知られることのない話   作:まるイワ

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まさかのマギレポ版デビほむ実装なので初投稿です。





5-8 本気(マジ)子

 

 

 

 

「…で、あそこできりんがああいう台詞を言うからこそ、その後の展開に説得力が出てくるっていうか」

 

「はへ〜!なるほどねぇ〜。よくわかんないけど…」

 

 

チビちゃんと話をしながら、歩く。

 

ガッコー終わって帰ってきて、そんで今日も先輩んとこ集まって。そしたら買い物するっていうから、トーゼン、アタシも付いてこうと思った。

 

でも先輩には、アタシらにはベツのもん買ってきてほしーっておねがいされちゃったから、フタテに別れることになってさ。

 

 

「お前ら、よく飽きねーよな。さっきから…」

 

「えー、だってさー。面白いよ?マジきりトーク!」

 

「あーそうかい…」

 

 

向こうは、先輩と年長さん。で、こっちはアタシと赤ちん、シーちゃん。それから、お泊まりしてるチビちゃんの四人。

 

昨日やった土ほるやつは終わったから、今度はアタシらに買ってきてほしいんだって。タネとか、ナエとか。

 

 

「んー…。赤ちん、なんかゲンキない?」

 

「あー?」

 

「不摂生ですか。それか夜更かしとか」

 

「お前…」

 

 

「だらしないですよ」なんて、チビちゃんに言われて、赤ちんがムッとなる。

 

 

「夜中、泣きベソかいて部屋に来たヤツの台詞か、それが。トイレ付き合って寝不足気味な私へのさ」

 

「なぁ…!誰が泣きベソって!」

 

「事実じゃんよ、え?」

 

「う〜…!」

 

 

そのままニラみ合いする二人。コラ。マジでケンカはめーでしょ!なかよくして!

 

そうやって私がチューサイ?したら、お互いにプイッて、そっぽ向いちゃった。

 

 

「ダメだよー、赤ちん!チビちゃんだって、チームの仲間なんだからー」

 

「私が悪いんかよ…」

 

「すねないの。トシウエさんでしょ!」

 

「言い聞かせられてる…このバカに…」

 

 

トーゼン!今はアタシが一番のネンチョーシャだもん。マジでトーソツ力?を見せてかなきゃ!

 

ところでトーソツ力ってなに?コソコソ写真とるアレ?

 

 

「つーかな、その仲間ってのも違うって思ってるからな。私は」

 

「えー」

 

「預かってるだけなんだから、チームの一員ってこともねーだろ。ん?」

 

 

そんなこと言ってー。決めたじゃん、それー。先輩が、カッテのドがスギてもアレだから…えーっと、なんだっけ…。

 

そう!シキカ?に入ってもらうよーなもんだって!

 

 

「そう決まったんならいいじゃないですか。ねちっこい人ですね」

 

「ん!?」

 

「貴女だけなんじゃないです?そんな不満タラタラなの」

 

「っ……」

 

「言われちったね」

 

 

うるせーよってボヤいて、タメ息ついちゃった赤ちん。ムカッと来たんかなぁ。怒ってそーな顔してる。

 

 

「もー。赤ちん、そーゆー顔してるとさ」

 

「あぁ?」

 

「となり。シーちゃん見てみ?」

 

「あ…」

 

 

アタシに言われて、トナリを見る赤ちん。そこには、もーすっかりアタシらも見なれた、ベッタリ引っ付くシーちゃんが居て。

 

でも、その顔はちょっと暗かった。フアンそー…ってーのかな。そんなん。

 

 

「さっきからそうだったよ。シーちゃん、かなしーんだって。好きな子がそんな怒ってたらさー」

 

「好っ……とかはまぁ、分からんけど。違うと思うんだよなー、これ…」

 

「なにがー?」

 

「こいつ別に、私がキレてるとかに反応してんじゃなくてさ」

 

 

え、そーなん。じゃ、なんで?

 

 

「〜!」

 

「服、ひっぱってるよ。ウデんとこ」

 

「構ってくれないのが嫌なんだろ。多分…」

 

 

あー、そーゆー。

 

 

「〜!〜!」

 

「見ろっ、ほらっ…。不満過ぎてとうとうキスしようとしてきてるよ、コイツっ…!」

 

「わー」

 

 

「3」みたいな口して、むちゅーっとしようとするシーちゃんを、ガンバって押さえる赤ちん。

 

でもシーちゃんってめっちゃ力つよいし、そんなんしても…あ、ほっぺにぶちゅーっとされた。

 

 

「赤ちんはイヤなん、それ?シーちゃんはウレしそうだけど」

 

「…そっちの気はねーもんな、そりゃ」

 

「え」

 

「や、えってなんだお前」

 

 

なんだお前ってなに。アタシてっきり、赤ちんはもう、マジでオチてると思ってたんだけど。

 

だって赤ちんさ、さっき ちゅーってされた時、ちょびっとだけうれしそーに見えたよーな…。

 

 

「やめてくださーい。小さい子供の前でー」

 

「ちげーってんだろお前」

 

「二次ならともかく、三次で百合ん百合んとかキツいですよ。生々しいです」

 

「オタクってのは人の話も聞かなけりゃ差別みてーなことも言うのか、オイ」

 

「ぬっ!?」

 

「おぉん?」

 

 

もー、まーたケンカゴシになるー…。

 

こーゆーの、なんたっけなー。オトナゲない?だっけ。

 

 

「ていうかその、シーさん?でしたっけ?ウワサってやつなんですよね!?」

 

「うん。そーみたいだけど…」

 

「囮として手元に置いてるって聞きましたけど、それならこうして仲良く一緒に出かけるのって変でしょ!ましてや、あだ名を付けることなんて!」

 

「まー、それは…」

 

「挙句の果てには赤い人とイチャイチャして!意味わかんないです。ストックホルム症候群かなにか!?」

 

 

スト…え?なんて?ショーコーグン?ショーコーって、グンジンさんとかのアレ?

 

 

「アレとはちげーと思うけど…。つか、難しいこと知ってんなお前…」

 

「なんですか!小学生舐めてるんですか!」

 

「あーも、わかった。わかったってもー…」

 

 

ガーッと怒りだしたチビちゃんに、赤ちんもタジタジみたい。イヤそーな顔しながら、落ち着かせよーとしてる。

 

 

「つか、いつまでこんなグダグダやってんだ私ら…。花屋に行くって話じゃないん?」

 

「あ、そーそー。」

 

「むー……」

 

「?」

 

 

ムクれるチビちゃんと、お話そのものが分かってなさそーなシーちゃんは、ちっと置いといて。

 

そうなんだよね。タネやら買うっつってもアタシたち、サイバイってマジでルーキーだから、どんなのがいいのか聞きにいけって、先輩にも言われたし。

 

 

「な。ほれ、さっさと行くぞ もー」

 

「そだねー。ほら、チビちゃんも」

 

「…………」

 

 

あれ、ヘンジない。どしたん?

 

 

「私のあだ名ですよね。それ…」

 

「?うん」

 

 

「おチビ」ってのが、買い物に来る前に決めた、この子のあだ名。私達の中じゃマジで小さいから、おチビ。

 

赤ちんに言わせりゃ、コードネームだかなんだか。

 

 

「ええ、分かってます…。了承したのは私自身なことも。そうしたのは、私なりに理由があるからということも…」

 

「チビちゃーん?」

 

「でも…でもですよ…!それに納得したわけじゃないのも、また事実なんですっていうか…!ぬ〜…!」

 

「???」

 

 

え、なに?なんかブツブツ言ってるけど、小さくて聞こえないや。ひとりごと?

 

どーも自分のセカイに行っちゃったみたいだから、万が一ハグれちゃわないよーに、手を繋ぐ。しょーがないなー。

 

ちょっとおねーさんキブンになりながら、皆でお花屋さんまで歩いてった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「買い忘れとかないかー」

 

「たぶんなーい」

 

 

赤ちんの声かけにヘンジして、買い物バッグをゴソゴソ。なんか忘れたもんがないか、カクニンしてみる。

 

ジカンが過ぎてって、もー夕方。アタシたちのヨージは終わって、今はその帰り道だった。

 

 

「色々買ったねー」

 

「マーガレット、コスモス、パンジー…」

 

「ジーパンね、ジーパン」

 

「うるさいですね…」

 

 

チビちゃん、シンラツぅ。まぁ、なにはともあれ助かったなー。花屋のテンインさん、テーネーに教えてくれたし。

 

なんてったっけ、あそこ。たしか、ブロッサムだかなんだか。

 

 

「そういや、赤ちんもなんか買ったんだっけ?」

 

「これな」

 

 

そー言って、手に持ってる赤い花束を見せてくる。赤ちんの魔法少女のイショーみたいに真っ赤な、そのお花。

 

 

「きれーだね。なんていうやつ?」

 

「ゼラニウムだってさ」

 

「ゼラチン?」

 

「バカ」

 

 

また赤ちんにバカって言われた…。知ってるよ。デントーゲーっていうんでしょ、こーゆーの。チガう?

 

 

「なんで買ったんですか?花を愛でるような、淑やかな人でもないのに」

 

「うるせーわ。……いいだろ、なんでも」

 

「えー」

 

 

あ、ゴマかすんだー。ケチんぼ赤ちん!

 

 

「や、花はこの際いいんだよ。ついでなんだから。本命の方がイマイチだったのが問題じゃねーのか」

 

「ホンメーって」

 

「前見せたじゃないですか。私が、マギウスの人達のとこから持ってきたやつ」

 

「だよね」

 

 

うん。元々は、それのショータイを調べるためにハジめたんだよね。ニワほったりしたアレ。

 

 

 

『これが、私があの日拾ったものです』

 

『植物の苗みたいに見えますよね。なんか、カイワレみたいな』

 

『マギウスのことを知った今となっては、持っておくこともないとは思うんですが…』

 

 

 

たしか、チビちゃんはこう言ってた。んで、先輩がそこに待ったかけて、どーゆーもんなのか調べてみよーってなって…。

 

 

「私は気ィ進まねーけどな。悪の秘密結社みてーなやつらが持ってるもんだぞ。碌なもんじゃねー」

 

 

んー……。まぁ、ね。赤ちんのキモチも、マジでわかるけど。

 

 

「また渋る…。皆さんで話し合って決めてたじゃないですか。見てましたよ。多数決でも、貴女だけ反対してたの」

 

「あーはいはい。そーですねー」

 

 

あの変な草みたいなのを調べて、それがウワサとか、似たよーな何かだったら、そのときはポイッてする。

 

そのあとは外に出て、同じものがあったら、見つけてポイする。それが、アタシたちの出したケツロン。

 

 

「…でも、赤い人の言う通り、本題に関することはあまり…」

 

 

そうなんだよねー。

 

 

『お花を育てるのは初めてですか?そうですね…種から育てるってなったら…』

 

 

そうやって、花のことクワしく教えてくれた店員さんも

 

 

『カイワレ…ですか?』

 

『んー…。私よりも、かえでちゃ…えっと、家庭菜園をやってる友達が居るんですけど、その子の方が、多分詳しくて』

 

『でも、今日はお店に来てないから…』

 

 

こうやって、もーしワケなさそーにしてたもんねー…。

 

ケッキョク、それいじょーはなにもなかったから、お買い物して、花屋さんを出て。

 

んで、ついでだからってコンビニとか本屋とか寄って、こうして歩いてんだよね。

 

 

「とりま、そのカイワレ?だっけ。それニワに植えてみて、よーす見るっきゃないかー」

 

 

言いながら、コンビニで買ったおやつをフクロから出して、口にほーりこむ。んー、おいしー。

 

 

「一先ずこれで用事は済んだんですし、帰りましょうよ。私、さっきの本屋で買った雑誌も読みたいですし」

 

「あ。じゃ、一緒に読もー」

 

 

あーでも、その前にタネとか植えたりすんのかなー。そんなふうに考えてた、その時だった。

 

 

 

「やっべ…!」

 

 

 

ボソッと言って、すっごいアセったフンイキでダッシュしだす赤ちん。ほんとトツゼンだったから、びっくりした。多分、チビちゃんも同じだったと思う。

 

 

「え、ちょ!赤ちん!どったのー!?」

 

「!マジ子さん、あそこ!ビルの上!」

 

「へ!?………あー!」

 

 

目の前にいっぱいあるビルの一つをユビさして、チビちゃんが言う。

 

そのほーこーを見てみると、赤ちんがガチダッシュしだしたイミがわかった。

 

 

「ちょ、ヤバいでしょマジで!」

 

「行きましょう、早く!」

 

 

人だ。ビルのおくじょーに人がいて、その人が今、飛びおりた。

 

買ったものは落とさないよーに。でも、先に行った赤ちんに追いつけるよーに、ガンバって走る。

 

そうしてる間にも、飛びおりた人はどんどん落ちてく。ダメ!このままじゃ…!

 

 

「赤ちーん!!」

 

「おらあああああああああ!!」

 

 

赤ちんの、とびっきりのサケび声が聞こえて、タイセーを低くしたのが見える。

 

 

「ぶっふぇぇぇっ!!」

 

「よし!受け止めました!!」

 

 

そのまま思いっきりスライディングかました赤ちんは、カンイッパツで落ちてきた人をキャッチするのに成功。よかったー…。

 

 

「赤ちん、だいじょーぶ!?」

 

「すっごい声出てましたけど…」

 

「肘…肘入った肘…。うぅえ…」

 

 

うわー、イタそー…。でもそれで済んでるんだから、魔法少女ってスゴいよね。

 

 

「幸い、飛び降りたところ、落下しているところは目撃されなかったみたいです。人通りも少なくて助かった…」

 

「うっ…。それより、見ろ。この人…」

 

「あー!口づけ!」

 

 

赤ちんがかかえてる人の、クビのところ。ケーヤクしてから何回も見た、魔女にワルさされたショーコが、そこにあった。

 

 

「…反応、ありました。屋上ですね…」

 

「オクジョー…ってーと」

 

「………」

 

「マジかー…」

 

 

チビちゃんが無言で、アタシらの目の前にあるビルをさす。なんで買い物帰りにーって思うけど、魔法少女として、ムシはできないよね。

 

口づけを受けてた人は、ビルの中にあったベンチにネかせて、アタシたちは魔女をボコしに行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「居たな…」

 

 

あれからアタシたちは、オクジョーまで行って、変身して、ケッカイにトツニュー。

 

使い魔を一人でやっつけながら、どんどん先に進んじゃうチビちゃんをおっかけて、一番オクのカイソーまで走ってく。

 

そしてとーとー、魔女のいるとこまでたどり着いた。

 

 

「なんかフワフワ浮いてますね。アドバルーンみたいな」

 

「なんかウスっぺらいかんじ…」

 

 

カラダがヒラヒラしてるっていうか、ほそっこいっていうか。風とかで飛んでっちゃいそう。

 

あの魔女の周りに幾つかフヨフヨしてるのが、今チビちゃんが言った アドバルーンってやつ?飾りかなんかなのかなぁ。

 

 

「とにかく、あれを倒せば終わりなんです。行きますよ!」

 

「っ!待て!」

 

 

魔女を倒しに行こーとするチビちゃんを、赤ちんが止める。それはなんでかって言うと…

 

 

「うわー、使い魔…」

 

「むー…!数を呼んできて!」

 

 

ケッカイの中にある、タンクのカゲからゾロゾロ。それか、魔女の上からボトボト。

 

あの、手のカタチの使い魔がいっぱい出てきて、魔女のそばに集まってきた。

 

 

「守りを固めてきたか、総攻撃を仕掛ける気か…」

 

「どっちだろうが、あの数はメンドくせえ。マジ子!」

 

「え、なに」

 

 

赤ちんが、アタシに手のひらを向けてくる。どゆこと…?

 

 

「コネクトだよ!一発ブチかまして、減らす!」

 

「でも、たしか赤ちんってコネクトは…」

 

「私がお前にするなら問題ねー!早く!」

 

「お、おー!」

 

 

急かされちゃって、えいやって赤ちんと手を合わせる。赤ちんの魔力がアタシの中にキて、二人の力が一つになったのがわかった。

 

 

「ぬう〜……!」

 

 

アタシのブキ、いつも使ってるアタッシュケースがなんかゴッツくなって、なんかデッカくなる。

 

ちょっとオモいけど…うん。これならイケる!

 

 

「やっちまえ!」

 

「いっっっきまああああああす!!」

 

 

どりゃー!!ってサケんで、ちょーデカいケースをブン投げた。タイホーみたいなイキオいで、魔女のとこまでフッ飛んでく。

 

魔女にはトドかなかったけど、めっちゃいっぱい集まってた使い魔たちは、今のでゴッソリ居なくなった。

 

 

「今ですね!」

 

「っ!おい、待てって!また一人で…!」

 

 

チビちゃんが一人で、魔女のところに つッ走る。赤ちんが止めるのも聞かないで。

 

 

「はっ!」

 

 

減った使い魔たちをキヨーによけながら、チビちゃんはジャンプ。キレ味バツグンのソデが、魔女に当たる。すんごいのけぞった。

 

 

『〜!!』

 

 

魔女が、クルしそうな声を出す。今の一発で体にデッカいキズもついてて、すごくイタそう。

 

 

「よし、このまま…!」

 

 

チビちゃんが、そこからイッキにトドメをさそうとする。でも…

 

 

「バカ!危ねえ!!」

 

「えっ…」

 

 

赤ちんが大声出した、次のシュンカン。

 

チビちゃんの目の前に、ふたつ、おりてきた。

 

ソラの上からアドバルーンが、いきなり。

 

 

「っ!!」

 

 

当たっちゃう。そう思ったけど、チビちゃんは早かった。

 

バルーンに付いてる、黒いギザギザしたやつを、ソデを使ってガード。キンゾクどーしがブツかったような音がして、チビちゃんがフッ飛ぶ。

 

今さっきピューって走ってっちゃったと思ったのに、今度はビューンってもどって来た。

 

 

「このアホ!油断しやがって…!」

 

「アタシてっきり、あのフーセンってアレでゼンブなのかなって思ったけど…」

 

 

魔女の周りにフワフワ浮いてる、あれ。アドバルーンは、サイショ五つくらいだった。はず。タブン。でもそれが、今は七つにふえてて。

 

てことは、ホントは五つじゃなかったんだ。多分、魔女はアタシたちがここに来る前から、フーセンを上に飛ばしといて…。

 

そんで、どっかでスキがデキた時にすぐ突けるよーに、タイキさせといた…の、かな?ヨーイシュートーってやつ?

 

 

「っ…!ちょっと…ちょっとしくじっただけです、こんなの!いつもなら、今頃!」

 

「お前なぁ!」

 

「待って!魔女、動くって!」

 

『!!』

 

 

こんな時にもクチゲンカしよーとするのを止めたくて、魔女のことを知らせる。ハッとして、二人は魔女の方を見た。

 

 

でも、ちょっと遅かったみたい…!

 

 

 

「っ!なんだ…!?」

 

 

赤ちんが、空を見る。

 

 

「なんか、飛んできて…?」

 

 

それを見て、チビちゃんも空を見る。

 

 

「アレって……」

 

 

そしてアタシも、二人に続いてソラを見たトキ。

 

 

「………カギ?」

 

 

飛んできたソレがほっぺに当たって、イヤなイタみがやってきて。なにかがナガれた感じがした。

 

 

 

「わあああああああ!」

 

「いって…!いた!いででででで!!」

 

「クッソ…!あの魔女、残りの使い魔に…!ぬぐっ…」

 

 

 

死ぬほどタイリョーにフッてくる、カギの雨。アタシたちに当たったやつ、当たらなかったやつにカンケーなく、ジメンに落ちて、チャリンチャリン鳴ってうるさい。

 

 

「この鍵、使い魔が持ってるやつだろ!こんな大量に降ってくるような数、残ってたか!?」

 

「知りませんよ!どっかに隠れてたんじゃないですか!?」

 

「あー!?」

 

 

顔をキズつけないようにウデでガードしながら、魔女の居る方をカクニンしてみる。

 

そしたら、チビちゃんの言うとーり。さっきガッツリ倒したはずなのに、まるで元どーりみたいにワラワラだった。

 

 

(どーしよう…!どーしよう!?)

 

 

このままじゃ やられちゃう。カギが変なとこに当たるか、その前に魔女がトドメさしに来るかも。どっちにしてもヤバいって!

 

 

(アタシのバカ!さっさと皆で、水になっとけばよかったのに…!)

 

 

今になって、コーカイする。そーだよ。さっさとコユー魔法使っておいたら、今ごろ、こんなんじゃなかったのに。

 

なんでアタシ、こんなにバカなんだろ…。

 

 

(…………)

 

 

 

まだまだカギはフってキてて、それがあちこちに当たって痛い。コマかいキズがいっぱいデキて、血が出てきてるとこもある。

 

 

「ぐっ…くっそ…!」

 

「っ……うぐ…」

 

 

赤ちんは動けない。チビちゃんも動けない。当たりまえだよね。皆して、おんなじジョーキョーになっちゃってんだもん。

 

 

 

(………アタシが…)

 

 

 

なら、どーするか。

 

 

 

「アタシが……やらなきゃ…!」

 

 

 

二人に聞こえないよーに、ポソッと、ツブやいた。

 

 

「っ!!」

 

 

うずくまってたタイセーをやめる。イキオい良く立って、前にでてやる。ココロのジュンビなんて、いらなかった。

 

 

「!?おいバカ、何やってんだ!」

 

「モロに当たっちゃいますよ…!?」

 

 

後ろから聞こえる、二人の声。バカかぁ。そうだよね。そう、思うよね。

 

アタシも自分で、そう思うよ。

 

カギがビシバシ、降ってくる。なんせ全身に、だもんね。あっという間に、キズだらけ。

 

 

(でもね…)

 

 

カラダがイタい。アザがいっぱい。血もいっぱい。イショーもあちこちヤブけてる。

 

それでも、作る。アタシのブキの、アタッシュケース。

 

 

(今はアタシが、姉ちゃんだから…!)

 

 

持ち手をニギって、フリかぶる。カラダはヒネッて、だけど目だけはしっかり前見て、ブレないよーに。

 

 

(イチバン、歳上…。だから、アタシが!)

 

 

ジュンビカンリョー。ここまで来たら、あとはカンタン。おなかのソコから、思いっきり!

 

 

 

 

「アタシが!二人を守るんだあああああああああ!!」

 

 

 

 

力を目いっぱい込めて、アタッシュケースをブン投げる。使い魔がいくらかショーメツして、ほんの少し、カギのイキオいがおさまった。

 

 

「まだだよ!!」

 

 

カンパツ入れずに、もうイッパツ。また何体か倒されて、カギの雨が弱くなる。

 

 

「まだ!!」

 

 

また投げる。テキが倒れて、カギがへる。

 

 

「まだ!!」

 

 

また投げて、倒れて、へって。

 

 

「まだ!!」

 

 

投げて、倒れて、へって。

 

そして。

 

 

 

「これで、おしまいっ!!」

 

 

 

雨はもう、ほぼ止んでるし。使い魔たちも、ゼンゼン居ない。

 

だけどダメ押し。最後に二つ、ブン投げて。残ったのは、ヒンシの魔女だけ。

 

 

「マジ子、さん…?」

 

「お前…」

 

 

二人が話しかけてくる。カギがフってこなくなって、よーやく顔を上げたかな。どっちもボロボロだろーけど、まぁ、アタシよりはマシ。多分。

 

 

「赤ちん、チビちゃん!だいじょ…!」

 

 

ブジだったのがうれしくて、後ろにフリ返ろーとする。だけど魔女は、それをユルさない。

 

あのキョーアクな、アドバルーン。それを全部、こっちによこした。

 

フーセンの数は、全部で七つ。

 

フワフワしてるからなのかな。動きが全部、バラけてる。

 

 

「だったら…えーっと!」

 

 

アタッシュケースを二個出して、また投げる。バルーンに当てて、キドウをそらす。

 

 

「そんで、後は…!」

 

 

残りは五つ。その中の二つが、後ろの二人を狙ってた。

 

アタッシュケースは、間にあわない。

 

 

「そんなら、こーだぁー!!」

 

 

二人を守るみたいに、ウデを広げる。りょーほー、ガバッと。

 

 

「あっ…!!ぐっ、う………っ!!」

 

 

黒いギザギザが二つ、アタシに刺さった。右カタと、背中。ザックリいかれて、マジでイタい。

 

カギの時よりいっぱい血が出て、イショーがどんどん、赤くなってく。

 

 

「でも……。これで…!」

 

 

つかまえた!

 

 

体に刺さってるギザギザを、ツカむ。ニギりすぎて、手からも血が出た。

 

これで四つ。ニガさないよーに、ガンバッて押さえこむ。

 

 

 

「二人ともー!後はおねがーい!!」

 

 

 

アタシがサケぶと、そこからはすっげー早かった。

 

 

まずは二人が、一緒に走って。

 

残りのフーセン三つまとめて、赤ちんがパイルでズドンして。

 

 

まるハダカになった魔女のところに、チビちゃんが飛んで。

 

りょーほーのソデを一つに合わせて、それで魔女を真っ二つ。

 

 

あっという間に、勝っちゃった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ケッカイが消えて、もとのオクジョー。終わったと思ったらなんか気が抜けて、ペタッてスワりこんじゃった。

 

 

「はぁー…はぁー…はぁー…」

 

 

ぜーぜー、はーはーいってる。息が。マジで初めてかも、こんなん…。

 

すっごく疲れたし、ムチャもいっぱいやっちゃったから、体、イタいよぉ!すっごい…!

 

 

「おい…!」

 

「へ…?」

 

 

なんかもうイロイロしんどいとこに、話しかけてくる赤ちん。やっぱりこの子も、ボロボロだった。

 

 

「このっ……バカ!!無茶苦茶しやがってお前…!」

 

「え〜…?」

 

 

またバカって言うー。しゃーないじゃん。アレしか思いつかんかったんだもん。

 

 

「でも、助かったじゃあん…」

 

「そうですよ…。そうですけど…!」

 

「下手すりゃ死んでただろ!あんなの…」

 

「けど、生きてるもーん…」

 

 

もー。チビちゃんまでブーブー言ってさー。

 

てか、なんだろ。まともにしゃべれないや。やっぱ疲れてんのかなー?

 

 

「わるいの、アタシだけじゃないもんねー」

 

「あ…?」

 

「二人も、わるいもん」

 

「それは…」

 

 

ワザとらしく、ほっぺをプクーってする。アタシに言われて、気まずそーになる二人。ふふーん。コマれコマれー。

 

チビちゃんは、一人でつっ走りすぎ。赤ちんは、ヒツヨーイジョーにツンツンしすぎ。シーちゃんは…。

 

…シーちゃんは…?

 

あれ、そーいや居たっけ。戦うときに…。

 

 

「…………」

 

 

まー、いっか。もう、なんでも。

 

 

「とにかくさー…二人とも。ね?」

 

「………」

 

「………」

 

「今日は、ちょっと……間違っちゃっただけだから…」

 

 

だから次は、仲良くしよーね。

 

 

そう言えたのか、言えなかったのか、分かんないけど。

 

アタシの体が、グラグラ、フラフラ、ユレてって。

 

いつの間にか、ねっ転がってた。

 

 

 

赤ちんとチビちゃんが、上からノゾいて何か言ってくれるけど、クソみたいに眠いアタシには、よく聞こえなくて。

 

 

 

バカな頭も、その内回らなくなってきて。

 

 

 

前から聞いてみたかったこと、一つだけ。

 

なんとなく口に出してみたくて、ガンバって呟いた、その後に。

 

 

 

 

アタシのイシキは、落ちてった。

 

 

 

 





マギレコ本編の出来事

・第一部 第5章六話 終了後〜第5章七話 開始前
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