「いってきまーす!」
「うむ。今日も元気に励むがよい」
「それでは恭介くんをお預かりしますね」
幼稚園のバスに恭介が乗り込み、通園バスが発車する。
その姿が見えなくなるのを確認するとギルガメッシュはゆっくりと来た道を引き返した。
「恭介が幼稚園に通いだしてかなりの時が経つな……午後まで恭介と会えぬとは……」
大きくため息をつきながらも恭介のためと納得する。
しかし、その足取りは重く、来た時よりも道のりは長く感じた。
「ふっ、だがしかし、この一時だけが我の楽しみ」
城に着くなり早速使い魔を通し恭介の様子を確認する。
どうやらまだ幼稚園にはついていないらしい。
「……ふむ」
待つこと10分。
ようやく通学バスが幼稚園へ到着する。
「おお! 恭介はやはり園児服も似合う。まさに天使ではないか!」
園内へと入り、荷物を置いた恭介が幼稚園の遊具で遊びだす。
「ふっ、そのようなものではしゃぐとは、まだまだ子供ということか……庭に作っておくことにしよう」
すでにこのようなことを幾度となく繰り返しており、城の庭は遊具だらけの公園とかしていた。
「おお! 砂場で遊ぶ恭介のなんと愛らしいことか! 常に一緒にいては見れぬ姿を愛でるのも楽しみの一つ、なかなかによい!」
「ええぃ、なんだこの小娘は! 恭介に絡むな! ってなにっ!? 一緒に遊びだしただと!? 恭介に色目を使うとは……身の程知らずが! ぐぬぬ……」
「……また別の小娘か。どいつもこいつも……む? いや、まて、何人集まる気だ……?」
次から次へと恭介の周りに女の子が集まりだす。
砂の城を完成させる頃には7人もの女の子が恭介を囲んでいた。
「砂の城の完成度もさる事ながら、ここまで小娘に好かれるとは……ハーレムか!」
「ふはは、ふーっはっは! さすがは恭介! 王たるもの側室の一人や二人おらずして何が王か! 英雄色を好むとも言う。さすがは我が息子!」
ギルガメッシュが高笑いをしている間に恭介はサッカーをしだした。
チームの中心になりプレイをし、得点を勝ち取る恭介。
「女のみならず男からも好かれるか! ふはははは! 素晴らしいぞ、恭介!」
だが時折苦しそうな表情になる恭介。
周りも心配をしているようだ。
「……ふむ。最近、このようなことが増えたな。体力不足、というわけではないだろう。となれば原因はもっと別の------」
などと考えているうちに朝の自由時間が終わったのか、園児がみんな園内へと入っていく。
「ええぃ! 使い魔は園内へは入れん。不可視にすることは可能だが、なぜ我がこそこそと隠れなければならん! しかし、園内での恭介も見てみたい……」
「バカバカしい。堂々と入ってくれる」
そう言って立ち上がると、ギルガメッシュは宝物庫より小瓶に入った液体を取り出すとそれを一気に喉へと流し込んだ。
「……で、若返りの薬を飲んだと。バカなの、僕?」
しばし考え込んだあと、少年はそうつぶやいた。
若返りの薬を飲んだギルガメッシュは少年へと姿を変えていた。
「見た目だけ変えるものもあるはずなんだけどな……」
小さくため息をついたあと、とりあえずその場に座る。
「行っても恭介に迷惑かかるだけだよねぇ……」
「事実、すごい楽しそうだし。大人の僕を嫌っているわけじゃないみたいだけど、変な気を使わないで済む分、気が楽って感じかなー」
「あぁ……思い返せば思い返すほど恭介の精神年齢が実年齢とズレだしてる……大人の僕を反面教師としてちゃんと育ってくれてるみたいで嬉しいけど、う、うーん……」
腕を組み苦々しい表情の少年、もとい子供のギルガメッシュ。
「とりあえず待機、かな」
軽く伸びをしたあと、子供のギルガメッシュはテレビを見ることにした。
大人の僕へ、
どうも子供の僕です。
真面目に毎日日記をつけているみたいなので一応書いておきます。
気に食わなかったら消してください。
恭介はいつもどおりです。
大人のぼくが溺愛しすぎなのでほどほどに接していますが毎日楽しそうです。
あ、勘違いしないでください、別に大人の僕がダメだといっているわけではないですよ?
おなじ子供同士でなければわからないこともありますし……
とりあえずご心配なく、とだけ。
それと、大人の僕に会えなくて恭介が時折寂しそうにしているので戻ったらやりすぎない程度にコミュニケーションを。
とまぁ、こんなかんじでいいのかな?
明日からは普通に日記をつけますね。