今年も残すところあと30分ほどとなった大晦日の夜。僕と甘雨はコタツに入って1年をふりかえっていた。
「今年もいろいろあったけど、1番の変化は甘雨が蛍さんと冒険に行くようになったことだよね」
「そうですね、今年の最初の方に蛍さんから猛烈なラブコールを頂いて...」
「最初は一緒に過ごせる時間が減るから断ってくれってお願いしようとしてたんだよね、実は」
僕の突然のカミングアウトに、彼女が驚いたような声を上げる。
「そう、なんですね...。なんか嬉しいです」
「でも結果的には、ちょっと嫉妬もしちゃうけど甘雨が楽しそうだから止めなくてよかったよ。」
「私だってかなり嫉妬してるんですよ?蛍さんと話してるのを見るのも嫌なくらいに」
「お互い様だね、僕達」
「ふふっ、そうみたいですね」
「そしていざ冒険に出るってなったら数ヵ月後にいきなり"あの"稲妻に行くって言うんだから止めておけばよかったっておもったよね。」
「蛍さんからかなり期待されてましたし、知らない土地を一緒に冒険するのも楽しかったですね」
「まあ甘雨が居ない日の夜は1人寂しく過ごしてるけど」
「知ってますよ、だって私が帰った時にとても嬉しそうな顔してるんですもん。ああ、この人私いない時寂しかったんだなって思うと嬉しいような、むず痒い気持ちになりますね」
滅多にない甘雨からの攻撃に顔が熱くなる。
「まぁ、そりゃもちろんそうだよ。甘雨のことはずっと考えてるし、ずっと一緒にいればいるほど、どんどん好きになっていくんだよね」
僕がこう返すと、甘雨の顔も一気に赤くなる
「嬉しい、です。私もあなたの事をずっと考えているし、同じ時間を共有すればするほど全てが幸せな思い出で定着しています」
そうして思い出を語り合って少しした後、僕は彼女に提案する。
「そろそろ日付も変わりそうだし、布団に入ろうか。風邪ひいちゃうしね」
「そうですね、そうしますか。新年を迎えるまでもう少しだけお話したいです。」
布団の中に入り、どちらかともなく身を寄せ合う。
「今年一年、甘雨のおかげで楽しかったし、新しいことにも挑戦できたし、新鮮な日々をありがとう」
「私の方こそ、同じ日々の繰り返しだった私に新しい日常を定着させてくれてありがとうございます。あなたとの月日が永遠に続くことを願っています。」
遠くの方で鳴り響く鐘の音を耳に、幸せな沈黙を楽しむ。
愛しい彼女との日々がこれからも続いていくことを祈りながら...
せーーふ!