クリスマスイベが復刻するので初投稿です。
「んー…や、特にそういうのは聞かないかなぁ」
「そっかー。すんません、変なこと聞いちゃって」
「それはいいけど、なに。流行ってるの?なんか、噂話が」
「ん。ちょっとチガうんだけど、まぁそんな感じすかね」
「ふーん。じゃあ、もう行くね」
「ありがとございましたー!」
どっかに向かって歩いてく大人の人に、アタシは頭を下げて、お礼をする。なんか用事あったかもなのに、チョーサに協力してくれたんだもん。ありがとーってしなきゃ。
その辺歩いてる人に声かけて、うわさのことを聞いてみる。赤ちんと分かれて、新西区に来たアタシと先輩は、そーやってジョーホーを集めはじめた。
「どうです、そちらは」
「先輩。あんね、また空振りだった」
「そうですか。こちらも同じくです」
先輩に声かけられた。さっきまで誰かに話を聞いてたと思ったけど、それは終わったみたい。お互いに、セイカを軽くホーコク。
「むーん…。なんか、意外と皆知らないんだねー。そこそこ聞きこみしてんのに」
「まだ朝の時間帯で、人通りが少ないっていうのもありますからね。続けていけば、何かしら引っ掛かりはすると思うのですけど…」
ぬ。それもそっか。まだまだ始まったばっかだもんね。よーし、そんなら、もっとガンバってかないとだ、アタシ!
「うーっし!そんじゃ、どんどん聞いてっかー!」
「まぁお元気。なんていうか、張り切りますわね。さっきから」
「そりゃーそうでしょ!なんつったってさー…」
「つったって?」
先輩が、ちょっと不思議そうにしてる。多分、アタシがさっきの喫茶店を出てから今まで、なんか嬉しそーにしてるのを分かってるんだと思う。いやー、タイドに出ちゃってたかぁ。出ちゃってた系かぁー。んふふー…
「だってさ、赤ちんが褒めてくれたんだよ?アタシのことさ、頼りになるーって!」
「え。あー、あれですか」
「いつもさ、オマエはバカだーみたいなことしか言わない、あの赤ちんがだよ?やー、アタシ嬉しくってさーホント!」
「ん、んー…?頼り…っていうか、アレはまぁ…うーん…」
「ニクマレグチってんだっけ?赤ちんもさー、普段はそんなん言うけど、実は心ん中じゃ、こう、マジで信じてくれてんのかなー…みたいなね!?」
「えーと、マジ子さん?あれは別にそういうのじゃなくてですねっていうか、そのぅ…」
「んふふふぅ〜…。頼りになる…頼りに…あー…!」
「あ、ダメこれ。聞いてませんわこの子…」
仲間に当てにしてもらえるって、結構嬉しいんだね。アタシ、知らなかったなぁ。あーもー、顔ニヤけちゃってマジヤバい。なんてーか、ヤバいを超えたヤバいヤツだこれ。
「んー、ガゼンやる気出てきたなー!んじゃ、ここらで もいっちょ、聞き込みをー…!」
「あの、それは結構なんですが、滾らせ過ぎて、やり過ぎることがないようにしていただけますと…」
歩いてる人が誰かいないか、首も顔も目も動かしまくって探す。先輩がなんか言ってる気もするけど、イヨクがマジでドバドバあふれてる今のアタシは、誰にも止めらんないよー!
「お、さっそくはっけぇーん!あの、すんませーーん!」
「いや、マジ子さん!ちょっと!」
ちょうど良く人を見つけたから、迷わず声をかけて、その人に近付くアタシ。向こうからしたら、いきなり知らないJKに話しかけられてワケわかんないと思うけど、ごめん!すぐ終わるから!
「なんかー、この辺で変わった事とかあります?あ、この辺ってか、神浜で?」
「はぁ?いや、変わったって…?なに、事件とか?」
「あー、なんつーかそのー…うわさ?みたいな。アヤしいっていうか」
「えー、何それ…。や、聞いたことないけど」
「ないすかー。そっかぁ」
「ていうかあの、え、何なの。いきなり話しかけてきて…」
「ただのJKっす!あ、でも今は探偵気分?」
「あ、そう…。つーか、もう行っていい?用事あんの」
「あ、そうなんすね。はい!ありがとうございましたー!ごキョーリョクにカンシャしますっ!」
ズビシッとケイレイして、感謝の言葉を伝えた。そしたら、変なモノでも見たみたいな目で見られちゃったけど、でも、こういうの大事だよね。
話しかけた知らない誰かさんがどこかに歩いていくのを、アタシは見送った。
「んー、ダメかぁ」
「マジ子さん。貴女ねー…」
「先輩?」
アタシの横に並んだ先輩が、はぁってため息ついてる。なんで?って思ってると、先輩がジトーってした目でアタシを見てきた。
「あのですね?いきなりあんな元気モリモリな態度で話しかけにいっちゃ、そりゃ相手も困惑しますわよ」
「モリモリて」
「お黙んなさい。とにかくですね、噂話のことを尋ねるにしても、直球勝負で質問するのはよろしくないかと」
「えー、そっかなぁ」
うわさのこと聞きたいんだから、はっきり聞いた方がいいんじゃないの?うー……先輩のリクツって、よく分かんないかも。
「例えば、学校の課題の一環でそういうものを調べてるとか、そういう建前を用意したりして…」
「ウソつくってこと?」
「嘘も方便と言います。少しでもスムーズに話が進むのであれば、それも有りですわよ」
「おじょーさまガッコーの人が、うさんクサいもん調べるの?カダイで?」
「……まぁ、聖リリアンナよりはあり得るんじゃないですか」
「そーなの?」
「知りません」
ええー?なんか、先輩がなげやり。ま、いっか。せっかくチューイとアドバイスしてくれたんだし、とりあえず、今度はもっと工夫してみよ!
「じゃ、気ぃ取り直して。どんどん聞いていきますかー!」
(大丈夫なんですかね、ほんとに…)
「お、いたいた!すいませーん、ちょっと聞かせてもらいたいことあるんですけどー!」
先輩からは色々言われちゃったけど、それでもアタシのネツイはまだまだ治まってない。チョーサはこれからだよ。
ってことで、アタシ達はちょっとずつイドーしながら、色んな人に話を聞いてった。
「あのー、この街のうわさってなんか知りません?」
「はぁ…噂?聞いたことはないですけど…なんで?」
「いやぁね、あまり大きい声じゃあ言えねえんですが…。オジキのメーレーでしてね…」
「はい?」
まず、スーツ姿の女の人に聞いてみた。
その後はなんか話してる内に、「足を洗った方がいい」とかってシンパイされちゃって終わったけど、どーいうことなんだろ。前にヒマつぶしに見た、ゴクドー映画のマネしてみたのがいけなかったんかな?
「うわさ話とか、怪しいワダイって聞いたことない?話してくれたらさ、アレ、あのー……なんかする!」
「えぇ…なんだこの人…。てか、なんかって何だよ…」
「えー………。ジュースあげる、とか?」
「なんだこの人…」
次は、運動部のアサレンに行くっていう、中学生くらいの男子に聞いた。
うわさのことを話してはくれたけど、アタシ達が知りたいやつとはちがって、センセーがクロいことやってるとか、クラスのダレとダレがデキてるかもとか、そんなん。
思ってたのじゃなかったけど、話を聞かせてくれのはジジツだから、ヤクソク通りジュース一本奢った。男の子はクビかしげてばっかだったけど。
「ヘーイ、そこの銀髪っぽいカノジョー!」
「へっ?あ、あの…私、ですか…?」
「うん!マジでキュートなキミだよ、キミ!」
「え、キュー…?よく、わかりません…はい…」
「そう?あ、それよかさ、聞きたいことあって」
「あ…は、はい…。なん、ですか?」
「えっとね?ガッコーのケンキュー?カダイ?でさー、調べてることなんだけど」
「学校…。あ…そういえば制服、ですね…。栄の…」
「あ、知ってる?そーそー!アタシ、栄総合なんだー!」
何回目かに話しかけたのは、ちょっと年下っぽい女の子。引っ込みジアンで口ベタな感じだったけど、そこがなんかカワイイなって思った。新西のイチリツダイフゾク?に通ってるんだって。
ちょっと用事ができちゃって、それで朝から出てきたって言うから、引きとめてゴメンって謝った。てか、おしゃべりに夢中で、うわさのこと聞くの忘れてた。ダメじゃん、アタシ!
そのあとも、ガンバって何人かに話を聞かせてもらったけど、うわさのジョーホーはサッパリ手に入らなかった。ウマくいかないなぁ。
「でさー?けっきょく、なーんもセイカがなかったんだよねー」
ヘヤの中に置いてあるソファーに、ベターっと寝っころがりながら、アタシはグチる。
「まぁ。それは…大変だったわねぇ」
「そーそー。せっかく先輩から、チョーサのゴクイも教えてもらったのにさー!」
「極意?」
このヘヤの持ち主の人が、アタシのグチを聞いてくれる。アタシは好き勝手にソファーに寝っころがってるのに、それに怒ったりしない。これがオトナのヨユーってやつか…。
「単なる助言みたいなものですって…。というかですね、マジ子さん」
「んー?」
グデーっとしてる私に、先輩が話しかけてくる。なんか、ツカれてるような顔して。
「心配でチラチラと見てましたけど、あれは…」
「あれって?」
「なんかヤの付く方々みたいな喋り方とか、古いナンパみたいなやり方とか…」
「そのまんま聞くのは良くないかもって言われたから。ダメだった?」
「ダメって言いますか…。いや……なんかもう、何でもよろしいですわ…」
「?そう?」
「ええ…。私のアドバイスが間違っていたのかもしれませんし…」
えー、そっかなぁ…。アタシはなるほどって思ったんだけど…。でも、先輩がそう思うならそうなのかな。
「てかさー、チョーセイ屋さんもゴメンね。いきなり来ちゃって」
「あらぁ、いいのよぉ。朝早くで、まだ誰も来る時間帯じゃないから」
そう言ってくれる、ヘヤの持ち主さん。てか、チョーセイ屋さん。
あんまりにうわさのことが分かんないもんだから、アタシと先輩は、とりあえずチョーセイ屋さんを頼ってみることにした。新西に居るんだし、ちょうどいいってことで。
先輩が言うには、聞くのはフツーの人じゃなくてもいいし、なんなら魔法少女どうしなら、変な話もしやすいんだって。
「にしても、うわさ…そしてその影に隠れた、謎の怪物…ねぇ」
「ええ。信じてはもらえないかもしれませんが…」
「でもホントだよ?アタシら、マジで大変なことになったんだから」
「そうねぇ。ちょーっと、眉唾な話かもしれないけどぉ」
色っぽくほほえみながら、チョーセイ屋さんが言う。あー、やっぱそっかぁ…。魔女じゃないテキが居るかも、なんて言われても、そりゃ困るよね…。
「でも、あり得ない話じゃないかもねぇ」
「え」
「ここ最近、確かによく聞くようになった気がするのよねぇ。怪しげな噂話」
「マジか!」
「ええ。怪物がどうとかっていうのは、よく分からないけど」
「おー…」
意外なとこで、チョーサがシンテンした。スゴい。チョーセイ屋さんって、そーいうことも知ってるんだ。タダモノじゃないなって、前から思ってたけど…。
「それ、詳しく聞かせて頂いても?」
「いいけどぉ…。私も、そこまで深く知ってるわけじゃないわよぉ?調整屋に来た子同士が話してるのが、たまたま耳に入ってきたりとか、そんな感じだから」
「構いません。今は、情報が少しでも欲しいですから」
「そう。じゃあ、話すけどぉ」
「うんうん」
チョーセイ屋さんが話しだす。先輩は聞きながらメモを取ってて、ときどきシツモンしたりしてる。アタシはそんなキヨーなことできないから、せめて話をシンケンに聞くことにした。
「あ、そうだわぁ!」
話をはじめてから少ししたとこで、チョーセイ屋さんがそう言った。
「なんです?」
「ただお話しするだけなのもなんだし、お茶請けのスイーツでも用意するわねぇ」
「お、マジで?お菓子?」
「えぇ…。いや、そんな。ただでさえ押し掛けて来た身なのに、御馳走にまでなるというのは…」
「いいのよぉ、気にしなくて!ちょおっと、待っててねぇ」
言ってから、チョーセイ屋さんは奥に引っこんでった。ちょっと申しわけない気持ちもあるけど、スイーツを食べさせてもらえるのはうれしい。ラッキーって感じ!
「はぁい!お待たせぇ」
すっごくニコニコした顔でチョーセイ屋さんが戻ってきて、アタシ達の前に、オシャレな皿に乗ったスイーツが出てきた。めっちゃドギツい色したやつが。
なんかすっごい どすピンクだなーって思って聞いてみたら、作りおきしてあった、チョーセイ屋さんの手づくりのパンケーキなんだって。ほえー…こーいうアレンジもできるんだなー、パンケーキって。
なんかスゴいねーって言いながら先輩の方を見ると、先輩はなんでかメッチャ青い顔しながら、スイーツとチョーセイ屋さんをコウゴに見まくってた。ヘンなの。
アタシはそんなのおかまい無しで、チョーセイ屋さんお手製パンケーキを、ちょっと多めに口の中に放りこんだ。
マギレコ本編の出来事
・参京区でうわさを調べるやちよは、使い魔のような何かがうわさを広めているのを目撃する。そこへ杏子が現れ、使い魔らしき何かへ接触するも、それは姿を消してしまった。
やちよは杏子に接触し、うわさについて一通り説明。一緒に調べないかと提案するが、杏子には断られる。去っていく杏子を見て嘆息しながらも、調査を続行することにした。