「ふぁ...おはようございます...」
今日は滅多に来ない甘雨の休みの日。いつもよりやや遅めの時間に目を覚ました最愛の人に向かって挨拶を返す。
「おはよう、甘雨。ちゃんと疲れは取れた?」
「おかげさまでよく眠れました...ただ少しお腹が...」
眠そうな目を擦りながらそう零す彼女の頭を撫で、微笑み合う。
「朝ごはんの準備出来てるから早くおいで。朝市で新鮮な野菜が手に入ったんだ」
食いしん坊な彼女に向かってそう言い残し、寝室を後にする。
「うわぁ...!とっても美味しいです」
幸せそうにサラダを食べる彼女を見ながら今日の予定を考える。
「今日はせっかくの休みだし、甘雨のやりたいことをやろうと思うんだけど、なにかある?」
「そうですねー...今日は家でのんびり過ごしませんか?あなたとゆっくりしたいです。」
恥ずかしそうにそう返す甘雨に心の中で悶えながら平静さを装いこう提案する。
「そうだ、最近マッサージの勉強をしてるんだけど疲労が溜まってる場所とかある?リラックス出来ると思うんだけど。」
食後ののんびりした時間の中、甘雨は恥ずかしそうに手を見つめながら言った。
「最近書き物やら弓やらで手を使うことが多いので手のマッサージをお願いできますか?ちょっと恥ずかしいですけど...」
顔を僅かに赤らめながらそう言った彼女の手を取り、火照りが移った僕の顔を隠すようにマッサージを開始する。
「甘雨の手、とっても好きなんだよね。なんて言うか...この手で色んな人を支えて来たんだなって思うと込み上げるものが」
手のひらを少し強めに押し込みながら僕はそう零す。
「そう言って貰えると嬉しいです。帝君に比べればまだまだですが...でも、ありがとうございます。」
「帝君の後を追うってのは甘雨にとって大事なことかもしれないけど、僕からしたら甘雨は必要だし、居て欲しい存在なんだからもっと自信持って!」
彼女の手をにぎにぎしながら言いすぎたかなと思い顔を上げる。
「ばか...」
真っ赤な顔でそうこぼす彼女に胸が高鳴る。
邪な気持ちを払うように深呼吸をし、マッサージに集中する。
何分たっただろうか。彼女の方を見るとすやすやと寝息を立てて幸せそうに眠っている。
すっかり昼食時になってしまったので、彼女に毛布を掛けたあと、昼食の準備に取り掛かる。
今日は甘雨がレシピを稲妻から持ち帰った天ぷらを作るつもりだ。もちろん清心もある。
蛍さんが朝早くにいつものお礼といって持ってきてくれたものだ。
「甘雨、起きて。お昼ご飯できたよ」
「ふぁ...おはようございます...」
朝と全くおなじ反応をする彼女のお腹が可愛らしい音を立てる。
「おなかすきました...」
「今日は、甘雨がこの前稲妻からレシピを持ってきた天ぷらを作ってみたんだ。天つゆというものが分からなかったからとりあえず塩と醤油しかないけど...」
「天ぷらですか!?嬉しいです」
すごい勢いで食卓についた甘雨を横目に料理を並べていく。
「朝、蛍さんが日頃のお礼ですって言って清心を持ってきてくれたから天ぷらにしてみたんだ」
「清心の...天ぷら...ですか??これは...とても美味しいです」
花が咲くような笑みを浮かべて幸せそうに食べる彼女を見ながら今夜の献立はどうしようか、と頭を悩ませるのであった。
手フェチです。珊瑚宮さんほしい...