まさかのマギレポ版デビほむ実装なので初投稿です。
「…で、あそこできりんがああいう台詞を言うからこそ、その後の展開に説得力が出てくるっていうか」
「はへ〜!なるほどねぇ〜。よくわかんないけど…」
チビちゃんと話をしながら、歩く。
ガッコー終わって帰ってきて、そんで今日も先輩んとこ集まって。そしたら買い物するっていうから、トーゼン、アタシも付いてこうと思った。
でも先輩には、アタシらにはベツのもん買ってきてほしーっておねがいされちゃったから、フタテに別れることになってさ。
「お前ら、よく飽きねーよな。さっきから…」
「えー、だってさー。面白いよ?マジきりトーク!」
「あーそうかい…」
向こうは、先輩と年長さん。で、こっちはアタシと赤ちん、シーちゃん。それから、お泊まりしてるチビちゃんの四人。
昨日やった土ほるやつは終わったから、今度はアタシらに買ってきてほしいんだって。タネとか、ナエとか。
「んー…。赤ちん、なんかゲンキない?」
「あー?」
「不摂生ですか。それか夜更かしとか」
「お前…」
「だらしないですよ」なんて、チビちゃんに言われて、赤ちんがムッとなる。
「夜中、泣きベソかいて部屋に来たヤツの台詞か、それが。トイレ付き合って寝不足気味な私へのさ」
「なぁ…!誰が泣きベソって!」
「事実じゃんよ、え?」
「う〜…!」
そのままニラみ合いする二人。コラ。マジでケンカはめーでしょ!なかよくして!
そうやって私がチューサイ?したら、お互いにプイッて、そっぽ向いちゃった。
「ダメだよー、赤ちん!チビちゃんだって、チームの仲間なんだからー」
「私が悪いんかよ…」
「すねないの。トシウエさんでしょ!」
「言い聞かせられてる…このバカに…」
トーゼン!今はアタシが一番のネンチョーシャだもん。マジでトーソツ力?を見せてかなきゃ!
ところでトーソツ力ってなに?コソコソ写真とるアレ?
「つーかな、その仲間ってのも違うって思ってるからな。私は」
「えー」
「預かってるだけなんだから、チームの一員ってこともねーだろ。ん?」
そんなこと言ってー。決めたじゃん、それー。先輩が、カッテのドがスギてもアレだから…えーっと、なんだっけ…。
そう!シキカ?に入ってもらうよーなもんだって!
「そう決まったんならいいじゃないですか。ねちっこい人ですね」
「ん!?」
「貴女だけなんじゃないです?そんな不満タラタラなの」
「っ……」
「言われちったね」
うるせーよってボヤいて、タメ息ついちゃった赤ちん。ムカッと来たんかなぁ。怒ってそーな顔してる。
「もー。赤ちん、そーゆー顔してるとさ」
「あぁ?」
「となり。シーちゃん見てみ?」
「あ…」
アタシに言われて、トナリを見る赤ちん。そこには、もーすっかりアタシらも見なれた、ベッタリ引っ付くシーちゃんが居て。
でも、その顔はちょっと暗かった。フアンそー…ってーのかな。そんなん。
「さっきからそうだったよ。シーちゃん、かなしーんだって。好きな子がそんな怒ってたらさー」
「好っ……とかはまぁ、分からんけど。違うと思うんだよなー、これ…」
「なにがー?」
「こいつ別に、私がキレてるとかに反応してんじゃなくてさ」
え、そーなん。じゃ、なんで?
「〜!」
「服、ひっぱってるよ。ウデんとこ」
「構ってくれないのが嫌なんだろ。多分…」
あー、そーゆー。
「〜!〜!」
「見ろっ、ほらっ…。不満過ぎてとうとうキスしようとしてきてるよ、コイツっ…!」
「わー」
「3」みたいな口して、むちゅーっとしようとするシーちゃんを、ガンバって押さえる赤ちん。
でもシーちゃんってめっちゃ力つよいし、そんなんしても…あ、ほっぺにぶちゅーっとされた。
「赤ちんはイヤなん、それ?シーちゃんはウレしそうだけど」
「…そっちの気はねーもんな、そりゃ」
「え」
「や、えってなんだお前」
なんだお前ってなに。アタシてっきり、赤ちんはもう、マジでオチてると思ってたんだけど。
だって赤ちんさ、さっき ちゅーってされた時、ちょびっとだけうれしそーに見えたよーな…。
「やめてくださーい。小さい子供の前でー」
「ちげーってんだろお前」
「二次ならともかく、三次で百合ん百合んとかキツいですよ。生々しいです」
「オタクってのは人の話も聞かなけりゃ差別みてーなことも言うのか、オイ」
「ぬっ!?」
「おぉん?」
もー、まーたケンカゴシになるー…。
こーゆーの、なんたっけなー。オトナゲない?だっけ。
「ていうかその、シーさん?でしたっけ?ウワサってやつなんですよね!?」
「うん。そーみたいだけど…」
「囮として手元に置いてるって聞きましたけど、それならこうして仲良く一緒に出かけるのって変でしょ!ましてや、あだ名を付けることなんて!」
「まー、それは…」
「挙句の果てには赤い人とイチャイチャして!意味わかんないです。ストックホルム症候群かなにか!?」
スト…え?なんて?ショーコーグン?ショーコーって、グンジンさんとかのアレ?
「アレとはちげーと思うけど…。つか、難しいこと知ってんなお前…」
「なんですか!小学生舐めてるんですか!」
「あーも、わかった。わかったってもー…」
ガーッと怒りだしたチビちゃんに、赤ちんもタジタジみたい。イヤそーな顔しながら、落ち着かせよーとしてる。
「つか、いつまでこんなグダグダやってんだ私ら…。花屋に行くって話じゃないん?」
「あ、そーそー。」
「むー……」
「?」
ムクれるチビちゃんと、お話そのものが分かってなさそーなシーちゃんは、ちっと置いといて。
そうなんだよね。タネやら買うっつってもアタシたち、サイバイってマジでルーキーだから、どんなのがいいのか聞きにいけって、先輩にも言われたし。
「な。ほれ、さっさと行くぞ もー」
「そだねー。ほら、チビちゃんも」
「…………」
あれ、ヘンジない。どしたん?
「私のあだ名ですよね。それ…」
「?うん」
「おチビ」ってのが、買い物に来る前に決めた、この子のあだ名。私達の中じゃマジで小さいから、おチビ。
赤ちんに言わせりゃ、コードネームだかなんだか。
「ええ、分かってます…。了承したのは私自身なことも。そうしたのは、私なりに理由があるからということも…」
「チビちゃーん?」
「でも…でもですよ…!それに納得したわけじゃないのも、また事実なんですっていうか…!ぬ〜…!」
「???」
え、なに?なんかブツブツ言ってるけど、小さくて聞こえないや。ひとりごと?
どーも自分のセカイに行っちゃったみたいだから、万が一ハグれちゃわないよーに、手を繋ぐ。しょーがないなー。
ちょっとおねーさんキブンになりながら、皆でお花屋さんまで歩いてった。
「買い忘れとかないかー」
「たぶんなーい」
赤ちんの声かけにヘンジして、買い物バッグをゴソゴソ。なんか忘れたもんがないか、カクニンしてみる。
ジカンが過ぎてって、もー夕方。アタシたちのヨージは終わって、今はその帰り道だった。
「色々買ったねー」
「マーガレット、コスモス、パンジー…」
「ジーパンね、ジーパン」
「うるさいですね…」
チビちゃん、シンラツぅ。まぁ、なにはともあれ助かったなー。花屋のテンインさん、テーネーに教えてくれたし。
なんてったっけ、あそこ。たしか、ブロッサムだかなんだか。
「そういや、赤ちんもなんか買ったんだっけ?」
「これな」
そー言って、手に持ってる赤い花束を見せてくる。赤ちんの魔法少女のイショーみたいに真っ赤な、そのお花。
「きれーだね。なんていうやつ?」
「ゼラニウムだってさ」
「ゼラチン?」
「バカ」
また赤ちんにバカって言われた…。知ってるよ。デントーゲーっていうんでしょ、こーゆーの。チガう?
「なんで買ったんですか?花を愛でるような、淑やかな人でもないのに」
「うるせーわ。……いいだろ、なんでも」
「えー」
あ、ゴマかすんだー。ケチんぼ赤ちん!
「や、花はこの際いいんだよ。ついでなんだから。本命の方がイマイチだったのが問題じゃねーのか」
「ホンメーって」
「前見せたじゃないですか。私が、マギウスの人達のとこから持ってきたやつ」
「だよね」
うん。元々は、それのショータイを調べるためにハジめたんだよね。ニワほったりしたアレ。
『これが、私があの日拾ったものです』
『植物の苗みたいに見えますよね。なんか、カイワレみたいな』
『マギウスのことを知った今となっては、持っておくこともないとは思うんですが…』
たしか、チビちゃんはこう言ってた。んで、先輩がそこに待ったかけて、どーゆーもんなのか調べてみよーってなって…。
「私は気ィ進まねーけどな。悪の秘密結社みてーなやつらが持ってるもんだぞ。碌なもんじゃねー」
んー……。まぁ、ね。赤ちんのキモチも、マジでわかるけど。
「また渋る…。皆さんで話し合って決めてたじゃないですか。見てましたよ。多数決でも、貴女だけ反対してたの」
「あーはいはい。そーですねー」
あの変な草みたいなのを調べて、それがウワサとか、似たよーな何かだったら、そのときはポイッてする。
そのあとは外に出て、同じものがあったら、見つけてポイする。それが、アタシたちの出したケツロン。
「…でも、赤い人の言う通り、本題に関することはあまり…」
そうなんだよねー。
『お花を育てるのは初めてですか?そうですね…種から育てるってなったら…』
そうやって、花のことクワしく教えてくれた店員さんも
『カイワレ…ですか?』
『んー…。私よりも、かえでちゃ…えっと、家庭菜園をやってる友達が居るんですけど、その子の方が、多分詳しくて』
『でも、今日はお店に来てないから…』
こうやって、もーしワケなさそーにしてたもんねー…。
ケッキョク、それいじょーはなにもなかったから、お買い物して、花屋さんを出て。
んで、ついでだからってコンビニとか本屋とか寄って、こうして歩いてんだよね。
「とりま、そのカイワレ?だっけ。それニワに植えてみて、よーす見るっきゃないかー」
言いながら、コンビニで買ったおやつをフクロから出して、口にほーりこむ。んー、おいしー。
「一先ずこれで用事は済んだんですし、帰りましょうよ。私、さっきの本屋で買った雑誌も読みたいですし」
「あ。じゃ、一緒に読もー」
あーでも、その前にタネとか植えたりすんのかなー。そんなふうに考えてた、その時だった。
「やっべ…!」
ボソッと言って、すっごいアセったフンイキでダッシュしだす赤ちん。ほんとトツゼンだったから、びっくりした。多分、チビちゃんも同じだったと思う。
「え、ちょ!赤ちん!どったのー!?」
「!マジ子さん、あそこ!ビルの上!」
「へ!?………あー!」
目の前にいっぱいあるビルの一つをユビさして、チビちゃんが言う。
そのほーこーを見てみると、赤ちんがガチダッシュしだしたイミがわかった。
「ちょ、ヤバいでしょマジで!」
「行きましょう、早く!」
人だ。ビルのおくじょーに人がいて、その人が今、飛びおりた。
買ったものは落とさないよーに。でも、先に行った赤ちんに追いつけるよーに、ガンバって走る。
そうしてる間にも、飛びおりた人はどんどん落ちてく。ダメ!このままじゃ…!
「赤ちーん!!」
「おらあああああああああ!!」
赤ちんの、とびっきりのサケび声が聞こえて、タイセーを低くしたのが見える。
「ぶっふぇぇぇっ!!」
「よし!受け止めました!!」
そのまま思いっきりスライディングかました赤ちんは、カンイッパツで落ちてきた人をキャッチするのに成功。よかったー…。
「赤ちん、だいじょーぶ!?」
「すっごい声出てましたけど…」
「肘…肘入った肘…。うぅえ…」
うわー、イタそー…。でもそれで済んでるんだから、魔法少女ってスゴいよね。
「幸い、飛び降りたところ、落下しているところは目撃されなかったみたいです。人通りも少なくて助かった…」
「うっ…。それより、見ろ。この人…」
「あー!口づけ!」
赤ちんがかかえてる人の、クビのところ。ケーヤクしてから何回も見た、魔女にワルさされたショーコが、そこにあった。
「…反応、ありました。屋上ですね…」
「オクジョー…ってーと」
「………」
「マジかー…」
チビちゃんが無言で、アタシらの目の前にあるビルをさす。なんで買い物帰りにーって思うけど、魔法少女として、ムシはできないよね。
口づけを受けてた人は、ビルの中にあったベンチにネかせて、アタシたちは魔女をボコしに行った。
「居たな…」
あれからアタシたちは、オクジョーまで行って、変身して、ケッカイにトツニュー。
使い魔を一人でやっつけながら、どんどん先に進んじゃうチビちゃんをおっかけて、一番オクのカイソーまで走ってく。
そしてとーとー、魔女のいるとこまでたどり着いた。
「なんかフワフワ浮いてますね。アドバルーンみたいな」
「なんかウスっぺらいかんじ…」
カラダがヒラヒラしてるっていうか、ほそっこいっていうか。風とかで飛んでっちゃいそう。
あの魔女の周りに幾つかフヨフヨしてるのが、今チビちゃんが言った アドバルーンってやつ?飾りかなんかなのかなぁ。
「とにかく、あれを倒せば終わりなんです。行きますよ!」
「っ!待て!」
魔女を倒しに行こーとするチビちゃんを、赤ちんが止める。それはなんでかって言うと…
「うわー、使い魔…」
「むー…!数を呼んできて!」
ケッカイの中にある、タンクのカゲからゾロゾロ。それか、魔女の上からボトボト。
あの、手のカタチの使い魔がいっぱい出てきて、魔女のそばに集まってきた。
「守りを固めてきたか、総攻撃を仕掛ける気か…」
「どっちだろうが、あの数はメンドくせえ。マジ子!」
「え、なに」
赤ちんが、アタシに手のひらを向けてくる。どゆこと…?
「コネクトだよ!一発ブチかまして、減らす!」
「でも、たしか赤ちんってコネクトは…」
「私がお前にするなら問題ねー!早く!」
「お、おー!」
急かされちゃって、えいやって赤ちんと手を合わせる。赤ちんの魔力がアタシの中にキて、二人の力が一つになったのがわかった。
「ぬう〜……!」
アタシのブキ、いつも使ってるアタッシュケースがなんかゴッツくなって、なんかデッカくなる。
ちょっとオモいけど…うん。これならイケる!
「やっちまえ!」
「いっっっきまああああああす!!」
どりゃー!!ってサケんで、ちょーデカいケースをブン投げた。タイホーみたいなイキオいで、魔女のとこまでフッ飛んでく。
魔女にはトドかなかったけど、めっちゃいっぱい集まってた使い魔たちは、今のでゴッソリ居なくなった。
「今ですね!」
「っ!おい、待てって!また一人で…!」
チビちゃんが一人で、魔女のところに つッ走る。赤ちんが止めるのも聞かないで。
「はっ!」
減った使い魔たちをキヨーによけながら、チビちゃんはジャンプ。キレ味バツグンのソデが、魔女に当たる。すんごいのけぞった。
『〜!!』
魔女が、クルしそうな声を出す。今の一発で体にデッカいキズもついてて、すごくイタそう。
「よし、このまま…!」
チビちゃんが、そこからイッキにトドメをさそうとする。でも…
「バカ!危ねえ!!」
「えっ…」
赤ちんが大声出した、次のシュンカン。
チビちゃんの目の前に、ふたつ、おりてきた。
ソラの上からアドバルーンが、いきなり。
「っ!!」
当たっちゃう。そう思ったけど、チビちゃんは早かった。
バルーンに付いてる、黒いギザギザしたやつを、ソデを使ってガード。キンゾクどーしがブツかったような音がして、チビちゃんがフッ飛ぶ。
今さっきピューって走ってっちゃったと思ったのに、今度はビューンってもどって来た。
「このアホ!油断しやがって…!」
「アタシてっきり、あのフーセンってアレでゼンブなのかなって思ったけど…」
魔女の周りにフワフワ浮いてる、あれ。アドバルーンは、サイショ五つくらいだった。はず。タブン。でもそれが、今は七つにふえてて。
てことは、ホントは五つじゃなかったんだ。多分、魔女はアタシたちがここに来る前から、フーセンを上に飛ばしといて…。
そんで、どっかでスキがデキた時にすぐ突けるよーに、タイキさせといた…の、かな?ヨーイシュートーってやつ?
「っ…!ちょっと…ちょっとしくじっただけです、こんなの!いつもなら、今頃!」
「お前なぁ!」
「待って!魔女、動くって!」
『!!』
こんな時にもクチゲンカしよーとするのを止めたくて、魔女のことを知らせる。ハッとして、二人は魔女の方を見た。
でも、ちょっと遅かったみたい…!
「っ!なんだ…!?」
赤ちんが、空を見る。
「なんか、飛んできて…?」
それを見て、チビちゃんも空を見る。
「アレって……」
そしてアタシも、二人に続いてソラを見たトキ。
「………カギ?」
飛んできたソレがほっぺに当たって、イヤなイタみがやってきて。なにかがナガれた感じがした。
「わあああああああ!」
「いって…!いた!いででででで!!」
「クッソ…!あの魔女、残りの使い魔に…!ぬぐっ…」
死ぬほどタイリョーにフッてくる、カギの雨。アタシたちに当たったやつ、当たらなかったやつにカンケーなく、ジメンに落ちて、チャリンチャリン鳴ってうるさい。
「この鍵、使い魔が持ってるやつだろ!こんな大量に降ってくるような数、残ってたか!?」
「知りませんよ!どっかに隠れてたんじゃないですか!?」
「あー!?」
顔をキズつけないようにウデでガードしながら、魔女の居る方をカクニンしてみる。
そしたら、チビちゃんの言うとーり。さっきガッツリ倒したはずなのに、まるで元どーりみたいにワラワラだった。
(どーしよう…!どーしよう!?)
このままじゃ やられちゃう。カギが変なとこに当たるか、その前に魔女がトドメさしに来るかも。どっちにしてもヤバいって!
(アタシのバカ!さっさと皆で、水になっとけばよかったのに…!)
今になって、コーカイする。そーだよ。さっさとコユー魔法使っておいたら、今ごろ、こんなんじゃなかったのに。
なんでアタシ、こんなにバカなんだろ…。
(…………)
まだまだカギはフってキてて、それがあちこちに当たって痛い。コマかいキズがいっぱいデキて、血が出てきてるとこもある。
「ぐっ…くっそ…!」
「っ……うぐ…」
赤ちんは動けない。チビちゃんも動けない。当たりまえだよね。皆して、おんなじジョーキョーになっちゃってんだもん。
(………アタシが…)
なら、どーするか。
「アタシが……やらなきゃ…!」
二人に聞こえないよーに、ポソッと、ツブやいた。
「っ!!」
うずくまってたタイセーをやめる。イキオい良く立って、前にでてやる。ココロのジュンビなんて、いらなかった。
「!?おいバカ、何やってんだ!」
「モロに当たっちゃいますよ…!?」
後ろから聞こえる、二人の声。バカかぁ。そうだよね。そう、思うよね。
アタシも自分で、そう思うよ。
カギがビシバシ、降ってくる。なんせ全身に、だもんね。あっという間に、キズだらけ。
(でもね…)
カラダがイタい。アザがいっぱい。血もいっぱい。イショーもあちこちヤブけてる。
それでも、作る。アタシのブキの、アタッシュケース。
(今はアタシが、姉ちゃんだから…!)
持ち手をニギって、フリかぶる。カラダはヒネッて、だけど目だけはしっかり前見て、ブレないよーに。
(イチバン、歳上…。だから、アタシが!)
ジュンビカンリョー。ここまで来たら、あとはカンタン。おなかのソコから、思いっきり!
「アタシが!二人を守るんだあああああああああ!!」
力を目いっぱい込めて、アタッシュケースをブン投げる。使い魔がいくらかショーメツして、ほんの少し、カギのイキオいがおさまった。
「まだだよ!!」
カンパツ入れずに、もうイッパツ。また何体か倒されて、カギの雨が弱くなる。
「まだ!!」
また投げる。テキが倒れて、カギがへる。
「まだ!!」
また投げて、倒れて、へって。
「まだ!!」
投げて、倒れて、へって。
そして。
「これで、おしまいっ!!」
雨はもう、ほぼ止んでるし。使い魔たちも、ゼンゼン居ない。
だけどダメ押し。最後に二つ、ブン投げて。残ったのは、ヒンシの魔女だけ。
「マジ子、さん…?」
「お前…」
二人が話しかけてくる。カギがフってこなくなって、よーやく顔を上げたかな。どっちもボロボロだろーけど、まぁ、アタシよりはマシ。多分。
「赤ちん、チビちゃん!だいじょ…!」
ブジだったのがうれしくて、後ろにフリ返ろーとする。だけど魔女は、それをユルさない。
あのキョーアクな、アドバルーン。それを全部、こっちによこした。
フーセンの数は、全部で七つ。
フワフワしてるからなのかな。動きが全部、バラけてる。
「だったら…えーっと!」
アタッシュケースを二個出して、また投げる。バルーンに当てて、キドウをそらす。
「そんで、後は…!」
残りは五つ。その中の二つが、後ろの二人を狙ってた。
アタッシュケースは、間にあわない。
「そんなら、こーだぁー!!」
二人を守るみたいに、ウデを広げる。りょーほー、ガバッと。
「あっ…!!ぐっ、う………っ!!」
黒いギザギザが二つ、アタシに刺さった。右カタと、背中。ザックリいかれて、マジでイタい。
カギの時よりいっぱい血が出て、イショーがどんどん、赤くなってく。
「でも……。これで…!」
つかまえた!
体に刺さってるギザギザを、ツカむ。ニギりすぎて、手からも血が出た。
これで四つ。ニガさないよーに、ガンバッて押さえこむ。
「二人ともー!後はおねがーい!!」
アタシがサケぶと、そこからはすっげー早かった。
まずは二人が、一緒に走って。
残りのフーセン三つまとめて、赤ちんがパイルでズドンして。
まるハダカになった魔女のところに、チビちゃんが飛んで。
りょーほーのソデを一つに合わせて、それで魔女を真っ二つ。
あっという間に、勝っちゃった。
ケッカイが消えて、もとのオクジョー。終わったと思ったらなんか気が抜けて、ペタッてスワりこんじゃった。
「はぁー…はぁー…はぁー…」
ぜーぜー、はーはーいってる。息が。マジで初めてかも、こんなん…。
すっごく疲れたし、ムチャもいっぱいやっちゃったから、体、イタいよぉ!すっごい…!
「おい…!」
「へ…?」
なんかもうイロイロしんどいとこに、話しかけてくる赤ちん。やっぱりこの子も、ボロボロだった。
「このっ……バカ!!無茶苦茶しやがってお前…!」
「え〜…?」
またバカって言うー。しゃーないじゃん。アレしか思いつかんかったんだもん。
「でも、助かったじゃあん…」
「そうですよ…。そうですけど…!」
「下手すりゃ死んでただろ!あんなの…」
「けど、生きてるもーん…」
もー。チビちゃんまでブーブー言ってさー。
てか、なんだろ。まともにしゃべれないや。やっぱ疲れてんのかなー?
「わるいの、アタシだけじゃないもんねー」
「あ…?」
「二人も、わるいもん」
「それは…」
ワザとらしく、ほっぺをプクーってする。アタシに言われて、気まずそーになる二人。ふふーん。コマれコマれー。
チビちゃんは、一人でつっ走りすぎ。赤ちんは、ヒツヨーイジョーにツンツンしすぎ。シーちゃんは…。
…シーちゃんは…?
あれ、そーいや居たっけ。戦うときに…。
「…………」
まー、いっか。もう、なんでも。
「とにかくさー…二人とも。ね?」
「………」
「………」
「今日は、ちょっと……間違っちゃっただけだから…」
だから次は、仲良くしよーね。
そう言えたのか、言えなかったのか、分かんないけど。
アタシの体が、グラグラ、フラフラ、ユレてって。
いつの間にか、ねっ転がってた。
赤ちんとチビちゃんが、上からノゾいて何か言ってくれるけど、クソみたいに眠いアタシには、よく聞こえなくて。
バカな頭も、その内回らなくなってきて。
前から聞いてみたかったこと、一つだけ。
なんとなく口に出してみたくて、ガンバって呟いた、その後に。
アタシのイシキは、落ちてった。
マギレコ本編の出来事
・第一部 第5章六話 終了後〜第5章七話 開始前