知られることのない話   作:まるイワ

26 / 72


無料ガチャで☆4をいっぱい凸できたのが嬉しいので初投稿です。


3-5 もっと調べよう

 

 

拝殿のある場所まで来た。うわさの調査は、ここからが本番。少し緊張してきたかも。

 

 

「えーと、参拝のやり方は…あぁ、書いてあるな」

 

「マジで?よかったー。アタシだけ出来なかったら恥ずいし」

 

「作法やマナーっていうのは、覚えておいて損はありませんわよ。それよりお二人共、準備はよろしいですわね?」

 

「ん。もーマジでバッチリ!ペコペコ、パンパン、ペコって感じで!」

 

 

サムズアップするマジ子。ペコとかパンとか、擬音だらけで何のこっちゃと思ったけど、要するに二礼、二拍手、一礼のことを言いたいのか。

 

 

「よろしい。では…」

 

 

先輩のその言葉を皮切りに、三人揃って作法の通り、二礼、二拍手、一礼。これで参拝は済んだけど、何が起こるかわからない。思わず身構えた。

 

 

「………」

 

「………」

 

「………」

 

 

全員が黙ったまま、静かな時間が過ぎていく。特に何か変化したとは感じないけど、これはどうなんだ…?

 

 

「…何か起きまして?」

 

「んーん。なんもないよー」

 

「うわさの内容通りなら、自分の会いたい人が出てくるんだよな?」

 

 

絵馬に書かれた名前の人物に会わせてくれるっていう内容だったはずだけど、幾ら周りを見回してみても、参拝する前と全く同じ景色が広がってるだけ。それらしい人の姿は無い。

 

 

「なんかダメだったのかなぁ?」

 

「絵馬に名前は書きましたし、参拝のやり方も、間違っていたとは思えませんけれど…」

 

「んー……」

 

 

私の書いた絵馬には塗り潰しがあったけど、それがこの状況と関係してるとは考えにくい。三人一纏めにされてるわけでもないんだろうから、仮に私だけがアウトでも、先輩とマジ子には影響は無いと思う。ならこれは…

 

 

「うわさは嘘っぱちだったってことか?」

 

「もしくは場所が違うか、ですわね」

 

「あー、確かに水名神社とは一言も言われてないんだよな…」

 

 

うーん…。この後も調査を続けるなら、かなり面倒そうだなぁこれ…。

 

 

「なぁ、どうするよ。もう神社をしらみ潰しに巡るくらいしか思いつかないんだけど…」

 

「この神浜の、ですかぁ…?広過ぎますわよ。せめて水名区に絞らなきゃ」

 

「やっぱそうなるわなー…」

 

 

流石に全部はダルいし、この歳で神社巡りってのもシブ過ぎる。先輩の言う通り、やるなら範囲を限定しなきゃ、時間が幾らあっても足りない。

 

 

「マジ子、どうすんだ。続けんのか、調査は」

 

 

更なる調査の為に出来ることはあれど、とりあえずは言い出しっぺの意向を聞くことにする。そもそも一番調べたがってるのはマジ子なんだし。

 

 

「んー……」

 

 

返ってきたのは生返事。何やらスマホを弄っていて、こっちの話はあまり聞いてない様子。この野郎…。

 

 

「おーい。どうしますかって!」

 

「んにゃあ〜?」

 

 

むにーっとほっぺを軽く摘んで、意識をこっちに向けさせる。人と話す時はスマホから目を離しなさいこんちくしょう。

 

 

「てか、めっちゃほっぺ柔っこいなお前。もちもちじゃん」

 

「マジで?やったー」

 

「これあれか、スキンケアってやつ?」

 

「そだよ。やっぱこういうのを毎日頑張って、キレーにならなきゃさ!」

 

 

へぇ。こいつ馬鹿だけど、マメなとこもあるんだな。何つーか、年頃の女の子って感じ。私がファッションとか美容とか、そういうのに無頓着過ぎるだけなのかもだけど。…って、そうじゃなくてさ。

 

 

「うわさはどうすんだ。まだ調べる?」

 

「あ、うん。もち調べるよー。その為にスマホ見てたんだし」

 

「あぁ、成る程。地図かなにかで神社の場所を?」

 

「そーそー!」

 

 

そういうことか。考えたな、マジ子のやつ。これは案外、馬鹿の烙印を取り消す日も近いか…?

 

 

「でもアタシ、よく考えたら地図の見かた全然わかんなくてさー。マジでどうすっかなーって!」

 

「………」

 

 

うん…その日は大分遠そうだな。むしろ一生来ないかも。

 

 

「あぁもう…。仕方ありません。地図は私の方で見ますわ」

 

「マジか。ありがと先輩」

 

「といっても、流石に神浜全域を調査するには時間が足りませんし、範囲は水名区のみとさせて頂きます。よろしい?」

 

「しゃーないよね。うん、おっけ!」

 

 

というわけで、調査は続行することに決定。時間を無駄にするわけにもいかないってことで、すぐに水名神社を出て、別の神社を目指すことにした。

 

 

 

 

 

 

その後私達は時間の許す限り、水名区の神社を調べた。神社まで歩いて、先輩が絵馬を買って、名前を書いて、参拝して…。

 

結果自体は空振りばっかりで少しうんざりだけど、それでも一度やると決めた私達は、普段の締まらなさが嘘みたいに、真剣にうわさを調べていった。

 

 

 

「あ。ねえ、あれ美味しそうじゃない?」

 

「んー?あー。そういや、前になんかで紹介されてんの見たかもな」

 

「買ってみます?」

 

「あ!じゃあ先輩の奢りでー!」

 

「え、ちょっと!」

 

「ベンキョー会の時いろいろ食べたせいでお金ないんだよね…。明日返すからさ、マジお願い!」

 

「んもう…。今回だけですわよ」

 

 

 

真剣に調べていった。

 

 

 

「およ?もしかして常連さん?」

 

「あら、店員さん?」

 

「どしたの、こんなところで。しかも三人揃って」

 

「え…。えーっとほら、アレですわ!私達、実は神社巡りが趣味でして!何ていうんですの、ホラ。侘び寂びと言いますか…!」

 

「そ、そうなんだ…?」

 

「ごまかしちゃったね…」

 

「『うわさを確かめる為に神社を回ってます』なんて言えないだろ…。暇人かと思われるかもだし…」

 

「そこぉ!およしなさいな、ヒソヒソと話すのは!では店員さん、私達はこれで失礼致しますね」

 

「ほえ?あ、うん!また万々歳に食べに来てねー!ふんふん!」

 

 

 

真剣に調べ……

 

 

 

「ここが先輩のガッコー?」

 

「ええ。水名女学園ですわね」

 

「はえー…なんかお嬢様っぽい感じ…」

 

「で、赤さん。こちらが」

 

「あのぅ、声をかけられたからつい来ちゃいましたけど、皆さんは一体…」

 

「……どうです?」

 

「あー、確かに。何か似合いそうだな…カジノとか、ディーラーの衣装とか…。バニーガールも行けるんじゃない?」

 

「おっぱいもおっきめだし、セクシーなの絶対似合うよね」

 

「え、い、いえそんな…!私がカジノとかバニーとかだなんて、そういった事は決して…!というかあの、おっ…とかセクシーとか、私のような者がそんな…」

 

「だいじょぶ?なんかすっごいアワアワしてるけど」

 

「え?えぇ、はい…。あぁいえ、決して大丈夫ではありませんけども」

 

「なんか…ごめんなさい。困るよな、好き勝手言われて」

 

「それは正直…はい。というか、私てっきり趣味がバレたのかと…」

 

「ご趣味がなにか?」

 

「あ!いえ、その、何でもないんです…何でも」

 

「はぁ…」

 

 

 

真剣………?

 

 

 

「ここが水名城ですわ。ここにまつわる昔話があったりもしますのよ」

 

「へー。アタシ、こういうの修学旅行くらいでしか見たことなかったなー」

 

「夕陽に照らされたお城というのも、またオツなものですわねぇ」

 

 

……………。

 

 

「いや、神社は!?」

 

「赤ちん、それマジ今更過ぎじゃね」

 

「途中からただの観光みたいになってましたわね……」

 

 

こうして私達のうわさ調べは、終いには目的をすっかり見失うというグダグダっぷりを披露して終了した。時間が無駄になっただけじゃないのかこれ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロクに結果も出せないまま日が暮れて、最後にはうわさの調査を切り上げた私達。今は帰宅する為に、水名の駅へと向かっている。あちこち歩いて少し疲れたし、今日は乗り物に頼らせてもらおう。

 

 

「はぁー…。もう夜になっちまったよ」

 

「めっちゃお腹空いたねー」

 

「結局、うわさの真偽は分からず終いですわね…」

 

「それは途中から遊んでたからだろ…」

 

「そうなんですけど…」

 

 

まぁでも、そうしたくなる気持ちも分かる。神社を何ヵ所も巡ってる内に、どうせまた何も起こらないで終わりじゃないのかって空気になってたもんなぁ。やることも、絵馬に名前書いてお参りするだけだし…。

 

 

「二人ともゴメン…ってか、ありがとね。またアタシのワガママに付き合ってくれて」

 

「いえ…。まぁいいですわ、こういうのも。皆でこんな時間まで遊び歩くってこと、経験ありませんでしたし」

 

「…………」

 

 

マジ子の感謝に答える先輩の言葉を聞いて、私は不思議な気分になる。自分も、彼女と同じようなことを考えてる。疲れたとか馬鹿らしいとか思う一方で、悪くないって、そう思ってる自分がいる。

 

調査の結果はアレでも、二人と一緒に居られたことに、なんかこう、満足感にも似てる何かを感じてる気がする。少しむず痒い言い方をするなら、心が暖かくなるとでも言うのか。

 

 

(嬉しい…のか?私。んー…よく分かんね…)

 

 

そんなことを考えながら歩いてると、数時間前に見た建物の姿が目に入ってきた。

 

 

「あ、水名神社…」

 

「本当。何だかんだで、また戻って来ちゃいましたわね」

 

 

最初の目的地の姿が、そこにはあった。思えば、この神社に来る道中も、一人でああだこうだ考えたっけ。

 

あの時感じた気持ち、今感じている気持ち。どうも今の私には、その二つが、一つの元となる何かに繋がっているように思えてならなかった。

 

 

(でもなぁ……)

 

 

そこまで考えて、また新しい不安が生まれる。もし私が、このよく分からない気持ちの正体に気付いてしまったらどうなるんだろうって。

 

そしたら、今までの自分が壊されて、私は私でなくなっちまうんじゃないかって…。そんな馬鹿な話があるわけないのに、何でかそう感じる。

 

次から次へと湧いて出た、よく分からないものに振り回される。それが窮屈だって感じ始めた、その時だった。

 

 

「あー!!」

 

「うぉっ」

 

「え、何ですのいきなり大声出して」

 

 

思考をぶった切って、いきなり叫び出したマジ子を見る。何やらニンマリとしてるけど、何なんだよ一体…。

 

 

「アタシさー、マジ良いこと思いついたわ」

 

「はぁ…?」

 

「………」

 

 

あーもう…嫌な予感がする。この馬鹿のことだから、また変なこと考えついたに違いない。聞きたくないなぁ…。でも言うなっつっても言うよなぁ…。そういう顔だもん…。

 

 

 

 

 

 

「入ってみよーよ!夜の水名神社!」

 

 

 

 

 

 

 

うん………。やっぱり馬鹿だよ、こいつはさ…。

 





マギレコ本編の出来事

・いろはがスタンプを最後まで押し終えるも、用紙を本当に完成させるには用紙A、Bの2枚が必要になることを知り、困惑する。そこへ同じくスタンプラリー中のやちよが現れ、互いの用紙がAとBであると判明。

・いろは「慌ててまひぇん!」

・やちよの案内で、共に水名神社へ。イベントの締めとして、互いの印象を伝え合った。神社を出ると既に夜になっており、やちよは帰宅。いろは は 鶴乃と合流。ほんの少し距離が縮んだいろやちだった。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。