「ほぅ某の種族を知ってるでござるか?」
「似たような種族なら見た事あるなぁ、けどちっちゃくてアンさん見たいな大きいのは初めて見るなぁ」
飄々と何時も通りに応えるが内心は穏やかでは無かった、嗅いだ事の無い草木の臭いやその手触りそして、目も眩むほど美しかった夜空に恐らくはモモンガさんに勧めた事のある異世界転生何だろうと考え、それならば!とウキウキで森の中を探索してた矢先の戦闘である。しかもその口調や立ち振る舞いからフワフワモフモフの可愛いハムスターとは言え恐らく相当の強者なのだろうと推測する。
久しぶりにクズ運引いちゃったと内心焦りながら、護符を20枚程撒く、ばら撒かれた護符は光り輝きながら消滅しあぶらげに様々なバフを掛ける。これは彼女の職業の一つである巫女の持つ能力である各種類の護符を撒く事で特定のバフを得られるもので、自身や味方の支援の他攻撃等もできユグドラシル内でも強力な職業の一つでもある。
「なんと……!そこまで多くの強化を掛ける事が出来るとはお主偉大な英雄と見たでござるよ!」
その驚愕する言葉に首を傾げる、確かにバフの数は多いが英雄と持て囃される程の事ではない、自分よりもモモンガの方が多く掛けれる。
恐らく…あぶらげは予想する、ユグドラシルとは違いこの世界の基本的なレベルは低いのだろう、一瞬ブラフだと考えたが明らかに武人気質なハムスターがそんな事はしないだろうと考える。もし想像通りブラフだったらそれは相当性格が悪いのだろう。
「英雄なんて言われる程凄くはあらへんよ…とは言え無用な流血は嫌やしなぁ降参してくれへんかな?」
「その言葉屈辱と受け取るでござるよ‼︎」
ぷくぅと頬を膨らませた後、凄まじい横回転をしながら此方に突撃してくる。それを難なく回避し、体勢を立て直し蛇の様な尻尾を槍の様に突き出そうとしているその瞬間に戦士職のスキル『加速』と呼ばれる物を使用する。
このスキルは人間種のみしか使えないスキル『瞬歩』それの異業種版である、これらは一定時間自身の速度を上昇する物である。
尻尾が放たれたと同時にあぶらげは既にハムスターの眼前に立ち刀を突き付けていた。
「こっ降参でござるー!」
毛を逆立てながら腹を見せながら降参のポーズを取る、やっぱりハムスターなんじゃ?と考えている時に頭の中で何かが繋がった瞬間聞き覚えのあり聞きたかった声が聞こえた。
『あぶらげさん‼︎大丈夫ですか!今何処に居ますか⁉︎』
『コンコンさん!』
あぶらげはパァと顔を輝かせた。