「今日の午後、お時間ありますか?」
いつも通り甘雨と朝食を食べていると、突然そんなことを聞いてきた。
「うん、午後の予定は特にないけどどうしたの?」
「璃月には無い外国の飲み物屋さんが港内で初出店するとのことで、その広告に私と申鶴さんに声がかかったんです。それで、写真機による撮影がすんだあとは時間があるので、良ければ一緒に過ごしたいなと...」
甘雨からのデートのお誘いに内心歓喜しながらもそれを悟らせないように返事をする。
「もちろん、喜んで」
「ありがとうございます」
清心よりも美しい笑顔を浮かべた彼女に目を奪われる。こんな可愛い人の隣歩いていいのだろうか...などと考えてしまうが。
食事を終え、集合場所と時間の連絡をしたあと、いつものように甘雨はお仕事へ向かった。急いで洗い物を済ませた僕は、彼女の隣に立つふさわしい格好をするために四苦八苦したのであった。
待ち合わせより半刻ほど早く到着した僕は、港にできている人だかりから少し離れた場所で時間を潰す。あの人だかりは一体何だろうか...。しばらく経っても数が減るどころか増え続ける人だかりが気になり、近づく。その中心に甘雨はいた。
「本当に私で良かったんでしょうか...」
「相手方がそう指名したのだ、深く気にすることでは無い」
どうやらもう一人の女性が申鶴さんなのだろう。甘雨は見慣れない格好をしている。可愛い。
「あの、この人だかりは一体...?」
とりあえず近くにいた女性に尋ねてみる。
「あら、あなた知らないの?稲妻で流行している甘い飲み物が璃月に初めてお店を出すのよ。試作品を頂けるらしくて私もそれを飲みに来たのよ。それにしても月海亭の秘書さんと隣の長身の女性...美しいわ」
どうやら皆試作品とやらが目当てらしい。甘いものへ縁がない僕としてはあまり関係ないのでいそいそと退散しようとした。
「あの、私の大切な人に何か用ですか。」
そんな声とともに僕の腕が抱きしめられる。いつの間にか、甘雨が僕の隣に来ている。
「この人だかりは何かこの方に聞いてただけだよ、大丈夫何も無いから。お姉さんもすいません...」
人だかりがこちらを見ている気がしたが、少し離れた所へ行く。
「本当に何も、ないんですよね?」
少しハイライトの消えかけた目で甘雨が僕を見てくる。
「ないない、僕は甘雨一筋だから」
「とりあえず信じてあげます。それに予定よりも早く来てくれたので」
「ちょっと早すぎた気もするけどね。それよりその格好どうしたの?とても可愛いけど」
「これですか?どうやら撮影用の衣装らしいんですが、そのまま差し上げると言われたので、あなたとのお出かけに着ていこうかと。」
「なるほどね。僕の甘雨を広告塔にしようとした人をどうしてやろうかと思ってたけど、そこまでしてくれるなら感謝しないとね。」
「あなただけの私です、ふふ。」
甘雨が優しく微笑んでくる。
「そういえば撮影はもう終わったの?」
「あ、終わりましたよ。でも一応申鶴さんに挨拶してくるので、もう少し待っててください。」
軽い足取りで人だかりの方に戻っていく甘雨の後ろ姿をぼんやり眺める。どうやら試作品の配布が始まったらしく、手にカップを持つ人がちらほらいる。幸せそうな顔、驚いた顔、悩むような顔。様々だが大方受け入れられたように見える。
なんてことをぼーっと考えていたら甘雨が戻ってくきた。
「おつかれさま、じゃ行こうか」
「ありがとうございます。あの、これよかったらどうぞ」
甘雨が僕に周りの人が持っているものよりも大きなカップを僕に渡してくる。
「これは?」
「私のいただいた分だったんですけど、その...全部飲んだら太ってしまうので一口だけ飲んだ残りです」
試作品、とやらを見てみると、確かに甘そうだ。だんごと...牛乳?美味しいのだろうか。
「まあそういうことなら、いただきます」
不思議な食感と甘さが口の中に広がり、甘さに感動しているとふと、彼女の唇が目に入る。
「ふふ、間接キス、ですね。」
耳元でそんなことを囁いてくる甘雨の声は、飲んでいるもを何倍も甘く、蕩けるような味わいにしてしまうのだった。
「そうは言うけど甘雨、顔が少し赤いよ?」
「そ、それは気のせいです、、、」
僕の反撃の言葉にさらに耳を赤くした甘雨がスタスタと歩いていくのを後ろから追いかけ、2人の影が重なり、璃月港に溶けていくのだっ
多分甘雨はこんなことしないけど、俺の中ではする。多分癖が出てるとは思う。スイマセン
あんまりあとがきに色々書くのは好きではありませんが直近はフォンテーヌ観光とリアルが忙しく更新できませんでしたゴメンナサイ。
コラボ衣装めちゃくちゃ可愛かったし、なんならオーケストラの方はアニメーションのシーン切り取ってGIF画像作るくらい最高でしたね。
ネタ切れ感が否めませんが推し活ライフは無限に続いてるので降りてくれば書きます...。
ではまた次の話でお会いしましょう。皆さまも良き原神ライフを。