アニレコ2期1話のゲーム版プロローグの使い方にたまげたので初投稿です。
2-1 チーム結成に際して
バカバカしい死闘から数日。今日の晩飯は出前にしようってんで、先輩のお気に入りの店に電話した。それなりに待てば、私達と歳が近そうな店員さんが料理を届けてくれて、それは私達二人の空きっ腹に収まっていく。
「〜♪」
先輩が軽快に炒飯を口に運ぶ。何か嬉しそう。私も同じように炒飯を食べはするけど、あんな風に笑顔にはなれない。
「あら、どうかしまして赤さん。何だかいつもより倍増しでシケたような顔して」
「あれ、喧嘩売られてんのかこれ?…ま、いいや。」
「そうですよ、折角の美味しいご飯。細かいことなんて気にしちゃ、不味くなりますわ」
煽ったかもとは思ってんのか…。つーか、美味しいご飯ね…美味しい…。
「なぁ」
「も?」
「食いながら返事しなくていいから…。美味いか?」
「んぐっ…はい、美味しいですけど」
「そうなんだ…」
不思議そうな顔する先輩。いや、不味くはないんだけどなぁ…。なんつーのかな…可もなく不可もなくっていうか。そうだなぁ…言葉にするなら…
「50点」
「料理が?」
「そう。50点」
味の好みは人それぞれなのは分かるし、先輩には悪いと思ったけど、そんなニコニコ顔になるような味でもないと思ったのも事実。はっきり言わせてもらった。
「なぁに言ってますのよ!」
あ、怒らせたかな。
「それが良いんですわよ!」
良いんだ…。この、どう足掻いても100に届かない、半分な味が…。
「良くもない、悪くもない。美味しいかと聞かれたらNO。でも不味いかと言われたら否。100にも0にもなり切れない、50点」
「そんな摩訶不思議な料理が毎回食べられるんですから、それはクセになろうというものですわ」
「わからない…この人のことが…」
B級映画ばかりを好んで見る人も居るって聞くけど、この人のこれも、それと同じようなもんなのか…?いや、それは失礼か。映画にも、愛好家にも…。
軽く溜息を吐いて、晩飯に集中する。何処まで行っても50点な味わいのまま、腹が満たされていった。
「ご馳走様」
「はい、ご馳走様でした」
しばらくして、晩飯は終わりを告げた。食卓には、皿だけしか残ってない。文字通り完食だ。
「食べ終わった直後で悪いんですが、赤さん」
先輩が話しかけてくる。出される話題には、まぁ予想はついた。
「なに。あぁ、この間の魔女を狙ってたやつらが居て、獲物を取られた礼をしに来るかもっていう…」
「それはもういいっ」
不機嫌そうな顔で怒られた。結局、私達のそんな不安は、いつまで経っても現実になることはなかったけど、お陰でこの数日間は、少し用心しながら過ごしてた。
「そうじゃなくて、チーム結成のことでしょう!」
「分かってますって」
「んもー…」
結成するって決めた時から、特に何も話し合ってなかったし、いい頃合いだな。とりあえずは…
「人数を増やすということでよろしいですか?」
「うん。やっぱそこかなって」
「この間みたいなことが、またあっては困りますものね…」
「あれは私が悪いってのもあるから…」
もういい加減にあんな真似はしないようにって思ってはいるけど、絶対しないって自信もない。考えたかないけど、人が多ければ、そんな時にフォローもしやすいだろうし。
「単純に手数が増えるってのもあるしな」
「ええ。それで、人員を増やすのはいいんですけれど、それはどうやって」
「んー…。まぁ、声掛けるしかねえだろなぁ…」
「魔法少女に話しかけることが出来る場所、といいますと…」
学校か、もしくは調整屋とか?ただ、学校っつっても、自分の通ってるとこくらいしか無理だろうけど。調整屋にしても、基本的に待ちの姿勢になるから、あまり得策とは言えない気が。調整屋さんも困るだろ。
「魔女の結界で助けに入るとか?」
「やっぱそれだよな…。ピンチに割って入れば恩も売れるし」
「言い方なんとかなりませんのそれ…?」
部活動、生徒会活動、バイト等々で帰宅時間は変わりそうだけど、どの学校も、放課後になる時間にそこまで違いはない…かも。だったら、そこからは魔法少女を発見するのは難しくはないはず。
「じゃ、やってみっか。とりあえず3〜4日くらいで」
「ええ」
方針が決まった。どうなるかは分からんけど、動かなきゃ始まらないんだし、せめて前向きに考えておくか。
そう思った時、懐にしまってあるスマホから音が鳴った。メッセージかなにか来たらしい。しかも今の音は、あの人からの連絡に対して設定したもの。ってことは…
「…………」
見る気になれない。あの人がどうとかじゃない。私の気持ちの問題。嫌ったら嫌。
「…連絡かなにかですか?確認いたしませんの?」
「いいよ、別に…。知らん」
「そういう言い方なくてよ、貴女。何か大事な用かもしれませんし、お返事の一つも」
「あーうるさいうるさい。関係ねーってあんたにゃ」
「なんですのそれ。そりゃそうでしょうけど、それにしたって…」
「風呂洗ってくる」
「ちょっと、赤さん」
先輩の言葉から逃げて、風呂場に行く。浴槽は洗われて綺麗になっていくのに対して、私の心はモヤモヤとしたもので曇ってしまった。
その後は私も先輩もいつも通りに過ごして、いつも通りに眠った。風呂上がりにリビングであれこれ駄弁りもしたけど、やっぱりっていうか、お互い気まずい雰囲気になっちまった。
先輩は、メッセージのことを、追求してこなかった。
マギレコ本編の出来事
・第2章【うわさの絶交ルール】開始。いろはがうわさの情報を聞きに、調整屋を訪れた。