知られることのない話   作:まるイワ

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クリスマスイベが復刻するので初投稿です。





4-4 ご機嫌マジ子

 

 

 

「んー…や、特にそういうのは聞かないかなぁ」

 

「そっかー。すんません、変なこと聞いちゃって」

 

「それはいいけど、なに。流行ってるの?なんか、噂話が」

 

「ん。ちょっとチガうんだけど、まぁそんな感じすかね」

 

「ふーん。じゃあ、もう行くね」

 

「ありがとございましたー!」

 

 

どっかに向かって歩いてく大人の人に、アタシは頭を下げて、お礼をする。なんか用事あったかもなのに、チョーサに協力してくれたんだもん。ありがとーってしなきゃ。

 

その辺歩いてる人に声かけて、うわさのことを聞いてみる。赤ちんと分かれて、新西区に来たアタシと先輩は、そーやってジョーホーを集めはじめた。

 

 

「どうです、そちらは」

 

「先輩。あんね、また空振りだった」

 

「そうですか。こちらも同じくです」

 

 

先輩に声かけられた。さっきまで誰かに話を聞いてたと思ったけど、それは終わったみたい。お互いに、セイカを軽くホーコク。

 

 

「むーん…。なんか、意外と皆知らないんだねー。そこそこ聞きこみしてんのに」

 

「まだ朝の時間帯で、人通りが少ないっていうのもありますからね。続けていけば、何かしら引っ掛かりはすると思うのですけど…」

 

 

ぬ。それもそっか。まだまだ始まったばっかだもんね。よーし、そんなら、もっとガンバってかないとだ、アタシ!

 

 

「うーっし!そんじゃ、どんどん聞いてっかー!」

 

「まぁお元気。なんていうか、張り切りますわね。さっきから」

 

「そりゃーそうでしょ!なんつったってさー…」

 

「つったって?」

 

 

先輩が、ちょっと不思議そうにしてる。多分、アタシがさっきの喫茶店を出てから今まで、なんか嬉しそーにしてるのを分かってるんだと思う。いやー、タイドに出ちゃってたかぁ。出ちゃってた系かぁー。んふふー…

 

 

「だってさ、赤ちんが褒めてくれたんだよ?アタシのことさ、頼りになるーって!」

 

「え。あー、あれですか」

 

「いつもさ、オマエはバカだーみたいなことしか言わない、あの赤ちんがだよ?やー、アタシ嬉しくってさーホント!」

 

「ん、んー…?頼り…っていうか、アレはまぁ…うーん…」

 

「ニクマレグチってんだっけ?赤ちんもさー、普段はそんなん言うけど、実は心ん中じゃ、こう、マジで信じてくれてんのかなー…みたいなね!?」

 

「えーと、マジ子さん?あれは別にそういうのじゃなくてですねっていうか、そのぅ…」

 

「んふふふぅ〜…。頼りになる…頼りに…あー…!」

 

「あ、ダメこれ。聞いてませんわこの子…」

 

 

仲間に当てにしてもらえるって、結構嬉しいんだね。アタシ、知らなかったなぁ。あーもー、顔ニヤけちゃってマジヤバい。なんてーか、ヤバいを超えたヤバいヤツだこれ。

 

 

「んー、ガゼンやる気出てきたなー!んじゃ、ここらで もいっちょ、聞き込みをー…!」

 

「あの、それは結構なんですが、滾らせ過ぎて、やり過ぎることがないようにしていただけますと…」

 

 

歩いてる人が誰かいないか、首も顔も目も動かしまくって探す。先輩がなんか言ってる気もするけど、イヨクがマジでドバドバあふれてる今のアタシは、誰にも止めらんないよー!

 

 

「お、さっそくはっけぇーん!あの、すんませーーん!」

 

「いや、マジ子さん!ちょっと!」

 

 

ちょうど良く人を見つけたから、迷わず声をかけて、その人に近付くアタシ。向こうからしたら、いきなり知らないJKに話しかけられてワケわかんないと思うけど、ごめん!すぐ終わるから!

 

 

「なんかー、この辺で変わった事とかあります?あ、この辺ってか、神浜で?」

 

「はぁ?いや、変わったって…?なに、事件とか?」

 

「あー、なんつーかそのー…うわさ?みたいな。アヤしいっていうか」

 

「えー、何それ…。や、聞いたことないけど」

 

「ないすかー。そっかぁ」

 

「ていうかあの、え、何なの。いきなり話しかけてきて…」

 

「ただのJKっす!あ、でも今は探偵気分?」

 

「あ、そう…。つーか、もう行っていい?用事あんの」

 

「あ、そうなんすね。はい!ありがとうございましたー!ごキョーリョクにカンシャしますっ!」

 

 

ズビシッとケイレイして、感謝の言葉を伝えた。そしたら、変なモノでも見たみたいな目で見られちゃったけど、でも、こういうの大事だよね。

 

話しかけた知らない誰かさんがどこかに歩いていくのを、アタシは見送った。

 

 

「んー、ダメかぁ」

 

「マジ子さん。貴女ねー…」

 

「先輩?」

 

 

アタシの横に並んだ先輩が、はぁってため息ついてる。なんで?って思ってると、先輩がジトーってした目でアタシを見てきた。

 

 

「あのですね?いきなりあんな元気モリモリな態度で話しかけにいっちゃ、そりゃ相手も困惑しますわよ」

 

「モリモリて」

 

「お黙んなさい。とにかくですね、噂話のことを尋ねるにしても、直球勝負で質問するのはよろしくないかと」

 

「えー、そっかなぁ」

 

 

うわさのこと聞きたいんだから、はっきり聞いた方がいいんじゃないの?うー……先輩のリクツって、よく分かんないかも。

 

 

「例えば、学校の課題の一環でそういうものを調べてるとか、そういう建前を用意したりして…」

 

「ウソつくってこと?」

 

「嘘も方便と言います。少しでもスムーズに話が進むのであれば、それも有りですわよ」

 

「おじょーさまガッコーの人が、うさんクサいもん調べるの?カダイで?」

 

「……まぁ、聖リリアンナよりはあり得るんじゃないですか」

 

「そーなの?」

 

「知りません」

 

 

ええー?なんか、先輩がなげやり。ま、いっか。せっかくチューイとアドバイスしてくれたんだし、とりあえず、今度はもっと工夫してみよ!

 

 

「じゃ、気ぃ取り直して。どんどん聞いていきますかー!」

 

(大丈夫なんですかね、ほんとに…)

 

「お、いたいた!すいませーん、ちょっと聞かせてもらいたいことあるんですけどー!」

 

 

先輩からは色々言われちゃったけど、それでもアタシのネツイはまだまだ治まってない。チョーサはこれからだよ。

 

ってことで、アタシ達はちょっとずつイドーしながら、色んな人に話を聞いてった。

 

 

「あのー、この街のうわさってなんか知りません?」

 

「はぁ…噂?聞いたことはないですけど…なんで?」

 

「いやぁね、あまり大きい声じゃあ言えねえんですが…。オジキのメーレーでしてね…」

 

「はい?」

 

 

まず、スーツ姿の女の人に聞いてみた。

 

その後はなんか話してる内に、「足を洗った方がいい」とかってシンパイされちゃって終わったけど、どーいうことなんだろ。前にヒマつぶしに見た、ゴクドー映画のマネしてみたのがいけなかったんかな?

 

 

「うわさ話とか、怪しいワダイって聞いたことない?話してくれたらさ、アレ、あのー……なんかする!」

 

「えぇ…なんだこの人…。てか、なんかって何だよ…」

 

「えー………。ジュースあげる、とか?」

 

「なんだこの人…」

 

 

次は、運動部のアサレンに行くっていう、中学生くらいの男子に聞いた。

 

うわさのことを話してはくれたけど、アタシ達が知りたいやつとはちがって、センセーがクロいことやってるとか、クラスのダレとダレがデキてるかもとか、そんなん。

 

思ってたのじゃなかったけど、話を聞かせてくれのはジジツだから、ヤクソク通りジュース一本奢った。男の子はクビかしげてばっかだったけど。

 

 

「ヘーイ、そこの銀髪っぽいカノジョー!」

 

「へっ?あ、あの…私、ですか…?」

 

「うん!マジでキュートなキミだよ、キミ!」

 

「え、キュー…?よく、わかりません…はい…」

 

「そう?あ、それよかさ、聞きたいことあって」

 

「あ…は、はい…。なん、ですか?」

 

「えっとね?ガッコーのケンキュー?カダイ?でさー、調べてることなんだけど」

 

「学校…。あ…そういえば制服、ですね…。栄の…」

 

「あ、知ってる?そーそー!アタシ、栄総合なんだー!」

 

 

何回目かに話しかけたのは、ちょっと年下っぽい女の子。引っ込みジアンで口ベタな感じだったけど、そこがなんかカワイイなって思った。新西のイチリツダイフゾク?に通ってるんだって。

 

ちょっと用事ができちゃって、それで朝から出てきたって言うから、引きとめてゴメンって謝った。てか、おしゃべりに夢中で、うわさのこと聞くの忘れてた。ダメじゃん、アタシ!

 

 

そのあとも、ガンバって何人かに話を聞かせてもらったけど、うわさのジョーホーはサッパリ手に入らなかった。ウマくいかないなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「でさー?けっきょく、なーんもセイカがなかったんだよねー」

 

 

ヘヤの中に置いてあるソファーに、ベターっと寝っころがりながら、アタシはグチる。

 

 

「まぁ。それは…大変だったわねぇ」

 

「そーそー。せっかく先輩から、チョーサのゴクイも教えてもらったのにさー!」

 

「極意?」

 

 

このヘヤの持ち主の人が、アタシのグチを聞いてくれる。アタシは好き勝手にソファーに寝っころがってるのに、それに怒ったりしない。これがオトナのヨユーってやつか…。

 

 

「単なる助言みたいなものですって…。というかですね、マジ子さん」

 

「んー?」

 

 

グデーっとしてる私に、先輩が話しかけてくる。なんか、ツカれてるような顔して。

 

 

「心配でチラチラと見てましたけど、あれは…」

 

「あれって?」

 

「なんかヤの付く方々みたいな喋り方とか、古いナンパみたいなやり方とか…」

 

「そのまんま聞くのは良くないかもって言われたから。ダメだった?」

 

「ダメって言いますか…。いや……なんかもう、何でもよろしいですわ…」

 

「?そう?」

 

「ええ…。私のアドバイスが間違っていたのかもしれませんし…」

 

 

えー、そっかなぁ…。アタシはなるほどって思ったんだけど…。でも、先輩がそう思うならそうなのかな。

 

 

「てかさー、チョーセイ屋さんもゴメンね。いきなり来ちゃって」

 

「あらぁ、いいのよぉ。朝早くで、まだ誰も来る時間帯じゃないから」

 

 

そう言ってくれる、ヘヤの持ち主さん。てか、チョーセイ屋さん。

 

あんまりにうわさのことが分かんないもんだから、アタシと先輩は、とりあえずチョーセイ屋さんを頼ってみることにした。新西に居るんだし、ちょうどいいってことで。

 

先輩が言うには、聞くのはフツーの人じゃなくてもいいし、なんなら魔法少女どうしなら、変な話もしやすいんだって。

 

 

「にしても、うわさ…そしてその影に隠れた、謎の怪物…ねぇ」

 

「ええ。信じてはもらえないかもしれませんが…」

 

「でもホントだよ?アタシら、マジで大変なことになったんだから」

 

「そうねぇ。ちょーっと、眉唾な話かもしれないけどぉ」

 

 

色っぽくほほえみながら、チョーセイ屋さんが言う。あー、やっぱそっかぁ…。魔女じゃないテキが居るかも、なんて言われても、そりゃ困るよね…。

 

 

「でも、あり得ない話じゃないかもねぇ」

 

「え」

 

「ここ最近、確かによく聞くようになった気がするのよねぇ。怪しげな噂話」

 

「マジか!」

 

「ええ。怪物がどうとかっていうのは、よく分からないけど」

 

「おー…」

 

 

意外なとこで、チョーサがシンテンした。スゴい。チョーセイ屋さんって、そーいうことも知ってるんだ。タダモノじゃないなって、前から思ってたけど…。

 

 

「それ、詳しく聞かせて頂いても?」

 

「いいけどぉ…。私も、そこまで深く知ってるわけじゃないわよぉ?調整屋に来た子同士が話してるのが、たまたま耳に入ってきたりとか、そんな感じだから」

 

「構いません。今は、情報が少しでも欲しいですから」

 

「そう。じゃあ、話すけどぉ」

 

「うんうん」

 

 

チョーセイ屋さんが話しだす。先輩は聞きながらメモを取ってて、ときどきシツモンしたりしてる。アタシはそんなキヨーなことできないから、せめて話をシンケンに聞くことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、そうだわぁ!」

 

 

話をはじめてから少ししたとこで、チョーセイ屋さんがそう言った。

 

 

「なんです?」

 

「ただお話しするだけなのもなんだし、お茶請けのスイーツでも用意するわねぇ」

 

「お、マジで?お菓子?」

 

「えぇ…。いや、そんな。ただでさえ押し掛けて来た身なのに、御馳走にまでなるというのは…」

 

「いいのよぉ、気にしなくて!ちょおっと、待っててねぇ」

 

 

言ってから、チョーセイ屋さんは奥に引っこんでった。ちょっと申しわけない気持ちもあるけど、スイーツを食べさせてもらえるのはうれしい。ラッキーって感じ!

 

 

 

 

「はぁい!お待たせぇ」

 

 

 

 

すっごくニコニコした顔でチョーセイ屋さんが戻ってきて、アタシ達の前に、オシャレな皿に乗ったスイーツが出てきた。めっちゃドギツい色したやつが。

 

なんかすっごい どすピンクだなーって思って聞いてみたら、作りおきしてあった、チョーセイ屋さんの手づくりのパンケーキなんだって。ほえー…こーいうアレンジもできるんだなー、パンケーキって。

 

なんかスゴいねーって言いながら先輩の方を見ると、先輩はなんでかメッチャ青い顔しながら、スイーツとチョーセイ屋さんをコウゴに見まくってた。ヘンなの。

 

 

 

 

 

アタシはそんなのおかまい無しで、チョーセイ屋さんお手製パンケーキを、ちょっと多めに口の中に放りこんだ。

 

 

 

 

 

 






マギレコ本編の出来事

・参京区でうわさを調べるやちよは、使い魔のような何かがうわさを広めているのを目撃する。そこへ杏子が現れ、使い魔らしき何かへ接触するも、それは姿を消してしまった。

やちよは杏子に接触し、うわさについて一通り説明。一緒に調べないかと提案するが、杏子には断られる。去っていく杏子を見て嘆息しながらも、調査を続行することにした。

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