切嗣 → 子煩悩
士郎 → 若干シスコン
慎二 → 綺麗なワカメ
イリヤ → 素直なロリ
桜 → 若干ブラコン
……えっ、どうしてこうなった
桜の状態は体質改善がもう少しで終わる。くらいのところでギリギリだったという優しい世界設定です。本体が桜の中にいたら意味ないですからね。
で、一応は間桐の保護下なのでホルマリン漬けも回避ということで。
いろいろと粗はあるかもですが、ほら、これでもギャグなので……許してください。
「蔵が潰れた!?」
「なんでかはわからないけど、桜が連れて行かれてた蔵が完全に潰れてた。まぁ、あんなもの僕としてはいらないから、好都合ではあったんだけどね」
「だ、だいじょうぶなのか、それ、親とか」
「親っていうかおじい様だね。蔵に大切なものとかいろいろあったらしくて、それを一から集めなきゃならないから、残りの人生全部それに使うって手紙が置いてあったよ。後、困ったとき使えって通帳も置いてった。おかげで今は桜と二人暮らしになっちゃってね……」
「子供二人で大丈夫なのか?」
「問題しかないよね……まぁ、おじい様がいなくなったのはすごく安心してるんだけどね。あの人怖いんだよ……」
「そんなわけで、衛宮。桜に料理を教えてやってくれないか。明るくなった瞬間にいろんなことやりだして手がつけられない。特に料理がひどい。食べなきゃ泣くし……」
「料理を教えるのはいいけど……それよりこれからどうするんだ?」
「まぁ、おじいさまがすごい金額を残してってくれたから、生きてるうちは問題ないとは思うけど、子供の僕らじゃ、お手伝いさんも雇えないし、そもそもお金が引き落とせない。まぁ、ギルガメッシュにでも頼むよ」
「なんというか……たくましいな」
「兄貴だからね、俺」
そう言いながら慎二は前の方でイリヤ、恭介と一緒にはしゃいでいる桜に視線を向ける。それに気がついた桜は慎二に手を振り、慎二も手を振り返す。なんとも微笑ましい光景だ。
「さて、昨日は誰かさんのせいで遊べなかったからね。今日は楽しませてもらうよ。誰かさんのおごりでね」
「なっ、お金もらったんだろ!?」
「約束は約束だからね。ほら、あのわたあめ食べたいな、僕」
「あーはいはい、わかりました」
先に進むにつれて強化されていく慎二の装備に反比例するように士郎の財布は軽くなっていく。お面、わたあめ、林檎飴、水風船……流石に悪いと思ったのかそれ以上は要求してこなくなった。
「いやー、楽しいなー」
「人の金だと思って……」
「あ、あの、兄さんが使ったお金、お返ししますね」
「おいおい、桜。衛宮が奢りたいって言ってるんだぞ? コイツの好意を踏みにじっちゃうわけ?」
「で、でも、お金の切れ目が縁の切れ目って……ちゃんと返さなきゃ……兄さん、私しかいなくなっちゃう……」
消えかけた声でぼそぼそと言う桜に士郎と慎二は顔を合わせて言う。
「「桜にどう思われてんの?」」
「いやいや、衛宮、お前、金がなくなったら縁切るような奴だと思われてるぞ。お金払ってるの君だけどさ」
「それをいったら、慎二はすごく孤独な人認定を受けてるぞ?」
「「…………」」
「あー! 恭介のみかん飴、いいなー一口ちょうだい!」
「いーよ!」
しばしその場で止まり無言になる3人をよそに、恭介とイリヤは夏祭りを楽しんでいた。
何はともあれ気を取り直して先に進む恭介たちの耳に聴き慣れた声が入る。
「ふはははは! さぁ、買え、買うがいいぞ! こらケンジ、押すな。サヤカが困っておろう。タロウ! 独り占めはするでない、器が知れるぞ! む……? 恭介! 恭介ではないか! さぁ、恭介、ついでに、シロウ、シンジ、イリア……後そこの娘も我のイタリアンスパボーを購入していけ! お子様価格でひとつ100円だ!」
「いあいあんふはぽー?」
「違うぞ、恭介。イタリアンスパボーだ」
「いありあんひゅぱぽー!」
「ぐぅ……露店を開いてよかった……っ!」
ちゃっかりと高性能録音機器を握り締めながら喜びをかみしめるギルガメッシュ。
「いいかー桜、あれが親バカだ」
「すこし、羨ましいです」
「あれくらい普通じゃないか?」
「キリツグもあんな感じだよー?」
「残念だけど君たちの感覚はもう取り返しのつかないところまでおかしくなっちゃってるよ」
不思議そうに慎二を見る士郎とイリヤに慎二は呆れながら言い、そのままギルガメッシュからイタリアンスパボーを購入して桜に手渡す。
「あ、おいしい」
「ふははは! 我の商品は満足度100パーセントだ。子供が群がる群がる!」
「で、大人価格は?」
「1万だが?」
「それ親が子供に買わせに来てるよ」
「なにぃ!? 子供を利用するなど親の風上にもおけんな!」
「いや……当たり前でしょ……」
ぐぬぬと唸るギルガメッシュにみんなは相変わらずだなと心の中でつぶやいた。
「おいしー! ぎる!」
「おぉ! 美味いか、恭介! いいぞ、その笑顔だ、恭介! もう少し視線をこっちに……そう、そうだ、その角度だ、恭介ぇえええええええ!」
いつの間にか取り出したカメラで恭介を撮影し出すギルガメッシュ。先程までいた子供たちはきがついたらいなっくなっていた。それ以降、へんな噂が流れ、ギルガメッシュの店は閑古鳥が鳴いた。
「はい、よってらっしゃい見てらっしゃい! 水鉄砲に輪ゴム鉄砲、爆竹、弓矢ついでにお好み焼きだよ!」
恭介のお父さんは強烈だなと話しながら歩いていると、これまた聴き慣れた声が恭介たちの耳に入る。
「やぁ、士郎、イリヤ。それに慎二くんに桜ちゃん。どうだい? 男の子はこういうのが好きだろう? さぁ、イリヤが食べたいと言っていたお好み焼きだ。ホントはいけないんだけど少し大きめに作ってあるよ。あ、100円ね。お金はちゃんと貰うからね」
「じいさん!?」
「わーい、ありがとキリツグー!」
「お祭りは楽しんでいるかい? ああ、いい笑顔だねイリヤ。はいチーズ! さぁ、士郎はどれがいい? やっぱり玩具の弓矢かな? お好み焼きはもう少し待ってね。今焼いてるから。二人の好きそうなものを同時に売るには少し骨が折れたよー」
「じいさん……滅茶苦茶なことやりすぎだよ……」
「美味しいよ、キリツグ!」
「いいかい、桜。あれが親バカその2だ。子供も呆れるレベルだよ」
「ほんのすこし、羨ましいです」
さっきとほとんど同じようなやり取りをしながら未だに士郎とイリヤの写真を撮り続ける切嗣に100円を渡して、慎二はお好み焼きを購入する。そしてそのまま桜に手渡す。
「お、おいしいですけど、多いです。さっきから私ばかり……兄さんもどうぞ」
「そう? じゃ、貰うよ」
「あ……お箸は……」
「はぁ? 一膳しかないのに何言ってんのさ」
「う、うぅ……」
「ふむ。やるね、慎二くん」
「間接ちゅーだね! シロウ、私も私も!」
「イ、イリヤ、流石にそれは……」
「て、照れる士郎! れ、レアだ! 激レアだ! こっち、こっちを見てくれないか、士郎!」
その後、大声を上げて子供をカメラで撮影する怪しい店と噂され、青い服を着たお兄さんたちに切嗣は連れて行かれそうになり、それを士郎がかばうというひと悶着が起こり、慎二は何も言わなくなった。
「君たちの親、強烈すぎじゃない?」
「じいさんにもわるぎはないんだ…」
「余計にたちが悪いですね」
「おっ、桜も言うじゃないか」
「でも、いいひと!」
「うん、ギルもキリツグもいい人よ!」
お祭りからの帰宅途中、それぞれの親の話をしながらゆっくりと歩いていると轟音とともに夜空に花火が打ち上がる。
「うわあっ! は、花火なんかあったのか」
「あー向こうで見ればよかったな」
「きれいー」
「私は線香花火とかの方が好きかもー」
「まあ、また来年みんなで来ればいいさ」
すぐに興味をなくしたように桜の手を引いて歩き出す慎二の言葉にみんなニヤニヤしながら帰るのだった。
途中までは売上も上々だったのだが途中から、恭介がきたあたりからまるで売れなくなった。
まさか他の物が買いしぶるほどに恭介の存在感がでかかったのか!?
恭介が買うものを買うだなんて恐れ多いと周りが遠慮してしまったのか!?
なんと……恭介も罪な男よ。
親として我も鼻が高い!
ふははははは!
今夜は寝ないで我と恭介のメモリアルを観ることにするか。