キャプテン翼!サンシャイン!!   作:バシム

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今回は過去編です。

輝こうからもシーンの切り抜きをさせていただきました(もちろん許可は取っています)。


フラン達の過去

 

竜太(なんだここは…研究所?)

 

フランの念能力で映像が直接流れてきたラブライバーズのメンバー。そこにはフランと、少し離れた地点に3人の研究員がいた。

 

 

 

フラン「…」

 

そのフランは天馬達と出会った時の優しい少女の姿。しかしその時よりさらに身長が小さく、幼い頃のフランと考えられる。そしてその幼いフランはヘッドギアをつけて研究所のイスに座っていた。

 

 

 

ビリビリビリビリビリ!!!

 

フラン「あ…!あああァァァァ!!!!」

 

イスに電流が流され、フランは苦痛に絶叫する。それと同時に、フランの身体からオーラが発せられて周りのオブジェクトが浮き上がる。念能力が発動しているのだ。

 

 

研究員A「思った通りだ…あの子の力は計り知れない」

 

フランが苦しむ中、その様子を見て研究所のメーターを確認してそう言う研究員。念能力の実験をしていたのだ。

 

 

 

シュナイダー(これは…!非人道的な人体実験というヤツか…)

 

その後もフランは身を削るような実験をされる。研究員たちは念能力を強めるために、戦場の映像を見せて恐怖心を感じさせたりもしていたようだ。

 

 

 

そして、映像はいつの間にかフランが扉の前に一人で体操座りをしている場面へ。

 

 

 

フラン「ハァ…ハァ…」

 

フラン(逃げたい…こんなの耐えられない!お母さんとお父さんに会いたい!)

 

フランは度重なる実験で心身共に疲弊していた。今すぐにでも研究所から逃げ出そうとしていた時…ドア越しに研究員の話し声が聞こえた。

 

 

研究員A「フランは兵器として最高の力を秘めている。しかし実験を嫌がり、このままでは逃げ出してしまうかもしれない」

 

研究員C「もし敵の手に渡るぐらいなら…殺すしかない」

 

フラン「っ!?」

 

扉越しにとんでもない話を聞いた。どうやら自分が逃げ出しそうなことは把握されている様だ。そして逃げ出すとなんと殺す気であるという事も聞いてしまった。

 

 

研究員A「しかし…そんなことをすれば我々を信じて預けてくれた親御さんを騙すことになるのではないか?」

 

研究員B「問題ない。どうせ親は子供を化け物と思って我々に預けたんだ」

 

研究員C「『セブンス』のレッテルがある以上、子供たちは普通の生活は送れない。我々国家の為に力を使うことのほうが親としても子を産んだ喜びだろう」

 

研究員A「確かに…それにあの子たちは所詮道具に過ぎんからな」

 

フラン「う、うぅ…!」

 

研究員の話を聞いたフランは悲しみに顔を歪める。どうやら親も『セブンス』という力を持っている自分を化け物と思い、実質捨てているらしい。

 

 

竜太(なんて奴らだ…こんなのSSCの親よりタチ悪いじゃねえか!)

 

その後…フランは逃げ出すことも出来ず、力を引き出すための実験に駆り立てられる毎日が続く。しかし…その日々は突然終わりを迎える。

 

 

 

 

 

 

ドゴオオオオオォォォォォォンッ!!!!!

 

 

 

 

フラン「うわああっ!?」

 

なんと突然研究所が大爆発。どうやら反物質爆弾という未来の超兵器によるものだった。フランはセブンスの力で咄嗟に身を守る。

 

 

フラン「…」

 

爆弾が落ちた後、あたりは異常な程の静けさに包まれる。いつもフランを過酷な実験に駆り立てる研究員も、いくら待っても来る気配を見せない。

 

 

サン「姉さん!」

 

フラン「サン!それにアスタ!」

 

研究員の代わりに現れたのは、研究所内で同じ力を持つサンとアスタ。彼らはここでフランと知り合ったのだ。

 

 

アスタ「フラン、さっきの反物質爆弾でここにいるのはみんな死んだ…」

 

サン「もう研究員もいない!ボク達は自由だよ!」

 

フラン「ウソ…!?」

 

どうやら研究所の人間は全員死んだようだ。つまりフランは自由の身。そうと決まれば早速研究所の外に出るぞ。

 

 

 

アスタ「今まで研究所の中にこもりっきりだったけど、やっと外に出られるんだ…!」

 

サン「もしかして、母さんたちに会えるのかな…これで普通の生活が出来るのかな」

 

歩きながら期待に胸を膨らませる3人。遂に太陽の光のさす場所へ。そこに向かって歩いて外に出た!

 

 

 

フラン アスタ サン「っ!?」

 

しかし歩いた先には言葉にならない光景が広がっていた。研究所の周りには他の建物や植物があったのだが、それが全て砂漠に変わっていた。空や地平線の向こうまで見渡しても生き物の気配はゼロ。廃墟や廃村すらない。

 

 

 

 

フランたちの世界は、戦争の末に滅びたのだ…

 

 

 

 

__________________

 

 

 

 

天馬「っ!?」

 

翼「フィールドに戻ってきた…」

 

選手たちの視界はフランの過去からフィールドに戻ってきた。目の前には変わらずフランが立っている。

 

 

フラン「理解した…?これが戦いの生み出す結末。憎しみと悲しみの果てに、最後には全てが消える」

 

日向「これはとんでもねえ話だ…だからお前は戦いを憎むようになったんだな」

 

龍也「だがそれとこれとでは話が別だ。確かに戦争は痛いし、苦しいし、悲しいし、憎しみを生む。でもサッカーを消していい理由にはならない」

 

竜太「確かにラフプレーやケガとかはあるが、それでも憎み合う殺し合いじゃないんだ。そんな戦いが世界を滅ぼす事態を引き起こすわけがないって、それだけの力を持っているキミなら分かるだろ?」

 

アスタ「それはどうかな!」

 

フランの過去を理解した上で、彼女のやろうとすることに反論するラブライバーズ。しかしそこにフィールドに戻ってきたアスタ達が。

 

 

 

アスタ「サッカーは憎しみを生む戦いだ…今からオレがそれを見せてやる。姉さん!力を貸してくれ!呼び出した連中の過去をこいつらに見せてやりたい」

 

フラン「分かったわ。サッカーの生む憎しみや悲しみ…それを思い知れ!」

 

そう言うとまたラブライバーズの選手たちの視界が真っ暗に。そして今度は…アスタに呼び出された悪党たちの過去が映像となって流れていく…

 

__________________

 

 

 

栗松「ぐすっ、うっ…うっ…ううぅ…!」

 

円堂達の時代のイナズマキャラバン。その中で栗松が泣きながら手紙を描いていた。

 

 

風丸さんが言ってた通りでやんす。

いくら練習やっても、エイリア学園には

かなわないでやんす。

もし、あのジェネシスを倒せたとしても

また新しいチームが現れるかもしれない

キリがないでやんす。

自分、もう限界やんす。

すみません.

キャプテン

 

 

円堂(なんだ…?栗松は大阪でケガしたんじゃ…いや、そこじゃない。風丸も栗松も、エイリア学園との戦いで本当に苦しかったんだ。あの時のオレはそれを分かってやれなかった…だから風丸達はダークエンペラーズに…)

 

__________________

 

 

―スウェーデンのとある公園―

 

 

レヴィンのいる世界。ここには人の願いをかなえてくれる乙女の女神像があった。

 

 

カレン(今日の試合もケガがありませんように……そして、レヴィンのチームが試合で勝ちますように……どうかお願いします)

 

その女神像に祈りを捧げていたのはカレンという金髪の少女。彼女がレヴィンの恋人だ。

 

 

カレン「アラ、いけない。早くしないとレヴィンの試合が始まっちゃう!」

 

そう言うとカレンは急ぎ足で試合会場に向かい始めた。

 

 

カレン「今日は大事な全国大会決勝戦なのに…」

 

ブーブー!!

 

運転手「あぶない!」

 

キィィ!!!ガシャアアァァン!!

 

しかし道中でトラックがカレンに激突してしまった。…レヴィンのフィアンセはそこで人生の幕を閉じてしまった…

 

 

 

 

 

レヴィン(何が乙女の女神像だ…こんなものがなければカレンが公園にくることもなかった)

 

レヴィン(でも一番悪いのは……責任があるのは……)

 

レヴィン(このボクだ……)

 

残されたレヴィンは心を閉ざすようになってしまう。彼はサッカーとカレン、2つの翼によって支えられていた…しかし、カレンが死んで彼にはサッカーという片方の翼しかない。

 

 

 

そして…

 

レヴィン「ボクは完成させた……このレヴィンシュートを完成させたんだ!」

 

 

レヴィン「うおおおおお!!」ドガァ!!

 

 

バゴォン!!!

 

 

レヴィンは必殺シュートで乙女の女神像を粉砕した…

 

 

レヴィン(ドイツに渡る前に、どうしてもこれだけはやっておきたかった。カレンの命を奪うきっかけになった女神像は破壊した)

 

レヴィン(そして、ボクとカレンの夢の前に立ちはだかるやつも……同じようにたたきつぶす!)

 

 

レヴィン(ボクがフィールドの破壊神になるんだ!!)

 

 

龍也(あのレヴィンという男、恋人を失ったのか。その結果、恋人との夢を歪んだ形で叶えようとしている…!)

 

__________________

 

 

『以上です。この18名が今大会の日本代表です』

 

善子『』

 

仲間が遠くへ行ってしまった。

あの時、私はテレビの前でそう確信した。

唯一、私の人間としての個性 堕天使を認めてくれた仲間が、私の行けない場所へと行ってしまった。

私は怖かった。また1人になるのか。また孤独に生きなければならないのか

 

 

花丸『…』

 

潔く諦めていた。

テレビで見る必要も無いと思っていた。でも―――なんでだろうなぁ…あの日、マルはテレビの前で呆然としていた

 

 

千歌(これって…私たちの世界とは違って善子ちゃんと花丸ちゃんだけ代表に入れなかったって事なのかな…?)

 

千歌は向こうの世界の善子と花丸を見ていた。こちらでは全員代表入りできたが、向こうでは善子と花丸は代表入りすることが叶わず…彼女たちは取り残されることになったのだ。

 

 

 

花丸『善子ちゃん』

 

善子『……』

 

ひどい顔だった。

赤く腫れ、子供のように泣きじゃくった跡がある。

虚ろな目には何も考えられない絶望の感情―――あぁ、そうか、善子ちゃんも諦めて『私ね、転校するかも』

 

 

――――――え、

 

 

 

花丸『…善子、ちゃん?』

 

善子『私は諦められないの。分かっていたけど、私は代表としてサッカーをしたい』

 

花丸『…ぇ、よ、善子…ちゃん?』

 

善子『北也さんが帝国女学院に転校してレベルの高い特訓をすれば、まだ可能性があるって言ってた。私は死んでもチャンスに食いつくわ』

 

花丸『……!……!!』

 

 

諦めて―――ない?

絶望に叩き落とされてもなお、善子ちゃんは抗おうと…這い上がろうとするのか

 

 

善子『悪いけど、しばらく会えなくなるわね』

 

花丸『………』

 

 

往生際が悪い、と思ってしまった自分が嫌いになりそうだった。

 

そして数日後、マルは自分が完全に孤立していたことに気づいた

 

岬(花丸ちゃん…代表に選ばれなかったこと…いや、それ以上にみんなと心が離れていっていたんだ…)

 

 

 

善子『"Deep Resonance"?』

 

志満『そうよ。私じゃ完成することはできなかった…でも、善子ちゃんなら…!!』

 

これで強くなって、私を"生きている人間"として受け入れてくれる仲間たちの元へ行ける!

…そう、思っていた

 

 

善子『ゼェ……ゼェ…』

 

志満『…足りない、わね』

 

善子『……足りない』

 

あと一歩。志満さんが登りつめたところまで来た時だった。

挫けたのだ。そこから全く進歩がなくなったのである。

これでは完全に共鳴を使いこなすなど、不可能であった

 

龍也(魔王が見せていた超反応はこっちの善子の技だったのか。強い分習得は困難だと思うが、どうする気だ…?)

 

 

 

志満『足りない…いえ、違うわ。何が邪魔しているのよ』

 

善子『邪魔?』

 

志満『共鳴は何も考えないで、全細胞に意識を広げる技。でも、何かがその集中を邪魔してる』

 

善子『…邪魔』

 

 

無心になりたくても離れない。

いつまでも付き纏うもの。

心の中に張り付き、自らそこに縛り付けている邪魔な存在

 

 

 

 

善子『……ぁ、』

 

 

 

 

 

 

 

堕天使ヨハネだった

 

 

 

 

善子『…堕天使のせいで、共鳴が使えない』

 

 

共鳴が使えなければ、私は日本代表にはなれない。仲間たちの元へと行けない。

だが堕天使がなければ、私には何も残らない。空っぽな、何故生きているのかわからないような人間。生き地獄になってしまう。

 

私はどちらが正解なのか。

どちらを選べばいいのか。

悩んで、悩んで、悩みまくった

 

 

その結果ーーー

 

 

 

 

 

ーーージョキッ!!

 

 

善子『…』

 

 

ジョキッ!!

 

 

私はーーー堕天使を捨てたのだ

 

 

ジョキッ!!

 

 

堕天使を捨て、サッカー選手を選べば、サッカーが私の個性として。

新しい私の個性をみんなが受け入れてくれる

 

 

ジョキッ!!

 

 

もう、その頃は強くなることだけ。

堕天使ヨハネは邪魔でしかなかった

 

 

善子『…善子玉』

 

 

 

 

ヨハネ『嫌だ!私、死にたくないよ!!』

 

善子『…私はサッカーに出会って、サッカーが本気で好きになったの。もう貴方はいらないわ』

 

ヨハネ『なら、ヨハネもサッカーも両方選べばいいじゃない!?』

 

善子『アンタは邪魔なのよっっ!!!!!』

 

ヨハネ『ひっ……』

 

善子『アンタがいる限り、共鳴は完成しない。 人から哀れみの目を向けられる』

 

ヨハネ『嫌、嫌、嫌』

 

善子『もういいわ。貴方はいらない』

 

 

私はヨハネに刃を向け

 

 

 

ジョキッ!!!!

 

 

 せつ菜(善子さん…サッカーのために、自分のダイスキを捨ててしまったのですね…)

 

 

 

 

真の孤独を、マルは体感していた。

あの頃とはまた違う。図書室で1人、本の世界に入っていた時とは違う。

目的を無くし、ただその場にいるような屍と同じく、マルはただ、呆然と、別の世界へと消えてしまった仲間を遠目に見ていた。

 

そんな状態で本など、読めるはずもなかった。

 

そんな時にマルの元へと来た誘いが、日本代表のマネージャーだった。

希望するならば美奈さんが正式に採用してくれるという内容だった。

それ即ち、完全にサッカーをするチャンスを捨て、仲間を支えることを選ぶという…ある意味の覚悟だった。

 

大切な仲間を支えたい気持ちは勿論あった。でも、サッカーは諦めたくない。でも、諦める以外に道はなかった。ならば即決

 

 

美奈『あ、言い忘れてたけど、2人には日本代表マネージャーをやってもらうからね〜♪』

 

『『『ええぇぇぇぇぇぇ!!!??』』』

 

 

 

日本代表のサッカーを1番近い場所で見ているようで、1番遠い場所で見ていた。

仲間がどんどん進化していく中で、マルはただただただ、見ているしかなかった。

 

そして、ついにその日はやってきた

 

 

ルビィ『お待たせ。理亞ちゃん』

善子『みんな、久しぶり』

 

 

マル以外の浦の星女学院メンバーが、全員、国の代表としてサッカーをすることとなった。

 

日向(国木田…つまり仲間が離れてしまったって事だな。サッカーを諦めたことで…)

 

 

 

その後も、過酷な環境で拷問の様な練習で優しさを失った者、とある高校への憎しみでおかしくなっていく弟を見ることしかできなかった兄、強い周りの選手に追いつけず、堕天使に魂を売った者…そんな過去が選手に次々と流されていった。

 

__________________

 

 

 

翼「っ!?」

 

日向「戻ってきたみたいだな」

 

フラン「どう…?サッカーがいかに憎しみや悲しみを生むか、これで分かってもらえたかしら」

 

アスタ「だけどそれもこれで最後だ。姉さん、後半でこいつらは必ず潰す。そこで見ていてくれ…!」

 

竜太「…」

 

フランはフィールドの外に出て、両チームポジションにつく。いよいよ後半戦だ。

 

 

 

翼「天馬くん…」

 

天馬「翼さん?」

 

翼「絶対に勝つぞ!」

 

天馬「はい…!」

 

 

 




輝こう善子ちゃんの代表に入るまでの過去は本当に辛いものがある…

現実でも起こりうる話ですよね、これ…
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