次の①と②に当てはまる語を答えなさい
『マザー(母)から①を取ったら②(他人)です』
姫路瑞希の答え
「①…M ②…other」
教師のコメント
「正解です」
土屋康太の答え
「①…M ②…S」
教師のコメント
「土屋くんのお母さんが『MS』でも『SM』でも 先生はリアクションに困ります」
雑賀佳史の答え
「①…親権 ②…妖怪」
教師のコメント
「後で学園長室に来るように、とのことです」
吉井明久の答え
「①…お金 ②…親子の縁を切られるの」
教師のコメント
「英語関係ないじゃないですか」
8:08 文月学園
学力強化合宿まで後15:52
「はよーっす」
「見ないで!こんなに汚れた僕の写真を見ないでぇ っ!」
登校して、級友の言葉の第一声は、そんなバカな発 言だった
「…秀吉?」
「うむ。明久がメイド服姿の写真で脅迫されたみた いじゃ」
流石は中学以来の幼なじみ。俺の言いたい事を即座 に理解してくれた。…小学校以来の幼なじみの方は 未だに理解できないが
「とりあえず落ち着け明久。ものっそい注目されて んぞ?」
俺がそう言うと、明久はハッとした表情で我に返る
「恐ろしい威力だった……これは僕を死に追い詰め るための卑劣な計略だと言っても過言じゃない…… 」 その写真に何が映っていたんだ
「考えすぎではないかのう?メイド服くらい人生一 度は着るものじゃ」
「「それはない」」
「ちょっと待つのじゃ!それはワシの男としての経 歴に関わるのじゃが!?」
「お前に男らしい経歴………………ないな」
「佳史!?お主だけは信じておったのに!?」
佐藤の理論的なツッコミもいいが秀吉の必死なツッ コミも面白いな。何ともいじりやすい
「皆さん、おはようございます」
「あ、姫路さん。おはよう」
「姫路か。おはよう」
「おはよう、瑞希…ちょうどいい。瑞希、明久のメ イド服写真があったらどう思う?」
「う~ん…そうですね…」
横で「佳史!?」とか言ってるバカがいるが気にし ない。瑞希ならまともな答えを…
「とりあえずスキャナーを買います」
返してくれなかった
「何故に?」
「だって…明久くんの魅力を全世界に発信できない じゃないですか…」
瑞希…!お前だけは、お前だけはまだまともだと思 っていたのに…!
「明久落ち着くのじゃ!飛び降りなんて早まった真 似をするでない!」
「放して秀吉!僕はもう生きていける気がしないん だ!」
何か向こうでコントが始まっているが…それどころ じゃない。瑞希すら染めてしまうFクラスに絶望し た…!
……そういえば
「康太に相談すればいいんじゃないか?アイツなら 脅迫犯を探し出せるだろう?」
「おおっ!ナイスアドバイスだよ佳史!流石はみん なのお兄さんだ!」
「俺は唯以外を妹と認めた覚えはない」
ガラッ
「「そんな、お兄様!あの時の言葉は、『お前は俺 の妹だろう?』と慰めてくれた言葉は嘘だったの( ですか)!?」」
「そんな台詞言ったこともないしまず同年代と上級 生を妹にするわけないしそもそも血が繋がってない しお前らを慰めた覚えも事実もないし第一にお前ら とほぼ関わりがないし他にも言いたい事はたくさん あるがまずどうしてここにいるんだ!?」
「よく一息で言い切れましたね…」
瑞希が何か言っているが今は本当にそれどころじゃ ない
「「お兄様のいる所に私アリ、です!!」」
「帰れ。二度と来るな」
猫掴みして教室の外に放り投げ、教卓と買い替えた ばかりの卓袱台、ほうきでバリケードをつくる
外から「放置プレイ……コレはコレで…」とか聞こえ るが気にしない!気にしたら負けだ!
「そんなにお兄さん扱いって嫌なんですか?」
「そうじゃの。別に兄と呼ばれるくらいどうってこ とないと思うがのう」
「お前らな…いいか?見知らぬ女子に上級生下級生 問わず『お兄様』とか呼ばれんだぞ?」
「ああ…」
「それは…ちょっと…」
わかってくれたようでなによりだ
「でも私…みんなが佳史くんをお兄さん扱いする理 由ってちょっとわかる気がするんです」
「そうよね」
「「え?」」
「何となく佳史くんって、お兄ちゃんがいたらこん な感じかな、って感じがするんですよね」
「そうなん?」
「何故関西弁なのかは分からぬが…確かにそんな感 じはするのう」
ん~…自分では全く分からん。俺は俺のしたいよう に動いてるだけだしな…
「佳史は悪いことは悪い、良いことは良いとはっき り言うしね」
「悩んでたりする時にさり気なく相談に乗ってくれ たりしますから…」
「男女の区別もしないしね。ウチもたまにお兄ちゃ んってこんなのだろうな~って思うし」
「…さっぱり分からん。そして美波、お前いつ来た ?」
そう。何故か美波が全く違和感なくいつの間にか会 話に加わっていた
あ、いや。別に文句があるわけじゃないんです。だ から睨まないで下さい美波様
「…だって、無理やりでも会話に入らないとウチの 出番ないんだもん…」
「…きっと、これからあるって。……多分…恐らく… きっと。」
「「ほらそれ」」
「あ」
これか!
と、全ての元凶が判明した所で教室の扉(後ろ)が 開く
「どうして前の扉がバリケードで防がれているんだ ?」
「俺の貞操の無事のためッス」
「だから扉の前で玉野と小暮が騒いでいたのか…」
わかってくれたようでなによりです
「…まぁいい。遅くなってすまないな。合宿のしお りを配るから席につけ」
何だかんだで鉄人に逆らうバカもいるはずがないの で大人しく席につく
鉄人の説明を適当に聞きながらパラパラとしおりを 読んでいく
「集合の時間と場所だけはくれぐれも間違えないよ うに」
そりゃそうだ。そこを間違えたらシャレにならない
「特に他のクラスの集合場所と間違えるなよ。クラ スごとでそれぞれ違うからな」
再びしおりをめくって集合場所などに関するページ をめくると、Aクラスは3つに分けてリムジンバス 、Bクラスはリムジンバス一台、Cクラスは普通の バス二台…と言ったように少しずつ乗り物のランク が下がっていくようだ
…この調子だと俺達は鉄人の引率で電車とバスとか …ありそうだな
「いいか、他のクラスとは違って我々Fクラスは――現地集合だからな」
『案内すらないのかよっ!?』
あまりの扱いに全級友が涙した
学力強化合宿まで後…08:48