結界が消えた。グリーフシードも落ちてるし、無事に魔女は倒されたらしい。変身を解いて、リラックスする。
「ほんとにやれちゃうとはね」
「前は一発だけでしたけど、今回は数発ですからね。おかしくはありませんわ」
「そういうもんか…」
前は手負いの魔女だから一発で倒せたんであって、あの時と全く同じことをやっても、さっきの魔女を倒せたかは分からない。そう考えると、数をブチ込んだのは正解だったのか。実際、魔女も使い魔も根こそぎ倒せたわけだし。
「でも、やっぱ魔力食うなぁ。何回も使える技じゃないわ、あれ…」
「それよりも赤さん」
「ん?」
「あの魔法少女は…」
「え、大丈夫だろ。私、避けろっつったし」
我ながら結構デカい声が出たと思ったし、あの魔法少女も、聴こえなかったってこたぁないだろ…ないよな?
「……………」
「あの……赤さん…?」
どうしよ…自信無くなってきた。物事に絶対は無いって言うし、実は私の大声はあの子には聴こえてなくて、あえなくあの爆発に巻き込まれたとか…?
「……やっべーこれ…」
「赤さぁん!?」
思わず頭を抱えて呟いた。そりゃ先輩も不安そうな声出すよ。
「やべーって。どうするこれ…!だって下手したら私達、人殺…」
「なになに、アタシの話?」
「あ、うん。お前の……」
「……はい?」
私が慌てそうになる中で、まるで何もなかったみたいに姿を見せた、知らない誰か。もとい、さっき逃げてた魔法少女。いつの間にか、すぐそばに居た。
「いやー!も、マジヤバかったよさっき。ありがとねー」
「いや、違くて」
「え、助けてくれたんじゃないの?」
「ええ、まぁ…そうなんですけど…」
助けた魔法少女と話す。とりあえず無事でよかったけど、どうやって助かったのかくらいは知りたいところ。
「あ、やっぱそうなんじゃん!じゃ、ありがとうだね」
「や、だから…」
こっちの話を聞け。どうも、ペースが乱されるような感覚がある。やりづらいやつかも。
「あの…申し訳ないんですが私達、貴女が私達の攻撃を避けたところを見ていなくて…」
「あー。実はねー……固有魔法で何とかしちゃいました!」
「そうですの…」
一々元気がいい。その固有魔法が何なのかを特に聞きにいかない辺り、先輩も、こいつの相手は面倒かもって思ってるのかな。
「アタシだけじゃ無理ゲーって思ったからさー。ほんっと助かった!マジ命の恩人!」
「いえ、別にそんな」
「いやいや、ここまでして貰ったんだもん。こりゃあ、なんかお返ししなきゃならんでしょ。ってーことで!なんかない?」
「え、本当ですか?なら私達のチームに」
「先輩、ストップ」
迷いなく勧誘しようとする先輩を引き寄せて、助けた子に背を向ける。
「あれはねーだろ、あれは」
「でも、彼女、なんでもするって」
「言ってねーよ」
小声で話しながら突っ込む。聞き間違えたにしても、どんだけ切羽詰まってるんだ…。いや、その通りなんだけど…。
「別に、チームに誘うこと自体はいいんだよ。でもあいつは…なんつーか」
「…言いたいことはわかりますわ」
少し話してみて分かった。あいつは陽の者。何かと明るいし、元気もいい。多分、友達も多いだろうし、人当たりもよさそうだ。
黄色っぽい髪色。毛先が露骨に外側にカールした、ボリュームのあるツインテール。目も大きめでキラキラさせやがって。上半身側が白、下半身側が茶色で構成された制服は…確か栄の学校だったかな。
なんていうか色んな意味で、見るからにどっちかっていうと陰寄りな、私達とは違う。
「だからと言って、選り好みできる状況じゃなくてよ。赤さん、慣れですわよ慣れ。淀んだ所に、新しい風を吹き込むくらいの気持ちでなきゃ」
「淀んでるのか、私達。……分かったよ」
まぁ、言ってることはごもっとも。先輩の言う通りにしよう。内緒話は終わりにした。
「どったん?」
「や、なんでもない。待たせて悪い」
「それで、あの…お返しの話なんですが」
「あ、うんうん!」
「私達、チームを作ろうと思ってるんです。だから、よろしければ、あなたにも加入していただきたくて」
先輩がはっきり言った。後は目の前のこいつ次第だけど、どうかな…。恩返しがしたいっつっても、「他のことにして」なんて言われたらそれまでだし。
「チーム?もちOK!いいよー!」
いや、いいんかい。
「もうちょっと考えてもいいぞ」
「だって楽しそうじゃん!」
「あぁ、そう…」
すっげえあっさり決まった。問題が解決したんだから、いいと言えばいいんだけどさぁ…。
「では、これで晴れてチーム結成ですわね」
「マジぃ?おっしゃー!やったるぞー!」
「なんか素直に喜べねーんだけど」
こうしてめでたく、私達のチームが出来た。思ってたのと違うけど、まぁ現実ってそんなもんだろ…。
「あ、そうだ!ね、ね!」
「はい?」
私が理想と現実のギャップに苦しんでるところに、陽の者が唐突に声を上げた。
「チームになったんだから、皆で自己紹介しないと!」
「はぁ…。えっと、先輩って呼ばれてます」
「赤さん」
「へー!それってあだ名?」
「まぁ、うん」
「いいじゃあん、なんかマジで仲良しっぽい!じゃあアタシも、あだ名で呼んでもらおっかなぁー」
実際はそこまで仲良しでもないんだけど…。まぁいいや。
「別にいいけど…なんて?」
「マジ子!なにかとマジマジ言うからって、友達にそう呼ばれてんだー。これからよろしくー!」
こうして、二人だけだった私達に、三人目…もとい、マジ子っていう、新しいメンバーが加わった。
マギレコ本編の出来事
・レナを追って、いろはとかえでも外へ。かえでがレナの変身を見破り、レナに謝った。ウワサ結界が出現し、かえでがウワサに拐われてしまった。