―大会用ホテル―
曜「かんぱーい…」
浦の星は食事会をしている。もっとも、祝勝会とはいかなかったが…
理亜「ま、ただで負けなかっただけよしよ」
善子「ちょ!なんであなたがこんなところにいるのよ!」
鞠莉「練習に協力してくれたお礼よ。スペシャルサンクス!」
松山「こちらこそだ。すぐに帰らなくて良かったぜ」
三杉たちも誘っていたようだ。それぞれ思うところを話す。
松山「日向はすごかったな…」
三杉「ああ。ワールドユースでも必ず戦力になるよ」
千歌「ワールドユース?」
三杉「今年ブラジルで開催される19歳以下の男性選手が出場できる大会さ」
鞠莉「私たちは出れないわね…」
松山「男女混合のサッカーはまだ先の話だからな」
フレイ「実は、性別と国籍を問わずに開かれるサッカー大会がドイツで開催されるんだよ」
聖良「そうなのですか?」
新田「国籍問わずって…どういうことだ?」
フレイ「違う性別や国籍で、本来なら絶対に一緒のチームで戦えないであろう選手たちが一堂に会して同じチームで試合をするんだよ。その名もオールスターゲーム」
千歌「すごい!出場条件とかはあるの!?」
フレイ「申し込みをすればOK。ただ、世界有数の選手が集うから、相当実力をつけていないと負けばっかりになってしまうよ」
千歌「それでも世界有数の選手と触れ合いたい!負けを怖がっていたら、動けなくなっちゃうよ」
梨子「千歌ちゃん…悔しくないの?」
千歌「それは…悔しいよ。実際、そんな思いをサッカー始めた頃から何回も…特に最初は同じチームの子に負けてばっかりだった」
千歌「そういう時はホントに悔しくて、泣いたこともあったよ。最初は何もできなくて…そんな時に、鞠莉ちゃんに言われたんだ。その悔しさがあれば、次はきっと勝てるよって」
鞠莉「オーウ、言ってましたね…実はこれ、誰かの受け売りデース!」
千歌「そ、そうなの!?」
鞠莉「ええ。マリーに教えてくれた人も同級生から教わったって言ってて…名言は天下のまわりモノよ」
千歌「だったら、今度は私がみんなに伝えるよ!負けて悔しいけど、その悔しさがあれば、次は絶対に勝てるって!」
ダイヤ「では、それを最大限生かすために、やりますわよ。反省会」
こうして東邦戦の反省会に。
梨子「フレイちゃん、最後は何考えてたの?」
フレイ「ああ、練習で3人でやったシュートだよ。千歌ちゃんがすごいマジンを出したから、これで合体技をすれば最後に1点取れるんじゃないかって。名付けてソード・オブ・ファイア」
千歌「すごそうだね!」
三杉「僕が言った、器を大きくするというものだね」
松山「だが、自陣ゴール前だぞ?」
フレイ「説得力ないよ。とにかく、あのすごいマジンの力を活かせば、出来る」
三杉「でも、高海さんに負担がかかることも言っていたはずだよ。恐らく、発動できても延長戦で体力を切らせて負けだったと思う」
梨子「そっか…」
果南「となると、私達守備陣の問題だね…」
ルビィ「うう…ごめんなさい」
ダイヤ「こら!ルビィを悪く言うなら、許しませんわよ!」
果南「なんでそうなるのさ…」
三杉「まあ、相手は日向だったんだ。君たちのプレイにも悪いところは見つからなかった。誰が悪いとか言わず、今は頑張った皆を讃えようじゃないか」
千歌「そうだね…では改めて!みんなの健闘を讃えて、かんぱーい!!」
その後は、楽しい話をして過ごした千歌たちであった。
―東邦学園―
東邦では、本当に祝勝会が行われていた。
吉良「うぃ~」
マオ「この人、もう酔っぱらってマース」
吉良「そんなことはないぞぉ?日向、今日は見事だった。さすがはワシが見込んだ男じゃ」
沢田「それでは!東邦学園V2を祝して、乾杯!」
東邦「乾杯!」
日向「さて…次はジャパンカップだな」
サウソン「ジャパンカップ?」
沢田「ワールドユース選手権に向けて、日本で行われる大会です。ヨーロッパ・南米のクラブチーム、ウルグアイユースが出場します。翼さんもブラジルのクラブチームで出場するんです!」
サウソン「ツバサ…」
日向「流石に知っているな?」
サウソン「うん。全日本ジュニアユースのキャプテン…そして優勝に導いた」
マオ「所詮はまぐれデスが」
日向「なんだと!」
マオの一言にカチンとくる日向。翼は全日本で共に戦った仲間だ。バカにされて頭に来ないはずがない。
日向「もういっぺん言ってみろ!」
マオ「…っ!」
沢田「日向さん!ダメですよ暴力は!」
マオ「ちょっと強くなったからって調子に乗らないでください!日本サッカーは、ヨーロッパや南米の足元にも及びまセン!」
日向「調子に乗っているのはお前だ!翼は…俺たち全日本はそんなものだって乗り越える!」
吉良「まぁ落ちつけぇい。そういえば、お前はどうやってあれほどの力を得たのだぁ?」
酔っぱらいながら日向に聞く吉良。
日向「吉良コーチが送ってくれた新種のブラックボールのおかげです」
吉良「新種のブラックボールゥ?そんなものはないぞぉ?」
日向「えっ」
サウソン「ちょっと!詳しく聞かせてください!」
日向「山で特訓していたら、ブラックボールより重い黒と紫のボールがあったんだよ。それで特訓したんだ。重すぎて持ち運びがきついから山にほったらかしの状態だ」
サウソン「そこ…案内して」
日向はサウソン、マオと一緒に山に行くことに…
―山―
日向「ここだ…ん?ブラックボールがないぞ。あれだけ重いものをどうやって…」
サウソン「しまった…!もう先を越されてる」
マオ「これはまずいデス」
日向「どういうことだ?俺に話せ」
サウソン「どんなにおかしくても冗談だと思わず真面目に聞く?」
日向「どうやらかなりヤバい状況のようだな。分かった。どんなことを聞いても信じる」
サウソン「実は…」
視点は再び浦の星陣営に。ちょうど食事会が終わったあたりだ。
新田「それじゃ帰るとするか。あ、そうだ。ワールドユースの前にジャパンカップってのがあるから、見てくれよな」
ダイヤ「はい!是非とも拝見します!」
アイシー「鞠莉ちゃん…今までありがと」
鞠莉「こちらこそよ。ここまで来れたのはあなたのおかげでもあるんだから…両親探し、成功しますように」
風見「引率者として、必ず達成してみせます」
―???―
どこかの施設の中だ…通信機を使ってモニター越しに会話をしている。
「失ったメンバーとエイリア石の回収が完了しました。双方、以前より力を増しています」
「ククク…果たして戦力になるのか?」
「それは使ってみなければわかりません。まあ、あくまで私たちは利害の一致で協力しているだけ…そちらの問題はそちらで対処して下さい」
「言われなくても分かっている。こちらでも計画は順調に進んでいるのだ。青空翔…奴の理想を粉々にしてくれる。俺が一番強いのだ!」
「そうですか…ではまた」
通信を切った。
「何が俺が一番強いよ…あんなの信用していいの?」
「こっちは人が不足していますから。いないよりは遥かにマシです。それに、態度はアレですが彼の技術はなかなかのものです」
「全てはお父様の望みをかなえるために…」
「はい。そのために、私たちの手でエイリア学園を再興させましょう」
千歌たちの全く知らないところで恐ろしい計画が動き始めていた…それがどんな影響を及ぼすのか、まだ誰も分からない…
第三章へ続く…
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