知られることのない話   作:まるイワ

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2-9 未知との闘争

 

 

「こいつ…」

 

「赤さん、退いて!」

 

 

正体不明の女の子を睨み付けたまま動かないでいると、いきなり私と彼女の周囲が爆発に包まれた。先輩がカンテラを投げたらしい。

 

魔法少女の身体能力を活かして、後ろに大きく飛ぶ。変身しながら、先輩とマジ子が居る所に着地した。

 

 

「赤ちん!」

 

「悪い、助かった!」

 

「いえ。それよりも、あの女の子を…!」

 

 

魔力の残滓に包まれた眼前を、チーム全員で睨む。反応は消えてないから、先輩の攻撃で倒せてはいない。

 

不気味な相手だ。出し惜しみなんてしてる場合じゃない。念の為に、うわさ調べの時に、ソウルジェムを浄化しておいて助かった。お陰で、魔力が潤沢な状態で戦える。

 

パイルを構える。ありったけの魔力を込めて、いつでも「乗算」を発動しながら放てるように、集中した。

 

 

『……………』

 

 

流石に真剣にならざるを得ないのか、先輩もマジ子も黙っている。それくらい、あの女の子の得体が知れないってことなんだ。

 

 

 

『!!』

 

 

 

相手の魔力反応が、急に動いたのを感じる。私も急いで、反応のある方に、顔とパイルを向けた。

 

 

「居た!」

 

 

上。上空だ。そこに居た。あの女の子が、高く飛び上がって、こっちに迫ろうとしてる。けど…!

 

 

「貰ったぁ!!」

 

 

限界ギリギリまで魔力を込めて、「乗算」まで発動させた、私のパイルの一撃が放たれた。集中しまくってた甲斐があったのか、狙いもドンピシャ。衝撃波は、あの子に当たった。

 

 

 

 

 

でも、「やった」って思ったのも束の間。敢えなく地面に落下したと思ったら、すぐに女の子は立ち上がった。今の一撃なんて、何でもないことだったみたいに…。

 

 

「…!!」

 

 

思わず目を見開いた。耐えられた?私が出せる、最大出力を?あんな…どう見ても、可愛らしい女の子にしか見えない存在に?

 

呆然とする。じゃあどうすればいいんだ。もう魔力はすっからかんで、太刀打ち出来るような術なんて…!

 

 

「!!速っ…!」

 

 

その隙を、女の子は見逃さなかった。すごい速さで、一直線に私に向かってきて、既に至近距離だ。

 

先輩もマジ子も、速さに反応しきれなかったらしい。驚いた顔で、こっちを見てる。

 

私の胸の辺りに、何かを押し当てられたような感触を覚えた。急いで、自分の体に目を向ける。

 

手のひらがあった。私に、優しく押し当てられてる。当てられた手の持ち主に、顔を向けた。切なそうな顔をした女の子が、真っ直ぐに私を見つめてる。直後、重い衝撃が、私を襲った。

 

私の身体は、軽々と吹き飛んだ。

 

 

 

 

 

 

 

「がっ…ごほっ…!」

 

 

吹っ飛んでから、地面で少しバウンドして、私の身体は勢いを止めた。何とか息を整えて、私をこんなにしたやつの居る方を見る。

 

女の子は変わらず、悲しいんだか嬉しいんだか分からん顔をしながら、また私のところに来ようとする。すぐに立ち上がりたいけど、まだダメージが残ってるのか、上手くいかない。

 

 

「ああもう、貴女!赤さんに近寄るのはおやめなさいな!」

 

 

女の子を追いながら、先輩がカンテラを投げた。コントロールは完璧で、女の子に当たる。

 

 

「………」

 

 

無言で、不機嫌そうな顔になる女の子。爆弾をモロに食らったのに、傷一つなかった。

 

 

「おらー!赤ちんに手を出すの禁止ー!」

 

 

同じく追ってきたマジ子も、自分の武器を思いっきり投げた。でも結果は先輩と同じ。当たるけど、女の子を不機嫌にさせるだけで終わる。

 

何気に、あいつが戦ってるのは初めて見たな…。つーか、投げたのがアタッシュケースって…。武器になるようなもんなのかそれは…?

 

その後も二人は、何とか私に女の子を向かわせないように、武器を投げ続ける。あの子はダメージを受けてるようには見えないけど、その場から動かなくなった。足止めにはなったらしい。

 

 

「!」

 

 

でも、そんな状況に痺れを切らしたみたいで、機嫌の悪い顔はそのまま、私に背を向けて、二人の方、まずは先輩の所に向かって行った。相変わらず速い…!

 

 

「先輩!マジ子!」

 

 

ようやくマシになってきた体を起こして、二人に向かって思わず叫ぶ。あいつは怖いくらいに強い。戦えば、タダじゃ済まない。何とかやり過ごしてくれれば…!

 

 

「…!確かに速いですが!」

 

 

先輩が、いつもよりかなり大きいカンテラを作り出す。さっきの私と同じで、出来る限り魔力を込めた武器で、一気に勝負を決めるつもりなのか。

 

やがて、女の子が先輩のすぐ側まで迫る。私にやったのと同じ、キツい一発を食らわせるつもりだ。

 

 

「そんなスピードで突っ込んでくれば、避けられませんわよ!」

 

 

先輩がカンテラを投げた。良いタイミング。避けるのが困難な位置まで、あの子を引きつけたんだ。

 

 

「………」

 

「!?うそ…」

 

 

そんな先輩の作戦も、女の子には通じなかった。女の子はカンテラを上手いこと掴んでいて、爆発するのを防いでいた。なんて反応の良さ。

 

女の子はすぐに、カンテラを先輩に投げ返す。

 

 

「そんなっ……!」

 

 

叫び声を上げる暇もなく、先輩は、自分の作った武器の爆発をモロに浴びた。爆風で吹っ飛んで、地面に叩きつけられた先輩の姿が見える。ボロボロになって、苦しそうに呻いてた。

 





マギレコ本編の出来事

・やちよも現れ、戦闘が続く。絶交階段のウワサ登場。
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