あれから千歌たちは毎日練習!レベルを上げていく。
今夜は練習の後に、ダイヤのサッカー講座なるものが開かれる。もちろん全員参加だ。
―小原家―
ダイヤ「それでは、今夜は世界のサッカーの仕組みについて話しましょう」
ダイヤはホワイトボードに図をくっつけ、解説を始めた。
ダイヤ「まず、世界のサッカーにはクラブチームというものがあります。ユース、プロの2つに別れていますわ」
千歌「サッカークラブなら私も入ったことが…」
ダイヤ「それとは格が違います!特にイタリアはユースでもプロの卵といわれる多くのヨーロッパ選手、そして才能ある世界中の選手が集まり、激闘を繰り広げるのです!」
果南「鞠莉はそこで2年間サッカーしてきたんでしょ?」
鞠莉「ええ。イッツベリーストロング!あのジノ=ヘルナンデスとも戦ったわ」
ジノ=ヘルナンデス。翼たちもジュニアユース大会で戦った、パーフェクトキーパーである。
ダイヤ「では千歌さんに問題です!この日本にプロクラブやプロリーグは存在しますか?」
千歌「プロ野球があるから…サッカーもある!」
ダイヤ「ブッブーですわ!この日本に現在プロリーグは設立されていません!」
このssの根幹に関わる話。この世界の日本にプロリーグはない。
ダイヤ「今でこそ、大空翼を始めとした全日本ジュニアユースの活躍で日本サッカーに対する関心は高まっていますが、それまでは見向きもされていません」
フレイ「日本サッカーに対する関心とともにレベルが低いってことか…」
さて、次は大会に関しての話だ。
ダイヤ「わたくしたちはまず、夏の高校サッカー予選を勝たなければなりません。ですが、1つ大きな壁があります」
千歌「南葛…」
善子「南葛!私もそれぐらいは知ってるわ!要するに大空翼と予選で戦うって事ね!」
鞠莉「ノンノン。それは中学の話。大空翼はブラジルに行ってるわ」
ダイヤ「ですが!大空翼以外にもジュニアユースで活躍した選手はいます!甘い気持ちで挑めばそれらの選手にあっという間に惨敗してしまいます!」
花丸「ざ、惨敗!」
ダイヤ「そう!10-0で負けることになりますよ?」
ルビィ「じゅ、10-0!」
ダイヤ「そうならないためにも、相手の事をよく知っておくのです!」
そう言うと、ダイヤはホワイトボードに選手のデータを貼り付けた。
ダイヤ「まずは南葛のキャプテン、岬太郎です!フィールドのアーティストと呼ばれる彼は大空翼に引けをとらないMFです!」
大空翼とはゴールデンコンビとして知られている。当然、翼の全力プレーについて行くだけの実力はあるということだ。
ダイヤ「続いて、ファンキーガッツマンと呼ばれるDF、石崎了!彼は気合のブロックで、幾度となくチームの危機を救ってきました!」
テクニックはないが、その分ガッツで頑張るのが石崎。代表的な技は、顔面ブロックだ。
ダイヤ「そして、全日本の俊足FWと言われた、新田瞬!すばやいドリブルと必殺シュートを持つストライカーです!」
彼は日向に次ぐ全日本のFW。代表的な技は隼シュートだ。
ダイヤ「これらが特に要注意な選手です。ただし、他の選手も今のわたくしたちより高い実力を持っています」
他にも…修哲3トリオといわれる井沢守、来生鉄平、滝一。新田と大友カルテットで知られている浦辺反次、中山政男、岸田猛。全日本ジュニアユースの経験がある高杉真吾、森崎有三がいる。
ダイヤ「ですので…この短期間で勝利するには効率の良い練習が求められます」
善子「わかった!果南が考えたあのランニングは非効率的ってことね!」
ダイヤ「いえ。体力づくりは基礎中の基礎なので、多く時間をとってやるべきです」
果南「ヨハネにはもっと時間を取った方が効率いいかもね」
善子「ダメダメダメ!冗談だから許してぇ!」
ダイヤ「では、どこを効率良くやるべきか…ここからは鞠莉さんと風見監督に話してもらいましょう」
ダイヤは鞠莉と風見にバトンタッチ。2人がホワイトボードの前に立つ。
鞠莉「じゃあ、ここからどうやって練習するか、マリーが説明するわ」
ルビィ「ひょっとして…イタリアが関係してるのかな?」
鞠莉「ザッツライト!」
ダイヤ「さすがルビィ!この勘の鋭さは試合でも役に立ちます!」
善子「うは!すごい勢いでルビィの事褒めるわね」
千歌「うーん、私も末っ子だからこうやってかわいがられるの、分かっちゃう?」
鞠莉「さて、ルビィが言ったとおり、マリーがイタリアで学んだ事をもとに練習していくわ。実はイタリア、現代サッカーの始祖としてとても注目されてるの!」
フレイ「ドイツの女子サッカーも発展してるけど、イタリアの存在が大きいって聞いたことある」
鞠莉「そうね…イギリスがサッカーの母国ならイタリアは現代サッカーのパイオニアよ!」
千歌「ぱ、ぱいおにあ?」
梨子「先駆者って意味で、要するにここでは最初に現代サッカーのやり方を見つけた国ってことだよ」
鞠莉「日本では今年から男女共同の大会が行われるようになったけど…イタリアは2年前から、それも世界で最も早く行われるようになったのよ!」
果南「イタリアの女子サッカーのレベルは今から話す現代サッカーを最初に実践して急激に上がったってこと?」
鞠莉「ザッツライト!イタリアで4つ、それが世界中に広まったってこと!」
風見「具体的には、必殺技の進化、シュートチェイン、必殺タクティクス、選手にぴったりなシューズ、スパイクです」
善子「分かりやすいのとそうでないのがあるわね」
アイシー「どれが分かりやすそう?」
善子「そうね…必殺技の進化とかは分かりやすいでしょう?」
風見「そうですね。その名の通り、必殺技は使い続けることで進化していきます。ダイヤさんが使うドライブシュートなら、V2…V3…V4…Aといった具合になります」
善子「剣を何度も使って練度を上げていくってかんじね!ゲームみたいでかっこいいわぁ…!」
花丸「まず善子ちゃんは必殺技を覚えてないずら」
善子「なによ!ずら丸も覚えてないでしょう!?」
花丸「マル、毎日必殺シュートを覚えるために練習しているずら」
鞠莉「ええ。マリーに相談してきて、たーくさん特訓しているわ!」
善子「2人はFWだからね。私は…」チラっ
善子はふと果南の方に目線を向ける。
果南「DFでしょ?いくらでも協力するよ」
善子「うう…一見とても優しいお姉さんだけど…」
善子(でも…優勝目指していることわかってここに来たんだから…逃げれば堕天使ヨハネの恥!それに必殺技、やってみたい!)
善子「スピニングカット、かっこいいからやってみたいわ!お願いします!」
果南「いいよ!ただし、特訓は厳しいからね!」
梨子「私も、ここのみんなに負けない様にもっと頑張らなきゃ!」
風見「明日からは必殺技の練習、同時並行でスパイク、シューズのための測定を行います」
千歌「残りの2つは?」
風見「それはもうちょっとチームレベルが上がってからです。チームワークがないと必殺タクティクスは出来ませんし、シュートチェインは必殺技がなければそもそも不可能ですから」
千歌「チームワークかぁ…一応練習を通じて仲良くはなっていってるけど」
風見「優勝を目指すなら11人全員の絆が不可欠。グループの形成は避けたいところです。サッカーバトルで、定期的にメンバーをシャッフルしているのもそのためです」
千歌「11人全員の絆…私がみんなと仲良くなれたらいいな」
現代サッカーの4つの要素…次回からはそれをものにするための練習をすることになるのだった。
試合まで後2話です。1話は出来ているので、明日上げます。
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