世界の中心で笑ったバケモノ   作:強烈ミントのキセル

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原作開始 科学と魔術と狩人
教会の図書館と三重スパイ


突然だが俺の今現在住んでいる寮の一室……その真下は上条の部屋である。

なのであいつが騒いでいると、「ああ……何かあったなこれは」……と、お察しすることがである。

多分だが、あいつが不幸なのは自分の幸運パワーを能力で消してしまってるからなんじゃねぇかと、俺は思っている。

ちなみに俺の場合は、以前話した通り常時僅かだが能力が発動しており、自分の幸運エネルギーすらも削り吸収しているのである。

そしてこれもまた生まれてこの方解放したことがないので、神すら凌駕する奇跡も起こせない事もないだろう。

 

話は逸れたが……ベランダで体操をしつつ一服(つっても本日一本目のパイポってだけだが……)していたら、真下から不幸だのなんだのととんでもなく騒がしく、ああ、こりゃ何かあったな……と思った次第でね。

さて、何かあったな……と思ったらまず人間なら野次馬するべきである。

それにだ、置き電話(先日購入したばかりで、対電仕様にしていなかった)が使えなくなっていた事もある。

恐らくだがコイツの約半分は真下の部屋の住人が原因だろう……。

半分、と言うのもだ……俺は俺で対電仕様にする為の部品が【ひとつだけ】足りず、今日部品を買いに行こうと思っていたところなのである。

全くもってついてない……

 

「チャイムは…ああ、使えないんだったか…仕方ない……ノックしてもしも~し……」

 

扉の向こうでバッタンバッタンと妙な音が少々続き、勢いよく扉が開いた。

 

「どちら様で……ってなんだ橘か……」

 

「おいこら……人が折角朝飯持ってきてやったってのになんだとはなんだ……」

 

とは言いつつも、流石に何も喰わせずに学校行かせるってのもアレなので、持ってきた二段弁当(振り回しても中身が出ない優れもの……)を投げつけておいた。

 

「うぇ!?お!?おぉ!?」

 

「どうせ朝飯喰えないんだろ……?」

 

「でも何で上条さんが朝飯食べられない状況にあるってわかったんでせうか?」

 

「対電加工していなかった電化製品がな……粗大ごみになってたんだよ……これでわかるな?」

 

「う……そこまで被害が……」

 

さて、この時点で俺は今回の事案について(関係無いのもあるかもしれないが……)色々と理解してきた……まず上条の手に付けられた歯形……これは人間のもので、健康な女性のものと見られる。

服は昨日別れる寸前に喰ったハンバーガー(俺の奢り)のソースが付着している辺り昨日と同じモノだろう。

そして昨日まで綺麗だったものがヨレヨレになっている辺り着たまま寝たんだろう。

まぁ、ハンガーに掛けずに足下に投げておいたなら話は別だが……アイツの性格上それはないだろう。

家計がカツカツだから出費はなるべく抑えておきたいとか言ってたしな……

そして部屋の奥から流れてくる適当に作ったらしい料理の匂い……しかし上条はハッキリと飯を喰ってない、喰いたくても喰えないと言った。

つまりその料理は上条ではないナニかが喰っているのだろう。

玄関先に靴はなく、そして騒ぎの発端がベランダだったということは、ソレは不意の客人(つまり不法侵入者)である事を物語っている。

上条の部屋は少なくとも一階ではないので、その何者かはベランダに登ってきたか落ちてきたのだろう。

 

そしてこの妙な雰囲気……まぁ……簡単に言うと魔術の方の回し者って感じの雰囲気である。

ここら辺は俺の経験則だから根拠はない。

ついでに言うなら俺にはもう何が来たのかはだいたいわかる。

 

「教会の図書館……か」

 

「ん?何か言ったか?」

 

「いや……ちょっと部屋上がらせろ」

 

「え?あ、上条さん今ちょ~っと込み合っていまして……」

 

「問答無用」

 

「あ、ちょっ」

 

人間……しかも女性ときたか…教会の図書館……

確かに噂でも聞いたことがあるにはある……計約五万冊程の禁じられた魔術に関する書籍を記憶した女性が教会にいるとかいないとか……

問答無用で禁じられた魔術を放ってくるような危険な人物だとも聞いているが……果たして……

 

「当麻~……もうなくなっちゃったんだよ~……」

 

「っ!?」

 

「あれ?当麻じゃない?……誰?」

 

「…………なんだ……ガキか……」

 

正直拍子抜けした……教会の図書館なんていうから警戒したが……間抜けそうなガキじゃねぇか……

 

それもそうだ……いくら上条にあの能力があるにしても、俺の部屋のベランダから見た上条の部屋のベランダに傷はひとつもなかった。

そして噛みつくという物理的な攻撃……魔術も使えないのだろう……

 

「刈る必要性も、削除する必要性もなさ気だな……こりゃ」

 

「た、橘サン!?」

 

「おう上条、邪魔したな」

 

「あ、はい……て、え!?」

 

「んじゃな~」

 

「ちょ、ま…ウワプッ」

 

とりあえず顔にメモ書きを叩き付けておいた。

内容としては、『厄介なモノに巻き込まれたな……何かあったら呼びな……教会の図書館によろしく言っておいてくれ』と、電話番号。

何か知ってる風な書き方をすることにより、断じて俺が全くの部外者ではないことをほのめかし、上条の他人は巻き込めませんよ的なヒーロー思考をとりあえずどうにかしておいた。

アイツは電話番号からメールアドレス等々は既に知っているので、特に書く必要もないだろう。

 

でも念のために……だ

 

玄関に一応メモ書きを貼っておくことにした。

アイツがいつ携帯電話を真っ二つに叩き割っていたり、メモリをフォーマットしていてもおかしくないからな。割りとマジで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほれ、オイルだ」

『わ~い!……あっ!いつもの合成オイルとは違いますね~!』

「あぁ、そうだろ」

『でも天然オイルとは違いますねぇ…』

「ああ、俺が作ったからな……」

『レイさんが作ったんですか!?』

「…………まぁな」

 

ここは高校……夏休み中なのだが、約束は約束なので補修授業を受けている。

タチコマがいるということはつまりそういうことなのだが……まぁ、掃除ロボが蔓延る学園都市でもタチコマは珍しい(まぁ、そもそも俺が独自設計したモノなのでそもそも他に存在しないのだが……)らしく、それなりに注目を浴びている状況にある。

 

『レイさん』

「どうした」

『僕お邪魔だったんでしょうか……?』

「いや……そういうわけではないが……」

 

そもそも何故こうなっているのかと言うとだ、元々この日は朝からタチコマと出かける予定(冒頭辺りで話した通り、対電仕様にするための部品を購入したりね)だったのだが、補習授業を受けることになってしまったので、それを話すとヘソを曲げてしまったと言うか拗ねたと言うか……

それでこうして一緒に高校に来た訳なのである……

 

「お待たせしました~……あれ?」

 

「おう、センセイ……悪いが今日は同行者いるからよろしくな」

『ども~』

 

「まぁ……良いですけど……」

 

センセイが何故か不満そうな顔をしていたが……

気にするほどでもないかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『レイさん……レイさん?レイさぁ~ん?』

 

「ん?あ、あぁ……」

「どうした」

 

『レイさん……お出掛け楽しくない?』

 

「あ、いや……そういうわけではないが……」

「まぁ……気にする必要性もないか…………ん?」

 

『レイさん?』

 

「…………タチコマ、悪い、用事ができた」

「いつか埋め合わせするから……」

「すまんっ」

 

『え!?れ、レイさん!?』

『行っちゃった……』

『待って~!!!』

 

タチコマは……ヤンデレになりきれていない微ヤンデレである……

これより登場するとある人物……彼に橘とのデート(デート?)を邪魔されたタチコマからどんな仕打ちが待っているのか……

少なくとも電気ショック程度では済まないだろう……

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