甘雨とほのぼのするだけ   作:ゆき。。

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筆が乗ったので書き上げました


甘雨に愛されすぎるだけ

 

 

朝、目が覚めると既に起きていた甘雨と目が合った。

「あれ、珍しいね、僕より先に起きるなんて」

ふっ、といつも通りの笑顔が帰ってくる。

「おはようございます、今...えっと、ずっとあなたのこと見てました。幸せだなって」

甘雨の手が、僕の額に触れる

「...これまで長いこと生きてきて、今が1番、あなたの隣が一番幸せです。こうしてあなたに触れて、温もりを感じて。おはようって言い合える、こんな時間が好きなんです。」

 

 

「えっと、、朝から、、激しいね?」

こんな返事しかできないほど、普段の甘雨が見せないほどの愛情の暴力に僕は晒される。

「激しいだなんて...」

と、彼女は頬に手を当て布団の中で器用に体をくねらせる。

「甘雨、もしかして寝てない?」

普段からは感じられないテンションの高さ──寝てない時のハイテンションを察した僕は少しジト目で問いかける。

「えーっと...その.....はい。あなたが寝て、頭を撫でながら寝顔を見てたら、あなたと出会った時のことを思い出してしまって」

「僕と出会った時?確か、僕からいつも同じ場所にいるなぁと思って話しかけたんだよね」

「あなたと、会話したのはそれが初めてですね。ですが、その...もう少し前からあなたの事をみてて...」

 

衝撃のカミングアウトに本日2回目のノックアウトをしてしまう僕。

「え、そうだったの?え、本当に?」

「まあ、そのお話はここまでです。ふふ、信じるか信じないかはあなた次第、です」

脳が?でいっぱいになってる僕に、気付けの1発がお見舞される。

 

「おはようの、ちゅーです。目が覚めましたか?もう一度やってあげても、いいですよ?」

やっぱり少しだけテンションの高い甘雨に振り回される僕。可愛いので許しちゃう

「それで、今朝は私がご飯を作りました。お腹はすきましたけど、一緒に食べたくて待ってたんです。」

甘雨からの止まらない愛情に起き抜けの僕はまだクラクラしてしまう。幸せのラッシュに僕も改めて甘雨への愛を痛感する。

 

「ありがとう、甘雨。大好きだよ。僕だって甘雨が寝たあとずっと眺めてる夜があるもん」

「んんっ...!?」

まさか僕から反撃のパンチが来るとは思ってなかったのか、ビクッと肩を震わせ、恥ずかしそうに目を逸らす甘雨。可愛い。

「ま、まぁその話は後で聞かせてもらうとして...朝ごはん、頂きましょうか」

「うん、ありがとう。いただきます」

 

机に並ぶのは優しげなメニューたち。山菜を使ったお粥や、キノコの炒め物など、彼女の優しさと温もりがそのまま出てきたような、心温まるものだった。

「はい、あーんしてください」

不意に、甘雨が僕の目の前におかゆの乗った匙を差し出してくる。

「えっと、、甘雨?」

「はい、あーんしてください」

「あの、何か」

「はい、あーんしてください」

 

有無を言わさない態度に負けた僕は、甘雨のあーんを受け入れる。

「ん、ほんのり山菜に味がついてて美味しい」

「ふふ、良かったです。ではこちらを。はい、あーんしてください」

1回かと思いきや、まだまだ続く彼女からのあーん攻撃を受け入れる。

「あ、こっちは濃いめの味で、いいバランスだね。うーん、隠し味は味噌かな」

「ご名答、です。さすが私の胃袋を掴んでるだけのことはありますね」

少し照れたように笑い、再び僕の方にお粥の乗った匙を差し出してくる。

 

「あの、さすがにもう自分で食べるよ?甘雨も自分の食べな?」

「そう、ですか。」

しゅん、ともし尻尾が見えてたら垂れてそうな落ち込み具合に、少しだけ罪悪感が湧く。

「では、こうしますね。」

そんな罪悪感を打ち消すように、甘雨は椅子を僕のほうに寄せ、ほとんど肩がくっついたような距離感で食べ始める。

普段はあまり見られない距離感での食事だったけど、これはこれで幸せだな、なんて感じていた。

 

普段なら甘雨が仕事へ行く時間。

「そろそろ、行かないとですね。」

いつもと違い名残惜しそうな様子。

「...はぁ、今日はあなたの傍を離れたくない気分です。」

「珍しいね、嬉しいけど。」

愛らしい言葉につい頭を撫でてしまう。

「んん...撫でられるの、好きです」

目を閉じて、気持ちよさそうにする甘雨。さすがに可愛すぎる。

「よし、今ので半分くらい充電出来ました。残り半分は...あと5分だけ抱きしめてくれませんか?」

 

普段はあまり見れない彼女の甘えっぷりだったが、もちろん快諾する。

「ふう...あなたの胸元、安心します。守られてるって、感じがして」

「それは良かった。まあ、、甘雨の方が強いけどね?」

「いいんです、女の子は守られたい時もあるんですから」

「女の、、子?あ、ナンデモナイデス」

一瞬ジロっと見られた気がしたが、たぶん気のせいだろう。

 

暫くして。

「よし、充電満タンです。では、行ってきますね」

甘雨をそのまま玄関まで見送る。

「行ってらっしゃい、僕の甘雨」

「ふふ、行ってきます、私だけのあなた」

 

甘雨に愛されすぎて、最高だ。




いつも読んで頂きありがとうございます。
甘雨視点の幕間からの翌朝です。
我ながらお互い良い重さだと思っています。

少しでも楽しんで頂けたなら、評価をして頂けると励みになります。
もちろん、そっと読んでいただけるだけでも充分嬉しいです。
今後も不定期にはなりますが、甘雨とのほのぼのを綴って行けたらなと思います。
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