知られることのない話   作:まるイワ

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アニレコ2期が始まるので初投稿です。


プロローグ:幾度目かってほどでもない魔女
0-1 魔法少女


 

 

 

 

神浜市。九つの区画から成る、人口300万人以上を誇る新興都市。人も、建物も、自然も、歴史も、この都会には詰まっている。

 

テーマパーク、海岸、大型量販店、そして各種催し物もあるから、遊びやデートにはうってつけ。美術館や昔のお城、美味しい料理が食べられるお店だって沢山あって、観光にもピッタリ。だがそんな大きな街で日夜、人知れず戦い続けている者達が在った。

 

魔法少女。自らの願いと引き換えに、魔女なる怪物と戦う使命を課される、特異な力を持つ少女達。彼女達という存在は、この大きな街の、決して見えない部分の、その象徴だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁっ…はぁっ…!」

 

 

この世のものとは思えない、不気味な景色の中を私は走る。何故ってそりゃ、魔女から逃げるため。

 

 

「くっそ!なんでこう…!」

 

 

愚痴をぶー垂れながら後ろを振り返ると、こっちに少しずつ追い付いてくる魔女が見える。いやぁ、なんでかなぁ…。もうちょっとこう、華麗に、見事に、カッコよく決めるはずが。

 

 

ザリザリ…!ザリ!

 

 

「あ、ちょ、こら…ぶっ!」

 

 

砂同士が擦れたような鳴き声を上げながら、魔女が砂を投げて、しかも竜巻まで放ってきた。いつまでも距離が空いたままだからって焦れたのか。いや、当たってないし別にいいけど…。問題はそこじゃない。

 

 

「!」

 

 

目を腕で覆う。やられた。攻撃は外れたけど、地面の砂が勢い良く舞い上がって、自分がどこを走っていたのか分からなくなってしまった。目を守らなきゃならないから、視界が狭まる。風の音がするってことは、周囲をあの竜巻が固めているに違いない。足止められたぞ、クソ!

 

 

ザリ!ザリ!

 

 

やがてかなり近くから聴こえてきた、魔女の声。風は止んで、舞う砂もマシになって、すぐに声のする方を見る。すると居た。私に影を落とす、大きな姿。

 

 

「あー…」

 

 

間抜けな声が出て、近い分よく見えるなぁなんて場違いな感想を抱く。砂で出来た身体、腕、顔。なんか刺さってるスコップはオシャレか何か?でもそれなんか子供っぽくない?

 

そんな馬鹿みたいなこと考えてる内に、魔女は御自慢のデカい腕を振りかぶっていた。あーあー、何だかんだしぶとく生き残ってきた私も、今度ばかりはお陀仏かぁって思った。けど…

 

 

「死ねるわけねーよなぁ……こんなんでさぁ!!」

 

 

腹から声出して、得物に魔力を込めつつ思い切り打ち込む。魔女の腕と私の得物がぶつかる。魔女と魔法少女、似てるような違うような二つの力が激突して、私の目の前が白く染まった。

 

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