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ある休日の昼下がり。珍しくこの時間まですやすやと眠っている甘雨の横で僕はぼんやりと考え事をしていた。
幸せそうに眠る彼女の寝顔も小さな寝息も今は僕だけのものと考えると少しだけ幸せになる。
朝からやろうと思っていた仕事を思い出したが、幸せそうに眠っている彼女をもう少し見ていたいと思い今日くらいは...と思考を中断して再び布団に潜り込む。
甘雨の寝息をBGMに2度寝に入ろうと思った時に、ふとある考えが頭をよぎる。
日々の感謝とありったけの愛を込めて甘雨に手紙を書こう、と。
即断即決、早速書き始める。
素直な気持ちを込めて、甘雨が明日も明後日も僕と共に笑っていられるように。
読み返すと恥ずかしくなるような手紙をこっそり枕の下に忍び込ませた後、謎の気まずさを感じた僕は起きる支度をして食事の準備に取り掛かる。
手紙の恥ずかしさをいい感じに忘れてきた頃、甘雨がリビングに入ってくる。どうやら起きたらしい。
「おはようございます...ふぁ...」
「おはよう、甘雨。昨日は遅くまで持ち帰った仕事をしてたのかな?」
「そうですね...海灯祭も近いので何かとやることが多くて...ところで、その...」
まだ少し眠そうな彼女が僕に聞いてくる。
「枕の下の手紙のこと、なんですけど...」
「それがどうかした?」
「もしかして...浮気とか、してないですよね?」
急に目のハイライトが消えた彼女が顔を寄せて問い詰めてくる。
「いやいやいや、有り得ないって。ていうか手紙読んでなんでそうなるの?」
「だって急にあんな...あんな恥ずかしい手紙を急に書くなんて不自然です」
「まあ確かに僕も書いた後に読み返して恥ずかしくなったけどさ」
未だにジト目で睨んでくる彼女に対し、言葉を続ける。
「僕が後にも先にも好きなのは甘雨だけだし、一生を捧げるのも甘雨だけだよ」
「ぅ...照れます...じゃなくて、そんな言葉には騙されませんよ。じゃあなんで急にこんな手紙書いたんですか」
照れる仕草をしたと思えば再び問い詰めるように顔を寄せてくる彼女に答える。
「いやー、その、甘雨の寝顔みてたら好きだなーって気持ちが溢れちゃって...」
「ぅ...寝顔、みてたんですか」
「幸せそうに寝ててとても可愛かったからしばらくの間眺めてたよ」
僕の言葉を聞いて顔を赤らめた彼女が先程と打って変わって恥ずかしそうな声で問いかけてくる。
「どれくらいの間みてたんですか...私の事」
「うーん...20分くらいかな?この寝顔を見れるのは僕だけなんだなって思うと嬉しくなっちゃって...」
「20分ですか!?うぅ...恥ずかしくてあなた以外のところにはお嫁に行けないです...」
耳まで真っ赤になった彼女をみて、そういうところが好きなんだよなと思いつつ食事を食卓に運ぶ。
「どう転んでも僕が甘雨のこと貰うから大丈夫だよ、気にしないで」
恥ずかしがりモードから我に返った(?)甘雨が席に着く。
「そういう、しれっとドキドキする言葉を言うの、良くないと思います...」
後日、甘雨さんにプレゼントだよ!!って言いながら血相を変えた蛍さんが強そうな武器を持ってくるのはまた別の話。
フフフ...バイト代がある俺は無敵...アモス当てたあと甘雨の凸を進めてやるんだ...