とす。

 

カゲトがわざわざミッションに赴いた目的、それはあの謎のメッセージにあった"魔王"という人物と接触する為であった。

 

「うーむ、これも普通にやれば結構厄介なミッションだから、乱入の一つあってもおかしくはないんだかな…」

 

『これでピックアップしたミッションのうち三つクリアです』

 

噂では魔王は高難易度ミッションに挑んでいると、何処からともなく表れ、敵を倒す、そんな目撃情報を聞いて、それっぽいハードミッションに挑んでみたはものの、その魔王どころが、誰一人として乱入してくることもなく、ただ淡々といつものようにミッションをクリアしたのであった。

 

「救援要請設定もオンになってるよな、

全然誰もこないってどういうことだよ…」

 

『それは、その空欄のフレンド欄を見れば原因は明らかかと』

 

「うぐ…」

 

またもやグサリとカゲトの心にダメージが入る。

 

一応野良参加もokな設定にはしているものの、やはり救援に来るのはフレンドな場合が多い。

 

「うっさい、次いくぞ次!」

 

カゲトはその登録上限だけは無駄に多いフレンドリストをさっさと消すと、ロビーへの帰還ボタンを押し、次なるミッションに挑むべく、魔王を探すために、頭を回すのであった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『それで、結局一人で全てクリアと、流石ですね、カゲト様』

 

「…それは誉めてるのか、それとも煽ってるのか」

 

頭をガックリ垂れながら、一通りクリアしてしまったミッションリストを眺め、ため息をつく。

 

あの後も結局可能性があったピックアップしたミッションを全て、なんの乱入もトラブルなく、一人でクリアしきってしまったのだ。

 

「まぁ、正直俺がソロでいけるハードミッションなんて、限られるがな

それでも、手応えゼロって、なんだよ……」

 

カゲトはある意味、凄腕のダイバーではない、多分そこら辺のダイバーとタイマンしても勝てるかは怪しい所だろう。

 

しかし、ミッション攻略となると話は別だ

攻略情報を分析し、NPDの行動パターンを完全に把握、難易度ハードであっても、一人でミッションの裏をかき、クリアできるのだ。

 

だが、この戦法でミッションを挑んでくのには、ある欠点がある。

 

「まだやってないミッションは……

出撃条件、二人以上……フォース専用……

クソ!」

 

そう、GBNはボッチプレイには厳しい。

それこそ、圧倒的な腕前があれば、それを無視し突っ切ることも可能だが、カゲトの腕では流石にハードミッションではそれは厳しい。

『ですから、フォースなり、フレンドなり、野良でも良いから協力を仰ぐべきでは?』

 

「お前、わざと言ってんのか……」

 

残念ながら、カゲトのコミュ力ではそれはかなわない。

 

誰かと協力してフォースを作るのはもっての他、初対面の人と協力してミッションに挑むなど、カゲトにはハードルが高い。

 

「途中で乱入してくる分には、お互い勝手にやるから別に良いんだよ…

ただ、共同となるとな…」

 

GBNのフレンドはおろか、リアルフレンドすらいないカゲトには無理な相談だ。

 

『とはいえ、このまま誰もこないようなミッションに挑んでも意味はないのでは?

そろそろ、普通の人はログアウトするような時間帯ですし、いい加減協力ミッションくらい、やってみればどうでしょう?』

 

そう言いながら、ハルが画面に新着のハードミッションを表示させる。

 

「……はぁ、分かったっての」

 

そう言われてみれば、返す言葉もない。

渋々、ミッションリストに目を移す

 

「なんか、ちょうど良いくらいのミッションはっと……」

 

"Byond lunatic+"

防衛ミッション

参加制限 なし

 

30分無限湧きするガガ軍団と無敵リボーンズガンダムからトレミーを守れ!

尚、援護はなし、トレミーの耐久値は0となってます

 

 

「なんだよこの無理ゲー…次!」

 

 

一件目の詳細ボタンを押すと出てきたのはアホみたいな難易度のミッション

これはいくらなんでも、無理がある。

さっさと表示を消すと次へと進む

 

 

"正義の御旗のもとに"

殲滅ミッション

参加制限 なし

 

迫り来る大量のグレイズシルトと、レギンレイズジュリアを殲滅せよ

一定間隔で上空からダインスレイブの援護攻撃が降ってくるので注意せよ

 

「まぁ、こっちかな……」

 

一個目のトンでも無理ゲーに比べればまだ可能性がある。

 

渋々とめったに使わない、"みんなで出撃"ボタンに指をかけると、意を決して押し込む。

 

"フレンドに募集をかけますか?"

 

「うっせぇ、いねぇんだよ!」

 

意図せず出てきたシステムメッセージに軽く切れながら、野良募集ボタンを押し、マッチングを待つ。

 

「誰でも良いから、頼むからまともなダイバー来てくれよな…

それで、魔王が乱入してくるくらいのお膳立てが出来れば……」

 

クルクルと回るマッチング中のロード画面を見つめつつ、変な緊張を押さえる為に、ブツブツ呟きながら、まだかまだかと、画面の更新を繰り返す。

 

『ですから、やるならば、プレイ人口が比較的多い時間帯にやるべきだったと…』

 

「無茶言うなっての!人がいっぱい来たらどうするんだよ!?」

 

『……?人を募集しているのであれば、それで良いのでは?』

 

「ちょうどソロプレイヤーが一人くるくらいで良いんだよ…」

 

それこそ、フレンド同士のダイバーがやってこようものなら、完全に蚊帳の外でどうしようもない、そんなカゲトの滅茶苦茶理論に困惑するハルを尻目にカチカチとボタンを連打する。

 

『そう、焦っても、なにも……』

 

"マッチングしました"

 

「……スゥ…」

 

ピコン、と表示されたメッセージを見て、思わず深呼吸をする

 

程なくして、ミッションの準備画面へ移ると、ミッションの準備の格納庫へと、転送される。

 

 

 

 

「えっと、君が今回のミッションのパートナーか、よろしく頼むよ」

 

「あ、ハイ、っすね…」

 

準備ルームへと入ってきたのは、青い軍服風のジャケットを着こなす好青年

まるで、カゲトとは真逆な爽やかな彼は入室そうそう、にこやかにカゲトに握手を求める。

 

「あ、よろしく、お願いします…」

 

さっきまでの意気は何処にいったのか、ぼそぼそっと小声で挨拶をしながら、黙りこけるカゲト

これがカゲトがコミュ症たる所以、目の前の如何にもな好印象な彼はカゲトにとっては眩しすぎる。

 

「えーと、カゲトくん、で良いか?

このミッションを選ぶなんて、なかなか面白いじゃないか」

 

「え、まぁ、色々と、訳がありまして」

 

流石に噂の魔王と会う為の乱入出会いだとは言えまい。

話を濁しながら、そそくさと出撃準備を済ます。

 

 

 

 

 

 

 

 

"ミッションスタート"

 

アナウンスと共に、二機がゲートからフィールドへと降り立つ。

 

カゲトのシャドウグレイズの重装仕様、そして、空中に佇むのは

 

「デルタプラスの改造機?いやアリオスか…?」

 

デルタプラスとアリオスガンダムを掛け合わせたような、紺色の機体

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

「デルタシャリヤーだ、カゲト君のは射撃カスタムのグレイズか、良い出来じゃないか

なら、火力支援は安心だな」

 

デルタシャリヤーをMS形態へと変形させ、火星の大地へと降りると、カゲトのシャドウズグレイズを見ながら、アサルトカービンを構える。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

「あ、いや、今回の敵はナノラミ搭載だし、ビーム主体の可変型なら……」

 

このミッションに向いてる機体の自分が前に出るべきだろうか、そう進言しようとするも、どうやらそれは杞憂だったようだ。

 

「おっ、さっそく敵機体が来たぞ!」

 

一瞬でWR形態へと変形すると、こちらに迫るグレイズシルトと距離を詰めると、そのまま突撃、衝撃でバランスを崩すグレイズシルト

 

「んなっ?なんて無茶苦茶な…!?」

 

「よっと、これで一つ!」

 

その衝撃でMSへと変形、がら空きになった胴体フレームにビームサーベルを突き刺す

いくらナノラミ搭載機とは言え、フレームにダイレクトにこうされては、どうしようもない。

爆煙に包まれるグレイズシルトを背に、再び変形すると、敵陣の真ん中へと突き進んでいくデルタシャリヤー

 

「はやっ…あれが、野良プレイヤーの動きかよ…?」

 

『カゲト様、感心するのは良いですが、敵機が迫ってます』

 

呆気に取られてたが、これは腐っても協力前提のハードミッションだと言うことを忘れてはいけない。

次から次へと別方向からも、グレイズシルトの集団が迫ってくる。

 

「あーもう!取りあえず生き残らなくて始まらない!

行くぞ!」

 

ようやく、いつものペースを取り戻し、全火機を展開すると、デルタシャリヤーに続けと、シャドウグレイズも敵機の真ん中へと、ガトリングを連射しながら突き進む。

 

『射程範囲に敵機6、乱数行動パターンを算出します』

 

レーダーに敵機を捉えると、ハルの演算処理により、敵の予想される動きを算出する。

特殊なミッションのボスNPDならまだしも、モブ敵ならば、ある程度決まったパターンの動きをする。

それを予測し、暗記することで、戦闘を優位に進める、それがカゲトの得意の戦法であった。

 

「最近、グレイズ相手が多いな…っと、さっさと片付けるか」

 

頭の片隅に、この前、オルタナティブカードを手に入れるきっかけとなった、グレイズとの戦闘を思い出しつつも、相手は腐ってもハードミッションのモブ、気を抜けばその物量で一瞬でやられると気を引き締め直し、迫り来るグレイズシルトの胴体にバズーカを叩き込み続ける。

 

『三時方向、敵機、3、接近』

 

「分かっちゃいたが、とんでもない物量…

それに…」

 

チラリと上空を見つめる

これは鉄血オルフェンズの最終決戦の再現ミッション、つまりは本編通り無双できたとしても、空から"アレ"が降ってくる。

 

『カゲト様、敵機が急接近』

 

「チッ、分かってる!」

 

バズーカの一撃をシールドで防いだグレイズシルトが弾幕を掻い潜り、シャドウグレイズの目の前へと迫る。

 

直ぐ様、ライフルを投げ捨て、腰部からアックスを取り出し攻撃を受け止めるも、グレイズシルトの持つロングアックスの方が攻撃範囲が優れてる。

 

「クソ!ソードも装備するんだったな…」

 

ガキンと、何度もぶつかりあうグレイズのアックス、同じようなものに見え、やはりリーチの差が厳しいのか、ジリジリと追い詰められる。

 

「だがな…!」

 

地上戦用に換装された脚部で地面を踏み締め、グレイズシルトの大降りの一撃を寸での所でしゃがんで避ける。

 

「レールガン!」

 

『照準ロックしました』

 

バッグアームに格納されていた大型のレールガンがカゲトの声とともに展開し、その銃口をグレイズシルトの股下へと向ける。

 

「吹っ飛べ!」

 

ハルにより修正された照準に従い、トリガーを引くと、グレイズシルトはバラバラに吹き飛ぶ。

 

やはり火力は正義、多少の不利条件はゴリ推しで吹き飛ばせば問題ない。

 

「フゥ、危な…今度、近接特化型も作ろうかな…」

 

『カゲト様、6時方向に、増援確認』

 

一息つき、シャドウグレイズの改善を考えようとするも、そんな暇など与えられない。

次から次へと、敵が沸いて出る。

 

「んなっ…!?ドンドンと…

あれ?さっき捨てたライフルは!?」

 

アウトレンジから迎え撃とうと意気込むも、さっきカッコつけて投げ捨てたライフルが見当たらない。

 

『ですから、武器の扱いはもっと丁寧にすべきだと…』

 

「分かってるっての!でもそっちのがカッコいいじゃん!

…って、ヤベ!レールガンチャージを…」

 

言いあってるうちに、直ぐそばまで迫る敵機達、遠くに捨てたライフルを拾うのは諦め、レールガンで迎え撃とうとするも、先程の高出力発射の後ではクールタイムがまだ…

 

 

 

「大丈夫か?」

 

あたふたしてたその一瞬、迫りつつあった敵機達はバラバラに切り刻まれる。

 

そうだ、忘れていた

このミッションがいつものようなソロプレイではないこと、そしてこの化物のような強さのダイバーのことを

 

「悪いな、つい一人でつっ走っちゃって…

ん?そこ!」

 

一瞬のうちに三体のグレイズを葬ったデルタシャリヤーが、シャドウグレイズをカバーするように降り立つと、そのまま遠くへとライフルを放つ。

 

遅れて響く爆発音、カゲトが仕留め損なって、奇襲に転じようとしていたグレイズシルトが爆散する。

 

「…は?」

 

目の前で起こった圧倒的な出来事にカゲトの口からまず出たのはそんな間抜けな台詞だった。

 

ふと広範囲レーダーを見つめると、カゲトが数機の敵を相手している間に山のようにいた敵の数は、いつの間にか消え失せていた。

 

「…あ、ごめん、カゲトくんの獲物奪っちゃったか?」

 

的外れな謝罪をしながら、いつの間に拾っていた、投げ捨てられていたシャドウグレイズのライフルを差し出すデルタシャリヤー

 

「あ、いえ、全然…援護ありがとうございます…」

 

そんな常人離れした腕前に、ただただ圧倒されることしかカゲトは出来なかった。

 

(一体何者だよ!?あんなのチャンプレベルだろ…)

 

内心ビビりつつも、平常を装い、ライフルを受け取ると、今一度、デルタシャリヤーをじっくりと見つめる。

 

(あんな機体の凄腕プレイヤーの噂なんてなかったはずよな…)

 

 

「んー、取りあえずこのウェーブはクリアか

あ、この機体か?」

 

そんなカゲトの目線に気づいてか、上空を見つめながら、通信回線を開く。

 

「あ、はい、凄い強いッスネ」

 

「だろ、いつも使ってるグリッ…ゴホン!

あーいや、愛機は改造中なんだけど、こっちも結構自信作なんだ

そうそう、カゲトくんのグレイズだって凄いじゃないか!」

 

何かを言いかけたのか、一瞬、咳き込みしながら誤魔化すと、露骨に話を変える

 

「!?そうですか?

俺のグレイズは極限までに局地戦に対応出来るようにカスタムしてて、全身のハードポイントと、アームを効率化しててですね

あ、さっきのレールガンも…あ、いや、はい、ありがとうございます」

 

つい、誉められことで、関を切ったかのように、早口で話し出してしまうも、すぐに踏みとどまる。

 

誉められるのに慣れてないばかりについ、オタク特有の早口が飛び出してしまったことに反省しつつ、冷静を装い、礼を述べるカゲト

 

「フフッ、良いじゃないか、よし!

ミッションも終盤、一気に行こうか!」

 

そう話し込んでうちに、上空に怪しい光が輝き出す、このミッションの正念場はここからのようだ。

 

(あークソ!、変なこと言ってないよな…

まぁ、色々気になるけど、悪い人では無さげだし、今はミッションに集中だな)

 

コミュ障故の謎の後悔を押さえつつ、本来の目的を思い出し、気を引き締める。

魔王が乱入してくる、という噂ではだいだい終盤にボスをかっさらうという話だ、ともかく生き残らなければ話にはならない、異様に強いパートナーことは後で考えるとして、今はミッションに…

 

「了解です、行きますか……えー、あ、」

 

(……ヤベ、あの人の名前聞き忘れた)

 

ソロプレイヤーの悪い癖が出てしまっていた。

残念ながら、カゲトには相手の名前を聞くのすらハードルが高かったようだ。

 

 




謎の助っ人と、その機体、デルタシャリヤーは、ユウキさん@TAKO43045977 のキャラと機体をお借りしました
一体誰なんだ!?()
キャラ募集はまだまだ募集中です!
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