私は叫んでいる。しかも転がりながら。おまけに定期的に。今だってそう。
「5000兆くらい石くれえええええ!!」
側から見れば、気が狂ってしまったと思われても仕方ない光景。私自身 なんでこんなことやってんだって、もう何回思ったか。
「だぁっ。…はぁ…はぁ…どうだ?」
成果を、先輩とマジ子に聞いてみる。何度目だ、これも…。
「んー…ダメです。なにも起こらないですわね」
「マジかー。でもまだ時間あるし、頑張っていこ、赤ちん!」
「………」
ほんと、何でこんなことになったんだ…。いや、発端は分かってる。あの時の話だ…。
『二人はさぁ、「絶叫ロール」っていう うわさ、知ってる?』
チームが結成された直後、とりあえず今日は帰ろうってことになって、帰路につき始めたところで、マジ子が言い出した。
『うわさだぁ?』
『存じませんけど…』
それを聞いたマジ子は、やけに得意げな顔して話しだした。
『じゃー教えたげる!この神浜にはねー、色んなウワサ話があって、「絶叫ロール」ってのは、その中の一つなの。私も色んな友達から聞いたんだー』
『ふーん。それはどんな』
正直興味は持てないけど、暇潰しくらいにはなるか。そう思って聞いてみることにした。
『えっとね、確かー…。なんかこう…言ってぇ、そんでなんか、それをなんかしたら…マジ怖いの出るー!みたいな…。マジやべー!みたいな?』
『全然わかんねえ…』
『不明瞭にも程がありますわね…』
『あれー?っかしいなー。何回か聞いた話なんだけどなー……なんで?』
知らねえよ。ていうか何回か聞いてるんなら、うろ覚えくらいには留まってたっていいんじゃねえのか。この分だと、『絶叫ロール』って名前も合ってるか怪しくねえか?
『まぁとにかく、そのような話があると。それで、そのうわさが何か?』
『あ、うん。アタシさー、今日は元々、そのウワサのこと調べようと思ってたんだー!でもガッコー終わって、チョーサの為にそのへんブラついてた時に、魔女の反応ビンビン来てさ』
で、それがさっきの結界での追いかけっこに繋がると。
『元々、アタシ一人で調べるのもなんかなーって思ってたんだ。ね、二人とも一緒に来てくんない?』
『え。いや、それは…』
『一人で行けよ。もう夕方だし』
『えー!お願い、赤ちん!』
赤ちんてなんだ。また妙ちきりんな呼び方しやがって。元の赤さんも大概だけど。
『チームでしょー!じゃあ、何事も皆でやらないとじゃん!』
『別にチームだからって、あれもこれも一緒になってやるわけじゃないだろ…』
『え、そうなの?マジで!?』
さっきから思ってたけど、こいつもしかして馬鹿なんじゃないのか…。
『でも、赤さん。さっきの結界では、一歩間違えば、私達の攻撃でマジ子さんは帰らぬ人になっていたかもしれませんし…』
だからそのお詫びに、調べものに付き合ってやっても バチは当たらないだろって?そんなの…
『……まぁ、そうか。分かったよ…一緒に行ってやる』
『マジ?やったぁ!』
『でもさっきも言ったけど、もう夕方だかんな。遅くなんのは嫌だよ』
『おっけおっけ。ちょっと調べてみたら、今日はやめにするね!』
そんなわけで、マジ子のうわさ探しに付き合うことになった、私と先輩だった。
その後、栄区から中央区に向かって歩きながら、私達なりにうわさを調べた。
…その、「私達なりに」ってのが、まぁ、私が今もやらされてる、絶叫ローリングなんだけど。命名はマジ子。
「なぁ…!ほんとにやり方合ってんのかよこれぇ!」
流石に何度も派手に動いたもんだから、疲れも出てきた。何回やっても特に何も起きないから、ちょっとイラついてきて、語気が強くなる。
「ですが、件のうわさとやらの情報が名前くらいしかありませんし…。そこから考えるしかありませんわよ」
「ごめん赤ちん…。アタシが、話覚えてないくらいバカだから…」
アホみたいに叫びながらゴロゴロ転がってる私を見て申し訳なく思ったのか、マジ子が困ったような顔で謝る。急にそんな態度になられると、怒るに怒れない。
「……いいよ。そもそも、じゃんけんに負けた私が悪いんだし」
「うん…」
「お二人とも。もう大分いい時間ですわ。しかも、もう完全に中央区にまで来ています。そろそろ終わりにしましょう」
「ん、わかった。あ、じゃあ、ちょっと休んでかない?海の見えるとこで」
「海ったら…海浜公園?」
「赤さんは特に疲れているでしょうし、丁度いいですわね。夕陽を見ながら、ちょっとゆっくりしましょうか。また少し歩きますけど」
「いいよ、それで…。休めるならさ」
マジ子が提案した調べものは終わりを告げて、後にはひたすら疲労感だけが残った。結局、うわさってのは何だったんだ…。
絶叫ロールは言わずもがな絶交ルールの聞き間違いなので失踪します。
マギレコ本編の出来事
・レナが単身、何処かへ行く。いろは は ももこと合流し、かえでを捜索中。