今後、少し更新スピードをあげようかと思います。一ヶ月に一度以上はは更新したいですね。あくまでも願望です。
(肉体的に)成長する恭介
(精神的に)成長するギルガメッシュ
追記
誤字修正しました
「……違う。この程度では真に恭介の成長を祝うことなど不可能だ。やり直すぞ」
「またかい?」
幾度となく交わされるやり取り。既に装飾のやり直しは二桁に到達しようとしている。いい加減にしろと言いたげな切嗣だが、真剣なギルガメッシュの父親の表情に言葉を飲み込む。
「ダメだ。いかなる金銀財宝で飾ろうとも、幻想的な神器を用意しようとも、我の中の恭介は苦笑いをするだけだ。なにが……何が足りない……っ!」
「ギルガメッシュ……」
足りないというよりは行き過ぎているのだが、子煩悩を極めたといっても過言ではないギルガメッシュはそれに気がつかない。結果、トントン拍子に派手、かつ豪華になっていくパーティー会場in衛宮家。このまま進めばユニコーンが闊歩する楽園になることは想像に固くない。
「いっそ、我が治めていたウルクを再現するか。我の国を目にすればいくら恭介といえども---」
「まて、ギルガメッシュ! そこまで行くと引き返せないぞ! そもそも僕と士郎とイリヤの家に何をするきだい!?」
「ダメか?」
「ダメに決まっているだろう!」
宝物庫から何かを取り出そうとするギルガメッシュを切嗣は全力で止める。彼ならばやりかねないと知っているからだ。ここで止めなければ数時間後には家の居間は古代のウルク王朝へと変貌することだろう。ギルガメッシュの辞書に不可能の文字はない。彼にとって無理というのは嘘つきの言葉なのである。
「ならば……ならば、どうすればいいのだ!」
「それを考えるのが、父親じゃないのかい?」
「……言ってくれるな、キリツグ! ふっ、任せろ。父親として、絶対に恭介を笑顔にさせてみせようぞ!」
「その意義だ、ギルガメッシュ!」
その後もさんざん迷走し、めちゃくちゃになったところを二人して士郎に怒られることになるのだが、二人は知る由もない。ただただ我が道を進むギルガメッシュと切嗣であった。
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「で、こうなったと?」
「「ハイ、スイマセン」」
めちゃくちゃだった居間はすっかり元に戻り、ギルガメッシュと切嗣の二人は、士郎の前に正座する。士郎のあまりの怒気に二人は小さくなり謝罪する。朝起きてくると居間の中央には何故か木が生えており周りには草が生い茂っていたのだ。しばし固まったあとに士郎が怒鳴ったのは無理もないことである。しかし流石は士郎というべきか、すぐになぜこのようなことをしたのかを二人に問いかけ、仕方ないなとため息混じりに呟いた。
「えーっと、その、恭介の父さんが恭介を愛しているのはわかってる。あとは伝え方だ。今までなんでも頭ごなしに押し付けてきたんじゃないか? 恭介の気持ちを考えろ。正直こんなのやられたら誰だって引く。気持ちを込めたものが一番だよ。そこにかかったお金とか派手さとかはどうでもいいんだよ。すくなくとも、俺はそう思うけどな」
「……シロウ」
「士郎、立派になって……パパ、思わず目からウロコだよ……ほんと、立派に……っ」
「ああ、もう、とりあえず俺も手伝うから、あんまりめちゃくちゃ、やらないでくれよ!」
なにか思うことがあったのか、ギルガメッシュはしばし空を見つめ、切嗣は男泣きした。そんな自分の父親の姿に照れくさくなったのか、シロウは強引に話を打ち切ると居間を出て行く。
「で、どうするんだい?」
「決まっておろう、手作りだ。それも宝物庫のものは使わん」
「いいのかい?」
「いつもそうであった。恭介のためだと自身のプライドを投げ捨て、宝物庫のものはなんでも使った。恭介の目の前で何度も金をばらまき、障害は取り除いてきた。思い返せば、その度に我は恭介にはたしなめられていた。照れ隠しだと思っていたが、我の独りよがりだったのだな。同じ子どもに言われて、初めて気が付くことができた……」
「ギルガメッシュ……」
「キリツグよ、良い子をもったな。けして、離すでないぞ」
「言われなくても離す気はないさ。あと、少し自分の行いも正さなきゃならない」
「ふっ……お互いに、だな」
憑き物が落ちたかのように清々しく、そして自傷気味に笑うと、ギルガメッシュは使い慣れないハサミを使い、折り紙をきり、画用紙に文字を書き、最古の王が作ったとは思えないほどの粗末な装飾で居間を彩ると、いつも恭介の好みばかりを考えて作っていた料理もバランスよく恭介の苦手な野菜も使い作ったのだった。その日の誕生日会に参加した恭介は終始、笑顔でありギルガメッシュの膝の上から頑なに動こうとはしなかった。
「ぎる、だいすき!」
「フハハハハハハ! 良いぞ、恭介! 我に存分に甘えることを許そうぞ!」
今日は珍しく一日中、恭介が我にベッタリとしてくれた素晴らしい一日であった。
一緒に風呂にも入ったし、一緒のベッドでともに眠ることもできる。
こんなに幸せで良いのだろうか!?
子の成長は親である我にとっても大変嬉しい。
が、しかし、いつか恭介も我から離れていくのかと考えると胸が痛む。
ふっ、柄にもなく落ち込んでしまったな。
しかし、何故か今回の一件で恭介の中で我の株価は右肩上がり、とどまることを知らぬ!
いやぁ、困るではないか、恭介がいつまでも親離れしない、なんてこともあるかもしれないではないかっ!
明日も楽しみだな!