ハイスクールREAL×EYES   作:オクトリアン

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皆さん、私を知っている人はお久しぶりです。
そうでは無い方は初めまして!オクトリアンです!!
まず、私を知っている人達に謝罪を···、一年以上離れてしまい、申し訳ございませんでした!!とうとう私も社会人となり、新生活に慣れるまでが大変だったので、投稿が全く出来ませんでした。
これからも不定期更新ですが、少しづつ投稿していくのでよろしくお願いいたします。
さて、久しぶりに投稿する作品は、まさかの新連載です!
そうやって新連載とかするから遅いんだよという意見もありますが、全くその通りです。でもこの作品の二次創作を書きたいっていう欲が抑えられず書いてしまいました。
そのため一話なのに大分長々と書いてしまいました。
それでも、楽しんで貰えたら幸いです。
さて、久しぶりにもかかわらず長々と書いてしまい申し訳ございません。
それでは本編をどうぞ!

あっ、最後に感想、批判コメントもどうぞ自由に書いてください。しかし、最低限のマナーを守って書いてください。


旧校舎のディアブロス
第一話「オレが学生で仮面ライダー」


「父さん!目を開けてよ、父さん!!」

 

瓦礫の中、男の子が響き渡る。

 

男の子は倒れている自分の父親である男に向けて何度も声をかける。

 

「···歩夢。」

 

父親はゆっくりと自分の息子である歩夢の方へと顔を向け、手を伸ばし歩夢の顔を触る。

 

「夢に向かって···跳べ···。」

 

息子にそう言うと父親の首はガクッとなり、手がするりと地面へ落ちた。

 

「父さん···?ねえ、起きてよ父さん!父さん!!父さん!!!」

 

少年は声をかけ続けた。しかし、父親からは一切反応を示さなかった···。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「父さん!!」

 

部屋の中に青年の声が響く。青年は手を伸ばして起き上がった。

 

「···はあ、はぁ···夢か···。」

 

青年が深呼吸して周りを見渡すと自分がいるのは自室のベッドの上であることを確認する。

 

「···ん?」

 

青年は何かに気づき、手を伸ばしてベッドの傍に置いてある目覚まし時計を手に取る。そして時計が指している時間をじっと見つめる。

 

「···寝坊したああああああああぁぁぁ!!!!」

 

青年はベッドから飛び出し部屋にあるタンスを開きそこに入っている制服を取り出しパジャマから制服へと着替える。

 

着替えが終わり、急いで部屋から出て二階の自室から階段で一階へと下りる。そしてリビングの前を通り過ぎ···。

 

「おはようございます、歩夢社長。」

 

通り過ぎようとすると、リビングから声が聞こえた。

 

歩夢が顔をリビングの方へと向けるとそこには一人の女性が立っていた。

 

「おはようイズ!あといつも声をかけてくれるのに何で声をかけてくれなかったんだ!?」

 

歩夢がイズと呼んだ女性に挨拶すると、何故起こしてくれなかったかを問う。

 

「歩夢社長を起こさなかった理由は、昨日歩夢社長が御自室へ向かう前、私に『明日は俺が自分で起きるから起こさなくて大丈夫だ。朝食の準備だけしといてくれ』と仰ていましたので起こしませんでした。」

 

そう言いながらイズは耳に着いているデバイスから光を出すと、空中に先程イズが言った歩夢の言葉が再生されていた。

 

「···すいません、忘れてました。」

 

そう言って歩夢はイズに頭を下げる。

 

「構いません、遅刻するのは目に見えていたので冷蔵庫にあった物で簡単な朝食とお昼に食べていただくお弁当の二つをご用意致しました。」

 

そう言ったイズがテーブルを指すとそこにはトースト二枚と野菜ジュースと、風呂敷に包まれたお弁当が置いてあった。

 

「ありがとうイズうぅぅ!!」

 

歩夢はイズに感謝しながら椅子に急いで座りトースト二枚にがっつく。

 

「歩夢社長、先程トーストが無くなりましたので帰りに買ってくるのを推奨します。」

 

「うぅ、わわっは。」

 

イズが買ってきて欲しいものを頼むと、歩夢はトーストを口に入れたまま返事をする。

 

「っ、じゃあ行ってくる!留守は任せたよ!!」

 

トースト二枚を野菜ジュースで流し込み弁当を持って走って行く。

 

「歩夢社長、お気を付けて。」

 

そう言ってイズは歩夢へと頭を下げる。

 

扉を出た歩夢は走って自分が通う学校へと走り出す。

 

「チックショオォォーー!!イズに迷惑かけないように早く起きるって決めてたのに寝坊したァァァ!!!目覚まし五つもかけたのにぃぃぃぃ!!!!!」

 

そう叫びながら通学路を走っていく···。

 

 

 

これは、赤き龍が宿る篭手を持つ青年が主役の物語だけではない。

 

夢を胸に抱き、明日へと跳ぶ力を持つ若者、『歩夢(あゆむ)』と、『歩夢』と共に歩み続けるヒューマギア、『イズ』が巻き起こす物語が重なった、正史の物語とは違う話である···。

 

 

 

歩夢がダッシュで校門をくぐった学校、駒王学園は幼小中高大一貫の進学校であり、元々は女子校であった。しかし、数年前に共学になり、男子も入ることができるようになった。だが、学園の男子と女子の割合は1:9と女子の割合が圧倒的に多い。

 

歩夢はそんな駒王学園の高等部二年生である。

 

階段を駆け上がり、自分の教室に入った瞬間、チャイムがなった。

 

「ぜえ···!ぜぇ···ギリギリセーフ···。」

 

そう言いながらフラフラと自分の席へと向かう。

 

「お、おはよう歩夢!また遅刻しそうだったな、何時もの寝坊か?」

 

そう言って声をかけてきたのは歩夢の友人、『兵藤 一誠(ひょうどう いっせい)』であった。

 

歩夢から見て一誠は外見で判断せず、内面を見て人物を決める優しい男だと歩夢は感じている。

 

「おはよう一誠···俺も好きで寝坊してるわけじゃないんだよ。それでお前は···いつも通りか。」

 

だが、欠点があるとすれば···、

 

「おお!そういえば松田と元浜が新しいの持ってきたんだがよ、お前···どっちがタイプだ?」

 

そう言って一誠は歩夢の方へバサッと広げたのは雑誌だった。その雑誌には二人の女性が桜の木の下でポーズをとっていた。

 

 

 

下着姿で···。

 

「さあ今日こそ聞かせてもらうぜ!お前は巨乳派か、貧乳派なのかな!」

 

そう、一誠の欠点は学校にも限らずどんな所でもエロ話を繰り広げることである。しかもその話をでかい声で話すわけだからよりタチが悪い。

 

先程名前が出ていた松田と元浜というのは一誠の中学生からの親友で、それぞれ「ハゲ」や「ネガネ」と呼ばれ、この学校内では一誠を含めた三人は『変態3人組』と大変不名誉な呼ばれ方をしており、一誠はこの筆頭なのがよりたちが悪い。

 

「···あのさぁ、俺前にも言ったよな?学校にそういう本持ってくんなって。後、俺はその質問に答える気は無い!」

 

そう言うと一誠といつの間にか歩夢の周りにいた松田と元浜が立ち上がった。

 

『いーや、聞かせてもらうからな!お前が俺たちと同じ同士だっていう証明を今日こそ聞かせてもらう!!!』

 

三人の声がハモり、歩夢をビシッと三人が指さす。

 

「お前らさぁ···頼むから学校内ではそういう話をするな!せめて学校内では真面目に学校に取り組んでくれ!」

 

『俺たちからスケベを取ったら何が残るんだ歩夢!!!』

 

「それ以外になにか残す努力をしろよ変態3人組!!!」

 

歩夢は思わず立ち上がってさん三人につっこむ。

 

余談だがこのように歩夢と変態3人組のコントみたいなやり取りはこのクラスではもはや日常茶飯事なのである。

 

歩夢達がコントを繰り広げていると教室の扉が開き、担任の先生が入ってきた。

 

先生が入ってきた瞬間、歩夢はサッと座り、三人も素早く自分の席へと戻る。

 

そして朝礼が始まり、そこから授業の準備をして授業を受ける。それが歩夢の学校での日常だった。

 

 

 

この日までは···。

 

 

 

 

 

放課後

 

授業と終礼が終わり、歩夢が帰る準備をしていると···、

 

「良し!行くぞ松田!元浜!」

 

そう言うとバックを持って三人は教室の外に出て走っていった。これはいつものことであり、三人は運動部の着替えを覗きに行ったのだ。歩夢はため息を吐きながら帰る準備をし、家に帰るため歩いていく。そして校門を出ようとした時、歩夢は校門の前で誰かを待っている女子生徒がいることに気づいた。誰かを待っているこの学校の生徒ならば普通の光景なのだが、その女子生徒はこの辺では見たことの無い制服を着ていたから歩夢の目に止まったのだ。

 

長い黒髪で、アメジスト色の瞳で、そしてスタイルも良い女子生徒だった。

 

すると、女子生徒は歩夢が見ていたのに気づいたのか顔を赤らめ恥ずかしそうに歩夢の方へと歩いて来た。

 

「ご、ごめん。じっとみてて···」

 

歩夢は近づいて来たのはじっとみてたことに腹を立てたんじゃないかと思い謝罪する。

 

「い、いえ···それより···聞きたいことがあるのですが···。」

 

しかし、女子生徒は見ていたことに腹を立てて近づいてきたのではなく、何かを聞くために歩夢に近づいてきたのだ。歩夢は怒っていないことに安堵しつつ何を聞きたいのかを待つ。

 

「すみませんが···兵藤一誠君って知っていますか···?」

 

恥ずかしそうにしながらそう女子生徒は歩夢に聞いてきた。

 

「一誠に?えっと···一誠の知り合いですか?」

 

歩夢は一誠になんの用か気になり関係を聞く。

 

「い、いえ···その···ちょっと用があって···良ければで良いのですが···一誠君を呼んでくれませんか?」

 

女子生徒はそう言って歩夢にお願いをしてきた。

 

歩夢は少し考え、このまま校門に女子一人で待たせる訳には行かないと決め、

 

「···分かった、ちょっと一誠に電話してみる。」

 

そう言って歩夢は携帯電話を取りだし、一誠に電話をかける。

 

しばらくして一誠に繋がった。

 

「もしもし、しで『シーッ!!歩夢、後で電話をくれないか!?今いい所だから···うわバレた!!逃げるぞ松田!元浜!』·····。」

 

それから電話からは三人の荒い息と多くの女子の声が聞こえ、歩夢が視線を校庭の方へ向けると、剣道部の女子生徒に追われている三人がいた。

 

「はあ···ちょっと待ってて、一誠連れてくるから。」

 

「う、うん···。」

 

歩夢はため息をつき、その女子生徒に一誠を連れてくると言うと、女子生徒は困惑しながらもそれを了承したのを確認し、歩夢は三人の元へ全力で走っていった。

 

 

 

後日談だがその光景を見ていた校内の生徒はこう言っていた。歩夢が三人の近くまで走って近づくと、三人に向かってとても綺麗な飛び蹴りを放っていたと···。

 

 

 

 

 

「たくっ、何でお前らはやるなって言ったことをやるんだよ!」

 

「痛ててててて!!悪かった!悪かったって!!!」

 

あの後、三人を女子生徒に謝罪させ、三人に説教し、一誠の耳を引っ張り、松田と元浜は歩夢の後ろで頭を擦りながら校門へと戻ってきた。

 

「待たせてごめん!ほら、お前に用があるって言ってた女子生徒だ。」

 

歩夢は女子生徒に待たせたことの謝罪をし、一誠を女子生徒の前に出す。

 

「えっと···君は?」

 

 

 

「は···初めまして兵頭一誠くん。私は···えっと···『天野 夕麻(あまの ゆうま)』って言います。えっと···私···この前一誠君を見かけて···ひ、一目惚れです!もし付き合っている人がいなければ、私と、付き合ってください!」

 

女子生徒···天野夕麻が一誠に向けて頭を下げながらそう言った。

 

「えっ···?ええええええええええええぇぇぇぇ〜〜〜!!!???いっ、一誠にぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!???」

 

「ま、まじっすかぁーーーー!!!!????」

 

校門に歩夢と一誠の叫び声が響き渡った。

 

歩夢は一誠と夕麻を交互にみる。見ていると、ふと、松田と元浜が静かなのが気になり後ろを振り返ると松田と元浜は口をあんぐりと開けていた。そして目から滝のような涙を流していた。

 

「「う···う···裏切り者めぇぇぇぇぇぇえ〜〜〜!!!!!」」

 

松田と元浜はそう泣き叫びながら二人一緒にどこかへ走っていった。

 

二人が走っていくのを見送り、一誠の方に向くとしばらくの間ポカーンとしていたが、現実だとわかったのか徐々に顔がにやけていった。

 

「も、勿論OKだよ!よろしく、夕麻ちゃん!」

 

そう言って一誠ははしゃぐ。

 

「よ、良かった〜···!こちらこそ···!」

 

夕麻は顔を赤らめながらそう言った。

 

一誠と天野夕麻が二人の空間を作り出したのを見て、

 

「そ···そんじゃおじゃま虫は退散しますか、後は二人でごゆっくり〜。」

 

二人にそう言って歩夢は自宅へ帰ろうとする。

 

「あっ、一誠君を呼んでくれてありがとう。えっと···」

 

「ん?···ああ、俺の名前は紫電歩夢だ!それじゃ、またな、一誠、天野さん!」

 

そう言って歩夢は真っ直ぐ帰路に着く。

 

 

 

 

 

 

 

「あっ、食パン買うの忘れてた。」

 

前にやることを思い出し、買いに行く。

 

 

 

 


 

 

 

 

翌日

 

今日はイズに起こしてもらい、歩夢は余裕を持って学校に着いた。

 

「おっ、歩夢!今日は早いな!」

 

教室に着くと上機嫌な一誠がいた。

 

そして松田と元浜からは殺気がダダ漏れになっていた。

 

「おっす、おはよー。」

 

しかし歩夢は殺気を無視して三人に挨拶をする。

 

「それで一誠、天野さんとはどうなったんだ?」

 

「ふふっ〜、今度の日曜日に、夕麻ちゃんとデートすることになったんだァ!」

 

「お〜、そりゃあおめでとう一誠。せっかく出来た彼女なんだ、しっかりエスコートしろよ。」

 

「おう、分かってるよ!そしてここから···俺のハーレムの夢が、始まるんだぁ〜〜!!!」

 

一誠は立ち上がり、天井を指さしそう言った。歩夢は苦笑いをし、松田と元浜以外のクラスメイトは一誠を冷たい目で見ていた。

 

「そ、それにしても、お前が先に恋するなんて予想外だったな。」

 

「いやぁ、悪いな!俺は先に大人の階段を登らせて貰うぜ!」

 

そう言ってガッツポーズをする一誠。ちなみに一誠が先程の言葉を言った瞬間、松田と元浜の殺気がさらに濃くなっていた。

 

俺もいつか恋をしてみたいし···俺にも春が来て欲しいな!俺だけじゃなく、皆の元にも···春よ〜···こぉい!!はぁい!アユムじゃあぁ〜····ないとー!!!

 

そう言いながら上半身を大きく動かしながら最後に一誠に向けて指を指す。

 

 

 

 

 

歩夢が渾身のギャグを言った瞬間、先程の賑わいが嘘のようにクラスはシーーンと静まり返った。

 

「···あれ?」

 

「歩夢···俺の喜びの熱が···一気に冷めたぞ···。」

 

「えっ!?」

 

「元浜···何か···一誠の事どうでも良くなったな···。」

 

「ああ···後歩夢、今のお前のギャグのせいで皆の春が吹き飛んで一気に冬になったぞ。」

 

「グフッ!!」

 

歩夢が静まり返った教室に困惑していると、一誠が苦笑いをしながら自分の熱が冷めたことを報告すると歩夢は驚き、松田と元浜の言葉が歩夢に対してトドメの言葉となり歩夢は床に倒れた。

 

「何でだ···何でだ···何で俺のギャグは受けないんだ···。」

 

歩夢は床からゆっくり起き上がりながらそう言う。

 

「そりゃお前···オヤジギャグが誰でも笑うネタじゃねえからだよ。」

 

一誠が呆れながら歩夢にそう言う。

 

ここだけの話だが、歩夢は昔からギャグを言っているのだが、歩夢の言ったギャグの全てがオヤジギャグで周りに全く受けなかった。

 

更に高等部一年生の時の文化祭の時には歩夢のギャグを知らなかったクラスは歩夢の出した意見の『歩夢の爆笑お笑いライブ』を了承してしまい、文化祭のステージの上で歩夢はギャグを言って大スベリしたのだ。

 

そして文化祭のステージで本来五分あるライブを、歩夢は一分で生徒会から強制的にステージを降ろされたのだ。

 

その後、歩夢は学校中から『ギャグだけはつまらない男』という大変不名誉な呼ばれ方をされるようになった。

 

歩夢はフラフラと自分の席に戻り、頭を抱え、

 

「ちくしょう···いつか絶対大爆笑が巻き起こるギャグをやってやる···!」

 

そう決意していた。

 

(オヤジギャグを言っている間は無理だろうな···。)

 

一誠達の心はここだけ揃っていた···。

 

 

 


 

 

 

放課後

 

「それじゃ、日曜日のデートを楽しんでくるぜ〜!!」

 

そう言って一誠はダッシュで教室を出てった。明日から休日だから、デートの結果を聞けるのは週明けになる。

 

「「もげてしまえ〜!!!!」」

 

そう教室で叫ぶのは松田と元浜だ。この性格を直せば幾分かマシなのにと歩夢は思いながら歩夢は教室を出て、下校しだした。

 

下校途中、スーパーから出てきた人物を見て、声をかける。

 

「あ、イズ!」

 

出てきた人物、イズは歩夢の声に気づき、歩夢の方へ顔を向ける。

 

「歩夢様、本日もお疲れ様でした。」

 

イズはそう言って歩夢に頭を下げる。ちなみに諸事情でイズは外では社長と呼ばないようにしている。そして歩夢が社長と呼ばよれているのは、またの機会で話そう···。

 

「ありがと、イズは買い物?」

 

「はい、今日の晩御飯と明日の分の食材を買いました。」

 

そう言ってイズは手に持っているビニール袋を歩夢に見せる。

 

「そっか、イズ。そっち俺が持つよ。」

 

「いえ、歩夢様にお手を煩わせる訳にはいけないので···。」

 

「気にするなって、俺たちは社長と秘書の関係であると同時に、家族でもあるんだからな。俺にも家族の手伝いをさせてくれよ。」

 

「···かしこまりました。では、こちらをお願い致します。」

 

そう言ってイズは左手に持っているビニール袋を歩夢に差し出し、歩夢はそれを受け取り、二人は並んで帰路に着いた。

 

「そういえばイズ、今日学校で聞いたんだけど···一誠と昨日言った天野さんが日曜日にデートをするんだってよ。」

 

「まあ、それはおめでたいことですね。兵頭様も天野様も日曜日のデートを楽しめると良いですね。」

 

「ああ、週明けにデートの結果を聞くつもりだけど楽しみだなぁ、一誠と天野夕麻ちゃんがラブラブになることを祈っているよ。」

 

今日あった出来事を話しながら二人は自宅へと帰って行った。

 

 


 

 

 

 

日曜日

 

土曜日はとある事情で外出せずに自宅にいたが、イズに二日連続で家にいるのはダメだと言われて、今日は散歩をしに歩夢は外に出かけている。

 

「う〜···今日は良く晴れた日だな。今日はいいことがありそうだな。」

 

そう言って歩夢は身体を伸ばす。だがこれといってやることは無い。

 

「ん〜···何するっかなー?っておわっ!?」

 

「きゃっ!」

 

歩夢が歩いていると横から誰かが歩夢にぶつかった。歩夢はよろめいたが、すぐに体制を立て直す。

 

「ご、ごめんなさい!余所見をしていて···!」

 

そう言いながらぶつかった女性は頭を下げて謝ってきた。

 

「い、いや。こちらこそごめん。俺も気づかなかったのが悪いんだし···ってあれ?天野さん?」

 

「えっ?···あっ、確か···紫電くん···だよね?」

 

歩夢とぶつかった女性は天野夕麻だった。夕麻の格好はこの前の学校の制服ではなく、薄い紫色の上着、その下には黒い下着、そして黒いスカートを履いて、可愛らしいピンクのバックを持った姿だ。

 

(かっ、可愛い〜!いかにもデートって感じの格好だぁ!···何か一誠が羨ましくなってきたなぁ···。)

 

歩夢は夕麻を見てそう感じていた。

 

「···どうしたんですか、紫電さん?」

 

夕麻は歩夢が自分を見てポカーンとしている歩夢のことが気になり、声をかける。

 

「あっ!?ああいや、似合ってるなーって思ってて···そのぉ···気分を悪くしたなら···ごめん···。」

 

そう言って頭を軽く下げる。

 

「そ、そんな!で、でも···似合ってるって···嬉しいな···。」

 

そう言って夕麻の顔は赤くなる。

 

「あの···聞きたいことがあるの。」

 

しばらくモジモジしていると、夕麻が歩夢に質問をする。

 

「その···紫電さんから見て···一誠君ってどんな人?」

 

夕麻は歩夢に一誠はどんな人かを聞く。

 

「一誠?···一言で言うなら···『良い奴』かな?アイツは前、俺の夢を話したことがあるんだ。その時、アイツは俺の夢をすげぇって言ってくれたんだ。それまでは、俺の夢は馬鹿にされたり、無理だって否定されるばっかだったんだけどな、俺の夢を初めてすごいって言ってくれたのは、一誠なんだ。まあ簡潔に言うと、一誠は外見で決めず、内面で人を評価する···良い奴なんだよ。」

 

歩夢は夕麻にそう言った。

 

「···そう、優しいんですね、一誠君は···ありがとうございます、一誠君のこと、教えてくれて。」

 

「いや、良いんだ。それより···今日って一誠とのデートの日じゃありませんか?」

 

そう言うと、夕麻はハッとした表情になった。

 

「そ、そうでした!それじゃあ···あっ、あの!」

 

夕麻は一誠を待たせているかもしれないことを思い出し、待ち合わせ場所に行こうとしたが、急に立ち止まり、再び歩夢に声をかける。

 

「ん?どうしましたか?」

 

「あ、あの···実は紫電さんに話したことがあって···今日の、夕方六時半頃に、南駒王公園に来てくれませんか?」

 

夕麻はそう言って頭を下げた。

 

「えっ!?えーっと···」

 

歩夢はいきなりの申し出に戸惑うが、自分のこれからのスケジュール、用事等を考え···、

 

「···分かった、良いよ。」

 

歩夢は了承した。

 

「あ、ありがとうございます。すいません、急にこんなことをお願いして···。」

 

そう言いながら夕麻は手を伸ばし、歩夢の両手を握りしめる

 

「いっ!?いやいや!?べっ、別に大したことじゃ···あっ、そうだ!

 

それじゃ、一誠と天野さんのデート成功を祈って、俺の爆笑ギャグを披露するよ!」

 

歩夢は美人な女性に両手を握られたせいか、混乱していきなりそう言った。

 

「ば、爆笑ギャグ···ですか?」

 

歩夢が言ったことに少し困惑する夕麻。

 

「スー···ハーッ···よし!

 

 

 

 

 

 

 

俺の爆笑ギャグは!天野さんを大笑いさせるまで、おぉーわらないっ!はぁい!アユムじゃあ〜···ないとー!!!

 

歩夢は上半身を思いっきりそり、溜めて勢いよく上半身を起こし、人差し指を突き出す。

 

 

 

 

 

指さした先にいたのは、こちらに背を向け、震えながらしゃがんでいる夕麻の姿だった。

 

「えっ···?ちょっ···!?だ、大丈夫、天野さん!?」

 

歩夢は初めての反応に困惑する。

 

「だっ、大丈夫···!わ、私は大爆笑だから···!ま、また後で···!」

 

そう言いながら立ち上がり、フラフラしながら歩いて行った。

 

その姿を見送り、歩夢は膝をついた。

 

「お、俺のギャグは···、

 

 

 

 

 

人の体調すら悪くするほど酷いのか···。

 

畜生···絶対···いつか···必ず···みんなが笑う爆笑ギャグを考えてやるからな···!」

 

そう決意し、夕麻とは別方向へと足取りを重くして歩いて行った。

 

 

 

 

 

余談だが、夕麻は歩いて行った後、空いてあるベンチに座り、口を手で隠し、顔を真っ赤にして震えていた。彼女のその姿が、五分ほど見られたそうな···。

「っ···ふふっ···!」

 

 

 

 

 

 

「ただいまぁ〜···。」

 

歩夢は気分を落としながら自分の家へと帰宅した。

 

「おかえりなさいませ、歩夢社長。」

 

帰宅すると玄関では既にイズが立って待っていた。

 

「歩夢社長、衛星ゼアから報告が有り···

 

 

 

先程、『ゼロワンドライバー』と、『プログライズキー』のメンテナンス及び、アップデートが完了したとの報告を受信しました。」

 

衛星ゼアというのはある会社が作り出した超高性能の人工知能を、人工衛星に組み込んでおり、イズわ含めたヒューマギア達を管理し、蓄積された膨大なデータを利用し彼等をラーニング···学ばさせている。

 

そしてゼアはある方法を使い、ゼアのデータを使い、武器やプログライズキーを製作し、歩夢に渡している。

 

「っ!本当か!」

 

先程の暗さが嘘のように歩夢は元気になり、靴を脱いで家に上がる。

 

イズに着いていき、リビングのテーブルの上には主に黄色、黒、赤で彩られた機械と、手持ちサイズの黄色い蛍光色で、バッタの絵が描かれている四角い機械が置かれていた。

 

「おぉー!ようやく帰ってきたんだな!俺たちの夢の結晶が!」

 

そう言いながら、二つの機械···『ゼロワンドライバー』と『プログライズキー』を両手に持つ。

 

「これまでゼロワンドライバーを使用しての戦闘データを元に、衛星ゼアが新しいプログライズキーを構築中だそうです。」

 

イズは歩夢に向かってそう言ったが、歩夢はゼロワンドライバーとプログライズキーが戻ってきた事に喜びすぎて話を聞いていないようだった。

 

 

 

 

 

 

 

ゼロワンドライバーとプログライズキーを見ているのに夢中になっていたら、あっという間に夕麻と約束した時間が迫っていた。

 

「それじゃあイズ、行ってくるから留守番頼んだ!」

 

「お待ちください歩夢社長、こちらをお持ちになって下さい。」

 

イズは歩夢が行こうとするのを止め、黄色のラインが入ったカバンと、ゼロワンドライバーとプログライズキーを歩夢へと差し出した。

 

「ゼロワンドライバーとプログライズキーに『アタッシュカリバー』まで···大袈裟だなぁイズは。大丈夫だって、ちょっと会いに行くだけだか『歩夢社長、貴方は何時何処で狙われるか分からない立場、それに、社長はまだ学生の身、何かあってからでは遅いのです。』わ、わかったよイズ···。」

 

歩夢は上記の三つを持たせようとしたイズに断わろうとしたら、イズは歩夢の言葉を遮り、歩夢の立場をしっかりと再認識させる。

 

イズの剣幕に押され、歩夢は上記の三つを持って、家の前に停めている自転車のカゴに三つのアイテムを入れたカバンを入れて自転車に乗り、夕麻が言っていた南駒王公園へと赴いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく自転車を漕いでいると、目的地である南駒王公園が見えた。

 

だが歩夢は妙な違和感を持っていた。

 

「···おっかしいな。ここの公園は夕方頃になってもまだ子連れの人達が見えたりするのに、今日は全く見えなかったな···。」

 

そう言いながら、自転車を南駒王公園の入口に停め、カゴに入れてあるカバンを持って、公園へと入っていく。

 

歩夢は公園を見渡すが自分以外の人が見えず、公園内に不気味な雰囲気が漂っている。

 

「···もうすぐで六時半か···、天野さんはこんな所に呼び出して何をするんだ?」

 

そう言っている間に、六時半になった···。

 

 

 

 

 

 

 

「そりゃあ呼び寄せて殺すためッスよ、下等種族である人間のお前を。」

 

「!!」

 

後ろから不意に声が聞こえ、振り返ると誰もいなかったが、大量の黒い羽がいつの間にか空中に舞っていた。

 

「な、なんなんだ···!?一体···何が···!!?」

 

歩夢は背中に冷たいものがはしるのを感じたあと周りを見渡すと、空の模様が普通見れないはずの紺色のマーブル模様になっていた。

 

しかし歩夢はそんな空よりも気になるものが空にはあった。

 

そこには女性が宙に浮いていたのだ。女性はゴスロリ風の服を着た金髪の女性だった。しかしその女性には背中からカラスのような黒い翼を広げていた。

 

(ど、どうする···!?ここは···一旦逃げよう!)

 

歩夢は思考をめぐらせ、ダッシュで自転車がある場所へと走っていく。

 

そして自転車が見え、自転車に乗ろうと走り出そうとした瞬間、目の前に光が通り抜け、爆発音と同時に爆発した。爆発と共に目の前にあったはずの自転車は、自転車があった所には光で出来た槍が地面に刺さっていた。

 

(マジ···かよ···!)

 

歩夢は息を飲み、空いた穴を見つめる。しかし直ぐに頭を降って思考を切りかえ、飛んでいる女性の方へと視線を向ける。

 

「な、なあ!お前は誰なんだ!なんで俺を襲うんだ!?」

 

「貴様が知る必要は無い。何故ならここで死ぬのだからな。」

 

歩夢が金髪の女性に声をかけると、今度は後ろから別の女性の声が聞こえた。

 

歩夢が後ろを振り返ると、そこには黒いボディコンスーツを着た青髪の女性が黒い翼を広げ飛んでいた。

 

「なっ!?ふ、二人目!?」

 

「お前達、あまり時間をかけるな。」

 

再び背後から声が聞こえると、いつの間にか金髪の女性の横に、紺色のコートを着た男が黒い翼をひろげ飛んでいた。

 

そして青髪の女性も金髪の女性の横へと飛んでいった。

 

歩夢は二歩、三歩と後ろへとさがる。

 

「どうやら驚きで声も出ないようだが、私達には関係の無いことだ。」

 

「ウチら堕天使に狙われるなんて、運がないっスね〜。お前には恨みは無いっスけど、神器(セイクリッドギア)を持っている以上、野放しにしておく必要は無いっスからね。」

 

「下級な存在如きに余り時間はかけられないのでな、直ぐに殺させてもらう。」

 

三人の黒い翼を生やした男女は、歩夢に向かってそう言った。

 

「···死ぬ前に、一つだけ聞きたいことがある···、俺を殺した後も···同じことを繰り返すのか···?」

 

歩夢は俯きながらそう言った。

 

「答える義理はないっスが、冥土の土産に教えてやるっス。

 

 

 

YES···とだけ言っておくっス。···これで満足っスか?」

 

金髪の女性が歩夢を見下しながらそう言った。

 

「···ああ、満足だよ。そしてもう一つ、決めたことがある···。」

 

そう言って、歩夢はカバンに手を入れ、ある物を握りしめる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここで、お前達を止めなきゃいけないってことだ!!」

 

そう言ってカバンから機械···ゼロワンドライバーを取り出し、腰に付ける。

 

『ゼロワンドライバー!』

 

腰に着けた瞬間、ゼロワンドライバーからベルトが伸び、歩夢の腰にゼロワンドライバーは装着され、音声がなった。

 

「···それがお前の神器(セイクリッドギア)のようッスね。だが、お前がここで死ぬのは変わりないことっス!!」

 

そう言いながら金髪の女性の右手に光が集まりだし、光で出来た槍が完成した。

 

そんな中でも歩夢は冷静に自分のズボンのポケットからプログライズキーを取り出す。

 

神器(セイクリッドギア)がどういう物か知らないけど···多分、これは違う!それに···俺は死ねない、俺の夢を···叶えるまで!」

 

そう言ってプログライズキーを右手で持ち、親指でプログライズキーの上にあるボタンを押す。

 

 

 

 

 

《JUMP!》

 

 

 

 

 

プログライズキーから音声が辺りに鳴り響く。

 

「くたばれ!下等な人間!!!」

 

そう言って槍を歩夢へ投げる。槍が歩夢へと迫る中、歩夢は冷静にプログライズキーをゼロワンドライバーにかざす。

 

 

 

 

 

《AUTHORIZE》

 

 

 

ゼロワンドライバーがプログライズキーを承認した瞬間、衛星ゼアから光が放たれ、地球へと降り注ぐ。承認した人物目指し···。

 

歩夢に向けて放たれた槍は、真っ直ぐ歩夢の心臓へと向かって行く。歩夢の数メートルとなり突き刺さることが確定したと思われた···。

 

 

 

 

 

突如空から現れ、歩夢と三人の男女の間に降り、光の槍を踏み潰した、巨大なバッタが現れるまでは。

 

「何だ、アレは···!?」

 

青髪の堕天使が三人の気持ちを代弁して言う。

 

歩夢の前に降り立った機械で構成されたバッタは、歩夢の周りを飛び跳ねる。まるで歩夢を守るように。

 

ゼロワンドライバーから軽快な待機音が鳴る中、歩夢は両手を下げ、大きく両手を回しながら、両手を前に出し、クロスさせる。

 

そして左手をドライバーに添え、右手を下から上に大きく回しながら、プログライズキーの蓋を展開し、顔の横に持ってくる。

 

そして···、

 

 

 

 

 

 

 

「変身!」

 

 

 

そう言ってプログライズキーをゼロワンドライバーに装填する。

 

 

 

 

 

《PROGRIZE!》

 

 

 

《飛び上がライズ!

 

 

 

ライジングホッパー!!

 

 

 

《A jump to the sky turns to a riderkick.》

 

 

 

音声が始まると同時に、歩夢の全身は黒いパワードスーツに包まれ、顔には鉄で作られた顔の骨格の様な物がある。

 

そして飛び跳ねていたバッタがいくつかのパーツに別れ、別れたパーツから光が出て、パワードスーツの上に、黄色の装甲を付けていく。

 

そして目の部分には赤い複眼が出来た。

 

変身した歩夢は視線を三人の堕天使の方へ向けると、堕天使達は歩夢の変身に驚いているようだった。

 

「お、お前は···なんなんスか···!?」

 

金髪の堕天使が歩夢に向けて、そう言った。

 

「俺はゼロワン!

 

 

 

 

 

仮面ライダー···ゼロワンだ!!

 

そう言ってその場で一回転して両手を一を表す形にして腕を組んだ。

 

「くっ!しょ、所詮姿が変わっただけのハッタリッス!行くッスよ!カラワーナ!ドーナシーク!」

 

『ミッテルト、貴様も油断するな。』

 

金髪の堕天使···ミッテルトが青髪の堕天使···カラワーナと紺色のコートを着た堕天使···ドーナシークに声をかけるとカラワーナが返事を返す。

 

三人の堕天使が手に光で小さな弾···光弾を作るとそれぞれが歩夢に向けて放つ。

 

その様子を歩夢は見て、右足にグッと力を入れると、地面を蹴り、走り出した。

 

走りながら飛んでくる光弾を間をすり抜けて行くゼロワンを見て三人の堕天使は驚きつつも、自分たちの手に光の槍や、剣を作り出した。

 

ゼロワンは光弾を避けきると、足に力を込め飛び上がり、あっという間に堕天使達のいる所まで飛び上がった。

 

『な、何!?』

 

三人の堕天使が驚いている間に、ゼロワンは足に力を込め、ドーナシークに向けて、蹴りを放つ。ドーナシークは光剣で蹴りを防ぐものの、勢いまでは殺せず、地面へと叩きつけられた。

 

「「ドーナシーク!!」」

 

ミッテルトとカラワーナがドーナシークを心配するように声を上げる。

 

土煙を上げた所からは、少しふらつきながらドーナシークが立ち上がっていた。

 

「くっ···。」

 

立ち上がり、ドーナシークは前を見ると、既にゼロワンが走ってきており、そのままの勢いで拳を繰り出そうとしていた。

 

「っ!!」

 

ドーナシークがそれに気づくと、横に転がりゼロワンが攻撃する場所から僅かに逸れる。拳を突き出した先には公園に植えられている木があり、拳が当たった瞬間、木は音を立ててへし折れた。

 

「なっ!?何という力···!?」

 

「あ、あんなもの喰らえば、タダでは済まないッスよ!どうする?カラワーナ!」

 

「···ならば、私達全員で槍や剣で攻撃するしかない。今の奴には武器が無い。すなわち、我らの攻撃を防ぐ手段が無い···やるぞ!」

 

「OKッス!」

 

そう言うと三人はそれぞれ剣と槍を構え、ゼロワンへと突撃する。

 

一方、堕天使達が話している間、ゼロワンの方は···、

 

 

 

 

 

「あっ!?やっべぇ!やりすぎた!不味いな···弁償とかにならないかな···?って、おわっ!?」

 

ゼロワンは倒してしまった木を見て慌てていた所を、三人が攻撃を初め、ゼロワンは辛うじて避けてはいるが、時々当たり、アーマーから火花が飛び散る。

 

「くっ!ならあれだ!」

 

そう言ってゼロワンは三人の攻撃をかわし、何処かへと走り出した。

 

「どうしたッスか?かなわないとわかって、敵前逃亡ッスか?」

 

そう言いながら追いかけてくる堕天使達のを無視し、走った先にあったゼロワンドライバーとプログライズキーが入っていたカバンに手を伸ばし、取った。

 

「そんなカバンで何が出来る!」

 

カラワーナがそう言いながら光槍を構え、ゼロワンに突き刺そうとする。

 

ゼロワンはカラワーナの動きを見て、光槍に向けてカバン振ると、火花を散らして槍を弾く。

 

弾かれたことに驚く三人を他所に、ゼロワンはカバンに手をかけ、力を込めると、

 

 

 

《BLADERIZE》

 

その音声と共に、カバンから刃が出てきて···『アタッシュカリバー』となった。

 

「じゃじゃーん!」

 

ゼロワンは子供のように、武器に変わったアタッシュカリバーを見せつける。

 

見せつけながらも三人の剣と槍の攻撃を、アタッシュカリバーで捌いていく。

 

そして三人の攻撃の中に隙が見えた瞬間、ゼロワンは力を込めてアタッシュカリバーを振り、三人の剣と槍を破壊した。

 

「っ!ここは一旦、空へ退避しましょう!」

 

ドーナシークがそう言うと、三人は黒い翼を広げ、空へと飛び上がった。

 

「逃がさない!···ん?」

 

ゼロワンが三人を追いかけようとした時、歩夢はこの前まで無かったはずのプログライズキーがらベルトに付けられているホルダーに入っていることに気づく。

 

「これって···イズが入れてくれたのか···?でも、コレなら!よぉーしっ!」

 

そう言ってゼロワンドライバーからライジングホッパープログライズキーを取り出し、ホルダーからマゼンタ色のプログライズキーを取り、スイッチを押す。

 

 

 

《WING!》

 

そしてプログライズキーをゼロワンドライバーにかざす。

 

《AUTHORIZE》

 

再びゼアからゼロワンに向けて光が放たれた。

 

「こ、今度は何が···『っ!ミッテルト!!カラワーナ!!後ろです!』っ!」

 

三人がゼロワンを警戒して見ていると、後ろから何かが近づいてきていたことに気づいたドーナシークが二人に声をかける。

 

それは機械で構成された大きな鳥だった。鳥は三人に向けて飛んでくる。

 

三人は背中の黒羽から数枚羽を撒き散らしながらも鳥の突進を避けた。

 

そして鳥はゼロワンの上空を旋回しながら飛んでいる。

 

ゼロワンは自分の上で旋回する鳥を確認した後、マゼンタ色のプログライズキーを展開した。

 

「いくぜ、鳥ちゃん!!」

 

そう言ってプログライズキーを装填した。

 

 

 

《PROGRIZE!》

 

 

 

《Fly to the sky!

 

 

 

フライングファルコン!

 

 

 

《Spread your wings and prepare for a force.》

 

 

 

プログライズキーを差し込んだ瞬間、ライジングホッパーのアーマーが変形、移動を始め、顔のパーツは左右に別れ、側頭部に装着された。

 

そして上を旋回していた鳥はいくつかのパーツに別れ、光が出て、パワードスーツの上に新たにマゼンタ色のアーマーを形成した。

 

「さあ···いくぜ!」

 

そう言ってゼロワンがジャンプすると、何と三人と同じように飛べるようになっていた。

 

そして空を飛びながら三人に向けてアタッシュカリバーで攻撃をする。

 

「なっ!?くっ···!人間如きが···我らと同じように飛ぶだと···!?」

 

カラワーナが驚愕の表情を浮かべながらそう言う。

 

「人間だからだ!人間だから···自由に空を飛びたいという夢が···プログライズキーに詰まって···この姿になることが出来たんだ!!この姿は···ゼロワンは!俺たち人間と···ヒューマギアの夢が···思いが詰まった姿だ!

 

ミッテルト!カラワーナ!ドーナシーク!お前達を止められるのはただ一人···、

 

 

 

 

 

 

 

俺だ!!

 

そう言って腰からライジングホッパープログライズキーを取り出し、アタッシュカリバーに装填する。

 

 

 

《Progrise key confirmed. Ready to utilize.》

 

プログライズキーを装填した瞬間、アタッシュカリバーから音声が流れた。

 

《グラスホッパーズアビリティ!》

 

その音声が流れたのを確認した後、ゼロワンはアタッシュカリバーを構える。

 

「これで···終わらせる!」

 

そう言ってアタッシュカリバーの持ち手の部分にあるトリガーを押す。

 

 

 

《ライジングカバンストラッシュ!》

 

 

音声が流れ終わった瞬間、アタッシュカリバーの刀身にはイエローのエネルギーが走る。

 

アタッシュカリバーを両手で持ち、三人へと突撃する。

 

三人は寄ってはこられないよう光弾をばら撒くが、ゼロワンは僅かな隙間を抜いながら飛び、時にアタッシュカリバーを振り、徐々に三人に距離を縮めていく。

 

そしてアタッシュカリバーの射程圏内に入った瞬間、ゼロワンはミッテルトに向けてアタッシュカリバーを振るう。

 

ミッテルトは咄嗟に光剣を作り防ごうとするが、咄嗟に作った為かアタッシュカリバーの一撃で、光剣は砕け散った。

 

「でぇぇりゃあぁぁ!!!」

 

そしてゼロワンはアタッシュカリバーを振るい、ミッテルトの腹にアタッシュカリバーを打ち込む。

 

「がっ···!」

 

ミッテルトは苦悶の声を上げた後、力なく地面へと落ちていった。

 

「ミッテルト!くっ、貴様ぁぁ!!!」

 

カラワーナはミッテルトが倒された相手、ゼロワンに向けて光槍を投げつける。

 

「カラワーナ!辞めるのです!」

 

ドーナシークがカラワーナを止めようとするが、既にゼロワンは飛んでくる光槍をアタッシュカリバーで弾き、カラワーナに近づいていた。

 

「どりゃぁぁぁ!!!」

 

そしてミッテルトと同じように、カラワーナの腹にアタッシュカリバーを打ち込んだ。

 

「がはっ!あ···。」

 

カラワーナも苦悶の声を上げた後、何かを言おうとしたが、力が抜け、地面へと落ちていった。

 

「カラワーナ!っ!」

 

ドーナシークはカラワーナを心配して声を上げたが、その隙をゼロワンが逃すわけなく、ドーナシークへと向かっていく。

 

ドーナシークもゼロワンが近づいてきたことに気づいたが、時既に遅し···既に射程圏内へと入られていた。

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

 

ゼロワンが雄叫びを上げながらアタッシュカリバーを振るう。

 

ドーナシークは咄嗟に光剣を作り防いだが、三撃目の攻撃で光剣が砕け散った。

 

「はああぁぁぁぁぁーー!!!!」

 

再び雄叫びをあげアタッシュカリバーを振るい、ドーナシークの腹へと打ち込んだ。

 

 

 

 

 

 

カバンストラッシュ

 

 

「っ···!」

 

ドーナシークは声すらも上げられず、地面へと落ちていった。

 

ゼロワンは地面へと落ちていった三人の堕天使の方へと向かっていった。

 

 

 

 

 

「ごほっ···ごほっ···!」

 

ゼロワンが地面に降りると、そこにはお腹を押さえ、咳き込んでいるドーナシークがいた。

 

「ごほっ···何故···私達を···殺さない···。」

 

ドーナシークはそう尋ねた。

 

他の二人もドーナシークのように喋れはしないが、咳き込んでいた。

 

ゼロワンは光弾や光剣、光槍を壊すのには刀身を使ったが、三人に打ち込む時には、アタッシュカリバーを反転させ、峰で打ち込んでいたのだ。

 

「···言っただろ?俺はお前達を止めるって。別に俺はお前達を殺そうってわけじゃないんだ。ただ、何でこんなことをするのかを、聞きたいだけなんだ。」

 

ゼロワンはドーナシークの目を見てそう言った。

 

「···とんだ甘い人間だ···。貴様を殺そうとしたのに···私達を殺そうとしないなんて···。」

 

「さあ、答えてもらうぜ!なんでお前たちはこんなことを!ぐわぁ!!!」

 

ゼロワンがドーナシークに訪ねようとした瞬間、ゼロワンの背中に衝撃がはしり、吹き飛ばされ地面を転がる。

 

「ぐっ···!一体、何が『下等な種族のくせに、いきがっているんじゃないわよ。』っ!?」

 

ゼロワンが顔を上げると、空に際どい格好をした女性の堕天使が空を飛んでいた。

 

『レ、レイナーレ様···!』

 

その堕天使を見た三人が、その堕天使の名前らしき言葉を言った。

 

「···あんたが、レイナーレか···!なら聞かせろ!何で!何で俺を狙う!俺だけじゃない、何で他の人達を!!」

 

「そんなの決まってるじゃない、私の目的のためよ。恨むならその身に神器を宿した神を恨みなさい。」

 

ゼロワンがレイナーレに人を殺す理由を尋ねると、悪そびれも無く、そう言った。

 

「···そうか、だったら!あんたをここで倒すしかない!」

 

そう言って地面に落ちているアタッシュカリバーを拾って、レイナーレに向ける。

 

「···哀れね、私に逆らうとどうなるか···後悔するがっ!?」

 

レイナーレが喋っていると、ゼロワンと堕天使達の間から赤い光が溢れ出す。

 

「こ、今度は何だ···!?」

 

「チッ!グレモリーか···!ミッテルト!カラワーナ!ドーナシーク!一旦引くわよ!!」

 

レイナーレがそう言うと、三人は痛む体を起こして、空へ飛び立つ。

 

「まっ!待てっ!」

 

「人間、一つ忠告をしといてあげるわ。命が大事なら、二度と私達の邪魔をしない事ね。」

 

そう言って四人の堕天使は何処かへと飛んで行った。

 

しかし、ゼロワンの方はまた別の問題が起きていた。

 

先程光った赤い光は、空中に何かを描き出したのだ。

 

赤い光が描いていたのは魔法陣らしきものだった。

 

「全く!今日は厄日だ!」

 

そうゼロワンが言って公園の入口の方へと走り、飛んだ。

 

それが下に下がっていくと、そこには二人の男女が立っていた。

 

そして、立っている男女のことを遠くから見たゼロワンは···否、歩夢は知っていた。

 

(えっ!?あれって····!

 

 

 

 

 

同じ学年の『木場 祐斗(きば ゆうと)』さんと、一年生の『塔城 小猫(とうじょう こねこ)』さん!?何で魔法陣みたいな物から出てきたんだ!?いや、今はそんなことはどうでもいい!今は俺の正体がバレる前に···、

 

 

 

 

 

逃げるんだよォ!

 

そう心の中で叫びながらゼロワンは家まで全速力で飛んで行った。

 

紺色のマーブ模様だった空は、いつの間にか元に戻っていた。

 

 

 

 

 

 

 

「···どうやらここで戦闘があったようだね。」

 

そう言って公園を見ながら、木場祐斗はそう言う。

 

「何か、手がかりらしきものは···『祐斗先輩』ん?どうしたんだい、小猫ちゃん。」

 

木場が周囲を探索していると、小猫が木場に声をかける。

 

「コレをそこで···。」

 

そう言って小猫が持っていたのは···、

 

 

 

 

 

自転車のハンドル部分だった。

 

「···ハンドルより下の方が焦げている···。それに、普通に燃やしても、こうはならない。やっぱり、ここで何かがあったみたいだね。」

 

木場と小猫が話し、小猫はハンドルを自分の顔の方へと近づけると、そのハンドルに向けて、匂いを嗅ぐ仕草をとる。

 

「スンスン···この匂い、駒王学園で嗅いだことのある匂いです。そして、まだ匂いが強いので、先程臭いがついたばっかりです。」

 

小猫はハンドルを見ながらそう言った。

 

「つまり、僕たちの学園の関係者がここにいたってことだね。」

 

木場がそう言うとこくんと小猫は頷く。

 

「···良し、一旦部長達の方へ戻ろう。このハンドルと、地面に落ちてるこの黒い羽根を持って。」

 

そう言って木場は数枚黒羽を拾い、小猫の傍による。

 

すると再び、二人の頭上から赤い魔法陣が出てきて、魔法陣が下がっていき、魔法陣が地面に降りきった時には、二人の姿はそこには無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この日を境に、歩夢···ゼロワンの物語は、大きく進むことになる。




次回、ハイスクールREAL×EYES

「お前ら、本気で夕麻ちゃんのこと覚えて無いのか?」

どこかおかしい日常。

「先輩、昨日南駒王公園に居ましたか?」

正体がバレる危機!?

「俺···どうなっちまったんだ···!?」

一誠の体の変化。

「俺の秘密が···正体がバレることが俺の枷になるなら···!俺は···正体がバレてもいい!バレてでも、俺はみんなを守り続ける!!」

次回ハイスクールREAL×EYES
第二話「悪魔なカノジョ達は敵?味方?」

歩夢に使い魔はいる?

  • いる
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